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7 菱沼市連続殺人事件 容疑者の供述書
27.菱沼市連続殺人事件 容疑者の供述書 ④
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わたしが二十二歳のときだから、もう六年前になります。
母は、二見淳子は亡くなりました。享年は六十二になります。
死因は分かりません。母の死に伏線はありませんでした。本当に、突然、その日がやってきたのです。
糖尿病を患っていたことは確かですが、他にもたぶん、生活習慣病を抱えていたんだと思います。
「お母さん」
何度か声をかけましたが、反応がありません。
身体を触ってみると、びっくりするほど冷たくて。
くちびるを半開きにしたまま、その口元にも、やっぱり小バエが一匹ついていたので、恐ろしく気持ちが悪くなり、わたしは思わず家の外に飛び出しました。
これからどうしよう。
わたしは頭が真っ白になりました。
悲しみはありませんでした。ただ呆然としていたんです。
母親が亡くなったということが、信じられなかったんです。
まるで実感がわかず、そもそも親が亡くなったときにどうしたらいいのかも分からず、相談する人間もおらず、わたしはそのまま何日か、お母さんを放置しました。
そうすると寒い時期とはいえ、母親の身体からなにか嫌な臭いが漂いはじめました。
見た目はあまり変わらないのに、すえたような、ひどく不愉快になる臭いで、
「わたし、こんな臭い身体をした女から生まれたんだ」
そう考えると、いっそう気分が悪くなって、何度か吐き戻しました。
ずいぶんとゲーゲーやって、それから、少し冷静になったわたしは、
「お母さんが死んだのに、そのまま放ったらかしにしてしまった。このままだと、警察に捕まる」
と、思いました。
すると、怒りと悲しみが心の中に湧き出してきます。
こんな母親のために、警察に捕まるなんて、まっぴらごめんだ。
わたしは母親の亡骸を、こっそりと処分することにしました。
はい、処分です。
言葉通りの意味ですよ。
ホームセンターに行って、ノコギリとゴミ袋を買ってきて。
浴室に母の遺体を運び、それから時間をかけてゆっくりと解体していきました。
ドロドロとした赤黒い血が、ゆっくりと、タイル張りの床いっぱいに広がっていきます。
悪臭が漂いはじめ、わたしはまた吐きそうになりましたが、こらえました。
ここで、例の香水を使うことを思いつきました。
こんな臭いが外にあふれ出たら、母の遺体を解体していることがバレる。
それはまずいと思って、香水をたっぷりと遺体に振りかけ、空気中にも撒き散らしながら処分したのです。
解体は一日で終わりました。
翌日が、燃えるゴミの日だったので、母の遺体にはまた香水をかけて、市政便りで包み、さらにビニール袋に入れて、燃えるゴミに出したのです。
ゴミを回収する業者さんたちが、ゴミ捨て場にやってきていたので、
「これもよろしくお願いします」
「燃えるゴミですね?」
業者さんが、そう尋ねてきたので、
「ええ、よく燃えます」
と、わたしはニッコリ笑ってゴミを渡しました。
それですべては終わりました。想像よりずっとあっけなかったです。
母を処分したあと、ひどくスッキリした気持ちになったことを、よく覚えています。
それまでは、なんだか母が復活してくるような気がしていたのですが、これであのひとはもう生き返ってこない。絶対に、確実に、死んだのだと、そう思いました。
母がいなくなったアパートは、ひどく寒々しく。
あんなひとでも、いたらそれなりに存在感があったのだなとぼんやり考えました。
それから、生活をどうしようかと考えていましたが。
母の遺品を片付けていると、銀行口座に、少額ながら年金が入ってきていることを知りました。
母は、いろんな会社や仕事を転々としていましたが、母自身は適当でも会社のほうがちゃんと年金を払ってくれていたんだと、あとになって知りました。
年金って、六十歳から貰えるんですね。
繰り上げ受給といって、貰える金額は減るけれども、六十歳から年金を貰えるシステムがあるそうです。母はそれだったのです。
「この年金、わたしが貰ったらまずいよね」
さすがにそう気付いていましたが、ここでまさか、
「母は死にました」
なんて、言い出すわけにもいきません。
そうしたら、死体はどこへいった、という話になりますし。
そもそも言い出すところって、どこなんですかね? 警察ですか?
それもよく分からなかったので、けっきょくわたしは、そのまま母の年金を貰うことにしました。
キャッシュカードの暗証番号は知らなかったのですが、おそらくと思う番号を入れると、はたしてその番号でした。
母は、父の誕生日をカードの暗証番号にしていました。
わたしはため息をつきました。
正直に申し上げますと。
わたしはいつか、露見すると思いはじめました。
母の死と、その遺体を処分したことが、です。
母が亡くなった直後こそ、興奮していましたので、ああいったことをしましたが。
やがて一ヶ月が経ち、二ヶ月が経つと、冷静さを取り戻します。
ときどきテレビのニュースで、親を殺して逮捕とか、親が死んだのに届け出ずにいたので違法、とか、あるじゃないですか。
そういうものを、見ていましたから。
「いまはここで生きていられるけれど、いつか終わる。明日にも警察が来る。明日か、あさってか、しあさってにも」
そう思っていました。
間違いなく、そうなると。
なりませんでした。
半年が経ち。
一年が経ち。
二年が経ちました。
アパートには誰も尋ねてきませんでした。
残された母の携帯電話にも、誰もかけてきませんでした。
同じアパートに住むひとたちも。元よりわたしたち親子とは、あいさつもろくにしない関係でしたが、母のことを聞かれたりはしませんでした。
そのまま、気が付いたら六年が経っていました。
その間、わたしはなにをしていたのでしょうか。
特になにもしていませんでした。
記憶がほとんどありません。
ただ毎日、ぼんやりと。
テレビを見たり、天井を眺めたりしていました。
なにか、夢でも見ているようでした。
母がいない。
誰もいない。
誰もわたしに興味を持たない。
母にも持たない。誰も母の死を気付かない。
ぞっとしました。
母親は問題の多いひとでした。
だから、友達らしいひともいなかったと思います。
けれど。
それでも。
母は母なりに、六十二年間、生きてきたのです。
仕事をやりました。いろんな会社にいました。どこかのスーパーに行きました。たまに、たこ焼きを買って帰ってくることがありました。
それなのに。
亡くなって、六年間も。
誰も、母の死に気付かない。
誰も。
母と連絡を取ろうとしない。
「わたしも一緒だ」
六年間、誰も連絡をしてこないのはわたしも同じでした。
いいえ、六年間どころか、もう十年以上も、誰も、わたしに声をかけてきてくれません。
わたしは小学生のときから、ずっと同じ家に住んでいるのに、誰も家に来てくれません。手紙もくれません。学生時代の同級生も、アルバイト先のひとたちも、わたしを騙したあの美容師も、父親さえも。地元に住み続けているのに、地元の誰とも疎遠なのです。
二十八年、生きてきたのに。
わたしだって、ここにいるのに。
わたしだって、生きているのに。
涙が、あとからあとから、あふれだしました。
小さいころから、ひとから笑われ、嫌われ、疎まれ続けてきた自分。
わたしのなにがいけなかったのでしょう。最初のしくじりはどこだったのでしょう。自分のすべてが素晴らしかったわけではないし、間違いも犯したと思いますが、それにしても、どうしてわたしの人生は、こんなにも真っ暗で、誰からも愛されないのでしょうか。わたしはそこまで、ひどい人間なのでしょうか。
違う。
違う、絶対に違う。
わたしじゃない。わたしだけが悪者だなんて、そんなこと、あろうはずがない。
秋吉瀬奈。
乙原光昭。
岩下久美。
宮地理人。
篠原みどり。
蜂谷康三。
わたしの人生をぶち壊したのは、こいつらだ。
こいつらさえいなければ、わたしは、せめてもう少し!
