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領地発展
幕間【兄と姉と……】
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僕はフェルと話し合っていたんだ。
今、僕とフェルはジーク兄さんのお屋敷に招待されて来ているんだ。お屋敷の客間でついてくれた侍女さんには少し席を外して貰って真剣に話し合ってるんだけど……
「ねえトーヤ、お義兄様やお義姉様にもちゃんと喋れる事をお伝えしましょう」
フェルちゃんの言葉に僕は素直に頷く事が出来ない…… 僕は基本的には人見知りで口下手で、5人以上の人がいる前だと上手く言葉を口に出来ないから……
親しくなって少人数でなら普通に会話が出来るんだけど……
ジーク兄さんとセティナ姉さんに話す時にはカオリ義姉さんやカーズ義兄さんにも話す事になるし、側には恐らく執事さんや侍女さんも居るだろうから上手く言葉が出てこないかも知れないんだ。僕はフェルにそう言ってみたけど、
「アラ? トーヤそんな事で悩んでいたの? ジークお義兄様なら頼めば人払いをして下さるわよ」
と僕の悩みが何てない事だと教えてくれたよ。言われてみればそうだよね…… それに気づかなかった僕って……
それからは素早く行動したよ。侍女さんに伝言を頼んで今すぐお会いできるか聞いて貰ったんだ。
ジーク兄さんからは大丈夫だと返事を貰ったから直ぐにフェルと一緒に兄さんのいる執務室に向かったよ。そこにはカオリ義姉さんも、カーズ義兄さんも、セティナ姉さんも揃っていたよ。そして、セティナ姉さんが開口一番に
「トーヤ、ここには私たち4人しか居ないわ。さあ、聞かせてちょうだい、アナタの隠してる事を……」
と少しだけ不安そうに言ったんだ。
僕はビックリしたよ。まさか兄さんも姉さんも気がついていたなんて思っても無かったから……
でも、僕の横ではフェルも頷いてくれている。だから僕は勇気を持って兄さんたちに僕の秘密を話したんだ。
親しくなった人となら少人数に限るけれども普通に会話ができる事。それから産まれた時から前世の記憶がある事も伝えたよ。
僕の長い告白が終わるとセティナ姉さんが僕に近寄ってきて、僕を優しく抱きしめてくれた。
「トーヤ…… 長く、フェルちゃんに告白するまでの間、そんな秘密を1人で抱えていたのね…… なんの助けにもならなかった私たちにその事を教えてくれて有難う…… そして助けになれなくてごめんなさい…… でもこれからは貴方の姉として、貴方が困ったり悩んだりした時には必ず助けるから…… だからこんな頼りない兄姉だけどもどうか頼ってちょうだいね」
セティナ姉さんが少し涙ぐみながらそう言ってくれて、ジーク兄さんも、
「トーヤ、不甲斐ない兄だが私もセティナと同じだ。トーヤが困っている時には必ず助けるからな!」
そう力強く言ってくれたんだ。その2人の言葉に僕の目からは涙が溢れて止まらなかった……
ああ、僕は寂しかったんだなって気がついたんだ。もちろん、今じゃないよ。もっともっと小さい頃、ガルンやラメル、リラと一緒に過ごしていた頃の事だよ。
あの幼児だった頃に僕は本当は何もかも誰かに打ち明けてしまいたかったんだなって気がついたんだ。
ガルンやラメルには打ち明けても良かったのかも知れないけど、心まで幼くなっていた僕は打ち明けて嫌われるかも知れないと思って怖くて打ち明けられなかったんだ……
でも、もう大丈夫。ジーク兄さんとセティナ姉さんだけじゃなくて、カオリ義姉さんもカーズ義兄さんも泣いている僕を見て
「もちろん、私も力になるからねトーヤくん」
「僕もできる限りトーヤくんの力になるよ」
とそう言ってくれてるから……
この日、僕たちは本当の兄姉になったんだよ。
ナニワサカイ国にいる間のある日の1日の出来事だよ……
今、僕とフェルはジーク兄さんのお屋敷に招待されて来ているんだ。お屋敷の客間でついてくれた侍女さんには少し席を外して貰って真剣に話し合ってるんだけど……
「ねえトーヤ、お義兄様やお義姉様にもちゃんと喋れる事をお伝えしましょう」
フェルちゃんの言葉に僕は素直に頷く事が出来ない…… 僕は基本的には人見知りで口下手で、5人以上の人がいる前だと上手く言葉を口に出来ないから……
親しくなって少人数でなら普通に会話が出来るんだけど……
ジーク兄さんとセティナ姉さんに話す時にはカオリ義姉さんやカーズ義兄さんにも話す事になるし、側には恐らく執事さんや侍女さんも居るだろうから上手く言葉が出てこないかも知れないんだ。僕はフェルにそう言ってみたけど、
「アラ? トーヤそんな事で悩んでいたの? ジークお義兄様なら頼めば人払いをして下さるわよ」
と僕の悩みが何てない事だと教えてくれたよ。言われてみればそうだよね…… それに気づかなかった僕って……
それからは素早く行動したよ。侍女さんに伝言を頼んで今すぐお会いできるか聞いて貰ったんだ。
ジーク兄さんからは大丈夫だと返事を貰ったから直ぐにフェルと一緒に兄さんのいる執務室に向かったよ。そこにはカオリ義姉さんも、カーズ義兄さんも、セティナ姉さんも揃っていたよ。そして、セティナ姉さんが開口一番に
「トーヤ、ここには私たち4人しか居ないわ。さあ、聞かせてちょうだい、アナタの隠してる事を……」
と少しだけ不安そうに言ったんだ。
僕はビックリしたよ。まさか兄さんも姉さんも気がついていたなんて思っても無かったから……
でも、僕の横ではフェルも頷いてくれている。だから僕は勇気を持って兄さんたちに僕の秘密を話したんだ。
親しくなった人となら少人数に限るけれども普通に会話ができる事。それから産まれた時から前世の記憶がある事も伝えたよ。
僕の長い告白が終わるとセティナ姉さんが僕に近寄ってきて、僕を優しく抱きしめてくれた。
「トーヤ…… 長く、フェルちゃんに告白するまでの間、そんな秘密を1人で抱えていたのね…… なんの助けにもならなかった私たちにその事を教えてくれて有難う…… そして助けになれなくてごめんなさい…… でもこれからは貴方の姉として、貴方が困ったり悩んだりした時には必ず助けるから…… だからこんな頼りない兄姉だけどもどうか頼ってちょうだいね」
セティナ姉さんが少し涙ぐみながらそう言ってくれて、ジーク兄さんも、
「トーヤ、不甲斐ない兄だが私もセティナと同じだ。トーヤが困っている時には必ず助けるからな!」
そう力強く言ってくれたんだ。その2人の言葉に僕の目からは涙が溢れて止まらなかった……
ああ、僕は寂しかったんだなって気がついたんだ。もちろん、今じゃないよ。もっともっと小さい頃、ガルンやラメル、リラと一緒に過ごしていた頃の事だよ。
あの幼児だった頃に僕は本当は何もかも誰かに打ち明けてしまいたかったんだなって気がついたんだ。
ガルンやラメルには打ち明けても良かったのかも知れないけど、心まで幼くなっていた僕は打ち明けて嫌われるかも知れないと思って怖くて打ち明けられなかったんだ……
でも、もう大丈夫。ジーク兄さんとセティナ姉さんだけじゃなくて、カオリ義姉さんもカーズ義兄さんも泣いている僕を見て
「もちろん、私も力になるからねトーヤくん」
「僕もできる限りトーヤくんの力になるよ」
とそう言ってくれてるから……
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ナニワサカイ国にいる間のある日の1日の出来事だよ……
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