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王都の様子はそれから幾日かしてから届いた。私が女だという事はまだ公表されては居ないが、行方不明というのは公表されていた。アライブのみで懸賞金もかかっており、結構な額が出されているという。
街だけでなく、村にもベリーショートな私の絵が張り紙が貼られ、私の元々のサブカル系エンタメも流行させられているらしい。リオネット様はまだあの結界の中のはずだから、逆にこれはある程度予測されていた事態なんだろうと分かる。リオネット様が事前にアッシャーに指示していたと言う事だ。そして、そんな場合の私がすべき行動は知らされていない。つまり、何かしらの無理はせずに『魔法はなるべく使わない』だけを守れば良いと言う事だ。断片的でもリオネット様のメッセージは私を支えてくれる。だから、私は私のできることをやった。
この世界では貴族の女性は奥まっている事が多いが、平民はほとんどが共働きでガンガン稼いでいる。なので、数は男性に比べると少ないが、魔石ハンターもいた。私は魔石ハンターとして紛れた。
「ユウキ、よそ見しとったらあかんで」
「あ、ごめん。雨情」
雨情の言った通り私の髪は1週間で肩まで伸びた。だから、私の今の服装はハンター女子のお手本の様な没個性になっている。ボーイッシュな女の子で、獲物はクナイ。アッシャーに貰った武器は魔石ハンター用の鞄の奥底に布を巻いてしまってある。
死ぬ気で知識を吸収して、あっという間に雨情の弟子から相棒ポジションに格上げとなり、堂々と街の交渉にもついていく様になった。
森の行く先々で新しい動物とお知り合いになり、魔石採集は順調。そして、そのお友達ら森で私を護ってくれてもいた。
ここに来て、2ヶ月。その間に沢山知る事があった。
――――――――――――――――――――――――――
「偽名ですか?」
「一応な。カリンはこっちでは珍しい名前で、おまけにカリン様で広がったから男の名前やと認識されとる。知り合った経緯勘繰られたら面倒やし、俺の一族で通すからあっちの名前なんか無いか?」
「じゃあ、有希で。私の向こうで友達だった子の名前です」
「友達だった。あえて過去形とは意味深な」
「その子もこちらに来たはずなんですけどね。私の1回目みたいにどこかに元気で居てくれてると信じています」
1回目に来た時、言葉がわかる様になってから兄様に探してと頼んだが、無理だと言われた。
今回は召喚の記録も調べたけれど、私が召喚されるやり前の記録は、10年前にリオネット様が召喚されたのが最後。それに、民間に異世界から来訪した者は公式にはいないとされていた。
「凄く頭が良くて、物知りで、それでいて不思議な子でした。私が1回目に呼ばれた時期には召喚は無かった様で……」
「ん?あっちとこっちの時間の流れって一定ちゃうぞ?」
「え?」
「例えばマンチェスターの兄貴は今のマンチェスターのおとんとおかんの子やのうて、先代のマンチェスターの未子のはずや」
「でもそれって、マンチェスターの子とは限らないんじゃ?」
「いや、他の帰還人は平民の原石の可能性あるけど、あの人は別格や。両親の年齢が高いほど産まれた子供は強い魔力を持つ。それで該当するんはマンチェスターだけやったって、王宮の確かな筋から聞いとる。マンチェスターは娘の夫に相応しい原石を養子にしたばかりやったし、流石にあのMPの帰還人はどこも欲しがって揉めてん。そこでいつもは適当やった記録もしっかり精査されて、間違いなかったっちゅう話や。せやから、アレやった実の娘と原石結婚させる計画あっても、その前にほぼ全権兄貴に渡されたんやで」
リオネット様がマンチェスターの実子……?それに……。
「まぁ、マンチェスターの兄貴が償還されてからカリンが召喚されるまでの間に召喚は無かったから、別の場所にいるんは間違い無いやろけどな」
「私が、帰ってくるまでに何年……経ったんだろう?」
「カリン?顔、青いで?」
「兄様は……?間に合わなかった可能性も、ある?」
「ちょお待て、今んとこズレは数年から十数年や。当時若かったんやったら、兄貴死んどる歳ちゃうんちゃう?」
「……雨情さん、ここ20年で森に大きな変化とかありましたか?」
「いや、俺19やしな。でも、そんなん聞いた事無いで。それに、一定や無いってのは向こうで数年がこちらでは一年ってパターンもあるかもしれへんやん?知らんけど」
そういえばアンズは三年にしては少し大きくなりすぎてたかも知れない。だけど、大人になりたての様だった。兄様が言っていた成獣までの期間は5年位だったはず。それなら、その辺りの年数だろう。
「カリン?大丈夫か?」
「大丈夫です。偽名はユウキでお願いします。……絶対に間に合わせる」
