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第2章 初めてのダンジョンクエスト
【4】ヴァンさんのためにお仕置きしちゃうぞ!
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衝撃の事実、リリアはヴァンさんをストーカーしていた!
そのことを知った僕は、なんて悪いことをしているんだと感動したんだ。
でも、僕はこのパーティーのリーダー。だから困っているヴァンさんのために今回だけはいいことをしちゃうぞ。
という志を胸に僕はギルドから出発した。今回受けたクエストは【ダンジョン内にある休息ポイントの物資補充】というもの。本来ならギルドが委託している業者がやる仕事らしいんだけど、事情があってクエストに出されたそうだ。
ということで、僕達の出番という訳。
ただ冒険者だけに任せると物資が盗まれる可能性があるから、監視役として現役を引退した凄腕冒険者だったギルド職員と商人がそれぞれ一人ついてくるそうだ。
まあ、冒険者にもいろいろいて中には僕よりも悪い人がいるらしいしね。仕方ないかも。
「お待たせしました」
「あれ、受付のお姉さんだ。もしかして凄腕の元冒険者って――」
「ええ、私のことよ。あ、名前を言ってなかったね。私はエリーゼ。短い間だけどよろしくね」
受付嬢、いや凄腕の元冒険者エリーゼさんが僕のパーティーに加わった。あとは商人がくれば出発できる。
そう思っていると後ろから「待たせたな!」という声が聞こえた。
振り返るとそこには、とてもダンディーな男性が立っている。左目は黒い眼帯で隠され、額はバンダナで隠れていて、その口には葉巻を咥えていた。
あれ? 僕達が待っているのは商人だったよね。このおじさんのほうが歴戦の冒険者に見えるけど、違うよね?
「あら、コブラさん。久しぶりです」
「おお、アリサちゃんじゃないか。これまた大きくなって、俺は嬉しいよ!」
「コブラさんは変わらないですね。若さの秘訣を教えてくださいよ」
「ガッハッハッ! 若い君には必要ないさ。まあ、敢えていうなら趣味に没頭することさ。そうだな、最近オリハルコン製のナイフを手に入れたんだ。これがまたなかなかの切れ味で、しかも刃こぼれしない。握り心地もよく、まさに使い手のことを考えて作られた志向の一品だ。モンスターとの戦闘以外にも料理や細木の伐採、ちょっとした脅しにも使えるまさに万能戦士といえる用途の広さがある。もしよかったら、使ってみるかいアリサちゃーん?」
「いえ、結構です」
商人のおじさん、いやコブラさんはガッハッハッと豪快に笑っていた。
うん、おじさんの相手はアリサに任せよう。たぶん、そうしたほうがいいや。
「あの、お二人がいるなら私達はいらないきがするんですが……」
僕が抱く疑問をリリアさんがぶつけると、エリーゼさんが答え始める。
「そうもいかないの。実はなかなかの物資があって、それを運ばないといけない。本来だとコブラさんの部下が物資を運んでくれてたんだけど」
「残念なことにあいつら、集団で流行り風邪にかかってしまってな。だから今回は俺とエリーゼちゃん、あとそっちから一人を出してもらって運ぶことになる」
「だから四人でのクエストだったんですか。それなら力がありそうな人を選んだほうがいいですね」
力がありそうな人か。
僕は見た目通りそこまで力はないし、アリサが抜けると戦闘が大変だし、リリアさんも重たいものを持てる感じじゃないか。
とすると、必然的に選ばれるメンバーは――
「じゃあヴァンさん、お願いします」
「俺、一応このパーティーの回復役だが?」
「でも、ヴァンさん以外に適任はいません」
「わかったよ。運んでやるから任せたぞ」
ということでヴァンさんは荷物運びに回ってもらった。
こうして僕達はクエストを達成するために【まどろみの森】というダンジョンへ向かうことになる。
ひとまずダンジョンがある場所までは馬車で移動だ。と言っても、物資を運ばないといけないので荷車を引く荷馬車だけどね。
屋根や壁がついた立派なものじゃないから、ちょっとした風が身体を通り抜けていく。でもまだ温かいからその風がとても心地いい。
このまま穏やかに時間を過ごしたくなるよ。
だけどそれは許されない。なぜなら、リリアさんはヴァンさんのストーカーだからだ。悪いことをしているから、ちゃんとお仕置きしないといけないのだ。
ということで僕は二つの作戦を思いついた。その一つ目を実行するために、僕はあるモンスターを待っていた。
「むっ! スライムが出たぞー!」
お、きたきた。
プルンプルンした見慣れたボディーに、赤く染まった粘液体。うん、いい感じに厄介なのが出たね。
このスライムは【レッドスライム】という名前のモンスター。人に対してはほぼ無害で、だけどとても厄介な存在。
忌み嫌う人も多く、とてもかわいそうなモンスターでもあって、特に女性からは敬遠されていた。
なぜそこまで嫌われてるのか、というとレッドスライムは服や装備品を剥ぎ取るんだ。中には丸裸にされた人もいるらしく、だからとても激しく嫌われている。
できれば戦闘は避けたい存在なんだけど、あいにく今回はそれはできない。
「チッ、道を塞いでやがる。おい、こいつをどうにかしてくれ」
都合のよくレッドスライムと戦闘することになったよ。
よし、それじゃあ作戦を実行しよう。
作戦その一、レッドスライムを利用してリリアさんを丸裸にしてしまおう!
