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島国ヤパン
幕間【トーヤの日常】
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僕はブンさんとイナウエさんを見送った後にそのままフェルの部屋に行って、先程の事を話して聞かせたんだ。そしたらフェルはコロコロ笑いながらこう言うんだよ。
「ウフフフ、トーヤの困り顔を見てみたかったわ。トモジさんやブンさんの知り合いだから、我慢したのね」
僕はその通りだったから頷いたんだけど明日の午前中にブンさんが長老たちを連れてくるから、その時はフェルも一緒に会って話を聞いて欲しいって伝えたよ。フェルもそれには頷いてくれた。
それから少しの間だけ雑談をして執務に戻った。今日は領地の温泉関連商品の売上の推移を見て、それから地熱を利用した冬の時期には普通は育たない野菜を育てている研究成果の確認をしたんだ。
地熱といっても実は源泉から引いてるパイプによって暖められてるから、厳密に言うと地熱とは言えないんだけどね…… まあ、細かい事はいいとしておこうと思うんだ。
だって春野菜が一足早く冬に食べられるんだよ。とてもいい事だと思うんだ。それも温泉の熱効果によってだからね。領民たちからも期待されてるからこの実験には力を入れてるんだ。
ちなみにこの試みはロッテンマイヤー公爵領とグレイハウ伯爵領でも実験されてるんだよ。
さらにロッテンマイヤー公爵領は雪が多く積もる領地でもあるから、側溝に沿って配管を這わしたりもしてあるんだ。今までは側溝に溜まってしまった雪は火魔法を使える者や魔石に火の効果を付与して溶かしてたんだけど、その必要が無くなったらしいから領民だけじゃなく火魔法の使い手も喜んでるそうだよ。寒い中、外に出なくて良くなったってね。
道に溜まった雪は僕が作った除雪ゴーレムを月に銀貨3枚(300,000円)で5体、ハール様に貸し出してるんだ。ハール様は金貨3枚(3,000,000円)を支払うって言ってたけど、固辞したよ。ゴーレムは1体を作るのに5分だからね。本当は銀貨3枚でも高いと僕は思ってるんだけどね。
明々後日はまた領地に行ってロッテンやローレン街長から話を聞いた後に、街の視察に出る予定なんだ。最近になって中津国っていう国の武術【拳法】の道場が街に出来たそうだから、見てみたいと思ってね。前世の中国拳法かな? それとも日本の空手みたいなのかな? って今からちょっとワクワクしてるのは内緒だよ。
そうしてその日の執務を終えた僕はリラとシンくんが居る訓練場にフェルと一緒に向かったんだ。
シンくんは正式にトウシローの後継者として、【神鬼活生流】・【竜刹刀】・【羅刹攻】を学んでいるんだ。勿論、お家の流儀である【サカキ流戦刀術】の訓練もしているよ。本当に凄いと思うよ。
そしてリラはレミから全てを教えられた後に、なんとヤーコと訓練をしているんだよ。
「ハアハア、リラ様、素晴らしい肢体ですっ!! はい~!! ハアハア、」
ヤーコは別に息が上がってる訳じゃないよ。動くたびにバルンバルンしてるリラの胸部装甲をガン見して興奮してるだけなんだ。ヨダレを拭きながら言ってるから間違いないよ。ヤーコってバイセクシャルなんだね……
ついでに言うとシンくんもチラ見してる。
まあガン見しながらも尽くリラの攻撃を捌いてるヤーコは流石だと思う。シンくんはトウシローに脳天チョップを貰ってたけどね……
僕? 僕は隣にフェルが居るんだよ! そんな自殺行為をする訳ないじゃない。僕は鋼鉄の意志を持ってリラの方を見ないようにしてるんだよ。
それから僕はフェルの訓練に付き合うんだ。フェルの【剣技(15)】がMAXになるように、僕は木刀でフェルは木剣で対峙してるんだよ。フェルの木剣は普段使用する剣と同じ長さ、重さにしてあるんだ。僕の木刀は重くしてあるんだけどね。
