8 / 57
修練編
第8話
しおりを挟む
はずれの道を選んでしまって半日を無駄にした。
行き止まりから入口まで戻るだけなら時間はかからなかった。
ゴブリンや岩に擬態して獲物を狩るロックミミックという芋虫の怪物が出たがそれも問題はない。全て貫き、切り捨てた。
本当ならもっと早く、かかった時間の半分の時間で戻ってくることが出来ただろう。なら、何で半日も時間がかかったのかと言うと――通って来た道が落石で塞がっていたからである。
誰がやったのかは何となく予想がついている。ベで始まってリジと続いてスで終わるあの腰巾着のクソガキハゲバカ野郎だ。後で夜に後ろから股座を蹴り上げてやる。
石と土砂には剣も通じず、輝術を使えないため手を使って撤去することになった。おかげで爪は剥がれ掛け、手は血塗れだ。
再び、別れ道の前に立つ。
残りの時間は半日もない。
間違えても二度、三度ぐらいは猶予はあるはずだったのに、もう間違えることは出来ない。
焦る心を落ち着かせるために大きく息を吸う。
ここで間違えば試練は合格出来ない。
妨害があったから何て言い訳は通じない。落ちこぼれが予想通りの結果を出して見苦しく騒いでいる。そう思われるだけだ。
クソ野郎のおかげで立派になったなと言われるのも嫌だけど、母様に心配させ続けるのはもっと嫌だ。
どうすれば良い、どうすれば合格出来る。
考えろ、この状況で私に何が出来るのか。思い出せ、これまで培ってきた経験を。
「手持ちの道具は投擲用ナイフ三本。油一瓶。ロープ五メートル。松明一本、火起こし道具。薬草。残り時間は半日。石は洞窟の奥にある。洞窟の奥に続く道は一つだけ。ここまで来るのに森の中を馬で掛けている。獣道には匂いのキツイ薬草があった。衣服に薬草が付いているかも。地面は昨日の雨で濡れていた。靴底に泥が付いているかも…………」
洞窟の床に視線をやる。足跡はない。
神経を尖らせ匂いを嗅ぎ取る。持っている薬草と同じ匂いはどの道からもしない。
手がかりがない。
落ち着け、落ち着け。深呼吸だ。もっとよく見ろ。他に何か手がかりがあるはずだ。
見ろ、思い出せ、考えろ。
輝術を使えばこんな問題は簡単に解決出来るだろう。物探しをする輝術があると母様から聞いたことがある。
私にはそんな便利なものはない。だから考えなければならない。
「――これって」
視線を下に向けてあることに気付く。
よく見ると一つの道の床だけすり減っているのだ。この道だっと反射的に体が動いた。
そうだった。
床の上を歩けばすり減るのは靴底だけじゃない。床だってすり減っていくものだ。この洞窟は何十年も試練で使われていた。ならば、すり減っていても可笑しくはない。
遺跡で怪物の群れを探索していた時にそれを知ったはずなのに、焦り過ぎて忘れてしまっていた。
これでも足の速さには自信がある。
自分自身の体を矢にするように。剣を番えて前傾姿勢で走る。
怪物共の相手をするために足を止めているのももったいない。
クソ野郎に教えられた剣技ではなく、独自に習得した突き技で走りながら怪物を突き殺して奥へ、奥へと走る。
体感で初めに選んだ道よりも更に奥へと進んだ頃だろう。
何かが焼けた臭いを嗅ぎ取り、獣の唸り声を耳にする。誰かが犠牲になった。最深部が近づいている。そう予感して剣の柄を更に強く握った。
「ッ――黒神の眷属か⁉」
洞窟の最奥にいたのは見上げるほど巨大な黒い獣。
橙級に匹敵する怪物だった。
だが、それ以上に目を引いたのは、後ろに青白く輝く宝石。あの怪物を突破しなければならないのだと悟る。
「落ちこぼれだと!? 何でこんな所にいるんだ!!」
私の姿を見て驚愕するリベリコウスが目に入る。その隣にはアブスィークが、私を挟んで反対側には同年代で唯一の同性だった森人の少女がいた。
黒い獣の足元には一人の焼死体がある。
消去法で残りの冴えない森人の少年だろう。炭になっており、最早面影などない。しかし、特に気にはならない。接したこともなかったからだ。
「あいつを囮に使え! 俺達は側面から攻撃するんだ!」
うるせえな黙ってろ。
どうやらこの黒い獣に苦戦していたのだろう。人の死も初めて見てしまい動揺もしている。
情けないったらありゃしない。
こんな奴のために囮になって溜まるものか。
速度を緩めずに黒い獣に向けてまっすぐ走る。
黒い獣は正面を向き、大きく口を開いた。
