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びじゅつしつ
びじゅつしつ
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少女は委員会の仕事の後、先生にお使いを頼まれる。
美術室に行って、美術の先生を呼んできて欲しいと。
もう夕方で日も暮れかけている。
先生が忙しいのはわかるが、自分をお使いに使わないで欲しい、少女はそう思った。
少し不貞腐れた顔をして、少女は職員室を出て、それでも美術室へと向かう。
夕日に照らされた放課後の学校はどこか不気味だ。
廊下の電気ももう消され、窓がある場所だけ夕日に照らされている。
後は暗い影に染まっている学校だ。
しかも、美術室のある特別教室のある校舎は少し離れた位置にあり、長い廊下を歩かないといけない。
少女はそんな少し不気味な廊下を歩く。
何事もなく少女は美術室に到着する。
中には美術の先生が居て、何かのスケッチを描いていた。
少女が声をかけると、美術の先生が驚いて少女の方に振り返る。
少女は別の先生が呼んでましたよ、と伝える。
そうすると美術の先生は、もうこんな時間だったか、ありがとう、と、少女に礼を述べた。
そこで少女は美術の先生が描いていたスケッチを見る。
鉛筆のみで描かれた化け物の姿があった。
少女はそのスケッチを見て顔を歪める。
そして、なんですか、この絵は? と、美術の先生に聞く。
すると美術の先生は、少し不思議な顔をする。
ああ、うん、たまに見るんだ、この美術室で、と答えた。
少女は、は? と、素で返してしまう。
だが、美術の先生は先ほどまで、そこにいたんだがな、と、そう言って、美術室の隅の方を指さした。
ついでに、スケッチで描かれている化け物は、体のパーツがツギハギされたような、そんな化け物だ。
美術の先生が描いた物だけあって、妙なリアリティもある。
少女は、視線を美術室の隅に移動させる。
そこには様々な色の絵の具を雑巾でまとめてふき取ったような、そんな色をしたツギハギの怪物が膝を抱えて体育座りしていた。
少女は息を飲む。
美術の先生もそれに気づく。
ほら、いただろ? と笑い、動かないから危険はないよ、と、少女にむかいそう言った。
少女が息を飲んだのは、化け物を恐れてではない。その化け物に目を奪われたからだ。
なぜだが、不気味で気持ち悪い化け物が少女には、歪ながらに美しいものに思えてしまったのだ。
その化け物を、とても不気味な姿をしているというのに、絵に描きたいという衝動に駆られてしまう。
翌日、少女は美術部に入部した。
あの化け物を描くためにだ。
この学校の美術部員は皆に多様な絵を描く。
だが、それは誰にも理解できなような奇怪な物ばかりだ。
美術室に行って、美術の先生を呼んできて欲しいと。
もう夕方で日も暮れかけている。
先生が忙しいのはわかるが、自分をお使いに使わないで欲しい、少女はそう思った。
少し不貞腐れた顔をして、少女は職員室を出て、それでも美術室へと向かう。
夕日に照らされた放課後の学校はどこか不気味だ。
廊下の電気ももう消され、窓がある場所だけ夕日に照らされている。
後は暗い影に染まっている学校だ。
しかも、美術室のある特別教室のある校舎は少し離れた位置にあり、長い廊下を歩かないといけない。
少女はそんな少し不気味な廊下を歩く。
何事もなく少女は美術室に到着する。
中には美術の先生が居て、何かのスケッチを描いていた。
少女が声をかけると、美術の先生が驚いて少女の方に振り返る。
少女は別の先生が呼んでましたよ、と伝える。
そうすると美術の先生は、もうこんな時間だったか、ありがとう、と、少女に礼を述べた。
そこで少女は美術の先生が描いていたスケッチを見る。
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少女はそのスケッチを見て顔を歪める。
そして、なんですか、この絵は? と、美術の先生に聞く。
すると美術の先生は、少し不思議な顔をする。
ああ、うん、たまに見るんだ、この美術室で、と答えた。
少女は、は? と、素で返してしまう。
だが、美術の先生は先ほどまで、そこにいたんだがな、と、そう言って、美術室の隅の方を指さした。
ついでに、スケッチで描かれている化け物は、体のパーツがツギハギされたような、そんな化け物だ。
美術の先生が描いた物だけあって、妙なリアリティもある。
少女は、視線を美術室の隅に移動させる。
そこには様々な色の絵の具を雑巾でまとめてふき取ったような、そんな色をしたツギハギの怪物が膝を抱えて体育座りしていた。
少女は息を飲む。
美術の先生もそれに気づく。
ほら、いただろ? と笑い、動かないから危険はないよ、と、少女にむかいそう言った。
少女が息を飲んだのは、化け物を恐れてではない。その化け物に目を奪われたからだ。
なぜだが、不気味で気持ち悪い化け物が少女には、歪ながらに美しいものに思えてしまったのだ。
その化け物を、とても不気味な姿をしているというのに、絵に描きたいという衝動に駆られてしまう。
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だが、それは誰にも理解できなような奇怪な物ばかりだ。
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