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第一章 死んだらそこは異世界でした
12話 寝坊助さんと過去のお話
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あの後キューちゃんにゼンさんとカー君を連れてくるように言われて急いで、家で寝ている彼を起こしに戻ったけど――
「……ゼンさん起きないなぁ」
声を掛けたり身体を揺すって見ても起きない、これはもしかしてだけど覚めない眠りに付いてるのではって思うけどどんなんだろ。
例えば物語だとこういう時王子様がヒロインに口づけして目覚めるとかあるけど、立場的に考えると私がお姫様だし、口づけするのは私の方?、でも相手がゼンさんかぁ確かに面倒見が良くて人柄も良いし、何よりも優しい人だと感じるからありかもしれないけど、でもまだ出会ってからの期間が短いし、それにそんなエッチな事出来ないっ!。
物語と現実は違うのっ!だって、確かにここは剣と魔法のファンタジー世界だけど、それはそれ、これはこれなのっ!あぁもうどうしたら起きてくれるの、教えて集落の森の木よ。
「……と、とりあえず一発蹴ってみたら起きるかな」
そう思って勢いよく頭を蹴飛ばそうとして大きく足を振りかぶると――
「――殺気っ!」
「え、ひあ、あぁ!?」
「お、うわっ!」
ゼンさんが急に立ち上がって避けたせいでバランスを崩してしまい、転びそうになった結果抱きしめるような形になってしまう。
ここで彼も優しく抱きしめるような形になったら、見る人によってはラブロマンスは突然に始まり二人は幸せへの道を進んで行くって話になるけど、残念な事に肝心のお相手は何処から武器を出したのか左右の手に剣を持っているから、どっちかというと暴漢に襲われたヒロインである私が物語の主人公に助けを求めたような感じになってしまっている。
まぁ、さっきまで暴漢に襲われていたから間違いじゃないんだけどねっ……ね?。
「シャルネさん、何やってんの?」
「起こそうとしても起きないから、頭を蹴ったら目を覚ますかなって……」
「そんな事されたら目が覚まめる前に永遠の眠りについちまうだろ」
「え、そうなの?でも起きないのが悪いんじゃ……」
「起きなかっただけで殺されてたまるかよ……、で?起こしに来たって事は何かようがあるんだろ?」
取り合えずいつまでも抱き着いてるわけには行かないから彼から離れると、先程まであった事を説明する。
少しだけ大袈裟に話したらどんな反応をしてくれるかなって思ったけど、こういう時にふざけ過ぎると碌な事にならない予感がしたから我慢した。
だって報連相って大事だからねっ!私だって常識はあるからそこんとこは大丈夫。
まぁ、武器を持ってる姿が怖かっただけなんだどね。
「……へぇ、マチザワが来てたのにそんな事になったんだな」
「あれ?ゼンさんはマチザワさんの事を知ってるの?」
「ん?あぁ、俺がこの集落に住む前世話になった事があるんだ……、最初は敵だったけど」
「て、敵だった!?」
「国が滅びた後、暫くして外から生き残った俺を含めた国民が戻って再び暮らし始めたんだけど……、喧嘩や殺し合いは当たり前で秩序も何もありもしない、何かあったら負けた奴が悪いという最悪な環境でさ、ある時にプリムラスグロリアと友好関係を気付いたマチザワともう一人セイラって女がいんだけど、再び栄花を国にすると言いだしてさ、当時この国で一番強かった俺に力を貸して欲しいって来たけど信用できなかったからぶっとばしちまったんだよ」
ぶっとばしたってゼンさん何をしてるの?。
それにここって元はそんな修羅の国だったの?しかもそこで一番強かったって実は凄い怖い人なのかも……、あれ?そう思うと私ってこの家にお世話になってるけど大丈夫なのかな。
