2 / 3
第1話『終わりゆく日常』
しおりを挟む
衝撃の真実から数分後、はるたちはホームルームの時間になり先生の話を聞いていた。
はるの席は窓際の一番後ろでふゆの席ははるの二個前の窓際だった。
女子たちの視線が窓際の席に集まっていた。
そこに座っているふゆはかなりのイケメンだった。
整った顔立ち、すらっとした体型に、丁寧にセットしたウェーブの髪型、そして青い海のような瞳。
はるはその二個後ろの席から彼を見つめていた。
そして視線を下に落とす。
「大体伝えることは伝えたけどまだ時間が余ってるな、よしじゃあ隣の人に自己紹介でもしてみようか」
教壇に立っている先生からそのようなことが言われる。
グレーのスーツを身にまとい、眼鏡をかけており、教壇の椅子にかける。
己の茶色い髪をかき、何か名簿のようなものを見ている。
「あの・・・」
隣の席から小さな声が聞こえるがはるは振り返りもしなかった。
無心だった。
何も考えられなかった。
何も感じられなかった。
親友だったふゆが彼女と付き合っていたという事実だけでもおなか一杯なうえに初めて恋した人・なつと付き合っていたなんて、一度に全てを飲み込めなど無茶な話である。
初恋の人・なつはロングヘアで顔立ちはよく身長は女子の平均ぐらいといったところだ。
ピンク色の髪と瞳が特徴的で男子から多大な人気を誇っている。
はるは自分の学ランや真っ黒な髪の毛をさわり、黒い瞳はより一層光をなくしていた。
下を向いていた、いろいろどうでもよくなっていた。
「あのー生きてますか?」
はるは隣から自分を呼ぶ声に気が付き、隣に目をやる。
自分の銀髪の髪をいじりながら優しく話しかけてくる。
彼女はすらりと伸びた手足や白い肌や髪が目立っていた。
髪は短く顔はかなり整っている。
水色の瞳は星屑のようにきらめき、見つめる者を深い世界に誘う。
「あ、やっとこっち向いてくれた」
彼女はこちらを向いていて優しく微笑んでいる。
まるで太陽のように輝いていた。
そのときのはるは生きる意味すらなくしていた状態だったがこの世界捨てたもんじゃねえなと思った。
この男、はるはとてもちょろいのだ。
「あ、え、あ、すみません。気づいてませんでした」
「あ、んーん、いいよ。なにか考え事してたみたいだから」
ここではるの人見知りが発動する。
だが隣の天使のような少女はそのことに一切触れない。
さらにこちらが無視してしまったことに関して寛大な心で許してくれた。
はるの心が少しざわつく。
「ありがとうございます。それで、えっとなんですか」
「うん、えっと、先生が隣の人と自己紹介してって言ってたから」
「あ、そういうことですか」
周りを見渡せば皆隣の人と自己紹介をしていた。
ようやくはるは、今の現状を把握することになる。
「えっと俺はるって言います。好きなことはゲームやアニメを見ることです。よろしくお願いします」
「へえーはるくんかー。よろしくね」
にっこりと笑いそのように隣の女子が言ってくる。
正直できのいい自己紹介とは言えないがとりあえず乗り切った。
そして・・・
「えっと、じゃあ次はあたしの番だね」
そのように言うと彼女は自分の胸に手を当てる。
「あたしあき。気軽に呼び捨てで呼んでね。あと敬語も堅苦しいからなしで!趣味は音楽を聴くことと、ゲームやアニメを見ることだよ。これからよろしくね」
そのように言うと彼女は嬉しそうに笑って握手を求めてくる。
彼女の手は冷たくて柔らかくて小さく、はるの手より一回り小さい。
女子の手など握ったことのないはるは彼女の手が自分の手にぴったり合っている感じがした。
その瞬間は永遠に続けばいいと思った。
(女子の手ってこんなにやわらかいんだ・・・)
はるの新学期初日の記憶には、二人の女性が強く刷り込まれた。
◇
三日後、はるはふゆと昼ご飯を一緒に食べていた。
「それにしても、はるに初日から女子の友達ができるなんて泣けるよ」
「うるさい」
昼の教室で机を向かい合わせにしながら、ふゆの席で一緒にご飯を食べていたらそのような皮肉を言われた。
(まあ正直、俺も驚いてるけど)
正直、はるは自分の気持ちがわからずにいた。
もちろんなつのことは今でも好きだ。
だけど話したこともないし、ふゆの彼女、正直付き合えるビジョンが見えない。
それにあきにも同じような感情を抱いたのも確かだ。
一度自分の気持ちを整理する必要があるとはるは考えた。
話してみないことにはわからない。
もしそれで本当になつのことがすきになってしまったら、正直にこの思いを伝えよう。
「そういえばさ、はるってバイトしてんの」
「いや、してないよ」
お弁当をカバンの中に入れながらふゆがそのようなことを聞いてくる。
「うちのバイト先今人手不足だからうちでバイトしてみない?」
そのようなことをふゆがいってくる。
正直バイトはあまり乗り気がしない、自分の時間を取られるからだ。
ここは穏便に断ろうと思った瞬間、ふゆが思いもよらない情報を口にする。
「なつもいるから仲良くやれるだろうし友達も増えるよ」
その言葉に思わず目が飛び出そうになった。
バイトをすればなつと話すチャンスがやってくる。
これは思わぬ好機だと思ったはる。
「わかった。やる」
「おっけえ。店長に言っとくわ」
二つ返事でうれしかったのかふゆは嬉しそうにそういった。
こちらとしても好都合、このバイトで自分の気持ちを理解したい。
そのように思い、バイトまでの日を過ごしたはる。
そしてバイトの日はやってくる。
◇
学校が終わりバイト初日、はるはかなり気合を入れていた。
出勤の20分前にはもうすでについておりいつでも仕事ができる状態だった。
ふゆとなつの勤めているバイト先は個人経営の飲食店であるにも関わらずそれなりに人気の店だった。
今日のシフトにはふゆはおらずなつがはるの教育係になったと聞いた。
正直豪運過ぎて怖い。
はるが休憩室で待機していると扉が開く音がする。
「あ、早いね」
そういって扉を閉め自分のロッカーへと向かうのは、なつだ。
「今日からよろしくね、はるくん」
おしとやかな声で着替えながら彼女はそう言う。
「ふゆから話聞いてるよ。これからよろしくね」
「はい!」
どこか落ち着く声、あきさんとはまた違った声だ。
そこからはるのバイトは始まった。
マニュアルを一通り教えてもらい今日のバイトは終わる。
◇
休憩室にてはるとなつは変える支度をしていた。
「はるくんは物覚えが早くて助かるね」
「いえそんな、なつさんの教え方がうまいだけです」
謙遜しているように見えるが事実、なつの教え方はかなりうまかった。
それにわからないことがあればいつでも聞いてねと言われ心強かった。
なんとなく自分の気持ちに整理がついた気もした。
「なつさん、連絡先交換しない?」
携帯を出し思い切って連絡先を聞くはる。
連絡が取れなければ前に進めないと思い勇気を出した。
「いいよ」
返事はあっさりOK、なんか最近うまくいきすぎてると思った。
けどここからが勝負と思い、一緒に帰ろうと踏み出そうとした。
「あ、あ、」
声が出ない。
それもそのはず、はるは人生で一度も女子と帰ったことなどない。
ましてや付き合うなど・・・
「それじゃ私帰るね。お疲れ様!また明日ね!」
そういい、扉の前に立ちこちらを向いてにこやかに笑う。
「うん。また明日」
今日のところは仕方ないとにげるはるだった。
そしてなつは扉を閉め家に帰った。
はずだった。
翌日、なつが行方不明になった。
はるの席は窓際の一番後ろでふゆの席ははるの二個前の窓際だった。
女子たちの視線が窓際の席に集まっていた。
そこに座っているふゆはかなりのイケメンだった。
整った顔立ち、すらっとした体型に、丁寧にセットしたウェーブの髪型、そして青い海のような瞳。
はるはその二個後ろの席から彼を見つめていた。
そして視線を下に落とす。
「大体伝えることは伝えたけどまだ時間が余ってるな、よしじゃあ隣の人に自己紹介でもしてみようか」
