26 / 86
第3章 夢の未来
26話 鼻血
しおりを挟む
スタジオに着いた俺とノマドは、ノマドの案内でいつも練習している部屋の前まできたのだが……
「おい、入らないのか?」
「ちょ、ちょっと待つっス、今心の準備してるところっスから」
「でもなぁ、お前その準備始めてからどのくらい経ったかわかってるか?10分だぞ?10分!」
「わ、わかってるっスよ!あ、あとちょっとっスからちょっと待つっス!」
そんな感じで扉の前で押し問答していた。
幸いな事にスタジオは防音室になっているお陰で中にはこんな馬鹿騒ぎが聞こえていないのだが、さっきからちょくちょくここのスタッフさんが俺達を変な人を見る目で見てくるのが辛いので、出来ればノマドにはさっさと心の準備を完了させて、俺を部屋の中に入れて欲しいところだ。
それから結局さらに5分ほどノマドがモジモジしていたのと、流石にスタジオ前で15分以上も何もせずいるのを不審に思ったのか、俺たちの様子を確認するスタッフさんが少し増えて来たことで、俺が限界になり俺はノマドの静止も聞かずにスタジオの扉を開いて、その中に無理やりノマドを突っ込み、俺はスタッフさんの方に一度頭を下げてからスタジオの中へと入っていった。
「ちょっと先輩まだボク心の準備できてなかったんスけど!」
「うっさいんじゃボケ!お前がさっさと心の準備を完了せんのが悪いわ!」
そんな事を言い合いながらも俺は部屋の中を見渡してみたのだが、そこには俺より少し年下でノマドよりかは年上な美少女星野キラメただ1人しかおらず、それも確かここのスタジオ内は食事が禁止だったはずなのだが、スタジオの端の方で1人女の子座りをしながら、小さな口で両手で持ったおにぎりを啄んでいた。
「あれ?キラメ1人か?」
その声で俺がスタジオに来た事に気がついたキラメは、今まさに食べていたおにぎりを軽くラップに包むと、適当に置きその場で勢いよく立ち上がった。
「ホムラくん!?」
そして久しぶりの再会に喜んだキラメは、大きく手を振りながらこちらの方へと駆けて来た。
「久しぶりー!」
「おう、久しぶり」
裏では何度か話したりはしたものの、リアルで会うのは実に約1年と半年ぶりだ。
それが本当に嬉しかったのか、キラメは満面の笑みでこのまま勢いよくハグをするのか?と思うほどの勢いで、手を振りながらこちらに近づいて来て、俺も久しぶりの再会に少し嬉しくなり、初めの方は軽く手を振り替えしていたのだが、流石に突っ込んでくるとは思っていなかったのでどうしようかと考えていると、キラメが走っている自分の足に自分の足を引っ掛けて、俺とノマドの本当に目の前で顔面から地面へと倒れ込んだ。
その瞬間スタジオ内には、キラメが地面とキスをした時の衝撃音が響き渡った。
「うぉい!大丈夫かキラメ?」
「大丈夫っスかキラメ先輩!」
いきなりの事に俺もノマドも一瞬フリーズしてしまったが、すぐに俺は正気を取り戻しキラメに声をかけたところで、ノマドも正気に戻り俺とノマドはキラメの側まで近づき、2人でキラメを持ち上げ立ち上がらせた。
「あはは、ごめんねちょっとドジっちゃった」
そう煌めく笑顔で言うキラメの鼻からはダバダバと勢いよく鼻血が噴き出していた。
普段はしっかりとリーダーと言うか、ユメノミライのエースとして二期生や三期生を引っ張って来たのか、そのイメージのお陰で一期生のメンバー以外には、頼れる先輩として見られていたキラメが、いきなり目の前で盛大にずっこけたと思ったら、鼻血を見たこともない量を両方の鼻の穴からダバダバと垂らしている様子を見て、ノマドはあり得ないものを見たかの様に少し狼狽えていた。
だが正直俺達一期生からするとキラメは鈍臭い末っ子だったので、転んで鼻血を流すところなども何度も見て来ていたので、今更鼻血を流したくらいでは特段なんとも思わず、流れる様な動きでポケットの中からティッシュを取り出すと、すぐに口周りに着いた鼻血を拭き取るとキラメの両方の鼻の穴に丸めたティッシュを詰め込み、床に着いた鼻血を念のため持って来ていた消毒液を使ってきれいに拭き取った。