レッドスライムを上手く誘導し、リリアさんにぶつける。わちゃわちゃしている間にリリアさんは丸裸にされ、恥ずかしい思いをしちゃって泣く。
まさにお仕置き! まさに悪いこと!
完璧な作戦に違いない。
あとは、いかにして自然を装ってリリアさんにレッドスライムをふつけるかだ。下手な演技をしたらたぶん、そうたぶんアリサにボコボコにされちゃう。
だから自然な演技をしないとね。
「レイン様、ここでお待ちを!」
僕が剣を抜こうとした瞬間、アリサが荷馬車から駆け下りた。そしてそのままレッドスライムに突撃し、一閃する。
切り裂かれたレッドスライムは分裂するけど、アリサはさらに切り刻む。それはもう止まらないスピードで剣を振り、いつの間にかレッドスライムはいなくなっていた。
「終わりました! レイン様、アリサやりましたよ!」
「……ありがとうアリサ」
忘れてた。アリサってすごく強いんだった。
く、これだとレッドスライムどころか他のモンスターも簡単に倒されちゃうよ。
「相変わらずだな、アリサちゃーん。コブラのおじさん、惚れちゃうよ」
「おじさんには奥さんがいるでしょ? 浮気はダメだから!」
「ハッハッハッ! スマンスマン、カミさんは裏切れないな」
くぅー、せっかくの作戦が。完全な失敗だよ。
でもまだ一つ作戦がある。機会を伺うんだ。
僕が悔しがっていると突然コブラさんが「おわっ」と悲鳴を上げた。
思わず振り返るとそこにはレッドスライムに飲み込まれたコブラさんの姿がある。
「お、ちょっ、あ、それは! ダメだ、ダメだろ! あああぁぁぁぁぁ!!!」
レッドスライムに飲み込まれていたコブラさんがペッと吐き出される。
それはとてもたくましい身体つきで、まさに歴戦冒険者と思えるほどのムキムキ。でもちょっと毛が濃くて、特に胸毛がワシャワシャと生えていた。
つまりは、丸裸にされちゃったんだ。
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
「何見せるんですか、コブラさん!」
「お、おっきい……」
「そんなこと言わないで助けてくれ! ああ、俺の服が持っていかれる!」
騒ぐコブラさんに、悲鳴を上げる女子勢。僕とヴァンさんは呆然とその騒ぎを眺め、どうすればいいかわからないで立ち尽くしていた。
「プルンプルン」
「捕まえてくれ、俺の服が、服がー!」
「アリサ、さっさと倒して!」
「おじさん邪魔! どいて!」
「見ちゃった。あんなに、おっきいんだ……」
僕とヴァンさんは、騒いでいるみんなを見つめてから互いの顔を見る。
そして、レッドスライムの犠牲になったコブラさんのために服を取り戻す戦いに身を投じることになったのだった。
そのことを知った僕は、なんて悪いことをしているんだと感動したんだ。
でも、僕はこのパーティーのリーダー。だから困っているヴァンさんのために今回だけはいいことをしちゃうぞ。
という志を胸に僕はギルドから出発した。今回受けたクエストは【ダンジョン内にある休息ポイントの物資補充】というもの。本来ならギルドが委託している業者がやる仕事らしいんだけど、事情があってクエストに出されたそうだ。
ということで、僕達の出番という訳。
ただ冒険者だけに任せると物資が盗まれる可能性があるから、監視役として現役を引退した凄腕冒険者だったギルド職員と商人がそれぞれ一人ついてくるそうだ。
まあ、冒険者にもいろいろいて中には僕よりも悪い人がいるらしいしね。仕方ないかも。
「お待たせしました」
「あれ、受付のお姉さんだ。もしかして凄腕の元冒険者って――」
「ええ、私のことよ。あ、名前を言ってなかったね。私はエリーゼ。短い間だけどよろしくね」
受付嬢、いや凄腕の元冒険者エリーゼさんが僕のパーティーに加わった。あとは商人がくれば出発できる。
そう思っていると後ろから「待たせたな!」という声が聞こえた。
振り返るとそこには、とてもダンディーな男性が立っている。左目は黒い眼帯で隠され、額はバンダナで隠れていて、その口には葉巻を咥えていた。
あれ? 僕達が待っているのは商人だったよね。このおじさんのほうが歴戦の冒険者に見えるけど、違うよね?
