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むしあついへや
むしあついへや
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梅雨の時期、横殴りの雨が降っている。
雨なのにその日は暑かった。
とても暑かった。
過ごしにくい暑さだった。
その上、少女の部屋の窓は一つで、その窓も横振りの雨でとてもじゃないが開けられもしない。
そんな状況だった。
クーラーをつけるべきか、少女は悩む。
だが、暑くはあるのだが、どちらかというと蒸し暑いのだ。
暑さよりも、むしむしした空気が少女には苛立たしかった。
どちらにせよ、クーラーをつければ解決する話だ。
だが、少女は迷う。
親が常日頃から、光熱費が高い高いと、そう言っているのを知っていたからだ。
仕方なく少女は蒸し暑い自分の部屋を出てリビングに行く。
そして、雨が降り込んでこない側の窓を開ける。
雨のせいもあって、少し湿った冷やされた空気が部屋に入り込んでくる。
それだけでも十分に涼しい。
さらに冷蔵庫からコップに氷を入れ、それに冷たいお茶を注いで手に持つ。
それを一口飲むだけで、爽快な気分にもなれた。
お茶を飲み終えた少女はリビングの窓を閉めて、渋々自分の部屋に戻る。
そこで自分の部屋のドアを開けたときだ。
むわっとするほどの空気を少女は感じる。
少女がいない間に、少女の部屋の蒸し暑さが倍増しているようにすら思える。
少女は宿題をしなければならなかったが、自分の部屋でやることを諦め、宿題を持ってリビングに行こうと準備をする。
あまりにも蒸し暑さに、少女の視界が歪んだように見えた。
その瞬間だ。
自分の部屋が黒いカビだらけに見えたのだ。
少女は何事かと思って、よくよく確かめた。
壁も天井も、机もベッドも黒いカビに覆われている。
少女がその光景に悲鳴を上げようとしたとき、もう一度視界が歪む。
そうするといつもの自分の部屋に戻っていたのだ。
あの黒いカビまみれの部屋の様子は何だったのか、少女にはわからない。
だが、少女は知っている。
カビは湿気が好きなのだと。
だから、少女は迷わずクーラーをつけた。
そして、冷えた自分の部屋で宿題を始めた。
それからは、そんな物を見ることはなくなった。
雨なのにその日は暑かった。
とても暑かった。
過ごしにくい暑さだった。
その上、少女の部屋の窓は一つで、その窓も横振りの雨でとてもじゃないが開けられもしない。
そんな状況だった。
クーラーをつけるべきか、少女は悩む。
だが、暑くはあるのだが、どちらかというと蒸し暑いのだ。
暑さよりも、むしむしした空気が少女には苛立たしかった。
どちらにせよ、クーラーをつければ解決する話だ。
だが、少女は迷う。
親が常日頃から、光熱費が高い高いと、そう言っているのを知っていたからだ。
仕方なく少女は蒸し暑い自分の部屋を出てリビングに行く。
そして、雨が降り込んでこない側の窓を開ける。
雨のせいもあって、少し湿った冷やされた空気が部屋に入り込んでくる。
それだけでも十分に涼しい。
さらに冷蔵庫からコップに氷を入れ、それに冷たいお茶を注いで手に持つ。
それを一口飲むだけで、爽快な気分にもなれた。
お茶を飲み終えた少女はリビングの窓を閉めて、渋々自分の部屋に戻る。
そこで自分の部屋のドアを開けたときだ。
むわっとするほどの空気を少女は感じる。
少女がいない間に、少女の部屋の蒸し暑さが倍増しているようにすら思える。
少女は宿題をしなければならなかったが、自分の部屋でやることを諦め、宿題を持ってリビングに行こうと準備をする。
あまりにも蒸し暑さに、少女の視界が歪んだように見えた。
その瞬間だ。
自分の部屋が黒いカビだらけに見えたのだ。
少女は何事かと思って、よくよく確かめた。
壁も天井も、机もベッドも黒いカビに覆われている。
少女がその光景に悲鳴を上げようとしたとき、もう一度視界が歪む。
そうするといつもの自分の部屋に戻っていたのだ。
あの黒いカビまみれの部屋の様子は何だったのか、少女にはわからない。
だが、少女は知っている。
カビは湿気が好きなのだと。
だから、少女は迷わずクーラーをつけた。
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それからは、そんな物を見ることはなくなった。
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