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しおりを挟む顔から火が出るとはこのことか。
目を逸らすと、ちゃんとこっち見ろ、と叱られる。
見つめ合うなんて上級者向けすぎて出来そうもなく、万里は視線を外したまま無理矢理会話を続けようとした。
「ず、ずっとって、いつから?」
「……お前の家の近くでラーメン食ったくらいの頃からか。俺に獲られまいと警戒しながら餃子食ってるバンビちゃんがかわいくてなあ……」
そんなところをそんな視点で見られていたなんて、恥ずかしくて頭が沸きそうだ。聞かなければよかった。
しかもそれってわりと会ってすぐじゃないかと悶えていると、むぎゅっと頬を掴まれた。
「おい、言わせたんだからお前も言えよ」
「えぇ…?」
悪い顔で視界を占める久世の主張は間違っていない。
しかし先程『好きってことでいいな』と決めつけられたばかりではないか。
「あの、それはもうわかっていらっしゃるのでは……」
そういうことでいいので、と回避を試みたが、久世が許してくれるはずもなかった。
「ちゃんと言えたら、優しくしてやるから」
「い、言わなかったら?」
「ちょっと大人向けのプレイ内容になるな」
大人向けのプレイとは何か。
子供向けプレイもあるのだろうか。
想いを確かめあった先の展開について想像がつかないわけではないが、一線を越えた時点で大人向けなのかと思っていた…。
恥ずかしい久世だけでもうお腹一杯、というのが正直な気持ちだ。
今後の展開については手加減してほしい。
万里は震える唇を開いた。
「す……………………」
「………………」
「………………」
この空気無理。
さっと顔を背けた万里に、久世がニヤリと唇の端を上げた。
「言わせてほしいってことだな。わかった」
「ち、違……っ」
反論しようと開いた口が再び塞がれる。
「ん……っ……ん、ぅ……ん!?」
ぼうっとなっている間にあっさり服を剥かれた。
そもそも、寝巻に使っているへろへろの部屋着では防御力が低すぎる。
ベッドに転がされ、何をされるのかとぎゅっと目を瞑り我が身をかばっていると、久世の服がフローリングに落ちていく音が聞こえた。
この隙に逃げればよかったのでは……などと後悔してももう遅い。
嫌というわけではないのだ。
万里にも、年齢なりの好奇心や、好きな人と色々してみたい気持ちはある。
ただ、まだ心の準備が。
「あの、……っ」
何を言おうと思ったわけではないが、黙ってもいられなくて開いた視界に広がるのは、肌色だった。
しかも、つい目を走らせてしまった久世の中心は既に勃ちあがっている。
「ちょ……っと、それ、」
何故もうその体積なのかとか、そんなの入らないだろとか、色々と頭に思い浮かぶのに言葉にならない。
顔どころか全身真っ赤になって口をパクパクさせているところにのしかかられて、近くに感じる久世の匂いにくらりとした。
「お前のも勃ってるな」
「えっ!」
驚いて久世の視線の先を追う。
本当に反応している。
まさか、さっきのキスで?
隠そうとしたが、久世の手の方が早かった。
「あぁっ!」
熱い手に握りこまれて、びくっと体を揺らす。
動揺して逃げようとすると宥めるように額や頬に啄むキスが降り、万里は心地よさにまたぽーっとなって抵抗を忘れる。
「あ、そ、んな……っ」
器用に皮を下ろされ敏感な先端を撫でられると、すぐに爆発しそうなほど昂った。
余裕のある動き。自分で擦るのとあまりにも違いすぎる。
耐えようとして足に力を入れたが、そんなことで止まるはずもなくて。
「や、待っ…、あぁっ!あっ!」
万里はあっさりと陥落し、びくんと腰を突き上げた。
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