「あら、コブラさん。久しぶりです」
「おお、アリサちゃんじゃないか。これまた大きくなって、俺は嬉しいよ!」
「コブラさんは変わらないですね。若さの秘訣を教えてくださいよ」
「ガッハッハッ! 若い君には必要ないさ。まあ、敢えていうなら趣味に没頭することさ。そうだな、最近オリハルコン製のナイフを手に入れたんだ。これがまたなかなかの切れ味で、しかも刃こぼれしない。握り心地もよく、まさに使い手のことを考えて作られた志向の一品だ。モンスターとの戦闘以外にも料理や細木の伐採、ちょっとした脅しにも使えるまさに万能戦士といえる用途の広さがある。もしよかったら、使ってみるかいアリサちゃーん?」
「いえ、結構です」
商人のおじさん、いやコブラさんはガッハッハッと豪快に笑っていた。
うん、おじさんの相手はアリサに任せよう。たぶん、そうしたほうがいいや。
「あの、お二人がいるなら私達はいらないきがするんですが……」
僕が抱く疑問をリリアさんがぶつけると、エリーゼさんが答え始める。
「そうもいかないの。実はなかなかの物資があって、それを運ばないといけない。本来だとコブラさんの部下が物資を運んでくれてたんだけど」
「残念なことにあいつら、集団で流行り風邪にかかってしまってな。だから今回は俺とエリーゼちゃん、あとそっちから一人を出してもらって運ぶことになる」
「だから四人でのクエストだったんですか。それなら力がありそうな人を選んだほうがいいですね」
力がありそうな人か。
僕は見た目通りそこまで力はないし、アリサが抜けると戦闘が大変だし、リリアさんも重たいものを持てる感じじゃないか。
とすると、必然的に選ばれるメンバーは――
「じゃあヴァンさん、お願いします」
「俺、一応このパーティーの回復役だが?」
「でも、ヴァンさん以外に適任はいません」
「わかったよ。運んでやるから任せたぞ」
ということでヴァンさんは荷物運びに回ってもらった。
こうして僕達はクエストを達成するために【まどろみの森】というダンジョンへ向かうことになる。
ひとまずダンジョンがある場所までは馬車で移動だ。と言っても、物資を運ばないといけないので荷車を引く荷馬車だけどね。
屋根や壁がついた立派なものじゃないから、ちょっとした風が身体を通り抜けていく。でもまだ温かいからその風がとても心地いい。
このまま穏やかに時間を過ごしたくなるよ。
だけどそれは許されない。なぜなら、リリアさんはヴァンさんのストーカーだからだ。悪いことをしているから、ちゃんとお仕置きしないといけないのだ。
ということで僕は二つの作戦を思いついた。その一つ目を実行するために、僕はあるモンスターを待っていた。
「むっ! スライムが出たぞー!」
お、きたきた。
プルンプルンした見慣れたボディーに、赤く染まった粘液体。うん、いい感じに厄介なのが出たね。
このスライムは【レッドスライム】という名前のモンスター。人に対してはほぼ無害で、だけどとても厄介な存在。
忌み嫌う人も多く、とてもかわいそうなモンスターでもあって、特に女性からは敬遠されていた。
なぜそこまで嫌われてるのか、というとレッドスライムは服や装備品を剥ぎ取るんだ。中には丸裸にされた人もいるらしく、だからとても激しく嫌われている。
できれば戦闘は避けたい存在なんだけど、あいにく今回はそれはできない。
「チッ、道を塞いでやがる。おい、こいつをどうにかしてくれ」
都合のよくレッドスライムと戦闘することになったよ。
よし、それじゃあ作戦を実行しよう。
作戦その一、レッドスライムを利用してリリアさんを丸裸にしてしまおう!
レッドスライムを上手く誘導し、リリアさんにぶつける。わちゃわちゃしている間にリリアさんは丸裸にされ、恥ずかしい思いをしちゃって泣く。
まさにお仕置き! まさに悪いこと!
完璧な作戦に違いない。
あとは、いかにして自然を装ってリリアさんにレッドスライムをふつけるかだ。下手な演技をしたらたぶん、そうたぶんアリサにボコボコにされちゃう。
だから自然な演技をしないとね。
「レイン様、ここでお待ちを!」
僕が剣を抜こうとした瞬間、アリサが荷馬車から駆け下りた。そしてそのままレッドスライムに突撃し、一閃する。
切り裂かれたレッドスライムは分裂するけど、アリサはさらに切り刻む。それはもう止まらないスピードで剣を振り、いつの間にかレッドスライムはいなくなっていた。
「終わりました! レイン様、アリサやりましたよ!」
「……ありがとうアリサ」
忘れてた。アリサってすごく強いんだった。
く、これだとレッドスライムどころか他のモンスターも簡単に倒されちゃうよ。
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思わず振り返るとそこにはレッドスライムに飲み込まれたコブラさんの姿がある。
「お、ちょっ、あ、それは! ダメだ、ダメだろ! あああぁぁぁぁぁ!!!」
レッドスライムに飲み込まれていたコブラさんがペッと吐き出される。
それはとてもたくましい身体つきで、まさに歴戦冒険者と思えるほどのムキムキ。でもちょっと毛が濃くて、特に胸毛がワシャワシャと生えていた。
つまりは、丸裸にされちゃったんだ。
「きゃあぁぁぁぁぁ!」
「何見せるんですか、コブラさん!」
「お、おっきい……」
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騒ぐコブラさんに、悲鳴を上げる女子勢。僕とヴァンさんは呆然とその騒ぎを眺め、どうすればいいかわからないで立ち尽くしていた。
「プルンプルン」
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