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11.東京アンブッシュ
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── 30分前
「策はあるのか?」
ドンキホーテさんの言葉にオレは頷いた。準備は整った後は実行に移すだけだ。
「タイプライターから……そのオレの忘れた記憶をある程度、補完してもらいました」
オレはとりあえず端的に東京の状況を説明する。
まず空を飛ぶつぎはぎの東京には結界が張られている。この結界はあらゆる物理または魔術的破壊を防ぐ防御結界であるということ。
そして今、囚われている東京の人々は東京召喚の際にいち早く駆けつけた騎士団により保護、そして籠城していること。
そして何より、大魔導士なる者が……東京を召喚した魔導士がおそらくまだいるということ。
「オレの提案は一つだけです」
そしてこれらのことを踏まえてオレは一つの作戦を立てた。この飛行戦艦、シルバーウィングの性能は全てタイプライターにもらった。
この戦艦は飛行速度は最大で音速を超えて、小回りも効く。武装も揃っている。
ならば──。
「この、戦艦に搭載されている主砲を使って結界を突破して、住人と騎士団を保護した後離脱します」
オレの言葉にアレスも、ドンキホーテさんは静かに聞きただ黙っていた。それは肯定の沈黙だとオレは受け取った。
「よしじゃあ──!」
行こう、そうオレが言おうとしたその時だった。
「待て」
スイケシュさんがオレを引き止める。
「それでいいのか? トオル?」
「え? それはどう言う……?」
困惑するオレにスイケシュさんは語る。
「無理やり、クソみたいな世界に無理やり召喚され煮湯を飲まされ続けた。そして得た逆襲のチャンス……それを不意にするのか?」
スイケシュさんの言っていることがよく理解できない。
そんなオレにスイケシュさんはため息をつきながら宣言した。
「その魔導士とやらをぶっ飛ばしてやると言ってんだ」
オレは、頭がフリーズした。
「だはははははは!!!」
ドンキホーテさんの笑い声でオレはようやく頭が回り出した。
「賛成ッ!」
ドンキホーテさんのその返答にまたオレはまた固まった。
「トオル、スイケシュの案を俺は推したい、良いか?」
「え? で、でも!?」
「大丈夫だよ、どっちみち保護するよりもその場で全部、カタつけた方が簡単だ」
そうサラッとドンキホーテさんは言った。
「でも、相手はきっと仲間だってたくさんいて──!」
オレは心配を言葉にそのまま出して、二人にぶつける。
そしてそんな焦りや不安を隠せないオレを見てドンキホーテさんとスイケシュさんは笑った。
「トオル、心配するなお前の目の前にいるのは──」
スイケシュさんは笑いながら言った。
「千年に一度の天才魔法使いと、万年に一度の秀才の騎士だ」
その自信に満ち溢れた顔でそう言うものだから、オレも思わず笑うしかなかった。
なぜか、肩が軽くなった気がした。
「トオル様、どうしますか?」
アレスの言葉にオレは答える。
「戦艦を発信させてくれ」
「目的地はいかがなさいましょう」
「東京タワー……あの赤い塔に一直線で」
その時だった、森が割れた。
いや森だけじゃなく大地が岩盤が割れ、そのクレパスから一機の戦艦が空中に飛び出した。
白い楕円形のアーモンドの様なボディに側面に銀の翼を携え、後部に巨大な円状の鉄の構造物を備えていた。
シルバーウィング。そう呼ばれるオレたちを乗せた戦艦はその円状の構造物から光の輪を展開させ加速した。
東京に向かって。
─────────────
シルバーウィングはそして東京との距離を一気に詰めていく。
「さて、ここからはアドリブだな」
ドンキホーテさんの言葉通りだ東京はもう目と鼻の先、敵ももう気がついているだろう。
ブリッジの中で様子を見ていると、東京に閃光が走る。
すると東京のビルの屋上や側面に3体の異形が現れた。
屋上の1体目は首無しのケンタウロスといったところで、両手に剣を持ち黒い体毛に白い鎧を身につけている。
ビルに寄りかかる2体目は10階建て以上のビルに相当する。身長を持ち、ハエの翅を携えた、彫刻の様に肌の白い人型の異形だった。
そして最後の、側面に垂直に張り付く3体目の異形は頭が巨大な花束で、足はタコの様な軟体生物的な複数の足、そして腕は四つあり、その一つに杖を携えていた。
「なるほど召喚魔法か、異世界を召喚したことから考えるに得意なんだろうな」
ドンキホーテさんはそう言って冷静に分析する。
「スイケシュ? どれやりたい?」
「オレはハエが嫌いだからあの巨人を潰す、後は好きにしろ」
「じゃあオレは二体取るぜ?」
「OK」
え? なんか勝手に話が進んで……。
「トオル、君は戦艦を頼む」
「え?」
「アレス、結界を破壊したらオレたちって外にいけるか?」
「はいもちろんです! ドンキホーテ様 テレポートと機能で外に射出します!」
「了解! 頼む!」
ドンキホーテさんとアレスが勝手に話を纏めてしまったオレはついていけないままだ。
「マジで二人でやる気ですか!?」
「当然!」
ドンキホーテさんの言葉を聞いた瞬間だった。アレスの言葉が耳に入る。
「目標付近にきました、作戦通り! 主砲発射します!」
アレスの言葉の通りシルバーウィングの船体のどこからはわからなかったが青い光線が発射される。
その光線は東京の上空にまで到達し炸裂。
いや、正確には空飛ぶ東京に貼られた結界に直撃したのだろう、赤い粒子と共に光線の青い爆炎が東京を照らした。
「障壁破壊確認しました」
その青い爆炎はいつまでも空に残留し輝いていた、まるで青空の様に。
そしてオレたちはその爆炎の中に突入する。
「よっしゃ! アレス!」
東京の上空に侵入完了。
その事実を確認すると共にドンキホーテさんとスイケシュさんが閃光と共に消える。
二人はいつのまにか、船外に出ていた。
─────────────
東京、上空。
船外に放り出されたスイケシュとドンキホーテを三体の異形は確認した。
その三体の異形はそれぞれ自身の特技である剣技を魔法を、破壊を繰り出していく。
ケンタウロスの異形は両手に持った二刀の剣を水平にクロスさせそのまま切り開く様に斬撃を繰り出し、まるで嵐の様なかまいたちを発生させ、斬撃の嵐を飛ばす。
ハエの人型の巨人の異形は口をあんぐりと開け叫び、その方向そのものを衝撃波として、放つ。
花束頭の異形は杖の先から、稲妻を迸らせそのままその電撃に指向性持たせて、雷の槍を二人に向けて放った。
三体の異形の放つその技は、どれも規格外だった。
ケンタウロスのその斬撃は周辺のビルを切り裂き。
ハエの巨人の咆哮は、ビルの周辺のガラスを吹き飛ばし、ビルそのものにヒビを入れ。
花束頭の電撃はビルそのものを融解させた。
どれも、一流の召喚魔法使いが呼び出した。一流の化け物による、最高の一撃。
だが……。
「なんだ、こんなもんか?」
ドンキホーテはそう呟き、スイケシュは嘲笑った。
斬撃が、咆哮が、電撃が掻き消される。
ドンキホーテの剣の一閃とスイケシュのフィンガースナップによって。
そして次の瞬間だった。
まずドンキホーテが青白い閃光と共に、ビルの融解した側面に着地した。
それはドンキホーテ自身が得意とするテレポートの魔法だった。
そしてそのまま脚力に任せて、割れたビルの窓枠と融解した窓のフレームを足場に加速し、一閃。
花束頭の異形の胴体を切り裂いた。
「……⬛︎⬛︎⬛︎!!」
威嚇の様な唸り声を上げたケンタウロスの異形は剣先をドンキホーテに向けるもすでに視界に彼はいない。
瞬間だった。
「……⬛︎⬛︎!」
ケンタウロスの両腕が腕が吹き飛ぶ。
それは常人を超えた脚力によって一瞬でビルの側面からケンタウロスのいる屋上まで彼我を詰めたドンキホーテの斬撃だった。
「じゃあな」
それがケンタウロスが聞いた最後の声だった。
反撃も、逃走する間もなくケンタウロスの異形の心臓にドンキホーテの剣が突き立たれた。
一瞬で、殺された二体の異形の仇を取ろうとハエの翅を携えた巨人型の異形が拳を振り上げる。
ビルごとドンキホーテを叩き潰すつもりだ。
「よそ見しすぎだ、木偶の坊」
スイケシュの声が巨人の頭上から響く。
そしてスイケシュが指を鳴らす。
「重力魔法……展開」
それは逃れられない死刑宣告に近かった。
スイケシュの放った彼が最も得意で最も意味嫌う重力魔法の本流に巨人は叩き潰された。
この間、わずか1分弱。
この異形たちは確かに一流だった。
しかしどの時代も、いやどの世界でもそうだろう。
一流は例外に敵わない。
「策はあるのか?」
ドンキホーテさんの言葉にオレは頷いた。準備は整った後は実行に移すだけだ。
「タイプライターから……そのオレの忘れた記憶をある程度、補完してもらいました」
オレはとりあえず端的に東京の状況を説明する。
まず空を飛ぶつぎはぎの東京には結界が張られている。この結界はあらゆる物理または魔術的破壊を防ぐ防御結界であるということ。
そして今、囚われている東京の人々は東京召喚の際にいち早く駆けつけた騎士団により保護、そして籠城していること。
そして何より、大魔導士なる者が……東京を召喚した魔導士がおそらくまだいるということ。
「オレの提案は一つだけです」
そしてこれらのことを踏まえてオレは一つの作戦を立てた。この飛行戦艦、シルバーウィングの性能は全てタイプライターにもらった。
この戦艦は飛行速度は最大で音速を超えて、小回りも効く。武装も揃っている。
ならば──。
「この、戦艦に搭載されている主砲を使って結界を突破して、住人と騎士団を保護した後離脱します」
オレの言葉にアレスも、ドンキホーテさんは静かに聞きただ黙っていた。それは肯定の沈黙だとオレは受け取った。
「よしじゃあ──!」
行こう、そうオレが言おうとしたその時だった。
「待て」
スイケシュさんがオレを引き止める。
「それでいいのか? トオル?」
「え? それはどう言う……?」
困惑するオレにスイケシュさんは語る。
「無理やり、クソみたいな世界に無理やり召喚され煮湯を飲まされ続けた。そして得た逆襲のチャンス……それを不意にするのか?」
スイケシュさんの言っていることがよく理解できない。
そんなオレにスイケシュさんはため息をつきながら宣言した。
「その魔導士とやらをぶっ飛ばしてやると言ってんだ」
オレは、頭がフリーズした。
「だはははははは!!!」
ドンキホーテさんの笑い声でオレはようやく頭が回り出した。
「賛成ッ!」
ドンキホーテさんのその返答にまたオレはまた固まった。
「トオル、スイケシュの案を俺は推したい、良いか?」
「え? で、でも!?」
「大丈夫だよ、どっちみち保護するよりもその場で全部、カタつけた方が簡単だ」
そうサラッとドンキホーテさんは言った。
「でも、相手はきっと仲間だってたくさんいて──!」
オレは心配を言葉にそのまま出して、二人にぶつける。
そしてそんな焦りや不安を隠せないオレを見てドンキホーテさんとスイケシュさんは笑った。
「トオル、心配するなお前の目の前にいるのは──」
スイケシュさんは笑いながら言った。
「千年に一度の天才魔法使いと、万年に一度の秀才の騎士だ」
その自信に満ち溢れた顔でそう言うものだから、オレも思わず笑うしかなかった。
なぜか、肩が軽くなった気がした。
「トオル様、どうしますか?」
アレスの言葉にオレは答える。
「戦艦を発信させてくれ」
「目的地はいかがなさいましょう」
「東京タワー……あの赤い塔に一直線で」
その時だった、森が割れた。
いや森だけじゃなく大地が岩盤が割れ、そのクレパスから一機の戦艦が空中に飛び出した。
白い楕円形のアーモンドの様なボディに側面に銀の翼を携え、後部に巨大な円状の鉄の構造物を備えていた。
シルバーウィング。そう呼ばれるオレたちを乗せた戦艦はその円状の構造物から光の輪を展開させ加速した。
東京に向かって。
─────────────
シルバーウィングはそして東京との距離を一気に詰めていく。
「さて、ここからはアドリブだな」
ドンキホーテさんの言葉通りだ東京はもう目と鼻の先、敵ももう気がついているだろう。
ブリッジの中で様子を見ていると、東京に閃光が走る。
すると東京のビルの屋上や側面に3体の異形が現れた。
屋上の1体目は首無しのケンタウロスといったところで、両手に剣を持ち黒い体毛に白い鎧を身につけている。
ビルに寄りかかる2体目は10階建て以上のビルに相当する。身長を持ち、ハエの翅を携えた、彫刻の様に肌の白い人型の異形だった。
そして最後の、側面に垂直に張り付く3体目の異形は頭が巨大な花束で、足はタコの様な軟体生物的な複数の足、そして腕は四つあり、その一つに杖を携えていた。
「なるほど召喚魔法か、異世界を召喚したことから考えるに得意なんだろうな」
ドンキホーテさんはそう言って冷静に分析する。
「スイケシュ? どれやりたい?」
「オレはハエが嫌いだからあの巨人を潰す、後は好きにしろ」
「じゃあオレは二体取るぜ?」
「OK」
え? なんか勝手に話が進んで……。
「トオル、君は戦艦を頼む」
「え?」
「アレス、結界を破壊したらオレたちって外にいけるか?」
「はいもちろんです! ドンキホーテ様 テレポートと機能で外に射出します!」
「了解! 頼む!」
ドンキホーテさんとアレスが勝手に話を纏めてしまったオレはついていけないままだ。
「マジで二人でやる気ですか!?」
「当然!」
ドンキホーテさんの言葉を聞いた瞬間だった。アレスの言葉が耳に入る。
「目標付近にきました、作戦通り! 主砲発射します!」
アレスの言葉の通りシルバーウィングの船体のどこからはわからなかったが青い光線が発射される。
その光線は東京の上空にまで到達し炸裂。
いや、正確には空飛ぶ東京に貼られた結界に直撃したのだろう、赤い粒子と共に光線の青い爆炎が東京を照らした。
「障壁破壊確認しました」
その青い爆炎はいつまでも空に残留し輝いていた、まるで青空の様に。
そしてオレたちはその爆炎の中に突入する。
「よっしゃ! アレス!」
東京の上空に侵入完了。
その事実を確認すると共にドンキホーテさんとスイケシュさんが閃光と共に消える。
二人はいつのまにか、船外に出ていた。
─────────────
東京、上空。
船外に放り出されたスイケシュとドンキホーテを三体の異形は確認した。
その三体の異形はそれぞれ自身の特技である剣技を魔法を、破壊を繰り出していく。
ケンタウロスの異形は両手に持った二刀の剣を水平にクロスさせそのまま切り開く様に斬撃を繰り出し、まるで嵐の様なかまいたちを発生させ、斬撃の嵐を飛ばす。
ハエの人型の巨人の異形は口をあんぐりと開け叫び、その方向そのものを衝撃波として、放つ。
花束頭の異形は杖の先から、稲妻を迸らせそのままその電撃に指向性持たせて、雷の槍を二人に向けて放った。
三体の異形の放つその技は、どれも規格外だった。
ケンタウロスのその斬撃は周辺のビルを切り裂き。
ハエの巨人の咆哮は、ビルの周辺のガラスを吹き飛ばし、ビルそのものにヒビを入れ。
花束頭の電撃はビルそのものを融解させた。
どれも、一流の召喚魔法使いが呼び出した。一流の化け物による、最高の一撃。
だが……。
「なんだ、こんなもんか?」
ドンキホーテはそう呟き、スイケシュは嘲笑った。
斬撃が、咆哮が、電撃が掻き消される。
ドンキホーテの剣の一閃とスイケシュのフィンガースナップによって。
そして次の瞬間だった。
まずドンキホーテが青白い閃光と共に、ビルの融解した側面に着地した。
それはドンキホーテ自身が得意とするテレポートの魔法だった。
そしてそのまま脚力に任せて、割れたビルの窓枠と融解した窓のフレームを足場に加速し、一閃。
花束頭の異形の胴体を切り裂いた。
「……⬛︎⬛︎⬛︎!!」
威嚇の様な唸り声を上げたケンタウロスの異形は剣先をドンキホーテに向けるもすでに視界に彼はいない。
瞬間だった。
「……⬛︎⬛︎!」
ケンタウロスの両腕が腕が吹き飛ぶ。
それは常人を超えた脚力によって一瞬でビルの側面からケンタウロスのいる屋上まで彼我を詰めたドンキホーテの斬撃だった。
「じゃあな」
それがケンタウロスが聞いた最後の声だった。
反撃も、逃走する間もなくケンタウロスの異形の心臓にドンキホーテの剣が突き立たれた。
一瞬で、殺された二体の異形の仇を取ろうとハエの翅を携えた巨人型の異形が拳を振り上げる。
ビルごとドンキホーテを叩き潰すつもりだ。
「よそ見しすぎだ、木偶の坊」
スイケシュの声が巨人の頭上から響く。
そしてスイケシュが指を鳴らす。
「重力魔法……展開」
それは逃れられない死刑宣告に近かった。
スイケシュの放った彼が最も得意で最も意味嫌う重力魔法の本流に巨人は叩き潰された。
この間、わずか1分弱。
この異形たちは確かに一流だった。
しかしどの時代も、いやどの世界でもそうだろう。
一流は例外に敵わない。
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