あ、でも心配する必要ないかも、だってゼンさんがそれ位強いって事は何かあったら私の事を守ってくれる、つまり私は騎士に守られるお姫様、あぁいいかも強い男の人に守られるって凄い憧れる。
「その後大丈夫だったの?」
「あぁ……、結果的に数の暴力で取り押さえられた後に説得された後は国が出来て安定するまでの間、隙あらば他の国が攻めてくるから三人で前線に出て暴れてたからな、最終的に俺らが戦場にいる間に国の重鎮になった奴等が好き勝手始めたのがつまんねぇから出て行って、今はこの集落に住んでるけど、俺とマチザワは今も友達だよ」
「という事はゼンさんも昔は神様専属の将軍だったの?」
「いや、俺はそんな立場じゃない、マチザワ達に協力してただけだからな……、あぁ、でも栄花を作った三英傑として名前は残ってるらしいけど、正直そういう肩書があると動き辛いから迷惑だよ」
笑いながらそういうゼンさんは何処か疲れたような顔をしている。
これは当時相当苦労したんだろうなぁって思うからこれ以上は聞かない方がいのかもしれない。
あ、でも強い人がそうやって過去を話して弱みを見せてくれるのって信用してくれてる証拠だし、これはこれで何かいいかも、凄いいい。
「大変だったんだねゼンさん……、あ、でも武器が怖いからしまって欲しいかな」
「あ、あぁごめん、まぁ大変だったけどそれなりに楽しかったよ、強い奴等を沢山斬れたし」
「もしかして戦うの好きだったり?」
「そりゃ好きだよ、命のやり取りをするのは隠居した今でも心躍るからな……、そういう意味ではシャルネさんと旅に行く事になったのは良かったのかもなぁ、しかも五大国の神と戦うとなると強い所じゃないだろうし、楽しみでしょうがねぇ」
……ゼンさんが獰猛な獣のような笑顔を顔に浮かべると両手の剣が空気に溶けるように薄くなって行き消えてしまう。
そして壁にたてかけてある剣を手に持ち『んじゃ、カーティスの奴を拾ってグロウフェレスのとこに行こうか』というと家を出るのだった。
「……ゼンさん起きないなぁ」
声を掛けたり身体を揺すって見ても起きない、これはもしかしてだけど覚めない眠りに付いてるのではって思うけどどんなんだろ。
例えば物語だとこういう時王子様がヒロインに口づけして目覚めるとかあるけど、立場的に考えると私がお姫様だし、口づけするのは私の方?、でも相手がゼンさんかぁ確かに面倒見が良くて人柄も良いし、何よりも優しい人だと感じるからありかもしれないけど、でもまだ出会ってからの期間が短いし、それにそんなエッチな事出来ないっ!。
物語と現実は違うのっ!だって、確かにここは剣と魔法のファンタジー世界だけど、それはそれ、これはこれなのっ!あぁもうどうしたら起きてくれるの、教えて集落の森の木よ。
「……と、とりあえず一発蹴ってみたら起きるかな」
そう思って勢いよく頭を蹴飛ばそうとして大きく足を振りかぶると――
「――殺気っ!」
「え、ひあ、あぁ!?」
「お、うわっ!」
ゼンさんが急に立ち上がって避けたせいでバランスを崩してしまい、転びそうになった結果抱きしめるような形になってしまう。
ここで彼も優しく抱きしめるような形になったら、見る人によってはラブロマンスは突然に始まり二人は幸せへの道を進んで行くって話になるけど、残念な事に肝心のお相手は何処から武器を出したのか左右の手に剣を持っているから、どっちかというと暴漢に襲われたヒロインである私が物語の主人公に助けを求めたような感じになってしまっている。
まぁ、さっきまで暴漢に襲われていたから間違いじゃないんだけどねっ……ね?。
「シャルネさん、何やってんの?」
「起こそうとしても起きないから、頭を蹴ったら目を覚ますかなって……」