せめて、もう少し。あと少し。ほんの少し。
ましだった、と思いたい。
憎しみが止まりませんでした。
怒りのために、嗚咽まで漏らしました。
しかしどれだけ泣き叫ぼうと、わたしの恨みと怒りは、彼ら彼女らにはきっと、少しも届かないのです。
泣きわめいたその日の、翌日でした。
スーパーで買い物をして、アパートの前まで戻ってきたときです。
人気のない、夕方の歩道を、女性が歩いていました。
痩せ型の、わたしとそう大差ない年齢の女が歩いています。
ぼさぼさの黒髪と、幸薄そうな表情、それに身長や格好が、どこかわたしと似ていました。
もっとも似ているのは雰囲気や背丈だけで、顔立ちそのものは、私とは似ても似つかぬ可愛い女性でしたが。
綺麗な二重に長いまつ毛。
羨ましくなるほどの美形です。
そして、その横顔を見た瞬間、わたしは気が付きました。
「あなた、藤崎中学校のひとじゃないですか?」
「はい? ……そうですが」
青白い顔で振り向いたその女性。
彼女はわたしのことを覚えていないでしょう。
けれども、わたしは記憶していました。
「中学生のときに、乙原先生と一緒に『ドイフル』に来たことがありますよね!?」
そう。
わたしがアルバイトをしていたときに、乙原先生が連れてきた中学生。
彼女は間違いなく、その子だったのです。
母は、二見淳子は亡くなりました。享年は六十二になります。
死因は分かりません。母の死に伏線はありませんでした。本当に、突然、その日がやってきたのです。
糖尿病を患っていたことは確かですが、他にもたぶん、生活習慣病を抱えていたんだと思います。
「お母さん」
何度か声をかけましたが、反応がありません。
身体を触ってみると、びっくりするほど冷たくて。
くちびるを半開きにしたまま、その口元にも、やっぱり小バエが一匹ついていたので、恐ろしく気持ちが悪くなり、わたしは思わず家の外に飛び出しました。
これからどうしよう。
わたしは頭が真っ白になりました。
悲しみはありませんでした。ただ呆然としていたんです。
母親が亡くなったということが、信じられなかったんです。
まるで実感がわかず、そもそも親が亡くなったときにどうしたらいいのかも分からず、相談する人間もおらず、わたしはそのまま何日か、お母さんを放置しました。
そうすると寒い時期とはいえ、母親の身体からなにか嫌な臭いが漂いはじめました。
見た目はあまり変わらないのに、すえたような、ひどく不愉快になる臭いで、
「わたし、こんな臭い身体をした女から生まれたんだ」
そう考えると、いっそう気分が悪くなって、何度か吐き戻しました。
ずいぶんとゲーゲーやって、それから、少し冷静になったわたしは、
「お母さんが死んだのに、そのまま放ったらかしにしてしまった。このままだと、警察に捕まる」
と、思いました。
すると、怒りと悲しみが心の中に湧き出してきます。
こんな母親のために、警察に捕まるなんて、まっぴらごめんだ。
わたしは母親の亡骸を、こっそりと処分することにしました。
はい、処分です。
言葉通りの意味ですよ。
ホームセンターに行って、ノコギリとゴミ袋を買ってきて。
浴室に母の遺体を運び、それから時間をかけてゆっくりと解体していきました。
ドロドロとした赤黒い血が、ゆっくりと、タイル張りの床いっぱいに広がっていきます。
悪臭が漂いはじめ、わたしはまた吐きそうになりましたが、こらえました。
ここで、例の香水を使うことを思いつきました。
こんな臭いが外にあふれ出たら、母の遺体を解体していることがバレる。
それはまずいと思って、香水をたっぷりと遺体に振りかけ、空気中にも撒き散らしながら処分したのです。
解体は一日で終わりました。
翌日が、燃えるゴミの日だったので、母の遺体にはまた香水をかけて、市政便りで包み、さらにビニール袋に入れて、燃えるゴミに出したのです。
ゴミを回収する業者さんたちが、ゴミ捨て場にやってきていたので、
「これもよろしくお願いします」
「燃えるゴミですね?」
業者さんが、そう尋ねてきたので、
「ええ、よく燃えます」
と、わたしはニッコリ笑ってゴミを渡しました。
それですべては終わりました。想像よりずっとあっけなかったです。
母を処分したあと、ひどくスッキリした気持ちになったことを、よく覚えています。
それまでは、なんだか母が復活してくるような気がしていたのですが、これであのひとはもう生き返ってこない。絶対に、確実に、死んだのだと、そう思いました。
母がいなくなったアパートは、ひどく寒々しく。
あんなひとでも、いたらそれなりに存在感があったのだなとぼんやり考えました。
それから、生活をどうしようかと考えていましたが。
母の遺品を片付けていると、銀行口座に、少額ながら年金が入ってきていることを知りました。
母は、いろんな会社や仕事を転々としていましたが、母自身は適当でも会社のほうがちゃんと年金を払ってくれていたんだと、あとになって知りました。
年金って、六十歳から貰えるんですね。
繰り上げ受給といって、貰える金額は減るけれども、六十歳から年金を貰えるシステムがあるそうです。母はそれだったのです。
「この年金、わたしが貰ったらまずいよね」
さすがにそう気付いていましたが、ここでまさか、
「母は死にました」
なんて、言い出すわけにもいきません。
そうしたら、死体はどこへいった、という話になりますし。
そもそも言い出すところって、どこなんですかね? 警察ですか?