まあ他所の国から見たら貴族令嬢であるフェルが、何故そこまでして剣技を極める必要があるのかって話になるようだけど、サーベル王国ではその名【サーベル】が示すとおり、男女共に剣を学ぶ事を推奨している国なんだ。
王妃殿下であるサラディーナ様は陛下とご成婚される前は【剣舞姫】の二つ名を持つご令嬢だったんだよ。今も陛下と剣の訓練はされてる筈…… いや、最近はお肌の磨きがお忙しいみたいだから分からないけれど……
そうやって訓練する事30分。フェルが疲れたようなので、僕も休憩しようとしたらトウシローから声がかかったよ。
「トーヤ様、もし良ければシンと模擬戦をお願いできますか?」
えー…… 最近のシンくんは強くなってるからなぁ…… 純粋に剣技だけならもう抜かれてるかも知れないし…… 僕は少し困ったけど、シンくんの期待に満ちた眼差しに負けてしまった。仕方なく頷いて模擬戦を了承したんだ。
シンくんが木刀を構える。僕も青眼に構えてシンくんの攻撃を待つ。互いの刀気が高まり弾ける寸前にシンくんが大きく踏み込んで僕を袈裟斬りにする。
速い! けど僕はその軌道を読んで躱し、後追いでシンくんの木刀を叩いた。シンくんの手から木刀が飛ぶ。
「参りました!!」
シンくんの潔い言葉を聞いて、5歩シンくんから距離をとってから僕は木刀を下げた。
「お見事! 我が弟子は未だトーヤ様に至らずですか…… 師の俺から見てもかなりの腕前にシンはなっているのですが…… まだまだ俺の指導が至らぬか……」
そうトウシローが言うけど、本当は内心バクバクしてるんだよ。紙一重だったからね。よく躱せたと僕は自分で自分を褒めてるよ。
うん、コレは僕ももう少し刀技を磨かないとダメだね。シンくんも恐らくは刀技(MAX)なんだろうと思う。僕は鍛えて刀技の上、刀術をシンくんよりも早く身につける為に頑張ろうって心に誓ったよ。
そうして、僕とシンくんの模擬戦を見ていたヤーコがヨダレを垂らしているのをリラが注意してその日の稽古を終えたんだよ。
うん、シンくんは今日は家に泊まるけど、ヤーコに注意するよう警告しておかないとダメだね。お風呂に入る時はトウシローと一緒に入るように言っておこう……
「ウフフフ、トーヤの困り顔を見てみたかったわ。トモジさんやブンさんの知り合いだから、我慢したのね」
僕はその通りだったから頷いたんだけど明日の午前中にブンさんが長老たちを連れてくるから、その時はフェルも一緒に会って話を聞いて欲しいって伝えたよ。フェルもそれには頷いてくれた。
それから少しの間だけ雑談をして執務に戻った。今日は領地の温泉関連商品の売上の推移を見て、それから地熱を利用した冬の時期には普通は育たない野菜を育てている研究成果の確認をしたんだ。
地熱といっても実は源泉から引いてるパイプによって暖められてるから、厳密に言うと地熱とは言えないんだけどね…… まあ、細かい事はいいとしておこうと思うんだ。
だって春野菜が一足早く冬に食べられるんだよ。とてもいい事だと思うんだ。それも温泉の熱効果によってだからね。領民たちからも期待されてるからこの実験には力を入れてるんだ。
ちなみにこの試みはロッテンマイヤー公爵領とグレイハウ伯爵領でも実験されてるんだよ。
さらにロッテンマイヤー公爵領は雪が多く積もる領地でもあるから、側溝に沿って配管を這わしたりもしてあるんだ。今までは側溝に溜まってしまった雪は火魔法を使える者や魔石に火の効果を付与して溶かしてたんだけど、その必要が無くなったらしいから領民だけじゃなく火魔法の使い手も喜んでるそうだよ。寒い中、外に出なくて良くなったってね。
道に溜まった雪は僕が作った除雪ゴーレムを月に銀貨3枚(300,000円)で5体、ハール様に貸し出してるんだ。ハール様は金貨3枚(3,000,000円)を支払うって言ってたけど、固辞したよ。ゴーレムは1体を作るのに5分だからね。本当は銀貨3枚でも高いと僕は思ってるんだけどね。
