never coming morning

高山小石

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4.チサト~夜の始まり夢の終わり2

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「こんにちは」
「あ、こんにちは」
(この人は誰かな?)
 もうチサトも『夢の国』に慣れてきた。
 見知らぬ人だと思っても、実は知っていることが多いのだ。ただ、印象が違う。もう出てこないファーのように、チサトの知っている現実の人とは微妙に違うのだ。
(夢の中だからかなぁ)
 ぼんやりしたチサトに、女性は落ち着いた低い声で問いかけた。
「ねぇ、あなた。この服どう思う?」
 整った顔立ちの女性は、にっこり笑ってドレープの美しいフレアスカートの裾をつまみお辞儀をしてみせた。
「よく似合ってると思います」
「まぁ嬉しいわ」
 本当に嬉しそうに笑うと、その女性は、くるくるとバレリーナのようにまわった。
「わ……ぁ」
 一回転ごとに、服がかわる。色はもちろん、丈やデザインも様々だ。でも共通しているのはふんわりした優しい雰囲気だった。見ているだけでチサトも笑顔になる。
「かわいい」
「そう? じゃ、あなたにも」
 ぐいっと手をひかれると、もうチサトの服は同じ様なかわいらしい物になっていた。
「似合うわ」
 近くで顔を見て、やっとチサトはこの女性が誰かわかった。
「ありがとうございます、先生」
 とたんに女性は消え、チサトの服も元に戻った。
「バカだなー。またやったんだ」
「ジーニィ」
 いきなり現れるこの金髪少年にも、もうチサトは驚かなかった。
「前も言っただろ? 現実世界のことを持ち込んじゃいけないって。なまじ知ってる人と話すからいけないんだ。全然知らない人と話しなよ。こんなことはなくなるよ」
「でも、知らない人なんて、話しかけるきっかけもつかめないし」
「大丈夫だよ。『駅』に行ってごらん? あそこには好奇心旺盛な人ばかりいるから、誰か話しかけてくる。君はそれに答えればいいんだ」
「駅って『図書館』のことよね? 私、ここでの移動方法を知らないのよ」
 くくっとジーニィが笑う。
「簡単さ。『行きたい』って思えばいいのさ」
「行きたい……」
 そこはもう、あの薄暗いコンピューター室に似た図書館だった。
「チサト。ここでは思ったところへ行ける。行ったことのない、知らない場所へさえもね。でもイメージできない場所へはうまく行けない。だから俺は方程式を作ったんだ。場所の座標さえわかればそこに飛んでいける式をね。ここには決まった地図なんてない。それぞれはつながっていない別々の空間のようなものだから。そう、空に浮いてるシャボン玉みたいなものさ。『駅』は、あぁ君は『図書館』て呼んでるけど、ここは、この世界でも特別な場所なんだよ」
 ジーニィは長い机の引き出しから白い紙を取り出すと、机に広げた。
「いいかい、よく見てて」
 紙の中心を指した。
「ここが今、俺たちのいる所」
 ぽぅと絵が浮き出た。積み上げられた本の絵だ。
「君が『図書館』て言うからね。となりに……」
 指を左に滑らして、
「『喫茶店』」
コーヒーカップの絵が浮き出る。
「反対側には『扉』」
 本の右隣に、いかめしい扉の絵が浮き出る。
「『扉』?」
「そう。あそこに」
 ジーニィは首をめぐらし指さしながら説明する。
「『扉』が見えるだろ? あの『扉』なら、イメージできない場所にも、方程式なしで行ける。例えば『行ったことのない楽しい所』みたいな曖昧なイメージでも行ける。そしてこの三つの上に『植物園』」
 横広の花いっぱいのプランターが浮き出る。
「四つの下に『学校』」
 白い大きな校舎が浮き出る。
「この五つはくっついて存在してる。迷ってしまったら、ここに帰ってきたらいい」
 五つの絵が浮き出た紙をチサトは黙って見つめる。
「なに? まだわからないことがある?」
「この前行った『猫の夢』は?」
「ああ」
 紙のかなり下の方に、ぽつんと椰子の木が一本生えた小さな島が浮き出た。
「本当はね、こんなに遠いわけでも近いわけでもないんだけど。君の『南の島』っていうイメージがあるからだろうね。ま、深く考えないでいいよ。この紙はあげるから、『扉』かたっぱしから開けて、この『地図』を埋めてみる? それとも、この『駅』を歩き倒してみる? 『喫茶店』にでもいって、ゆっくり決めたらいいよ。はぁ、しゃべりすぎて疲れたよ。俺はこれで。じゃあね」
「ジーニィ!」
 すぐさま去ろうとするジーニィをチサトは思わず呼び止めていた。ジーニィは黙ってチサトの言葉を待っている。
「あ、あの……ありがとう。色々教えてくれて」
 そんなこと、とジーニィは笑った。
「なんでもないことさ、チサト。じゃあ、またね」
「またね」