「そんな事されたら目が覚まめる前に永遠の眠りについちまうだろ」
「え、そうなの?でも起きないのが悪いんじゃ……」
「起きなかっただけで殺されてたまるかよ……、で?起こしに来たって事は何かようがあるんだろ?」
取り合えずいつまでも抱き着いてるわけには行かないから彼から離れると、先程まであった事を説明する。
少しだけ大袈裟に話したらどんな反応をしてくれるかなって思ったけど、こういう時にふざけ過ぎると碌な事にならない予感がしたから我慢した。
だって報連相って大事だからねっ!私だって常識はあるからそこんとこは大丈夫。
まぁ、武器を持ってる姿が怖かっただけなんだどね。
「……へぇ、マチザワが来てたのにそんな事になったんだな」
「あれ?ゼンさんはマチザワさんの事を知ってるの?」
「ん?あぁ、俺がこの集落に住む前世話になった事があるんだ……、最初は敵だったけど」
「て、敵だった!?」
「国が滅びた後、暫くして外から生き残った俺を含めた国民が戻って再び暮らし始めたんだけど……、喧嘩や殺し合いは当たり前で秩序も何もありもしない、何かあったら負けた奴が悪いという最悪な環境でさ、ある時にプリムラスグロリアと友好関係を気付いたマチザワともう一人セイラって女がいんだけど、再び栄花を国にすると言いだしてさ、当時この国で一番強かった俺に力を貸して欲しいって来たけど信用できなかったからぶっとばしちまったんだよ」
ぶっとばしたってゼンさん何をしてるの?。
それにここって元はそんな修羅の国だったの?しかもそこで一番強かったって実は凄い怖い人なのかも……、あれ?そう思うと私ってこの家にお世話になってるけど大丈夫なのかな。
あ、でも心配する必要ないかも、だってゼンさんがそれ位強いって事は何かあったら私の事を守ってくれる、つまり私は騎士に守られるお姫様、あぁいいかも強い男の人に守られるって凄い憧れる。
「その後大丈夫だったの?」
「あぁ……、結果的に数の暴力で取り押さえられた後に説得された後は国が出来て安定するまでの間、隙あらば他の国が攻めてくるから三人で前線に出て暴れてたからな、最終的に俺らが戦場にいる間に国の重鎮になった奴等が好き勝手始めたのがつまんねぇから出て行って、今はこの集落に住んでるけど、俺とマチザワは今も友達だよ」
「という事はゼンさんも昔は神様専属の将軍だったの?」
「いや、俺はそんな立場じゃない、マチザワ達に協力してただけだからな……、あぁ、でも栄花を作った三英傑として名前は残ってるらしいけど、正直そういう肩書があると動き辛いから迷惑だよ」
笑いながらそういうゼンさんは何処か疲れたような顔をしている。
これは当時相当苦労したんだろうなぁって思うからこれ以上は聞かない方がいのかもしれない。
あ、でも強い人がそうやって過去を話して弱みを見せてくれるのって信用してくれてる証拠だし、これはこれで何かいいかも、凄いいい。
「大変だったんだねゼンさん……、あ、でも武器が怖いからしまって欲しいかな」
「あ、あぁごめん、まぁ大変だったけどそれなりに楽しかったよ、強い奴等を沢山斬れたし」
「もしかして戦うの好きだったり?」
「そりゃ好きだよ、命のやり取りをするのは隠居した今でも心躍るからな……、そういう意味ではシャルネさんと旅に行く事になったのは良かったのかもなぁ、しかも五大国の神と戦うとなると強い所じゃないだろうし、楽しみでしょうがねぇ」
……ゼンさんが獰猛な獣のような笑顔を顔に浮かべると両手の剣が空気に溶けるように薄くなって行き消えてしまう。
そして壁にたてかけてある剣を手に持ち『んじゃ、カーティスの奴を拾ってグロウフェレスのとこに行こうか』というと家を出るのだった。
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