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本編
12日目---2
しおりを挟むまぁ、端から見たら普通の仲の良いカップルに、俺と小早川先輩は見えていたんだと思う。あの人が行きたいと言った場所にはどこにでも連れていったし、望むことを何でもした。
色々とアドバイスをくれた咲良に紹介したとき、小早川先輩は咲良を気に入らないと言った。それなりに好かれていると思っていたし、それが俺に対する嫉妬からくるのだと勝手に勘違いしたから、俺は先輩に言った。
「咲良と恋仲とかになるなんて絶対にあり得ないっスよ」
その時小早川先輩の表情が曇った意味が未だに分からない。
「…煌夜?」
声をかけられ、ビクリと肩が揺れる。
「…咲良…」
振り返ると、咲良が立っていた。
「どうしたの?もう帰ったのかと思ったけど」
「お前こそ、なんで降りてきてるんだよ」
「売店にジュース買いに来たの。自販機は高いから」
そうか、と頷きながらさっき小早川が歩いていった方を見る。遠くに先ほどの後ろ姿が見えたが、咲良もいるので追いかける気にはならない…と思い、自分に嫌悪感が襲いかかる。
(咲良がいなかったら追いかける気だったのかよ…)
あぁもう、何やってんだよ、俺。
今見たことは忘れろ。もう俺には関係ない。
「…咲良」
「ん?」
「あんま、無理すんなよ。まだ熱あるんだろ?」
「…うん!」
この時、もっと咲良のことをちゃんと見ていたら、些細な表情の変化にも気付けたのに。
そう後悔するのも、もっと後の話。
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