運命の番だと告げることが許されなくても、貴方の側に置いてください……

紅葉ももな(くれはももな)

文字の大きさ
4 / 4

完!

 それから二日後念の為、検査入院を経て和臣は無事に退院した。

 しかし心の傷は深かったようで、自宅に籠もって出てこなくなってしまった。

 和臣が居なくても仕事は無くならない。

 ひまりを始め和臣の側近たちは今回の結婚式に参列して頂いた招待客にお詫びを送り、直近の和臣の予定を全てキャンセルしていく。

 そんなある日、和臣から久しぶりに連絡が来た。

 ひまりは急ぎ和臣の自宅へ向かいタクシーを飛ばすと、和臣の自宅のあるオートロックのエントランスを抜けて、和臣が借り受けている高層ビルの最上階へエレベーターで向う。

「和臣様、藤堂です」

 玄関脇にある呼び出しボタンを押せば、直ぐに入室許可とともにオートロックが外された。

「……入れ」 

「失礼いたします」

 断りを入れて部屋に踏み込めば、部屋の床に花嫁と一緒に幸せそうに笑う和臣の写真が無残に引きちぎられて散乱していた。

「藤堂……なんで『運命の番』なんてものが居るんだろうな……」

 両手で顔を覆い震える和臣の姿に無意識に手を伸ばしかけて、ひまりは伸ばした手を引っ込める。

「今日、アキとアキの『運命の番』が謝罪に来たよ」

 震える声で告げられた言葉に、ひまりは驚いた。

 どうやら返答は求めていないのか、和臣は話し続ける。

「アキはひと目で自分の『運命の番』だとわかったらしい、もう離れられないとも……もしかして戻ってきてくれないかと思っていたけど、無理だった」

 決して視線を上げることなく、心のままに心情を吐露していく。

「『魂の番』の香りを嗅いだとたん彼以外目に入らなかったと言われたよ、直ぐに前に花婿が居たのにね。『運命の番』の繋がりは理性なんてあざ笑うんだ」

 怖いのは裏切られたことか、はたまた育んできた愛情を一瞬で覆す『運命の番』と言う本能か。

「『運命の番』に出会ったら俺は意志を乗っ取られるのか? どんな呪いだよふざけんな! 『運命の番』になんて一生出会いたくない」

 苛立たしげにローテーブルを叩いた音にひまりはすくみ上がる。

 和臣の言葉は鋭い刃となってひまりの心に深く深く突き刺さった。

 和臣は『運命の番』そのものを憎んでいる。

 ひまりの心にはズタズタだった。

「ごめんな、こんな話……福原たちには明日から出社すると伝えてくれ」

「はい……失礼いたします」

 話は終わりだとでも言わんばかりにひまりを追い出しにかかった和臣に素直に従いビルを後にする。

 どんよりと空を覆う厚い雲はまるでひまりのこれからを表しているようだ。

「ふっ……うぅぅ」

 溢れる涙はもう止まらなかった。 

「『運命の番』は呪いかぁ……私が生きてること自体和臣様にとって呪いなのかも」

 ぽつりぽつりと降り出した雨は次第に強まりひまりの身体を濡らしていく。

 和臣の側で彼の幸せを願うことは『運命の番』であるひまりには許されないのかもしれない。

 いくら発情期を抑制剤で抑え込んでも、オメガであること……しかも『運命の番』だと露呈すれば和臣はひまりを許しはしないだろう。

 フェロモン異常が発覚する前まで、無邪気に『運命の番』と添い遂げて愛するアルファの子を産み育てる幸せを信じていた。

 今思えばあの頃が、一番幸せだったかもしれない。

 毎日顔を合わせても和臣はひまりに気が付かない……『運命の番』ならフェロモン異常になってもひまりを見つけてくれるかもと言う期待はもう現実としてありえない事をひまりに思い知らせた。
 
