さぁ、離縁して下さいませ。

伊月 慧

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結婚生活②

初めての出会い

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 レイドル伯爵家に行ったのは、そこの娘に結婚を申し込むつもりだったからだ。
 まだ顔も見たことはないけれど、美しいと評判だった。二人いると聞いたけれど、正直どちらでもよかった。だから姉のルーラでいいと思ったのに。

 本当に一瞬。

 少しぶつかっただけ。

「きゃっ…ご、ごめんなさい…!」

 こちらを上目で見る彼女が、ぺこりと頭を下げる。自分もなにか言った気がするけれど思い出せない。

「…あれは…」

 案内役にいた執事が笑って答える。

「次女のシャルロット様でございます」
「ふーん……」

 なるほど、妹があぁまで美しいのか。
 そんな冷静な判断をしてはいたけれど、鼓動が早くなり、きっと顔は赤くなっていただろう。
 そして。

「あちらが長女のルーラ様でございます」
「………はっ?え、えっと、どちら…」
「あー…えー、あちらの、桃色のドレスを着られた方でございます」
「あれが!?」

 だいぶ失礼だとは思ったけれど、本当にそう思ったのだ。なんというか、平凡。
 シャルロットを見たときからルーラも当然、美しいものと思っていたけれど。

 しかも様子を見る限り、傲慢。嫉妬深い性格は見ているだけで腹立たせた。
 シャルロットを意味なく怒鳴り付ける姿にも失望した。元々レイドル伯爵家の領地が欲しいだけなのだ。結婚相手などどちらでもよかった。
 けれど選べと言われたら、断然シャルロットだったのだ。

「…レイドル伯爵に話があります。ご案内願えますか」
「は、はい」


 そして俺は、レイドル伯爵にシャルロットとの結婚を申し込んだのだ。
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