 明るい日差しがチサトを起こした。眩しさに瞬きする。
「朝だ……。地図は……ってないか。夢だもんね」
(なんなんだろう? 変な夢。でも、あっちでかなりの時間をすごしてるみたいなのに、身体はしっかり寝た感じだし)
『深く考えないでいいよ』
 ジーニィの声が聞こえた気がした。
「そうよね。夢のことなんて考えても仕方ないか。学校行こうっと」
 チサトはいつものように用意をすると寮を出た。
「おはよう」
「おはよう」
 最近のチサトは朝の挨拶が楽しみになっていた。夢の世界で会った人が実際にもいるかどうか確かめる絶好のチャンスだからだ。
「オハヨ。元気そうだネ」
「ファー」
 にこにこ顔のファーはいつも通りの黒髪を今日は細かく編んでいる。
「おはよ。似合う、それ」
「エヘヘ。嬉しいヨ」
(ファー、曲を探してるって本当?)
 じっと見つめられて、ファーは照れながら聞く。
「なんか変なとこあるのか?」
「ううん。かわいいなって」
 チサトは聞きたいことを飲み込んだ。
(聞いたらどうなるんだろ?)
 考えられるパターンは三つある。
①『うん。この前、夢の国で言ったネ』
②『え? 何で知ってるか?』
③『曲? なんのこと?』
 ただ一言聞くだけでわかるのに、チサトは聞けないでいた。
 聞けないのは『夢の国』の存在が実際のものかどうかはっきりわかるのが怖いからなのか、それすらチサトにはわからなかった。
「じゃ、また後でね」
「再見!」
(ファーとは選択授業、ほとんど違うんだよね)
 書道室に向かうファーをチサトは見送ると、ぼんやりと美術室に入って席につく。美術の先生はいつも来るのが遅い。チサトは机にうつぶせた。
(花の香り?)
 顔を上げたチサトの前には色とりどりの花が咲き乱れていた。原色から淡い色まで、およそ想像できるすべての色が集まっているようだった。
(もしかしてここ『植物園』? それにしてもすごい量)
「冷たっ」
 かがんで近くの花の香りをかぐチサトに、水がかかった。
「ごめんなさい! 気づかなくって」
 大きく目を見開いて驚いた後、すまなそうな顔になった女の子は、手にジョウロを持ってにっこりと笑った。
「私、ミライ。よろしくね」
「私はチサト。ここでの水やりはあなたの仕事なの?」
「ううん。私は好きでやってるだけ。私、植物が好きなんだ。ここにいると落ち着くから、いつもここにいる。だからたまには水でもあげようかなって思って」
「私も植物は好きだわ。でも、どっちかって言うと、葉っぱだけのほうが好きかも」
「そうなんだ? じゃあ、一緒に『森』に行かない? あそこにはそれこそいろんな種類の植物があるよ。花もいっぱいあるんだけど、花の季節は終わって今は葉しかないから、チサトの好みに合いそう」
 一瞬で訪れた『森』は、空気すら色づいて見えるほど、緑一色だった。
「なんだか息苦しい」
「そう? すぐ慣れるよ。ここの方が酸素の量も多いはずだしね」
 くすくす笑いながらミライは軽い足取りで、誰かが歩いてできたらしい小道をたどっていく。
「ま、待って」
 チサトは追いかけながら、あたりを見まわした。
「すごい。木ばっかり。本当に森なのね」
 今の時代、生きている木を見ることすら難しい。チサトは知識として森を知っていたが、実際に見るのはこれが初めてだ。
 チサトの頭上には木漏れ日と鳥のさえずり。足元には落ち葉と土のクッション。チサトはようやく森に香る空気を美味しく感じるようになった。
「なんだか、身体がきれいになるみたい」
 深く息を吸いながらのチサトに、ミライがうなずいた。
「私もそう思う。だからかな? 『植物園』や『森』が好きなのって」
 ミライは向こうを向いていて、チサトには顔が見えない。でも、チサトにはなんとなくミライが泣いているように思えた。
(なにか、あったのかな?)
 でも声をかけることはできず、チサトは黙ってミライとは反対の方を見て、ゆっくりと深呼吸した。
「ねぇ、知ってる? 『植物園』が一つの大きな建物だってこと」
 ミライの方から沈黙を破ったので、ほっとしながらチサトは振り向いた。
(え?)
 ミライの後ろに人影があった。人影は透けていて、はっきりとは見えない。半透明で森の精霊のような人影は、そっとミライを抱きしめている。
「どうしたの?」
「あ……」
 人影はミライの言葉にかき消えた。
「今、そこに」
「?」
 ミライには見えてなかったようだ。チサトはなんでもない、と首を振った。
(目の錯覚? それとも本当に森の精霊がいるとか?)
「『植物園』って、実は、大きな一つの建物、そう、お城みたいなんだ。下の階には植物がいっぱいあるけど、上の階に行けば行くほど普通の建物みたいになってる。花も花瓶に入ってて。でも私、まだ一番上まで行ったことがないんだよね」
「そんなに高いの?」
「うん。けっこー疲れるよ。最上階かわからないけど、途中でどうしても開かない扉があって、いつもそこであきらめるんだ。でもその階って、誰か住んでそうな雰囲気すらあるから、扉の中には人がいるのかもしれない」
「ふぅん」
「どう? 今から見に行かない?」
 チサトがどうしようか考えていると2人は『植物園』に戻っていた。それを肯定ととって、ミライは先に上に進み始めた。
「見て」
 階段を上り立ち止まったミライは、今いた場所を見下ろすように促した。
 眼下には色のバランスのとれた見事な花畑があった。
「わぁ」
「じゃ、行くよ?」
「うん」
 ミライは勝手知ったる『植物園』の階段を上がり、たくさんある扉を通り抜けて上へ上へと向かう。思いがけない早さにチサトは慌てて追いかけていく。
(こんな所で置いていかれたら迷子になっちゃう)
 どこからでも戻れることを忘れてチサトはただ必死に、ミライを見失わないようにと走る。
 そのうちに、足元にあった植物が消えて、色調も落ち着いたものになっていった。
 まわりは豪華な模様の壁になり、絵や暖炉が飾られ、確かにゴシックな『お城』のようだった。
「ここよ」
 やっとミライが立ち止まった。
 その前には一つの扉。
「ここより先は行ったことがないんだ。開けようとしても開かないし、ノックしても誰も答えてくれないしね」
 扉をノックしながらミライは言う。
 息を整えながら、チサトは扉を観察した。
 複雑な模様の壁に、まっ白の扉。ノブは金色でかわいらしい。
 チサトは惹かれるまま、ノブに手をかけた。

