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第1章
7:もうちょっとつき合って 前編
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★★黒野鉄志視点★★
闇色と夕焼けに分かれた空が目に入る。
クラクラする頭を抑えつつ、俺は身体を起こした。
「…………」
俺は何をしていたんだろうか。
確かデブに追いかけ回されて、ヤバかったからタクティクスを使って……
そうだ、その後に俺は気持ち悪くなってぶっ倒れたんだ。
今は何時だ。状況はどうなってる?
モンスターに囲まれていてもおかしくないぞ。
俺は慌てて自分の置かれた状況を確認する。
だが、特にモンスターに囲まれている様子はない。
よく見ると寝やすいようにふかふかなシートが敷かれているし、身体が冷えないように薄手の布団がかけられていた。
これは一体……
『起きたのね』
聞き覚えのある声が耳に飛び込んできた。
振り返るとそこには白猫バニラの姿がある。
バニラは退屈だったのか、身体を丸めながら大きなアクビをこぼしていた。
もしかしてバニラが助けてくれたのか?
そんなことを考えていると、バニラがこんなことを聞いてきた。
『アンタ、身体の調子はどう?』
「え? あ、そんなに悪くはないけど」
『ふぅーん。じゃあ、動けるってことね』
「まあ、そうだけど。それより、これは? もしかしてお前が用意したのか?」
『違うわ。まあ、アンタに恩があるからザコから守ってあげたけどね』
「はぁ……」
じゃあ、このシートや布団は誰のものなんだ?
まさか、いやそんな訳ないだろ。
いくら助けたからといって見ず知らずの俺にこんな手厚い介抱をするか?
そんなことを考えていると遠くから「バニラぁー」という声が聞こえてきた。
顔を向けるとそこにはバケツを片手に手を振ってこっちに向かってきている天見アヤメの姿があった。
「言われた通りに冷たい水を持って……」
「お、お世話になってまーす」
俺の姿を見たアヤメは持っていたバケツを落とす。
途端に平然としていた顔が涙であふれていき、そして勢いよく俺の胸へダイブした。
「うぎゃあぁぁぁ!!!」
なんだ、突然どうしたんだ?
というかめちゃくちゃ痛ぇッ!
これは攻撃か? 攻撃なのか?
いや、その前に俺は攻撃されるようなことをしたのか?
俺は訳がわからない状態のまま自問自答しつつ、ひとまず俺の胸へダイブしてきたアヤメに視線を向けてみる。
間近で見たからなのか、配信で見るよりもとんでもなくかわいい。
ああ、なるほど。これは人気が出るかわいさだよ。
「よがっだぁぁ、よがっだよぉぉ」
そんなことを思っていると顔面がとんでもなくひどいことになっていた。
涙だけじゃなく鼻水も垂らしたとんでもない表情を浮かべているアヤメがおり、なんでこんなに泣いているのかわからずに俺は混乱した。
「よがっだぁぁ、じんじゃっだがどおもっだぁぁ」
「え? 泣いちゃうぐらい心配してたの?」
「だっでぇぇ、だっでぇぇ!」
これは、なんだ?
え、演技だよね? 演技だって言ってくれよ。
そうだ、演技だよ。だってこいつは有名配信者だから視聴者数を稼ぐために頑張るんだろ。
じゃあこれはそのために演技をしているんだな?
『その子、アンタのことすごく心配してたからね。ま、頑張って』
おおい、白猫!
なんだその投げやりな説明は!
すごく心配してたからって、そう言われてもこれどうしろっていうんだよ。
あ、ちょっと俺の服で顔拭かないで。
涙と鼻水でビチャビチャになっちゃうんだけど!
「えっと、アヤメさん? 申し訳ないんだけど退いてくれませんか? あと顔拭かないで」
「ボンドによがっだぁぁ! わだぢ、がんばっだげどだめでぇぇ!」
泣かないで!
マジで泣かないで!
ああ、俺の服がどんどん汚れていく。
いや、それよりもアヤメの配信はどうなってる?
さすがに止まっているよな!?
俺は気になったから自分のスマホを使い、アヤメの配信を開いてみた。
するとバッチリ配信は流れており、バッチリ俺とアヤメは映っていた。
〈おのれ謎のクソガキ! よくもアヤメを泣かせたな!〉
〈マジ許さないからなw この罪はしっかり償ってもらうぞwww〉
〈ああアヤメが泣いている こんなアヤメ見たことない ハァハァッ〉
〈変態は帰れ〉
〈おいおいおいwwwww 変態紳士よりヤバいじゃんかよww〉
〈アヤメ泣くな 代わりに俺が泣いてやる うおぉおぉぉおおおぉぉぉぉぉッッッ〉
〈おたけびやめろ〉
〈マジひくわー〉
〈やあ少年よく起きたな 君はたいした働きをしたよ だがアヤメを泣かせたことは許せない 盛大にその罪を裁いてやろう!〉
〈おい変態紳士が暴走しているぞw〉
〈マジかよ祭りじゃんかwww〉
「うおぉおぉぉおおおぉぉぉぉぉっっっっっ!!!」
なんだかわからないけどアヤメの配信コメント欄が俺で盛り上がっている!