 その翌日から雨に体温を奪われて冷えた身体は高熱を出し倒れた。

 心理的ストレスと抑制剤を服用し続けた事で周期を乱した発情期も併発したひまりは、朦朧でした意識の中でなおも和臣に縋ろうとする自分を許せなかった。

 熱も発情期も終わり会社復帰したひまりが、目にしたのはうさを晴らすように擦り寄るオメガをもて遊ぶ和臣だった。

「和臣様、少しお休みになられては?」

 仕事とオメガ遊びで睡眠もろくに取れていないのか、いやもしかしたら眠るのが怖いのかもしれない。

 常時苛ついている和臣に忠言したひまりに和臣が机の上の書類を投げつけた。

 書類はひまりの身体にあたることは無かったがいつにない和臣の剣幕にひまりは慄いた。

「うるさい! 出ていけ!」

「……申し訳ありませんでした、失礼いたします」

 部屋を飛び出してひまりは兄である涼介に電話を掛けた。

「どうした?」

 いつもと変わらない兄の優しい声にひまりの心は決壊した。

「助けて……」 

***

「本当にやるのか?」

 涼介の胸でさんざん泣いたひまりは兄に自分の願いを口にした。

「助けてくれるんでしょう?」

 まだ落ち着かない声音で聞けば痛ましそうに涼介はひまりを抱きしめた。

 ひまりが涼介に頼んだのは和臣の側を離れたいと言うこと。

 和臣はオメガ遊びをしながらも、いつ『運命の番』に出会うかと恐怖しているように感じだ。

 次第に堕ちていく和臣の姿をこれ以上見ているのはひまりには出来そうになかった。

 ならいっそ自分の正体を告げて、二度と会うことがない場所に消えようと決意した。

 涼介は現状を理解していたのかもしれない、いつかひまりが耐えきれなくなることも。

 ただ小さく「わかった……」と告げて優しくひまりを抱きしめてくれた。

 そしてひまりを逃がす手伝いもしてくれると請け負う。

 ひまりは仕事を続けながら住んでいた部屋を引き払い最低限の必要な物だけを持ってホテルに引っ越した。

 手元にあるのはパスポートと強制的に発情期を起こすための薬。

 これはもともとフェロモン障害を患った際に不定期になってしまった発情期を改善するために処方された物だった。

 そして涼介が手配してくれた海外行の飛行機のチケットと滞在先となる住所だ。

 ホテルをチェックアウトして搭乗予定の空港のコインロッカーに荷物を預ける。

 既に辞表は涼介に預けてあるし、和臣の許可はないが内密に側近に仕事も引き継ぎを済ませてある。

 スマートフォンに和臣の居場所を記す情報が涼介から送られてきた。

 どうやら和臣は既に自宅に帰っているらしい。

 通い慣れた高層ビルへ入り、和臣に大切な話があると伝えれば、あっさりと部屋へと通された。

「どうしたこんな時間に」

 こちらを見もしない和臣の背中を見るのも今日で最後だ。

「藤堂?」

 なんの反応もないひまりを不審に思ったのだろう。

 ひまりは即効性のあるドリンク状の発情期誘発剤を一気に煽った。

 これは一時的に短時間で無理やり発情期を引き起こすための物だ。

 火照る身体で和臣にすがりつけば、むりやり高められたオメガフェロモンが濃縮されて和臣のアルファの本能に火をつけた。 

 きっと和臣はひまりが『運命の番』だと理解しただろう。

 愛ゆえの行為とは言えない本能に任せた交わり。

 翌朝、部屋には和臣の姿はなくなっていた。

 ひまりにとって和臣が居ないのは好都合だったため、直ぐに衣服を身に着けビルを抜け出し、タクシーを捕まえて空港へ向かった。
 
 登場案内に従って飛行機に乗り込むと、それまでの疲労がどっと押し寄せてくる。

 窓際の席だった事もあり離陸して間もなく眼下には先程まで過した和臣の自宅がある高層ビルが見え、ひまりは窓ガラスに手をついた。

「さようなら……」

 祖国と愛する『運命の番』に別れを告げる。

 ひまりが飛行機に乗っている頃、和臣はパニックを起こしていた。

 ひまりが『運命の番』だった事実に混乱していたこともあるが、涼介から手渡された辞表を確認したことで、困惑する側近達が引き止める間もなく自宅へ帰ると会社を飛び出してしまったのだ。

「藤堂!」

 ひまりが寝ていた部屋には既に誰もおらず、自宅全てを捜したがついに姿を見つけることはできなかった。

 側近のひとりをひまりの借り受けていた自宅へ走らせるも既にもぬけの殻。

 この短時間でいったいどこに行けると言うのか、必死に記憶を探りひまりの行きそうな場所を考えようとしたが、一向に思いつかない。

「藤堂……」

 思い浮かぶのは静かに微笑むひまりの姿。

 涼介に連れられて彼の部下として働くと紹介されたとき、ひまりが優秀な人材だと聞かされて和臣は涼介に無理を言ってひまりを私設秘書に引き抜いた。

 ひまりはおとなしい性格なのか、必要な会話はするものの、あまり自分の事を語ろうとはしない。

 和臣の意識を自らに向けさせようと必死にアピールしてくるオメガやベータ達と違う反応に興味が湧いた事もある。

 仕事中も邪魔したりすることはなく、喉が乾いたなと思い始めた時に、スッとさり気なくお茶や珈琲を出してくれたこともあった。

 思い返せば和臣がアルファの側近以外で自ら近くに寄ることを許したのはひまりとアキだけだった。

「……涼介?」

 ひまりを和臣に会わせたのは涼介だ。

 不意に涼介に抱きしめられたひまりの姿を思い出し、強い苛立ちを覚える。
  
 仲睦まじげに見えた涼介ならひまりの居場所を知っているのではないだろか?

 時計を見れば涼介はまだ仕事中であるはずだ。

 急ぎ会社へ取って返し、他の側近たちを無視して涼介の仕事部屋へ向かう。

 扉を開けて中に入ると、涼介の姿を見るなり和臣は涼介のスーツの胸元に掴みかかった。

「涼介! 藤堂は、ひまりはどこだ!」

「いきなりなんなんだ」

「お前はひまりを抱きしめていた! それに俺にひまりを引き会わせたのもお前だ!」

 目を血走らせて詰め寄る和臣の様子に涼介は心の中で舌打ちした。

「だからどうした? 藤堂は辞表を提出している、今更彼女がどこで何をしようが彼女の自由だ、例えば誰かと番になろうともな」

 涼介の挑発に煽られて和臣はますます激昂していく。

「ふざけるな!」

「ふざけてるのはどっちだよ……彼女はお前となんの関係もない!」

「あいつは、ひまりは俺の『運命の番』だ」

「はっ、今更『運命の番』だと? それこそふざけてるよな、ひまりは何年お前の側に居たとおもってやがる! その間ひまりには気が付きもしないで、他のオメガに夢中の『運命の番』の側に居続けたひまりの苦しみがお前にわかるか!」

 涼介は自分に助けを求めてきたひまりの窶れた姿を思い出す。

「俺はひまりから『運命の番』がお前だと聞かされていた」

 涼介は自身の言葉に信じられないと目を見開く和臣の両手を背広から引き剥がす。

「俺がお前に何も告げなかったのはひまりの意志を尊重したからだ。 お前が自分で『運命の番』に気が付くまでは自分からは告げるつもりはないと言っていたからな」

 何年も側に置きながら気が付けなかった和臣は自身の不甲斐なさに吐き気を覚える。

 アキと彼女の運命の番が謝罪に来た夜に自分が吐き出した暴言を思い出し、自己嫌悪に陥った。

「『運命の番』に出会ったら俺は意志を乗っ取られるのか? どんな呪いだよ……正直考えたくもないな『運命の番』になんて一生出会いたくない」

 その言葉は後悔したところでなかった事にはならない。

 自らの唯一に対して和臣は『運命の番』の存在を全否定したのだから。

「なんでそんなに彼女について詳しいんだ、やっぱり付き合っていたのか?」

 和臣の問に処置なしと言わんばかり額に手を添えて頭を横に振って見せる。

「それこそあり得ない妹相手に懸想なんてするわけ無いだろうが」

 涼介の呆れたと言わんばかりの態度も気に食わなかったがそれよりも和臣は気になる単語を聞き取った。

「妹? お前に妹が居たのか?」

「あぁ、ひまりは自分の意志で福原家から母親の実家である藤堂家に養子に出た」
  
「ひまりは幼い時に掛かった流行り病でオメガフェロモンに不具合が出たからな、オメガとしての幸せを諦めちまった」

「しかもやっと見つけた『運命の番』には気が付いて貰えないし、結婚式での一件で自暴自棄になったお前はひまりに何をした?」

 力強く握りしめた手から血の気が引いていく。

「そんなお前が今更『運命の番』ヅラするのかよ。 俺の妹を馬鹿にするのもいい加減にしやがれ!」

 力なくうつむいた和臣の胸ぐらを掴み、涼介は吐き捨てた。

 もう前のような関係には戻ることは難しい。

「俺はひまりの意志を尊重する。 もし滞在場所を知っていたとしても、お前にだけはぜってぇ教えねぇ! わかったか!」

 そう吐き捨てると和臣は見るからに項垂れた。

「ひまりに会いたければ自分で捜せ、福原家は協力しない」

 福原家の当主は性格が悪いので有名だ。  

 家族以外に容赦がない。

 娘を溺愛していたのかもしれない福原家の当主なら『運命の番』を見つけ出せなかった和臣のひまり捜索に妨害に入る可能性が極めて高い。 

 案の定、妨害に入られひまり捜索は困難を極めた。

 和臣は必死にひまりを捜したが、国内でひまりを見つけ出すことは出来なかった。

 そんな和臣の必死な姿に、涼介は妹の姿を思い出す。

「少しくらい後悔させてやれひまり」

 和臣が自分の『運命の番』に気が付けなかった事実を涼介から聞き、不満を持っていたひまりの父だけでなく養子先である藤堂家の妨害工作にも翻弄され、和臣がひまりの居所を発見したのはそれから三年あまりたったある日の事だった。

 ***
 暖かな春の陽射しが降り注ぐ中、ひまりは二歳の男児と手を繋ぎ、新芽の緑が美しい並木道をゆっくりと歩いていた。

「和斗(かずと)いい天気だね」

「ね~」

 小さな手はしっかりとひまりに繋がれていて、父親そっくりな整った容姿で屈託ない笑顔をひまりに向けている。

 ひまりは和臣の子を宿していた。

 子供を授かった事に驚いたものの、下ろすなど考えすらせずに、シングルマザーになる事を決めた。

 子供が小さい事もあり、出産後からまだ発情期は来ていない。

 涼介や事情を聞いた両親からの仕送りもあり親子二人で小さな農村で暮らしていた。

 さすが和臣の子と言うべきか、和斗と名付けたひまりの息子は既にアルファの片鱗を見せている。

「今日の夕食は何にしようか?」 

 手を繋いだ和斗に話しかけると、和斗はいきなり手を離して走り出してしまった。

「和斗!?」

 慌てて後を追いかけると、自宅の前に立ち尽くす男性の前で和斗は仁王立ちしてその男性を睨みつけていた。

 ドクンッと大きく心臓が跳ねる。

 こんな海外のしかも地図に小さく名前が載っているだけの農村にいるはずが無い人物の姿に涙があふれる。

 夢にしてはそれはあまりにも残酷だ。

 もう二度と会わないと決めていた『運命の番』の姿が息子とともにあった。

「ママ!」

「ひまり!」

 ひまりの姿に気が付いたの和斗がこちらへ走ってくるのを追い抜いて和臣が距離を詰めるとひまりの身体を抱きしめる。

 ひまりの身体を包む和臣のフェロモンの甘い香りに、暫く無かった発情期がやってきた。

「あー、和斗は預かるから二人できちんと話をしてこい」

 そう言って和斗を抱き上げたのはひまりの兄である涼介だった。

「すまない」

 和臣はひまりを抱き上げると、一目散にひまりの自宅へと走っていった。

「だぁれ?」

 そのようすに和斗が自分を抱き上げる涼介を見つめる。

「俺か? 俺はお前の伯父さんだ」

 くすくすと笑い、初めて会った甥の姿に苦笑する。

「本当に……嫌になるくらいそっくりだな」

 それから数ヶ月後鷹統財閥の御曹司が『運命の番』を得て結婚した。

 純白の婚礼衣装を身に纏う花嫁は幸せそうで、二人の間には花婿によく似た男児が二人を繋ぐように手を繋いでいたのだった。

完 
  

*****
 注意書き
本作品の全ての権利は作者『紅葉くれは』に帰属します。無断転載はおやめ下さい。
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

凜
2018.03.09

最終的にひまりさんが幸せになってよかったです(๑´ω`๑) 今までの苦労が報われて(。>﹏<。)

解除

あなたにおすすめの小説

留学してたら、愚昧がやらかした件。

庭にハニワ
ファンタジー
バカだアホだ、と思っちゃいたが、本当に愚かしい妹。老害と化した祖父母に甘やかし放題されて、聖女気取りで日々暮らしてるらしい。どうしてくれよう……。 R−15は基本です。

『婚約破棄だ』と王子が告げた瞬間、王城の花が枯れ、泉が涸れ、空が曇った——令嬢に宿る精霊の加護を、誰も知らなかった

歩人
ファンタジー
公爵令嬢エレオノーラは、生まれつき大精霊の加護を宿していた。 しかし本人も、それが自分の力だとは知らなかった。 王城の庭園が四季を問わず花で溢れていたのも、泉が枯れなかったのも、 王都に災害が起きなかったのも——全てエレオノーラの存在がもたらす精霊の恩恵だった。 王子に「地味で退屈な女」と婚約破棄され、王城を去った瞬間—— 花が萎れ、泉が涸れ、空が曇り始めた。 追放されたエレオノーラが辺境の荒野に足を踏み入れると、枯れた大地に花が咲き乱れた。 そのとき初めて、彼女は自分の中にある力に気づく。

婚約者の心の声が聞こえるようになったが手遅れだった

神々廻
恋愛
《めんどー、何その嫌そうな顔。うっざ》 「殿下、ご機嫌麗しゅうございます」 婚約者の声が聞こえるようになったら.........婚約者に罵倒されてた.....怖い。 全3話完結

前世を思い出したので、最愛の夫に会いに行きます!

お好み焼き
恋愛
ずっと辛かった。幼き頃から努力を重ね、ずっとお慕いしていたアーカイム様の婚約者になった後も、アーカイム様はわたくしの従姉妹のマーガレットしか見ていなかったから。だから精霊王様に頼んだ。アーカイム様をお慕いするわたくしを全て消して下さい、と。 ……。 …………。 「レオくぅーん!いま会いに行きます!」

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない

木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。 生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。 ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。 その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。