これまでの経験で巨大な怪物に向けてまっすぐ突っ込んで行った時、怪物が取る行動は幾つかあった。
1.真っすぐ突っ込んでくる。
2.飛び掛かり、上から抑えようとしてくる。
3.遠距離からの攻撃――すなわちブレスやら衝撃波やらを飛ばしてきたりする。
共通するのはどれも相手を真正面からねじ伏せようとすることだ。
ゴブリンのような小物ならば姑息な手を使ってくるが、こういう怪物は自分の力を絶対的なものだと信じている。
全く以ってやりやすい。そう思った。
予想していた内の一つの行動が出て来て準備していたナイフを大きく開いた口目掛けて投擲する。
口の中に刺さったナイフに黒い獣が怯む。
すれ違いざまに剣を振るって片目を潰し、続けて足元に油を撒き散らした。
「じゃあね木偶の坊」
殺して力を示すことが出来るが、今はやることがある。
碧い宝石を手に取り、油で足を滑らせている黒い獣を尻目に来た道を逆走。
黒い獣をあっさりとやり過ごした私に驚いたのだろう。全員が目を見開いている。お前等にそんな暇はないと言うのにお気楽なことだ。
黒い獣が獲物を逃がして堪るかとばかりに口の中に刺さったナイフを気にせず炎を収束して放ってくる。
その行動が予想通り過ぎてほくそ笑んでしまった。
黒い獣が炎を放った瞬間、足元に撒いていた油に引火し、獣自身が炎に包まれる。
試練の最終地点を守る怪物にしては呆気ない最後だったな。
「この落ちこぼれが、俺を置いて先に行くなんて許されると思っているのかッ」
「…………」
「おい、お前無視するんじゃない!!」
そんなの知ったことじゃない。お前等が遅いのが悪いのだ。
引き返す私を見て生き残った全員が慌てて青い宝石を手に取り、追いかけてくる。だが、遅い。遅すぎる。そんなのじゃゴブリンにだって逃げられやしないぞ。
騒ぎ立てる連中を無視して私は洞窟を駆け抜ける。
リベリコウスやアブスィークよりも前に出られたことが嬉しくて怪物に不意を突かれて傷を負ってしまったが、それ以外は問題なく入口へと戻ってくる。
洞窟のすぐ傍には同年代たちが乗って来たであろう馬がいる。
全部逃がしてやろうか、とも考えたが、そんなことをすれば妨害行為と捉えられかねない。今回は諦めよう。
そして、洞窟へと向かった時と同じように森の中を直線で突っ切る。
森を抜けた頃にはもう太陽が山に沈みかけている最中だった。
ゴールには誰もいない。
息を切らしながらも訓練官に碧い宝石を見せつける。
一位だ。一位に慣れたのだ。
順位何て付けられてはいないが、それでも一位に慣れたことには意味があると思う。
輝術の才能が全くないと言われて、煙たがられて来た。将来はどうなるのか、何の保証もされていなかった。
輝術が使えなくても勝負にはなる。全てはやり方次第。それが証明出来たと思う。
「母様、見ていてくれましたか……」
私はもう大丈夫です。安心してください。
誰よりも私が出来ることを証明したい人を思いながら、碧い宝石を胸に握り締めた。
行き止まりから入口まで戻るだけなら時間はかからなかった。
ゴブリンや岩に擬態して獲物を狩るロックミミックという芋虫の怪物が出たがそれも問題はない。全て貫き、切り捨てた。
本当ならもっと早く、かかった時間の半分の時間で戻ってくることが出来ただろう。なら、何で半日も時間がかかったのかと言うと――通って来た道が落石で塞がっていたからである。
誰がやったのかは何となく予想がついている。ベで始まってリジと続いてスで終わるあの腰巾着のクソガキハゲバカ野郎だ。後で夜に後ろから股座を蹴り上げてやる。
石と土砂には剣も通じず、輝術を使えないため手を使って撤去することになった。おかげで爪は剥がれ掛け、手は血塗れだ。
再び、別れ道の前に立つ。
残りの時間は半日もない。
間違えても二度、三度ぐらいは猶予はあるはずだったのに、もう間違えることは出来ない。
焦る心を落ち着かせるために大きく息を吸う。
ここで間違えば試練は合格出来ない。
妨害があったから何て言い訳は通じない。落ちこぼれが予想通りの結果を出して見苦しく騒いでいる。そう思われるだけだ。
クソ野郎のおかげで立派になったなと言われるのも嫌だけど、母様に心配させ続けるのはもっと嫌だ。
どうすれば良い、どうすれば合格出来る。
考えろ、この状況で私に何が出来るのか。思い出せ、これまで培ってきた経験を。
