【完結】大聖女の息子はやり直す

ゆるぽ

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終章・魔王大戦

61 攻略

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この試練のクリア条件は


圧倒的な強者を前にしてどうやって危機を回避するか、つまり生き残る能力を試す試練である。





「そもそもSランクを単体で倒せるようなのがゴロゴロいたら神器なんて求める必要ないからね」




試練を受けているディートたちを見下ろしていたは昨日レイヴンたちを案内した青年だった。




「でも真っ先にクリアしたのが王子様だとはちょっと意外だな…おや?ほかのみんなにも動きがあるね」


















ディートは今この瞬間に勝利を捨てた。



「勝つのは無理!とりあえず生存優先!危険は排除!」






思い出すのはアルマリアとの修行。

頻繁にでは無いもののディートは時折アルマリアに稽古をつけてもらっていた。




「いいかディート。野生には生存戦略というものがある!」

「は、はぁ」

「ただ身体がでかくて強いものが生き残るのではない。環境や状況に適応した物が生き残るのだ!」

「適応ってどうやってやるんですか?」

「周りをよく観察し、自身の能力を最大限に生かす方法を見つけ実行する。それが我々が出来る適応だ」





ディートは周りと魔物を注意深く観察した。


魔物の名は『暗雲獅子ロイヤルダーク』闇と魔力の深い場所を好む魔物で見た目は黒いライオンに角を付けたような姿だ。

ネズミなどの小さく早く動くものを好む性質があり、追いかけて自らの住処に誘い込むという。




「…住処…習性…そうだ!」



地面に手をつけたディートは小さく呪文を唱える。

すると洞窟のようなものが暗雲獅子の後ろに出現した。

地面の土と岩を使って作られた洞窟は深く、奥の方は暗雲獅子好みの暗闇だった。



「魔力を操作…」




出来た暗闇にディートはあるだけの魔力をつぎ込む。

聖霊力がある彼は魔力を使い切っても戦うすべがなくなるわけでは無いため、惜しげもなくつぎ込むことが出来た。




「ダメ押しのデコイだ…」





ディートの右手から魔力で作られた白いネズミが現れる。

ネズミは暗雲獅子の前にちろちろと動き回り、洞窟へいざなっていく。

やがて洞窟の奥に獅子が入っていったのを確認してから入口を封鎖した。




「暗雲獅子は暗闇を何よりも好む魔物。僕の魔力もあるし当分は出てこないはず」




ほっと胸をなでおろした瞬間視界が暗転した。











シェリィやイリス、ジャンもディートにわずか遅れた程度で試練をクリアした。

クリアした瞬間彼女たちの視界は暗転し、白い空間に飛ばされている。

強制的な移動のせいで気を失っているが時期に目覚めるだろう。





「あとはレイヴンだけか…彼が最後なんてい意外だな…」

「ほえ~ボクのこと割と高く買ってたりする~?」

「!?」




彼の背後にいつもの間にかレイヴンが現れていた。





「驚いてくれた?うれしいね~」

「とても驚いたよ。いったいどうやって?」


「大したことじゃないよ。昨日拾っておいた君の髪の毛を媒体にして空間移動術を使っただけ~」

「なるほど、さすがは”空間の支配者”とうたわれるだけあるね」



「その二つ名恥ずかしいからやめて~」





お互い笑いあう。が、レイヴンはすぐに表情を切り替えた。





「で、そろそろ説明してもらえないかな?伝説の勇者様?」





勇者と呼ばれた青年は古傷が傷むような、過去を懐かしむような、そんな笑顔を浮かべる。
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