テーマパークと風船

谷地

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テーマパークと風船と後日談1

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「…久しぶり。ね、僕悩んでることあって、聞いてくれる?待って、どこ行くの?間違ってないよ、君に聞きたいの。あ、風船はいらないよ。ただ、ほんと聞いて欲しいだけなの。僕…僕ね、前言ってた好きな人と、その、恋人になれたの!えへへ、いいでしょ?………うん、そうなの。恋人になれたの…。でも、なんか、その…、えっと…、ううん!やっぱりなんでもない、なんでもないや…!うん、ほんとなんでもない…。」


…。


「…やっぱり言ってもいい?その…恋人になったらさ、あんなにいきなり距離近くなるの?わかってる!わかってるよ!君にそんなこと言ってもしょうがないって。でも、でもね、ほんとにすごいの!もう、ずっと一緒にいるの。…惚気じゃないよ。困ってるの!……そりゃ嬉しいよ?だって、ぼく、彼のこと…好きだから。嬉しいんだけど、困ってるの。…ドキドキしすぎて…おかしくなりそうで困ってるの。ね、恋人同士ってあんなに…すごいの?ずっと一緒に居るのが普通なの?」


……。


「ピクニックにね、行ったの。でも、ピクニックってさ、お弁当作って、待ち合わせとかしちゃったりして、公園とかでするよね?でも、そもそも、待ち合わせがなかったの。ピクニック行こって言われて、ぼく、頑張ってお弁当作るねって言ったのに、一緒に作ろって言われたの。それはね、別にいいの、一緒に作るのも楽しそうだなって思ったから。だけど…。……君、内緒にしてくれる?内緒にしてね?……そもそもね、前の日、一緒の部屋にいたから、その、ぼく…動けなかったの。だから、彼が全部作ったお弁当を、彼の部屋から見える公園を眺めながら食べたの。…おかしいよね?ピクニックって部屋でするものじゃないよね?でも、おかしいよねって言っても、綺麗な景色を見ながら、お弁当食べれて楽しいねって言うだけなの。それに…僕を…僕を見るのは俺だけでいいからって言うの…。おかしい、よね?」


……。


「でもね、でもね、本当におかしいのは彼じゃないの。分かってるよ、ちょっとだけ展開は早いけど、彼は僕のこと、気を遣ってくれてるって…。おかしいのは…僕なの。彼のすること、なんにも嫌じゃないの。…正直言うと、彼の独占欲はすごいって、鈍い僕でも気付いてる。けど、それさえも、嬉しくてたまらないの。やっぱりおかしいよね?だけど…、彼がずっとそばにいてくれるから、おかしいってわからなくなってきて。だから君に聞いてもらいたかったんだ…ごめんね、こんな話。久しぶりの君に言って。」


………。


「…なんだか恥ずかしくなってきた!なんでぼく、こんな話してるんだろっ。君が最初にぼくの話を聞いてくれたからかな?まあ、あのときの子と君が一緒とは限らないけどね。でも、最後まで聞いてくれてありがとう。…あのときも風船くれたよね。あの風船が初めてもらった風船だったんだ。そのあとは、君も知ってるかもしれないけど、うさぎの着ぐるみ君が僕にずっと風船くれたんだよ。黄色い風船。ふふ、そういえば君がくれたのも黄色い風船だったね。あれから黄色の風船、ぼく大好きになったんだ。」


……………。


「うーん、君に聞いてもらったからかな?落ち着いてきた。やっぱり惚気だったのかも。ぼく、誰かに聞いてもらいたかっただけだったのかもしれないや。それに、おかしいって言われても、好きなの止められないし。…独占されるの、ほんとはちょっと嬉しいし。」


ふぅと、一息ついた彼は、言いたいことを言えてすっきりしたのか、えへへと笑っていた。
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