それもよく分からなかったので、けっきょくわたしは、そのまま母の年金を貰うことにしました。
キャッシュカードの暗証番号は知らなかったのですが、おそらくと思う番号を入れると、はたしてその番号でした。
母は、父の誕生日をカードの暗証番号にしていました。
わたしはため息をつきました。
正直に申し上げますと。
わたしはいつか、露見すると思いはじめました。
母の死と、その遺体を処分したことが、です。
母が亡くなった直後こそ、興奮していましたので、ああいったことをしましたが。
やがて一ヶ月が経ち、二ヶ月が経つと、冷静さを取り戻します。
ときどきテレビのニュースで、親を殺して逮捕とか、親が死んだのに届け出ずにいたので違法、とか、あるじゃないですか。
そういうものを、見ていましたから。
「いまはここで生きていられるけれど、いつか終わる。明日にも警察が来る。明日か、あさってか、しあさってにも」
そう思っていました。
間違いなく、そうなると。
なりませんでした。
半年が経ち。
一年が経ち。
二年が経ちました。
アパートには誰も尋ねてきませんでした。
残された母の携帯電話にも、誰もかけてきませんでした。
同じアパートに住むひとたちも。元よりわたしたち親子とは、あいさつもろくにしない関係でしたが、母のことを聞かれたりはしませんでした。
そのまま、気が付いたら六年が経っていました。
その間、わたしはなにをしていたのでしょうか。
特になにもしていませんでした。
記憶がほとんどありません。
ただ毎日、ぼんやりと。
テレビを見たり、天井を眺めたりしていました。
なにか、夢でも見ているようでした。
母がいない。
誰もいない。
誰もわたしに興味を持たない。
母にも持たない。誰も母の死を気付かない。
ぞっとしました。
母親は問題の多いひとでした。
だから、友達らしいひともいなかったと思います。
けれど。
それでも。
母は母なりに、六十二年間、生きてきたのです。
仕事をやりました。いろんな会社にいました。どこかのスーパーに行きました。たまに、たこ焼きを買って帰ってくることがありました。
それなのに。
亡くなって、六年間も。
誰も、母の死に気付かない。
誰も。
母と連絡を取ろうとしない。
「わたしも一緒だ」
六年間、誰も連絡をしてこないのはわたしも同じでした。
いいえ、六年間どころか、もう十年以上も、誰も、わたしに声をかけてきてくれません。
わたしは小学生のときから、ずっと同じ家に住んでいるのに、誰も家に来てくれません。手紙もくれません。学生時代の同級生も、アルバイト先のひとたちも、わたしを騙したあの美容師も、父親さえも。地元に住み続けているのに、地元の誰とも疎遠なのです。
二十八年、生きてきたのに。
わたしだって、ここにいるのに。
わたしだって、生きているのに。
涙が、あとからあとから、あふれだしました。
小さいころから、ひとから笑われ、嫌われ、疎まれ続けてきた自分。
わたしのなにがいけなかったのでしょう。最初のしくじりはどこだったのでしょう。自分のすべてが素晴らしかったわけではないし、間違いも犯したと思いますが、それにしても、どうしてわたしの人生は、こんなにも真っ暗で、誰からも愛されないのでしょうか。わたしはそこまで、ひどい人間なのでしょうか。
違う。
違う、絶対に違う。
わたしじゃない。わたしだけが悪者だなんて、そんなこと、あろうはずがない。
秋吉瀬奈。
乙原光昭。
岩下久美。
宮地理人。
篠原みどり。
蜂谷康三。
わたしの人生をぶち壊したのは、こいつらだ。
こいつらさえいなければ、わたしは、せめてもう少し!
せめて、もう少し。あと少し。ほんの少し。
ましだった、と思いたい。
憎しみが止まりませんでした。
怒りのために、嗚咽まで漏らしました。
しかしどれだけ泣き叫ぼうと、わたしの恨みと怒りは、彼ら彼女らにはきっと、少しも届かないのです。
泣きわめいたその日の、翌日でした。
スーパーで買い物をして、アパートの前まで戻ってきたときです。
人気のない、夕方の歩道を、女性が歩いていました。
痩せ型の、わたしとそう大差ない年齢の女が歩いています。
ぼさぼさの黒髪と、幸薄そうな表情、それに身長や格好が、どこかわたしと似ていました。
もっとも似ているのは雰囲気や背丈だけで、顔立ちそのものは、私とは似ても似つかぬ可愛い女性でしたが。
綺麗な二重に長いまつ毛。
羨ましくなるほどの美形です。
そして、その横顔を見た瞬間、わたしは気が付きました。
「あなた、藤崎中学校のひとじゃないですか?」
「はい? ……そうですが」
青白い顔で振り向いたその女性。
彼女はわたしのことを覚えていないでしょう。
けれども、わたしは記憶していました。
「中学生のときに、乙原先生と一緒に『ドイフル』に来たことがありますよね!?」
そう。
わたしがアルバイトをしていたときに、乙原先生が連れてきた中学生。
彼女は間違いなく、その子だったのです。
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