さぁ、離縁して下さいませ。

伊月 慧

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結婚生活②

勝手な、長い話

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「…それで?話とは…」

 ややため息をつき気味にゼイルドが口を開く。
 シャルロットはまどろっこしい言い方が嫌いなので、直球に聞くことにした。

「何故、私を避けておられるのですか」

 驚いた顔をする限り、無自覚だろうか。

「…お、俺がいつ…」
「ゼス様」

 じっと顔を見据える。

「私が何か致しましたか?それならば…」
「ち、違う。お前はなにも…」
「ならば何故、私を避けられるのですか」
「っ……」



 ゼイルドは何と言えば伝わるか、考えた。
 けれど答えは出ない。
 こんなことになるならば避けるのではなかったと心の中で文句を言っても、何にもならない。

「…ゼス様?」

 不安げなシャルロットの表情に、少しだけ気持ちが穏やかになる。ようやく彼女は、俺の方を見てくれたのだ。些細な変化に気付くほどに。

「…お前を愛している」
「え…」
「幸せにしたい」

 そう、彼女を幸せにしたいのに。俺は誰かを想う度に、その人を傷付ける。昔からずっと。

「……お前だけは失いたくない」
「……?」

 誰かに話したかった、この気持ち。
 誰にも言えずに、あの日からずっと自分の罪から逃げている。

「…話せば長くなる」

 そう言うと、シャルロットは少し戸惑った顔をしてから笑った。

「何時間でも、お付き合い致します」

 本当の気持ち。これは、俺の勝手な、長い語。

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