教壇に立っている先生からそのようなことが言われる。
グレーのスーツを身にまとい、眼鏡をかけており、教壇の椅子にかける。
己の茶色い髪をかき、何か名簿のようなものを見ている。
「あの・・・」
隣の席から小さな声が聞こえるがはるは振り返りもしなかった。
無心だった。
何も考えられなかった。
何も感じられなかった。
親友だったふゆが彼女と付き合っていたという事実だけでもおなか一杯なうえに初めて恋した人・なつと付き合っていたなんて、一度に全てを飲み込めなど無茶な話である。
初恋の人・なつはロングヘアで顔立ちはよく身長は女子の平均ぐらいといったところだ。
ピンク色の髪と瞳が特徴的で男子から多大な人気を誇っている。
はるは自分の学ランや真っ黒な髪の毛をさわり、黒い瞳はより一層光をなくしていた。
下を向いていた、いろいろどうでもよくなっていた。
「あのー生きてますか?」
はるは隣から自分を呼ぶ声に気が付き、隣に目をやる。
自分の銀髪の髪をいじりながら優しく話しかけてくる。
彼女はすらりと伸びた手足や白い肌や髪が目立っていた。
髪は短く顔はかなり整っている。
水色の瞳は星屑のようにきらめき、見つめる者を深い世界に誘う。
「あ、やっとこっち向いてくれた」
彼女はこちらを向いていて優しく微笑んでいる。
まるで太陽のように輝いていた。
そのときのはるは生きる意味すらなくしていた状態だったがこの世界捨てたもんじゃねえなと思った。
この男、はるはとてもちょろいのだ。
「あ、え、あ、すみません。気づいてませんでした」
「あ、んーん、いいよ。なにか考え事してたみたいだから」
ここではるの人見知りが発動する。
だが隣の天使のような少女はそのことに一切触れない。
さらにこちらが無視してしまったことに関して寛大な心で許してくれた。
はるの心が少しざわつく。
「ありがとうございます。それで、えっとなんですか」
「うん、えっと、先生が隣の人と自己紹介してって言ってたから」
「あ、そういうことですか」
周りを見渡せば皆隣の人と自己紹介をしていた。
ようやくはるは、今の現状を把握することになる。
「えっと俺はるって言います。好きなことはゲームやアニメを見ることです。よろしくお願いします」
「へえーはるくんかー。よろしくね」
にっこりと笑いそのように隣の女子が言ってくる。
正直できのいい自己紹介とは言えないがとりあえず乗り切った。
そして・・・
「えっと、じゃあ次はあたしの番だね」
そのように言うと彼女は自分の胸に手を当てる。
「あたしあき。気軽に呼び捨てで呼んでね。あと敬語も堅苦しいからなしで!趣味は音楽を聴くことと、ゲームやアニメを見ることだよ。これからよろしくね」
そのように言うと彼女は嬉しそうに笑って握手を求めてくる。
彼女の手は冷たくて柔らかくて小さく、はるの手より一回り小さい。
女子の手など握ったことのないはるは彼女の手が自分の手にぴったり合っている感じがした。
その瞬間は永遠に続けばいいと思った。
(女子の手ってこんなにやわらかいんだ・・・)
はるの新学期初日の記憶には、二人の女性が強く刷り込まれた。
◇
三日後、はるはふゆと昼ご飯を一緒に食べていた。
「それにしても、はるに初日から女子の友達ができるなんて泣けるよ」
「うるさい」
昼の教室で机を向かい合わせにしながら、ふゆの席で一緒にご飯を食べていたらそのような皮肉を言われた。
(まあ正直、俺も驚いてるけど)
正直、はるは自分の気持ちがわからずにいた。
もちろんなつのことは今でも好きだ。
だけど話したこともないし、ふゆの彼女、正直付き合えるビジョンが見えない。
それにあきにも同じような感情を抱いたのも確かだ。
一度自分の気持ちを整理する必要があるとはるは考えた。
話してみないことにはわからない。
もしそれで本当になつのことがすきになってしまったら、正直にこの思いを伝えよう。
「そういえばさ、はるってバイトしてんの」
「いや、してないよ」