明々後日はまた領地に行ってロッテンやローレン街長から話を聞いた後に、街の視察に出る予定なんだ。最近になって中津国っていう国の武術【拳法】の道場が街に出来たそうだから、見てみたいと思ってね。前世の中国拳法かな? それとも日本の空手みたいなのかな? って今からちょっとワクワクしてるのは内緒だよ。
そうしてその日の執務を終えた僕はリラとシンくんが居る訓練場にフェルと一緒に向かったんだ。
シンくんは正式にトウシローの後継者として、【神鬼活生流】・【竜刹刀】・【羅刹攻】を学んでいるんだ。勿論、お家の流儀である【サカキ流戦刀術】の訓練もしているよ。本当に凄いと思うよ。
そしてリラはレミから全てを教えられた後に、なんとヤーコと訓練をしているんだよ。
「ハアハア、リラ様、素晴らしい肢体ですっ!! はい~!! ハアハア、」
ヤーコは別に息が上がってる訳じゃないよ。動くたびにバルンバルンしてるリラの胸部装甲をガン見して興奮してるだけなんだ。ヨダレを拭きながら言ってるから間違いないよ。ヤーコってバイセクシャルなんだね……
ついでに言うとシンくんもチラ見してる。
まあガン見しながらも尽くリラの攻撃を捌いてるヤーコは流石だと思う。シンくんはトウシローに脳天チョップを貰ってたけどね……
僕? 僕は隣にフェルが居るんだよ! そんな自殺行為をする訳ないじゃない。僕は鋼鉄の意志を持ってリラの方を見ないようにしてるんだよ。
それから僕はフェルの訓練に付き合うんだ。フェルの【剣技(15)】がMAXになるように、僕は木刀でフェルは木剣で対峙してるんだよ。フェルの木剣は普段使用する剣と同じ長さ、重さにしてあるんだ。僕の木刀は重くしてあるんだけどね。
まあ他所の国から見たら貴族令嬢であるフェルが、何故そこまでして剣技を極める必要があるのかって話になるようだけど、サーベル王国ではその名【サーベル】が示すとおり、男女共に剣を学ぶ事を推奨している国なんだ。
王妃殿下であるサラディーナ様は陛下とご成婚される前は【剣舞姫】の二つ名を持つご令嬢だったんだよ。今も陛下と剣の訓練はされてる筈…… いや、最近はお肌の磨きがお忙しいみたいだから分からないけれど……
そうやって訓練する事30分。フェルが疲れたようなので、僕も休憩しようとしたらトウシローから声がかかったよ。
「トーヤ様、もし良ければシンと模擬戦をお願いできますか?」
えー…… 最近のシンくんは強くなってるからなぁ…… 純粋に剣技だけならもう抜かれてるかも知れないし…… 僕は少し困ったけど、シンくんの期待に満ちた眼差しに負けてしまった。仕方なく頷いて模擬戦を了承したんだ。
シンくんが木刀を構える。僕も青眼に構えてシンくんの攻撃を待つ。互いの刀気が高まり弾ける寸前にシンくんが大きく踏み込んで僕を袈裟斬りにする。
速い! けど僕はその軌道を読んで躱し、後追いでシンくんの木刀を叩いた。シンくんの手から木刀が飛ぶ。
「参りました!!」
シンくんの潔い言葉を聞いて、5歩シンくんから距離をとってから僕は木刀を下げた。
「お見事! 我が弟子は未だトーヤ様に至らずですか…… 師の俺から見てもかなりの腕前にシンはなっているのですが…… まだまだ俺の指導が至らぬか……」
そうトウシローが言うけど、本当は内心バクバクしてるんだよ。紙一重だったからね。よく躱せたと僕は自分で自分を褒めてるよ。
うん、コレは僕ももう少し刀技を磨かないとダメだね。シンくんも恐らくは刀技(MAX)なんだろうと思う。僕は鍛えて刀技の上、刀術をシンくんよりも早く身につける為に頑張ろうって心に誓ったよ。
そうして、僕とシンくんの模擬戦を見ていたヤーコがヨダレを垂らしているのをリラが注意してその日の稽古を終えたんだよ。
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