これはヤバいのかそうでないのか全くわからない。
いや、たぶんヤバいんじゃないか? だとしたら一刻もこの場から離れたほうがいいかもしれないな。
闇色と夕焼けに分かれた空が目に入る。
クラクラする頭を抑えつつ、俺は身体を起こした。
「…………」
俺は何をしていたんだろうか。
確かデブに追いかけ回されて、ヤバかったからタクティクスを使って……
そうだ、その後に俺は気持ち悪くなってぶっ倒れたんだ。
今は何時だ。状況はどうなってる?
モンスターに囲まれていてもおかしくないぞ。
俺は慌てて自分の置かれた状況を確認する。
だが、特にモンスターに囲まれている様子はない。
よく見ると寝やすいようにふかふかなシートが敷かれているし、身体が冷えないように薄手の布団がかけられていた。
これは一体……
『起きたのね』
聞き覚えのある声が耳に飛び込んできた。
振り返るとそこには白猫バニラの姿がある。
バニラは退屈だったのか、身体を丸めながら大きなアクビをこぼしていた。
もしかしてバニラが助けてくれたのか?
そんなことを考えていると、バニラがこんなことを聞いてきた。
『アンタ、身体の調子はどう?』
「え? あ、そんなに悪くはないけど」
『ふぅーん。じゃあ、動けるってことね』
「まあ、そうだけど。それより、これは? もしかしてお前が用意したのか?」
『違うわ。まあ、アンタに恩があるからザコから守ってあげたけどね』
「はぁ……」
じゃあ、このシートや布団は誰のものなんだ?
まさか、いやそんな訳ないだろ。
いくら助けたからといって見ず知らずの俺にこんな手厚い介抱をするか?
そんなことを考えていると遠くから「バニラぁー」という声が聞こえてきた。
顔を向けるとそこにはバケツを片手に手を振ってこっちに向かってきている天見アヤメの姿があった。
「言われた通りに冷たい水を持って……」
「お、お世話になってまーす」
俺の姿を見たアヤメは持っていたバケツを落とす。
途端に平然としていた顔が涙であふれていき、そして勢いよく俺の胸へダイブした。
「うぎゃあぁぁぁ!!!」
なんだ、突然どうしたんだ?
というかめちゃくちゃ痛ぇッ!
これは攻撃か? 攻撃なのか?
いや、その前に俺は攻撃されるようなことをしたのか?
俺は訳がわからない状態のまま自問自答しつつ、ひとまず俺の胸へダイブしてきたアヤメに視線を向けてみる。
間近で見たからなのか、配信で見るよりもとんでもなくかわいい。
ああ、なるほど。これは人気が出るかわいさだよ。
「よがっだぁぁ、よがっだよぉぉ」
そんなことを思っていると顔面がとんでもなくひどいことになっていた。
涙だけじゃなく鼻水も垂らしたとんでもない表情を浮かべているアヤメがおり、なんでこんなに泣いているのかわからずに俺は混乱した。
「よがっだぁぁ、じんじゃっだがどおもっだぁぁ」
「え? 泣いちゃうぐらい心配してたの?」
「だっでぇぇ、だっでぇぇ!」
これは、なんだ?
え、演技だよね? 演技だって言ってくれよ。
そうだ、演技だよ。だってこいつは有名配信者だから視聴者数を稼ぐために頑張るんだろ。
じゃあこれはそのために演技をしているんだな?
『その子、アンタのことすごく心配してたからね。ま、頑張って』
おおい、白猫!
なんだその投げやりな説明は!
すごく心配してたからって、そう言われてもこれどうしろっていうんだよ。
あ、ちょっと俺の服で顔拭かないで。
涙と鼻水でビチャビチャになっちゃうんだけど!
「えっと、アヤメさん? 申し訳ないんだけど退いてくれませんか? あと顔拭かないで」
「ボンドによがっだぁぁ! わだぢ、がんばっだげどだめでぇぇ!」
泣かないで!
マジで泣かないで!
ああ、俺の服がどんどん汚れていく。
いや、それよりもアヤメの配信はどうなってる?
さすがに止まっているよな!?
俺は気になったから自分のスマホを使い、アヤメの配信を開いてみた。
するとバッチリ配信は流れており、バッチリ俺とアヤメは映っていた。
〈おのれ謎のクソガキ! よくもアヤメを泣かせたな!〉
〈マジ許さないからなw この罪はしっかり償ってもらうぞwww〉
〈ああアヤメが泣いている こんなアヤメ見たことない ハァハァッ〉
〈変態は帰れ〉
〈おいおいおいwwwww 変態紳士よりヤバいじゃんかよww〉
〈アヤメ泣くな 代わりに俺が泣いてやる うおぉおぉぉおおおぉぉぉぉぉッッッ〉
〈おたけびやめろ〉
〈マジひくわー〉
〈やあ少年よく起きたな 君はたいした働きをしたよ だがアヤメを泣かせたことは許せない 盛大にその罪を裁いてやろう!〉
〈おい変態紳士が暴走しているぞw〉
〈マジかよ祭りじゃんかwww〉
「うおぉおぉぉおおおぉぉぉぉぉっっっっっ!!!」
なんだかわからないけどアヤメの配信コメント欄が俺で盛り上がっている!
これはヤバいのかそうでないのか全くわからない。
いや、たぶんヤバいんじゃないか? だとしたら一刻もこの場から離れたほうがいいかもしれないな。
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