お弁当をカバンの中に入れながらふゆがそのようなことを聞いてくる。
「うちのバイト先今人手不足だからうちでバイトしてみない?」
そのようなことをふゆがいってくる。
正直バイトはあまり乗り気がしない、自分の時間を取られるからだ。
ここは穏便に断ろうと思った瞬間、ふゆが思いもよらない情報を口にする。
「なつもいるから仲良くやれるだろうし友達も増えるよ」
その言葉に思わず目が飛び出そうになった。
バイトをすればなつと話すチャンスがやってくる。
これは思わぬ好機だと思ったはる。
「わかった。やる」
「おっけえ。店長に言っとくわ」
二つ返事でうれしかったのかふゆは嬉しそうにそういった。
こちらとしても好都合、このバイトで自分の気持ちを理解したい。
そのように思い、バイトまでの日を過ごしたはる。
そしてバイトの日はやってくる。
◇
学校が終わりバイト初日、はるはかなり気合を入れていた。
出勤の20分前にはもうすでについておりいつでも仕事ができる状態だった。
ふゆとなつの勤めているバイト先は個人経営の飲食店であるにも関わらずそれなりに人気の店だった。
今日のシフトにはふゆはおらずなつがはるの教育係になったと聞いた。
正直豪運過ぎて怖い。
はるが休憩室で待機していると扉が開く音がする。
「あ、早いね」
そういって扉を閉め自分のロッカーへと向かうのは、なつだ。
「今日からよろしくね、はるくん」
おしとやかな声で着替えながら彼女はそう言う。
「ふゆから話聞いてるよ。これからよろしくね」
「はい!」
どこか落ち着く声、あきさんとはまた違った声だ。
そこからはるのバイトは始まった。
マニュアルを一通り教えてもらい今日のバイトは終わる。
◇
休憩室にてはるとなつは変える支度をしていた。
「はるくんは物覚えが早くて助かるね」
「いえそんな、なつさんの教え方がうまいだけです」
謙遜しているように見えるが事実、なつの教え方はかなりうまかった。
それにわからないことがあればいつでも聞いてねと言われ心強かった。
なんとなく自分の気持ちに整理がついた気もした。
「なつさん、連絡先交換しない?」
携帯を出し思い切って連絡先を聞くはる。
連絡が取れなければ前に進めないと思い勇気を出した。
「いいよ」
返事はあっさりOK、なんか最近うまくいきすぎてると思った。
けどここからが勝負と思い、一緒に帰ろうと踏み出そうとした。
「あ、あ、」
声が出ない。
それもそのはず、はるは人生で一度も女子と帰ったことなどない。
ましてや付き合うなど・・・
「それじゃ私帰るね。お疲れ様!また明日ね!」
そういい、扉の前に立ちこちらを向いてにこやかに笑う。
「うん。また明日」
今日のところは仕方ないとにげるはるだった。
そしてなつは扉を閉め家に帰った。
はずだった。
翌日、なつが行方不明になった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。
甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。
平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは──
学園一の美少女・黒瀬葵。
なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。
冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。
最初はただの勘違いだったはずの関係。
けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。
ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、
焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる