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10,お下がり
しおりを挟む私のものにしてみせる?
そんなことあり得ないのに。
「ではカイン様、ルイス様のお下がりが欲しいのですか?」
「…なに?」
「私の身も心も、ルイス様のものです。カイン様のものになる気はございません」
「そこが気に入ったと言っている。君はアルテミス侯爵家の令嬢だ。王妃にしよう」
「私は貴方の周りにいる女とは違います」
そう言うと、カインがヒューリアを凝視した。
カインがいつも言っていたことだ。
『私の周りにいるのは、王妃の座を狙った野心の塊のようなヤツらばかりだ。あわよくば私を食ってかかろうとしている。それが無理なら殺そうとする。だから私は誰にも心を開けなかった』
王の妃。つまり、それはこの国を簡単に動かせる権力を持つということだ。それを簡単にそこいらにいる女に渡すことは出来ないとカインは言っていたのに。
「私は別に王妃にもなりたくないんです。ただ、ルイス様の側で、ルイス様が私だけを見てくれたら…」
「王子とはいえ、二番目だ。贅沢など出来やしない」
「贅沢がしたくてルイス様のそばにいるのではありません。例えルイス様が王子でなくても、私はあの方をお慕いしておりました」
頼むから、波風を立てないでほしい。
私に必要なのはルイス様なのだから。
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