「……なんやよう分からんけど、その目しとったら大丈夫や。兄貴、探すで」
「はい!」
――――――――――――――――――――――――――
もしかしたら、有希が見つかるかもと淡い期待をしていたが、とりあえずワイト周辺の街や村には居なさそうとの事だった。
この西の地方は雨情以外にも帰還人や異世界人にルーツがある人達が集まっている。全体を見れば多くはないが明らかに他の地域と比べると多い。それだけ異世界から来た者の力は弱く、弱い者達は集い合う。
その分、連帯感があり、情報網は貴族同士のそれに勝るとも劣らず。
今日も今日とて、酒場で情報を情報で売り買いしている。
「ほんで、例の……、玉のありかを教えてくれた男の子は見つからんのか?」
「あれきりや、食いもん路銀、それと武闘家の衣装一式渡したけど、交換条件であのテリトリーからは手を引いてもろたし違うとこにおると思う。言うたかてワイトの森からは出てへんと思うんやけどな」
魔石の交換でたんまり稼いだ後、雨情は魔石が水の中に出来る事を皆に教えた。じわじわと噂は広がり、ワイトで何かがあると注目させ、そして満を持してそれが『カリンと思われる男の子からの情報』という話も流した。
すでに西の森全域は一通り調べて兄様がいないであろうと分かっている。懸賞金に釣られて多くの新参者も流入し、それでも何も変化が無ければ完全に白だ。森のお友達も探してくれている。
次は東に移らなくてはいけない。敵の目を西に向けている隙に東に移る。そして、リオネット様達が先に気がついてこちらに直接出向いてくれる様な布石も打ってあった。
「もう向こうに着いとるはずやねん。お前の毛」
「毛って言わないでください」
「毛やんけ、体毛」
「より嫌な言い方に変えないでよ」
ひと月前に、伸びた私の毛髪を一房、リオネット様のファンレターとして郵送してある。リオネット様は流行の度合いを図るため、一通り目を通しているはずだし、危険のないイレギュラーな物ならきちんと調べてくれるはず。差出人はヤマザト。苗字を知ってるのはリオネット様、アッシャー、ナルさんぐらいのはずだ。
こちらに届く情報では王都周辺の様子は変わりなく。ワイトへの流入者は予想より早く多く、そして中には貴族の手の者も混ざり始めた。敵か味方か分からない人は敵と見做して動くべき。だから、そろそろ兄様を探しに東へ立たなくてはならない。
だけど、リオネット様がもうそこまで来ているのではと思うと、一旦諦めて再度東の地から手紙を出すという雨情の提案を飲むのを、私は引き伸ばしてしまっていた。
街だけでなく、村にもベリーショートな私の絵が張り紙が貼られ、私の元々のサブカル系エンタメも流行させられているらしい。リオネット様はまだあの結界の中のはずだから、逆にこれはある程度予測されていた事態なんだろうと分かる。リオネット様が事前にアッシャーに指示していたと言う事だ。そして、そんな場合の私がすべき行動は知らされていない。つまり、何かしらの無理はせずに『魔法はなるべく使わない』だけを守れば良いと言う事だ。断片的でもリオネット様のメッセージは私を支えてくれる。だから、私は私のできることをやった。
この世界では貴族の女性は奥まっている事が多いが、平民はほとんどが共働きでガンガン稼いでいる。なので、数は男性に比べると少ないが、魔石ハンターもいた。私は魔石ハンターとして紛れた。
「ユウキ、よそ見しとったらあかんで」
「あ、ごめん。雨情」
雨情の言った通り私の髪は1週間で肩まで伸びた。だから、私の今の服装はハンター女子のお手本の様な没個性になっている。ボーイッシュな女の子で、獲物はクナイ。アッシャーに貰った武器は魔石ハンター用の鞄の奥底に布を巻いてしまってある。
死ぬ気で知識を吸収して、あっという間に雨情の弟子から相棒ポジションに格上げとなり、堂々と街の交渉にもついていく様になった。
森の行く先々で新しい動物とお知り合いになり、魔石採集は順調。そして、そのお友達ら森で私を護ってくれてもいた。
ここに来て、2ヶ月。その間に沢山知る事があった。
――――――――――――――――――――――――――
「偽名ですか?」
「一応な。カリンはこっちでは珍しい名前で、おまけにカリン様で広がったから男の名前やと認識されとる。知り合った経緯勘繰られたら面倒やし、俺の一族で通すからあっちの名前なんか無いか?」
「じゃあ、有希で。私の向こうで友達だった子の名前です」
「友達だった。あえて過去形とは意味深な」
「その子もこちらに来たはずなんですけどね。私の1回目みたいにどこかに元気で居てくれてると信じています」
1回目に来た時、言葉がわかる様になってから兄様に探してと頼んだが、無理だと言われた。
今回は召喚の記録も調べたけれど、私が召喚されるやり前の記録は、10年前にリオネット様が召喚されたのが最後。それに、民間に異世界から来訪した者は公式にはいないとされていた。
「凄く頭が良くて、物知りで、それでいて不思議な子でした。私が1回目に呼ばれた時期には召喚は無かった様で……」
「ん?あっちとこっちの時間の流れって一定ちゃうぞ?」
「え?」
「例えばマンチェスターの兄貴は今のマンチェスターのおとんとおかんの子やのうて、先代のマンチェスターの未子のはずや」
「でもそれって、マンチェスターの子とは限らないんじゃ?」
「いや、他の帰還人は平民の原石の可能性あるけど、あの人は別格や。両親の年齢が高いほど産まれた子供は強い魔力を持つ。それで該当するんはマンチェスターだけやったって、王宮の確かな筋から聞いとる。マンチェスターは娘の夫に相応しい原石を養子にしたばかりやったし、流石にあのMPの帰還人はどこも欲しがって揉めてん。そこでいつもは適当やった記録もしっかり精査されて、間違いなかったっちゅう話や。せやから、アレやった実の娘と原石結婚させる計画あっても、その前にほぼ全権兄貴に渡されたんやで」
リオネット様がマンチェスターの実子……?それに……。
「まぁ、マンチェスターの兄貴が償還されてからカリンが召喚されるまでの間に召喚は無かったから、別の場所にいるんは間違い無いやろけどな」
「私が、帰ってくるまでに何年……経ったんだろう?」
「カリン?顔、青いで?」
「兄様は……?間に合わなかった可能性も、ある?」
「ちょお待て、今んとこズレは数年から十数年や。当時若かったんやったら、兄貴死んどる歳ちゃうんちゃう?」
「……雨情さん、ここ20年で森に大きな変化とかありましたか?」
「いや、俺19やしな。でも、そんなん聞いた事無いで。それに、一定や無いってのは向こうで数年がこちらでは一年ってパターンもあるかもしれへんやん?知らんけど」
そういえばアンズは三年にしては少し大きくなりすぎてたかも知れない。だけど、大人になりたての様だった。兄様が言っていた成獣までの期間は5年位だったはず。それなら、その辺りの年数だろう。
「カリン?大丈夫か?」
「大丈夫です。偽名はユウキでお願いします。……絶対に間に合わせる」
「……なんやよう分からんけど、その目しとったら大丈夫や。兄貴、探すで」
「はい!」
――――――――――――――――――――――――――
もしかしたら、有希が見つかるかもと淡い期待をしていたが、とりあえずワイト周辺の街や村には居なさそうとの事だった。
この西の地方は雨情以外にも帰還人や異世界人にルーツがある人達が集まっている。全体を見れば多くはないが明らかに他の地域と比べると多い。それだけ異世界から来た者の力は弱く、弱い者達は集い合う。
その分、連帯感があり、情報網は貴族同士のそれに勝るとも劣らず。
今日も今日とて、酒場で情報を情報で売り買いしている。
「ほんで、例の……、玉のありかを教えてくれた男の子は見つからんのか?」
「あれきりや、食いもん路銀、それと武闘家の衣装一式渡したけど、交換条件であのテリトリーからは手を引いてもろたし違うとこにおると思う。言うたかてワイトの森からは出てへんと思うんやけどな」
魔石の交換でたんまり稼いだ後、雨情は魔石が水の中に出来る事を皆に教えた。じわじわと噂は広がり、ワイトで何かがあると注目させ、そして満を持してそれが『カリンと思われる男の子からの情報』という話も流した。
すでに西の森全域は一通り調べて兄様がいないであろうと分かっている。懸賞金に釣られて多くの新参者も流入し、それでも何も変化が無ければ完全に白だ。森のお友達も探してくれている。
次は東に移らなくてはいけない。敵の目を西に向けている隙に東に移る。そして、リオネット様達が先に気がついてこちらに直接出向いてくれる様な布石も打ってあった。
「もう向こうに着いとるはずやねん。お前の毛」
「毛って言わないでください」
「毛やんけ、体毛」
「より嫌な言い方に変えないでよ」
ひと月前に、伸びた私の毛髪を一房、リオネット様のファンレターとして郵送してある。リオネット様は流行の度合いを図るため、一通り目を通しているはずだし、危険のないイレギュラーな物ならきちんと調べてくれるはず。差出人はヤマザト。苗字を知ってるのはリオネット様、アッシャー、ナルさんぐらいのはずだ。
こちらに届く情報では王都周辺の様子は変わりなく。ワイトへの流入者は予想より早く多く、そして中には貴族の手の者も混ざり始めた。敵か味方か分からない人は敵と見做して動くべき。だから、そろそろ兄様を探しに東へ立たなくてはならない。
だけど、リオネット様がもうそこまで来ているのではと思うと、一旦諦めて再度東の地から手紙を出すという雨情の提案を飲むのを、私は引き伸ばしてしまっていた。
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