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しおりを挟む二階に上がり伯父の部屋に入るが、本ばかり目に入ってそれらしいものはない。
ふと目にした押し入れに閃くものがあり、そこを開けてみた。
「(これだ……!)」
一段目には布団やよくわからないものがいっぱいに入っていて、だが二段目には何も置かれておらず、体を乗り出して上を見ると、人が一人上がれそうな隙間が空いている。
まどかは探検しているようなワクワクを感じながら、屋根裏とおぼしき場所を目指した。
ところが、上がってはみたものの暗すぎて何も見えない。
「いてっ」
目を凝らせば何とかならないかと思ったが、膝に何か固いものがぶつかり、さすがに危機感を覚えてスマホを取り出してライトをつけた。
照らし出されたそこは、思ったよりも広く、立ち上がれるほどではないが座って読書をするくらいはできる高さがあり、秘密基地などを作って遊んだ童心をくすぐられる。
膝にぶつかったものは何か磨りガラスのようなものだ。踏んでいたら割れていたかもしれない。あとは下の部屋と同じく本がたくさんあるが、どれも手に取るのをためらうような古びてカビ臭い代物だ。
「(別にわざわざ遺言書に書かなくてもとっておきたくもないようなものだけど…なんの本なんだろ、コレ)」
開いてみるが、英語ですらなくて、内容は意味がわからない。
パラパラとめくっては見たもののつまらなくなって、すぐに閉じた。
何冊か見てみるが、どれも同じ。
しかし伯父の走り書きが挟んである本があり、興味を引かれてそのメモを手にとって読んでみる。
「ふんぐるい…むぐるうなふ…くとぅるう…るるいえ…うがふなぐる…ふたぐん……?復活の呪文かな」
聞いたところによると昔のゲームはロードするのにパスワードの入力が必要だったらしい。
ここで夜毎ゲームにでも興じていたのだろうか。
なんとなくあまりイメージではない気がするし、やはり遺言書に書いて捨てさせるほどのものでもないような。
その時、近くから突然強い光が差して、驚いてまどかはしゃがんだ状態で振り返ろうとして、尻餅をついた。
『……ほう、繋ぐとは、素質があるようだな』
頭に直接響くような声がしたかと思うと、光の収束と共に何もなかった場所に人が現れた。
「なっ…なん…っ」
泥棒?幽霊?とにかくここは伯父の家で、祖父母は既に他界しているしその子供はまどかの父と兄である伯父だけで、伯父は結婚していなかったのだから、こんなところにいるのは不法侵入者か人ならざるものの二択の可能性が高い。
身の危険を感じ、反射的に後ずさると、そこはこの場所への入口、すなわち押入れへの下降口だった。
背中からずるっと落ち、衝撃に驚いて身を起こそうとしたところについた手は空で、無様に伯父の部屋の本の山の上に落下する。
「いっつ…………」
「間抜けな奴だな。大丈夫か?」
「…………………っ」
痛みに呻く間もなく息を飲んだのも無理はない。
落ちた先に先回りしたように、屋根裏の不審人物が立っていたのだから。
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