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しおりを挟むしばし程よい場所にある小さな頭に顎を乗せていたが、ちびが居心地悪そうに身じろぎしているのに気付いた。
強く拘束してしまって苦しかったのだろうかと腕を緩めると、ぴくっと体が震える。
胸に預けられた小さな背中がやけにあたたかい。
というか熱い。
「お前、熱あるのか?もしかして外出の疲れで具合が……」
焦って後ろから覗きこむと、ちびは赤い顔でぶんぶんと首を振った。
「あっ…ち、違うの…なんか…」
途中で口ごもるので、ちゃんと言えと続きを促す。
ちびはふるっと身を震わせ、体に余るパジャマの裾を握り締めた。
「あの、ほ…欲しい、みたいな…」
「何だ、腹減ってたのか。気付かなくて悪かったな」
「ご、ごめんなさい……」
そんなこと謝るなと頭を撫でてやる。
熱を出した後は、本人が「まだお腹いっぱい」と言っていたのでそれを信じて与えていなかった。
前回、発熱したのはやはり気になっている。
それまではそんなことはなかったのに、違いはといえば摂取した場所か。
今日は口からにしておいた方がいいかもしれないと勝手に決めて、ちびにこちらを向くよう促したのだが。
「だ…大丈夫。おれ、我慢できるから」
何故か遠慮をみせて離れようとするので、腕を掴んで引き留めた。
「何で逃げんだよ。別に我慢するこたねーだろ」
「だって……征一郎疲れてるのに」
先程愚痴ってしまったせいで気を遣わせてしまっているのか。
こういう時に慌てているちびは、見た目の年齢通りに(あるいはそれより幼く)見える。
ヤクザ(樋口)に絡まれても動じない少年が、自分のために取り乱しているというのは、昏い優越感を刺激するものだ。
征一郎にも、人並みの欲はある。
「お前のお陰で元気になったからな。還元してやる」
ニヤリと笑いながら、いつの間にかこの少年を構うのが楽しくなってきていることを自覚した。
「だったら、俺がするからちょっと離し…」
「まだ我慢できるんだろ?もう少しこのまま触られてろ」
「あ………!」
パジャマの中に手を滑り込ませる。
吸い付くような滑らかな肌だ。
「あっ、あ、…っおなか…だめ…!」
「ここ触るとお前すげー反応するよな」
触れているだけでもびくびくと身体が跳ねる。
「だめ」と訴えるちびは半ベソだが、パジャマに隠された前は布を押し上げて存在を主張しており、何らかの快楽を感じていることは明らかだった。
「気持ちよくねえか?」
「う……気持ちい、けど…っそこ…エネルギーのたまることろだから…征一郎が触るとむずむずしてほしくなって…我慢できなくなるの…」
「へえ」
それはどんな感覚なのだろう。
人は空腹時にそんな感覚を覚えることはない。
征一郎が無遠慮に掴んだら折れてしまいそうな細いうなじにキスを落としつつ、好奇心が勝ってつい腹を撫で続けていると。
「やぁ……、せ…ちろ……ごめ…なさ…も…おれ…」
何かに耐えるようにぶるぶると震えながら、ちびが懸命に振り返り、見上げてくる。
まだ何もしてねえんだがと苦笑して、口でさせようと一旦解放した。
だが、はあはあと息を乱したちびは、力なく前に倒れると腰を上げて、後ろに回した手で物欲しげに震えるそこを拓いて見せる。
「あ……せいいちろ……このまま……いいから……ほし……」
その淫靡さに、征一郎はごくりと唾を飲み込んだ。
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