「手持ちの道具は投擲用ナイフ三本。油一瓶。ロープ五メートル。松明一本、火起こし道具。薬草。残り時間は半日。石は洞窟の奥にある。洞窟の奥に続く道は一つだけ。ここまで来るのに森の中を馬で掛けている。獣道には匂いのキツイ薬草があった。衣服に薬草が付いているかも。地面は昨日の雨で濡れていた。靴底に泥が付いているかも…………」
洞窟の床に視線をやる。足跡はない。
神経を尖らせ匂いを嗅ぎ取る。持っている薬草と同じ匂いはどの道からもしない。
手がかりがない。
落ち着け、落ち着け。深呼吸だ。もっとよく見ろ。他に何か手がかりがあるはずだ。
見ろ、思い出せ、考えろ。
輝術を使えばこんな問題は簡単に解決出来るだろう。物探しをする輝術があると母様から聞いたことがある。
私にはそんな便利なものはない。だから考えなければならない。
「――これって」
視線を下に向けてあることに気付く。
よく見ると一つの道の床だけすり減っているのだ。この道だっと反射的に体が動いた。
そうだった。
床の上を歩けばすり減るのは靴底だけじゃない。床だってすり減っていくものだ。この洞窟は何十年も試練で使われていた。ならば、すり減っていても可笑しくはない。
遺跡で怪物の群れを探索していた時にそれを知ったはずなのに、焦り過ぎて忘れてしまっていた。
これでも足の速さには自信がある。
自分自身の体を矢にするように。剣を番えて前傾姿勢で走る。
怪物共の相手をするために足を止めているのももったいない。
クソ野郎に教えられた剣技ではなく、独自に習得した突き技で走りながら怪物を突き殺して奥へ、奥へと走る。
体感で初めに選んだ道よりも更に奥へと進んだ頃だろう。
何かが焼けた臭いを嗅ぎ取り、獣の唸り声を耳にする。誰かが犠牲になった。最深部が近づいている。そう予感して剣の柄を更に強く握った。
「ッ――黒神の眷属か⁉」
洞窟の最奥にいたのは見上げるほど巨大な黒い獣。
橙級に匹敵する怪物だった。
だが、それ以上に目を引いたのは、後ろに青白く輝く宝石。あの怪物を突破しなければならないのだと悟る。
「落ちこぼれだと!? 何でこんな所にいるんだ!!」
私の姿を見て驚愕するリベリコウスが目に入る。その隣にはアブスィークが、私を挟んで反対側には同年代で唯一の同性だった森人の少女がいた。
黒い獣の足元には一人の焼死体がある。
消去法で残りの冴えない森人の少年だろう。炭になっており、最早面影などない。しかし、特に気にはならない。接したこともなかったからだ。
「あいつを囮に使え! 俺達は側面から攻撃するんだ!」
うるせえな黙ってろ。
どうやらこの黒い獣に苦戦していたのだろう。人の死も初めて見てしまい動揺もしている。
情けないったらありゃしない。
こんな奴のために囮になって溜まるものか。
速度を緩めずに黒い獣に向けてまっすぐ走る。
黒い獣は正面を向き、大きく口を開いた。
これまでの経験で巨大な怪物に向けてまっすぐ突っ込んで行った時、怪物が取る行動は幾つかあった。
1.真っすぐ突っ込んでくる。
2.飛び掛かり、上から抑えようとしてくる。
3.遠距離からの攻撃――すなわちブレスやら衝撃波やらを飛ばしてきたりする。
共通するのはどれも相手を真正面からねじ伏せようとすることだ。
ゴブリンのような小物ならば姑息な手を使ってくるが、こういう怪物は自分の力を絶対的なものだと信じている。
全く以ってやりやすい。そう思った。
予想していた内の一つの行動が出て来て準備していたナイフを大きく開いた口目掛けて投擲する。
口の中に刺さったナイフに黒い獣が怯む。
すれ違いざまに剣を振るって片目を潰し、続けて足元に油を撒き散らした。
「じゃあね木偶の坊」
殺して力を示すことが出来るが、今はやることがある。
碧い宝石を手に取り、油で足を滑らせている黒い獣を尻目に来た道を逆走。
黒い獣をあっさりとやり過ごした私に驚いたのだろう。全員が目を見開いている。お前等にそんな暇はないと言うのにお気楽なことだ。
黒い獣が獲物を逃がして堪るかとばかりに口の中に刺さったナイフを気にせず炎を収束して放ってくる。
その行動が予想通り過ぎてほくそ笑んでしまった。
黒い獣が炎を放った瞬間、足元に撒いていた油に引火し、獣自身が炎に包まれる。
試練の最終地点を守る怪物にしては呆気ない最後だったな。