「よしっこれで大丈夫だな」
「ごめんねホムラくん」
「いいっていいって、にしても最近は配信を見てる限りお前のどじも治ったと思ったんだけど、まだまだ健在だったんだな」
「いやいや今のは偶々だって!そうだよねぇノマドちゃん」
「はいっス!キラメ先輩がドジしてるイメージなんて全然無いっスよ」
「本当か?キラメが先輩だからってそんな気を使わなくてもいいんだぞ?」
「いや、先輩ほんとっスよ!ボクから見たキラメ先輩は、完全無欠のゴッドオブアイドルって感じっス!だからさっきみたいに鼻血ダラダラなキラメ先輩を見たときは本当にびっくりしたっス。と言うか逆に先輩が颯爽とキラメ先輩の鼻血の処理をしてたのが、普通に気持ち悪かったっス」
「いや気持ち悪いってお前なぁ……」
それを聞いて俺の知らない間にキラメも成長したんだなと、過去の1人だと事務所にも行けず、毎度俺がキラメの家まで迎えに行っていた、あの頃のドジっ子だったキラメを思い出して少し懐かしさに浸っていた。
「そういや今日ってキラメ以外は居ないのか?」
キラメとの再会で色々忘れていたが、今日俺がここに来た理由がノマドがミリーに謝る所を見届ける事だった思い出し、この部屋に入ってからミリーを一度も見ておらず、もしや今日はレッスンの日ではなかったのでは?と少しいやな考えが頭によぎった。
「今日?今日はねカネコちゃんとマミさんは用事で来れないって言ってたから、私とミリーちゃんの2人だけだよ」
「そっかミリーはいるのか」
「うん、今は外でお昼ご飯食べに行ってるけどね」
それを聞いて俺は、今日ここに来たことが無駄足でなかったことがわかり一安心した。
その後最近の出来事などを3人で話し合っていると、スタジオの扉をノックする音が聞こえ、それと同時に1人の女性が部屋の中へと入って来た。
「軍神ミリーただいま昼休憩より帰還しました。」
「おい、入らないのか?」
「ちょ、ちょっと待つっス、今心の準備してるところっスから」
「でもなぁ、お前その準備始めてからどのくらい経ったかわかってるか?10分だぞ?10分!」
「わ、わかってるっスよ!あ、あとちょっとっスからちょっと待つっス!」
そんな感じで扉の前で押し問答していた。
幸いな事にスタジオは防音室になっているお陰で中にはこんな馬鹿騒ぎが聞こえていないのだが、さっきからちょくちょくここのスタッフさんが俺達を変な人を見る目で見てくるのが辛いので、出来ればノマドにはさっさと心の準備を完了させて、俺を部屋の中に入れて欲しいところだ。
それから結局さらに5分ほどノマドがモジモジしていたのと、流石にスタジオ前で15分以上も何もせずいるのを不審に思ったのか、俺たちの様子を確認するスタッフさんが少し増えて来たことで、俺が限界になり俺はノマドの静止も聞かずにスタジオの扉を開いて、その中に無理やりノマドを突っ込み、俺はスタッフさんの方に一度頭を下げてからスタジオの中へと入っていった。
「ちょっと先輩まだボク心の準備できてなかったんスけど!」
「うっさいんじゃボケ!お前がさっさと心の準備を完了せんのが悪いわ!」
そんな事を言い合いながらも俺は部屋の中を見渡してみたのだが、そこには俺より少し年下でノマドよりかは年上な美少女星野キラメただ1人しかおらず、それも確かここのスタジオ内は食事が禁止だったはずなのだが、スタジオの端の方で1人女の子座りをしながら、小さな口で両手で持ったおにぎりを啄んでいた。
「あれ?キラメ1人か?」
その声で俺がスタジオに来た事に気がついたキラメは、今まさに食べていたおにぎりを軽くラップに包むと、適当に置きその場で勢いよく立ち上がった。
「ホムラくん!?」
そして久しぶりの再会に喜んだキラメは、大きく手を振りながらこちらの方へと駆けて来た。
「久しぶりー!」
「おう、久しぶり」
裏では何度か話したりはしたものの、リアルで会うのは実に約1年と半年ぶりだ。
それが本当に嬉しかったのか、キラメは満面の笑みでこのまま勢いよくハグをするのか?と思うほどの勢いで、手を振りながらこちらに近づいて来て、俺も久しぶりの再会に少し嬉しくなり、初めの方は軽く手を振り替えしていたのだが、流石に突っ込んでくるとは思っていなかったのでどうしようかと考えていると、キラメが走っている自分の足に自分の足を引っ掛けて、俺とノマドの本当に目の前で顔面から地面へと倒れ込んだ。
その瞬間スタジオ内には、キラメが地面とキスをした時の衝撃音が響き渡った。
「うぉい!大丈夫かキラメ?」
「大丈夫っスかキラメ先輩!」
いきなりの事に俺もノマドも一瞬フリーズしてしまったが、すぐに俺は正気を取り戻しキラメに声をかけたところで、ノマドも正気に戻り俺とノマドはキラメの側まで近づき、2人でキラメを持ち上げ立ち上がらせた。
「あはは、ごめんねちょっとドジっちゃった」
そう煌めく笑顔で言うキラメの鼻からはダバダバと勢いよく鼻血が噴き出していた。
普段はしっかりとリーダーと言うか、ユメノミライのエースとして二期生や三期生を引っ張って来たのか、そのイメージのお陰で一期生のメンバー以外には、頼れる先輩として見られていたキラメが、いきなり目の前で盛大にずっこけたと思ったら、鼻血を見たこともない量を両方の鼻の穴からダバダバと垂らしている様子を見て、ノマドはあり得ないものを見たかの様に少し狼狽えていた。
だが正直俺達一期生からするとキラメは鈍臭い末っ子だったので、転んで鼻血を流すところなども何度も見て来ていたので、今更鼻血を流したくらいでは特段なんとも思わず、流れる様な動きでポケットの中からティッシュを取り出すと、すぐに口周りに着いた鼻血を拭き取るとキラメの両方の鼻の穴に丸めたティッシュを詰め込み、床に着いた鼻血を念のため持って来ていた消毒液を使ってきれいに拭き取った。
「よしっこれで大丈夫だな」
「ごめんねホムラくん」
「いいっていいって、にしても最近は配信を見てる限りお前のどじも治ったと思ったんだけど、まだまだ健在だったんだな」
「いやいや今のは偶々だって!そうだよねぇノマドちゃん」
「はいっス!キラメ先輩がドジしてるイメージなんて全然無いっスよ」
「本当か?キラメが先輩だからってそんな気を使わなくてもいいんだぞ?」
「いや、先輩ほんとっスよ!ボクから見たキラメ先輩は、完全無欠のゴッドオブアイドルって感じっス!だからさっきみたいに鼻血ダラダラなキラメ先輩を見たときは本当にびっくりしたっス。と言うか逆に先輩が颯爽とキラメ先輩の鼻血の処理をしてたのが、普通に気持ち悪かったっス」
「いや気持ち悪いってお前なぁ……」
それを聞いて俺の知らない間にキラメも成長したんだなと、過去の1人だと事務所にも行けず、毎度俺がキラメの家まで迎えに行っていた、あの頃のドジっ子だったキラメを思い出して少し懐かしさに浸っていた。
「そういや今日ってキラメ以外は居ないのか?」
キラメとの再会で色々忘れていたが、今日俺がここに来た理由がノマドがミリーに謝る所を見届ける事だった思い出し、この部屋に入ってからミリーを一度も見ておらず、もしや今日はレッスンの日ではなかったのでは?と少しいやな考えが頭によぎった。
「今日?今日はねカネコちゃんとマミさんは用事で来れないって言ってたから、私とミリーちゃんの2人だけだよ」
「そっかミリーはいるのか」
「うん、今は外でお昼ご飯食べに行ってるけどね」
それを聞いて俺は、今日ここに来たことが無駄足でなかったことがわかり一安心した。
その後最近の出来事などを3人で話し合っていると、スタジオの扉をノックする音が聞こえ、それと同時に1人の女性が部屋の中へと入って来た。
「軍神ミリーただいま昼休憩より帰還しました。」
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる