種々雑多(しゅじゅざった)

梁瀬

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噺 穴

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 今日は3月3日、桃の節句です。
ひな祭りには〝白酒〟や〝甘酒〟が一般的ですよね。

 桃の花の時期には少し早いのですが、私のおすすめは桃花酒とうかしゅです。
ご存じの方もいらっしゃるでしょうが、桃花酒は清酒(日本酒)に、桃の花を細かく
刻んで浮かべたり、杯に花びらを浮かべて頂く、目も楽しませてくれるお酒です。

 古くは、目に美しく、邪気を祓う力をもつ〝桃のお酒〟を頂き、季節の変わり目を
無事に乗り越えるという意味があったそうです。
 
 今年は皆さんも、桃の花を眺めながら桃花酒なんていかがでしょうか?


 本日も、どうぞよしなに。



 私には、いくつかの穴がある。
夫と結婚する前には無かったものだが、結婚後、ソレは一つずつ増えていった。
 だが、当初は穴ではなかった。
最近、その穴の存在を感じるようになった。

 お互い歳を重ね、長い年月を一緒に過ごし、苦楽を共にしてきた。
私達は出会い、恋人になり、結婚し夫婦になり、家族になった。
 今は、子供達も自立した。
どんな関係に変わったのだろう…いや、変わらず夫婦であり、家族なのだろう。

 今になって実感した穴は、ぽっかりと空いているような虚無感すらあるが、
穴になってからも不思議と空っぽという感じでもない。

 そして、その穴は時々…ふさがる。
ピッタリあったソレによって塞がれ、穴が満たされると、自然に中からジワッと
温かな時間があふれ出してくると、夫婦の距離すら、いとも簡単に縮めてしまう。

 いくつもある穴は、それぞれピッタリと穴に合い、ソレでなくてはならない。
だからといって穴を埋めるために、ソレを利用する気にはならない。

 気付いているかは分からないが、恐らく…いや絶対に、夫にも穴はあるはずだ。
全く私と同じ状態の穴だろう…。
 
 もしかしたら、だれかに試されているのかも知れない。
穴が塞がっていた時は、実感する間もないほど、様々な事に追われていたから、
気付かなかったし、ソレのおかげで距離などなかった。

 だが、ぽっかりと空いた穴を実感してからは、夫と私、各々が好きな事を好きな
だけしようと思えば、いくらでも離れていける。

 家族であっても、別々の個になれてしまえるから、今、試されているといえる。
やはりソレの存在は、大きいといえる。

 ソレは大切な存在だからこそ、私達も尊重しなければならない。
だから、これからは夫婦として同じ穴を抱え、その穴ごとに詰まった時間を振り返り
夫婦の時間を熟成していく事で、新たな形を作れるようになるのだろう…。

 ソレらは、大きく育ち自立していったかすがい
一人一人が私達の鎹となり、家族の絆を強めてくれていた。ありがとう。
 鎹だった貴方達が、それぞれの家族を持つようになったら、私達は互いに縁を結び
直して、夫婦二人三脚で歩んで行こう。
 
 子は鎹というけれど、親元に縛り付けるのではなく、自らの幸せを探して欲しい。
鎹となってくれた貴方達が空けた穴には、思い出がたくさん詰まっています。

 生まれて来てくれてありがとう。親にさせてくれてありがとう。



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