伝説のサラリーマン聖女の暇つぶし

高山小石

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異世界編

11.自由時間がほしいの

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 とっても意味深なヒキだったのに、おばぁちゃんは意外と口がかたかったの。

「詳しく話してしまえば、あんたも狙われるからね。知らない方がいい」

 えぇ~~。
 アタシを心配してくれてるのはわかるんだけど、イイところで止められたら気になるじゃないの!

 それに、アタシ見た目は十二歳の金髪緑目美少女だけど、実年齢は十四歳のハーフエルフ男子で、精神的にはアラフォーなんだからね!
 ほいほいヤラれたりしないわよ!

 おばぁちゃんが話してくれないなら、領主の奥さんとか息子とか先輩聖女とかに聞いてやるんだからぁって思ったんだけど。日常が忙しくて、なかなかゆっくり話す機会もとれないのよねぇ。

 正式聖女初日はレクチャー受けてたら奥さんが倒れたでしょ。

 奥さんの意識が戻ってほっとしたところでお昼ご飯食べて、お仕事して夕ご飯食べて身を清めたら、疲れ切って寝ちゃったの。
 次の日からは家事と農作業と聖女業をどんどんこなして、気がついたら夜になっててバタンキューよ。

 奥さんに集中していた仕事をみんなで分担して、奥さんの負担を減らすことに異論はないのよ。
 おばぁちゃんとアタシという二人の働き手が増えたことで、早寝早起き、お日様と共に起きて夜は倒れるように眠る、とっても健康的な生活なのね。
 今までは奥さん一人が連日連夜、遅寝早すぎる起きして定期的に倒れる仕事量だったから、分担してもまだ多いのよ。これって仕事の絶対量が多過ぎるんじゃないかしら。

 今さらだけど、領主の息子がアタシのいた教会に遊びに来ていたの、わかる気がするわ。
 きっと息抜きでもあったのね。
 お屋敷じゃヌク暇もなさそうだし。 

 そうなのよ。
 ここに来てからの方が、領主の息子とそういうことをする暇がまったくないっていうね。

 最初はそれどころじゃなかったし、今はお互い体力も余らないくらいクタクタだからっていうのはわかるんだけど、今まであったのが全くなくなると、それはそれで……ねぇ?

 ぶっちゃけると、この身体はまさに思春期まっさかりなのね。アタシも最近わかったんだけど、どうやら精神状態って身体にひっぱられちゃうみたいなのよ。
 しかもこの身体ってば、すっかり領主の息子に開発されてるでしょ?

 食事の席や仕事なんかで顔を合わす領主の息子から熱っぽい目で見られるたんびに、身体も心もムラムラうずうずしちゃうのよぉお。

 あぁんもう!
 この歳でクサクサしてるなんて、いやだわ。
 解消法なんてわかりきってるんだし、こうなったら、さっさと仕事量を減らして自由時間を作るわよ!
 話したりゆっくりしたりする時間がないことには、ナニもどうしようもないんだから。

 まずは、時間がかかる家事ナンバーワンのお洗濯とお掃除の簡略化ね。
 エルフの血が入っているおばぁちゃんなら使えるかと思って、スッキリクリーンの呪文を教えて唱えてもらったんだけど、残念なことに効果が出なかったの。

 壁に突き当たるのが早すぎるわよぅ。

 なんとかしてアタシしか使えないエルフの呪文を、誰でも使えるような呪文にできないかしら?
 それか、草太世界の家電的な魔術具か、誰でもエルフの呪文を再現できる魔術具を作ったらいいんじゃない?

 そこまではわかるんだけど、どうすればいいのかがさっぱりわからないのよねぇ。
 いちおう教会で一通り習ったんだけど、アタシってばムツカシイことは脳が拒否しちゃって覚えられなかったのよね。
 こんなことなら、もっと気合い入れて覚えておくんだったわ。

 ……ウソよ。
 気合い入れてたって、無理なものは無理。
 根性論や気合いだけじゃあ無理なこともあるのよねぇ。
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