34 / 47
結婚生活②
勝手な、長い話
しおりを挟む「…それで?話とは…」
ややため息をつき気味にゼイルドが口を開く。
シャルロットはまどろっこしい言い方が嫌いなので、直球に聞くことにした。
「何故、私を避けておられるのですか」
驚いた顔をする限り、無自覚だろうか。
「…お、俺がいつ…」
「ゼス様」
じっと顔を見据える。
「私が何か致しましたか?それならば…」
「ち、違う。お前はなにも…」
「ならば何故、私を避けられるのですか」
「っ……」
ゼイルドは何と言えば伝わるか、考えた。
けれど答えは出ない。
こんなことになるならば避けるのではなかったと心の中で文句を言っても、何にもならない。
「…ゼス様?」
不安げなシャルロットの表情に、少しだけ気持ちが穏やかになる。ようやく彼女は、俺の方を見てくれたのだ。些細な変化に気付くほどに。
「…お前を愛している」
「え…」
「幸せにしたい」
そう、彼女を幸せにしたいのに。俺は誰かを想う度に、その人を傷付ける。昔からずっと。
「……お前だけは失いたくない」
「…私だけは…?」
誰かに話したかった、この気持ち。
誰にも言えずに、あの日からずっと自分の罪から逃げている。
「…話せば長くなる」
そう言うと、シャルロットは少し戸惑った顔をしてから笑った。
「何時間でも、お付き合い致します」
本当の気持ち。これは、俺の勝手な、長い語。
0
あなたにおすすめの小説
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
失った真実の愛を息子にバカにされて口車に乗せられた
しゃーりん
恋愛
20数年前、婚約者ではない令嬢を愛し、結婚した現国王。
すぐに産まれた王太子は2年前に結婚したが、まだ子供がいなかった。
早く後継者を望まれる王族として、王太子に側妃を娶る案が出る。
この案に王太子の返事は?
王太子である息子が国王である父を口車に乗せて側妃を娶らせるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる