【完結】大聖女の息子はやり直す

ゆるぽ

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終章・魔王大戦

70 イリスとシェリィの決意

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イリスとシェリィもまた前の時の記憶から抜け出していた。





「怒りはある。でもそれはディートが防いでくれた。私もお母さまも己自身のままこの世界にちゃんいる」




怒り否定せずに受け入れ力に変えるイリス。




「…君は怒りを否定しないんだね…面白い」




イリスの前に現れた神器は杖であった。これはレイヴンの神器と同じく魔力を聖霊力と同じ聖なる力に変換してくれる神器である。





「私は私の感情を否定したくはないの。それがたとえすでに無かったことになっていたとしても」





聖なる杖は彼女が怒りを克服することを望んだ。

だが、イリスは怒りを克服するのではなくありのまま受け入れたのだった。





「私ね。思うの、魔王が負の感情からなぜ生まれるのか。それはみんなが自分の負の感情から目をそらしてるからよ。目をそらして無かったことにしようと捨ててしまうの」


「…ほう?」




「そうやって捨てられた感情は行き場を失って身を寄せ合っていつか魔王になってしまうんだとそう思ったの。だから私は私のマイナスを否定しない。怒りも悲しみも苦しみも全部…私なの」




「我が臨んだ形ではないが…そなたの心は魔王に耐えうるだけの強さを持っている。いいだろう…君を主と認めよう」





















シェリィの涙はすでに止まっていた。


心の中を支配していた悲しみはすでに無い。





「前の時の私はとても悲しくてつらかった。でもそれは過去のこと。今の私にはみんながくれた暖かい気持ちが悲しさなんかよりもたくさんある」


「おめでとう。悲しみを乗り越えたんだね」





シェリィの前に現れた弓型の神器が話しかける。




「…乗り越えたって言っていいのかな…私はただ、みんなの優しい記憶を思い出しただけなの」

「でも、思い出すことで心を満たす悲しみが消えたのだろう?過去の記録よりも今の記憶が勝ったということさ」



「そうかな。そうだと嬉しいな」

「我は君を主と認めよう。さあシェリィ我をその手に」




シェリィは神器に手を伸ばす。

その手に収めた瞬間世界が暗転した。




調査隊メンバー全員が試練に合格し、神器を手にすることが出来たのだ。
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