 カチリ

「え?」
 小気味よい音をたて、ノブがまわった。
 勢いあまったチサトはそのまま前に倒れ込み、開いた扉の向こう側に入ってしまった。
「チサト! チサト!?」
(上からミライの声がする……え? 上?)
 声のしたほうに首をめぐらすと、はるか上に小さな明かりが見えた。
 チサトのまわりは真っ暗で、上の明かりはどんどん小さくなっていく。
「私、落ちてる?」
 上に見える明かりが、もう、目をこらさないと見えないくらい小さくなっている。
(『不思議の国のアリス』みたい)
 落ちる感覚があるものの怖くはなく、チサトはくすくす笑った。
(じゃあ白兎はミライ? ハートの女王は誰かしら?)
 ふいに足に硬いモノがあたった。底についたらしい。
「真っ暗だ。私の声が響かないってことは、とっても広いってこと?」
 とりあえず歩きながら、チサトはどうしようか考える。
(『帰りたい』と思ったら、いつでも帰れるのよね? だったら、もっと色々調べてからのほうがいい。せっかくここに入れたんだし)
 だんだんと暗闇に目が慣れてきた。床や壁がぼんやりと見える。
(確かこういう時って、片手を壁につけて歩くんだっけ?)
 壁に右手をつける。ざらりとした岩のような感触が伝わった。
 そのまま前に向かって歩き出した。
 壁は冷たくもなく、熱くもない。
 靴の音が、規則正しくリズムを刻む。
(違和感がある?)
 しばらく歩いてやっとその理由がわかった。
 どうやらゆるやかな上り坂になっているようだ。
(このまま歩いていたら上に戻れるのかな? でもミライと一緒にあんなに上った所までゆっくり歩いていくのは、すごく時間がかかるかも)
 走ろうか、それとも一気に植物園に戻ろうかと足を止めた時、ふいに目の端でなにかが揺れた。
「なに?」
(風? 違う、風は見えない。でも、なにも見えないのに、動いているのがわかる。なに? あれはなに!?)
 チサトは気配のある方に顔を向けたまま動けないでいた。
 とてつもなく大きなモノが、ぶるりと身体を揺らしたようだった。空気を伝わって威圧感がチサト襲う。
(こわい!!)

 びくっとチサトは伏せていた顔を上げた。
 壁には色環。
 棚の上には白い石膏の像が並んでいる。
(……美術室だ。戻ってきたんだ)
 浅くなっていた息を、深く吸ってほぅと吐く。
(今のなんだったんだろう? こわかった)
 チサトは今ほどの恐怖を感じたのは初めてだった。だから初めて考えてしまった。
(私なんでこんなに夢を見続けているの? なんのために? こわい。今度またあそこに行ってしまったら)
「グーテンターク!」
 美術の先生が入ってきた。バリトンのドイツ語は耳に心地よい。
 先生は制作の続きを、と指示を出し、自分も制作に取りかかった。
 チサトは描きかけの油絵の下絵を広げると、頭を切りかえてじっと見つめた。
(うーん。なにか足りないのよね)
 今回のテーマは『楽園』だ。
 大きな満月、それが映る水、水辺にたたずむ女性を描いたところで手が止まっていた。
(ミユウ……)
 物思いにふけったチサトの目の端に色があふれる。チサトは立ち上がった。
(『植物園』だ。私また来ちゃったんだ)
 花の多さから、どうやら下の階らしいとわかり、ほっとする。
「ミライはどうしたのかな?」
(上でまだ待ってるんだったらどうしよう? 行ったほうがいいけど、またあそこに行くのは怖いし)
 しばらく迷った後、結局、上に行くことにした。
(あそこに入らなければいいんだし! きっと大丈夫)
 チサトはゆっくりと階段をのぼっていく。何階かに一度はある吹き抜けの大きなフロアを見下ろす。
「きれい!」
 花は無秩序に置かれているわけではなく、なにかしら統一感があった。フロア毎にそれぞれのテーマがあるようで、見下ろすとそれがわかって美しい。
 ここが部屋の中だということを忘れてしまうほど花は自然で、空調のせいか風も吹いていた。間近で見るよりも絵を見ているような気持ちになれたからか、さっきまでの不安は消え、チサトの口から思わず歌がこぼれた。
 歌い終わると後ろから拍手が響いた。
「きれいな声ね」
「アンジュ」
 今日は羽がなかったが、やはり天使のような金髪少女は、ふわりとチサトの後ろに立っていた。
「とっても素敵だったわ」
 麗しいモデルの容貌でまっすぐに見つめられると、チサトは落ち着かない。
「ありがと。あの、ミライを知らない?」
「ミライ?」
「えっと肩くらいの黒髪で、私と同い年くらいの女の子なんだけど」
 チサトが知っているのはそれくらいしかない。
 アンジュは目を閉じしばらく考えると、ゆっくりと目を開けた。
「……植物園にはいないわ。学校の方にいると思う」
「ありがとアンジュ。学校の方に行ってみる」
「じゃあ」
「またね」
 背を向け合った瞬間、なんとなく振り返ったチサトの目に、もうアンジュは映らなかった。
(空間移動できるんだもんね)
「私も……っと」
 ぐにゃりと景色が変わる。

「あれ?」
 チサトは美術室にいた。
(確かに『学校』だけど、こっちじゃない)
 でも仕方ない。チサトから夢の世界に行くことはできないのだ。
 やれやれとチサトは鉛筆を握り直し、下絵に向かった。顔を上げたとき、前列の向かって左端に見覚えのある後ろ姿があるのに気づいた。
 チサトはさりげなく立ち上がり、画材を取りに行く風を装って、顔を確認した。
(ミライだ! 実在してたんだ! それにあの絵、『植物園』だわ)
 ミライが熱心に描いているのは、紙いっぱいの花たちだった。まだ色がないその花々を、チサトは頭に浮かべることができた。
(どうしよう。声をかけてみたいけど)
「……っ」
 結局、チサトは声をかけずに自分の席に戻った。
(こっちで仲良くなって夢の世界での彼女が消えちゃうと困るし)
 そう言い聞かせて、チサトは自分の絵にとりかかった。
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