「この落ちこぼれが、俺を置いて先に行くなんて許されると思っているのかッ」
「…………」
「おい、お前無視するんじゃない!!」
そんなの知ったことじゃない。お前等が遅いのが悪いのだ。
引き返す私を見て生き残った全員が慌てて青い宝石を手に取り、追いかけてくる。だが、遅い。遅すぎる。そんなのじゃゴブリンにだって逃げられやしないぞ。
騒ぎ立てる連中を無視して私は洞窟を駆け抜ける。
リベリコウスやアブスィークよりも前に出られたことが嬉しくて怪物に不意を突かれて傷を負ってしまったが、それ以外は問題なく入口へと戻ってくる。
洞窟のすぐ傍には同年代たちが乗って来たであろう馬がいる。
全部逃がしてやろうか、とも考えたが、そんなことをすれば妨害行為と捉えられかねない。今回は諦めよう。
そして、洞窟へと向かった時と同じように森の中を直線で突っ切る。
森を抜けた頃にはもう太陽が山に沈みかけている最中だった。
ゴールには誰もいない。
息を切らしながらも訓練官に碧い宝石を見せつける。
一位だ。一位に慣れたのだ。
順位何て付けられてはいないが、それでも一位に慣れたことには意味があると思う。
輝術の才能が全くないと言われて、煙たがられて来た。将来はどうなるのか、何の保証もされていなかった。
輝術が使えなくても勝負にはなる。全てはやり方次第。それが証明出来たと思う。
「母様、見ていてくれましたか……」
私はもう大丈夫です。安心してください。
誰よりも私が出来ることを証明したい人を思いながら、碧い宝石を胸に握り締めた。
10
あなたにおすすめの小説
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】うだつが上がらない底辺冒険者だったオッサンは命を燃やして強くなる
邪代夜叉(ヤシロヤシャ)
ファンタジー
まだ遅くない。
オッサンにだって、未来がある。
底辺から這い上がる冒険譚?!
辺鄙の小さな村に生まれた少年トーマは、幼い頃にゴブリン退治で村に訪れていた冒険者に憧れ、いつか自らも偉大な冒険者となることを誓い、十五歳で村を飛び出した。
しかし現実は厳しかった。
十数年の時は流れてオッサンとなり、その間、大きな成果を残せず“とんまのトーマ”と不名誉なあだ名を陰で囁かれ、やがて採取や配達といった雑用依頼ばかりこなす、うだつの上がらない底辺冒険者生活を続けていた。
そんなある日、荷車の護衛の依頼を受けたトーマは――
主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから
渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。
朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。
「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」
「いや、理不尽!」
初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。
「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」
※※※
専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり)
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。
向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。
それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない!
しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。
……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。
魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。
木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる