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1章
サイクロプスを討ち取りし者 バンド・ウィーベル
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ホワル大洞窟入り口前。
決闘の見届け人を務めるハズヴァルド学園の二人の教師は、温かな日差しが優しく降り注ぐあまりにのどかな雰囲気に若干ウトウトしながらどちらかが地上に戻ってくるのを待っていた。
「バンド様が持ち掛けた決闘とはいえ、3時間も待つのは退屈ですね」
「まあでも交互に洞窟に潜ってたら倍時間がかかってたと考えるとこれでもマシな方ですよ」
「そうですな……ん?ようやく誰か戻ってきたようですね」
「誰かって言っても、どうせバンド様率いる赤組に決まってるだろ……って、どういうことだ?」
早く業務から解放されたいと愚痴を言い合っていた二人だが、誰かが洞窟から出てくる気配を感じそれを姿勢を正して迎えようとした。
しかし洞窟から出てきたのは白組のソシアにジョージに赤組の男子生徒の混合チーム。
それを見た教師たちは何か様子がおかしいと三人に駆け寄っていったのだ。
「おいどうしたんだ君たち!なぜ決められたチームのメンバーでない三人で洞窟から出てきた?」
「ハァ……ハァ……先生、大変です!」
「ぜぇ……ぜぇ……サイ、サイクロプス!洞窟の最深部で、サイクロプスが現れたんです!!」
「「なんだと!?」」
限界を超えて走り息も絶え絶えなジョージの口からサイクロプスという魔物の名前を聞いた教師たちは信じられないといった表情でジョージ達に詰め寄った。
それもそのはず、サイクロプスなどこの辺りで出現していいレベルの魔物ではないのだから。
「バカなことを言うな!サイクロプスなどこんなところで出現するはずが無いだろう!?」
「で、でで、でも先生方!俺もこの目でしっかり見たんです!巨大で一つ目の筋肉ムキムキなヤバい魔物を!」
「ふざけるのもたいがいにしたまえ。どうせでかめのゴブリンかなんかと見間違えたんだろう」
「お願いです先生!まだ中にアレス君たちが残ってるんです!早く助けに向かってください!」
「……」
「我々が、かね……」
「先生……?」
「あり得んとは思うが、もし本当にサイクロプスだとしたら大変だ。今すぐ王国軍に行き救助を要請してこよう」
ソシアはすぐにまだ洞窟から出てきていないアレスたちを助けてもらおうと教師たちにお願いしたのだが、彼らはそれを聞いて洞窟の中に入ろうとはせず王都に戻り王国軍に助けを求めようとし出したのだ。
「なんですぐにアレス君を助けてくれないんですか!?」
「ええい!サイクロプスなど我々の手に負えるか!」
「でもさっき先生ゴブリンか何かと見間違えただけって……」
「うるさい!万が一ということがあるだろう!とにかく我々は王都に戻るからな!」
「……わかりましたよ。それなら私だけでも、アレス君を助けに行きます」
「ソシアさん!?」
目の前の教師たちは明らかに洞窟に残っている生徒たちを助けに行く気がない。
そのことを知ったソシアは覚悟を決めたような表情で今来た道を引き返そうとした。
「何やってるんですかソシアさん!僕たちがいても戦闘力のある彼らの足手まといになるだけだって話したじゃないですか!」
「でも何もしないで待っているなんて出来っこないよ」
「お、俺は戻らねえぞ!絶対死にたくねえ!」
「そうだぞ!危険な魔物がいる洞窟に戻ろうなど死にに行くようなものだ!」
「お前らも一緒に王都に戻るんだ。さあ早く!」
「わ、わかりました!それなら僕も一緒に行きます!」
「ありがとうジョージ君!」
「おーい。ソシア、ジョージ!みんな無事か?」
「っ!?アレス君!!」
少しの時間も惜しいとソシアとジョージの二人が再度ホワル洞窟に潜ろうとしたその時、洞窟の奥からアレスの声が聞こえてきたのだ。
そしてすぐに気絶したマリーシャを背負ったアレスと、ボロボロながら自分の足で歩くバンドの姿があった。
「アレス君!無事だったんだね!!」
「先に逃げてしまってごめんなさい。僕たちが一緒だとアレスさんが逃げにくいと考えて説明もなしに行ってしまい」
「いやむしろ助かったよ。ナイス判断だった」
「君!マリーシャさんは無事なんですか!?」
「はい、気を失ってるだけですけど命に別状はありません」
「それはよかった。それはそうとバンド様!サイクロプスが出たというのは本当なんですか!?」
「ああ、間違いない」
「なんと……それではやはり王都に戻り王国軍に討伐を依頼しなければ」
「先生方、その必要はありません!何しろサイクロプスは、このバンド様が討伐してしまったのですから」
「なんと!!」
「流石バンド様!」
「……」
アレスが背負っていたマリーシャに命の別条がないことを確認した教師は本当にサイクロプスが出現したのかをバンドに確認した。
するとバンドはサイクロプスの出現を認めたのだが、なんと彼はそのサイクロプスを自分で討伐したと自信満々に言い張ったのだ。
「だが俺もサイクロプスの攻撃を食らってしまってな。ギリギリの勝利だった」
「それでも素晴らしいことですよ!」
「はい。サイクロプスなど並の兵士では歯が立ちませんから。それを入学直後に倒してしまわれるとはなんとも末恐ろしい才能です」
「……ねえアレス君。ちょっといいかな?」
「うん?なんだソシア」
サイクロプスを討伐したというバンドを全力で持ち上げる教師たちをよそに、ソシアはアレスをバンドたちから少し離れたところに連れ出した。
「バンドさんはああ言ってるけど、私にはどうも信じられなくて」
「実は僕もそう感じていたんです。もしかして、本当はアレスさんがサイクロプスを倒したけど彼に手柄を奪われたんじゃって」
「半分正解だけど半分間違いだな」
「半分?」
「これは内緒の約束だから、絶対誰にも話しちゃダメだぞ?」
バンドの様子のおかしさに疑問を持ったソシアとジョージは中で何があったのかとアレスに聞いた。
するとアレスはバンドたちに聞かれないような小声で真実を二人に話し始めたのだ。
「バンド様、一つ提案があるのですがよろしいですか?」
それはアレスがサイクロプスを討伐しバンドと並んで洞窟の出口を目指している時のこと。
それまで会話もなく黙って歩いていたのだが、突然アレスがバンドに畏まって話しかけたのだった。
「……なんだ、急にそんな話し方で」
「先ほどのサイクロプス。討伐したのはバンド様ということにしますので、代わりに私とソシアの二人がハズヴァルド学園へ通うことをお許しいただけませんか?」
「なに?」
「確かに私はスキルがありませんが、その実力はすでに証明できているはずです。我々はバンド様の退学など望んでおりませんし、穏便に問題を解決できるのならそれに越したことはないのです」
「……」
アレスは交渉のタイミングはここしかないと考えていた。
サイクロプスを倒したという実績はとても大きくバンドにとっても悪い話ではない。
時間をおいてまた別の決闘を挑まれても面倒であり、丁寧に交渉に及んだのだ。
「……まあ、いいだろう。その方が俺にとっても恩恵が大きいしな」
「ありがとうございます。それと失礼ながら確認させていただきますが、私とソシアに協力したということでジョージに標的を変えるなどはなさらないでくださいね」
「流石にこの俺様もそこまで陰湿じゃない。その提案を受け入れよう」
自分では歯が立たなかったサイクロプスを見下していたアレスがいとも簡単に倒してしまったことにプライドを傷つけられていたバンドだったが、命を助けてもらったことも事実でありアレスに反発することなくその提案を受け入れたのだった。
「まさか、サイクロプスを単独で撃破してしまうなんて……」
「すごい!凄いよアレス君!」
「まあ、そう言うことだから表向きにはサイクロプスを倒したのはバンドだったってことにしてくれよな。そうすればあいつとの揉め事も一段落ってわけだ」
「ああ、だがアレスもスキルがないなりに俺に協力してくれようとしていたよ。だからその勇気に免じて奴らの今回の俺への無礼は許してやることにしたんだ」
「なるほど、流石はバンド様」
「なんとお心が広いのでしょう」
アレスたちが少し離れたところでこそこそと会話をしていた裏で、バンドは約束通りアレスたちとの揉め事はなかったことにすると教師たちに話していた。
「……アレを聞いてるとちょっとムカついてくるが。今までのあいつの態度からすればだいぶマシだろう」
「ごめんね二人とも。もとはと言えば私のせいでこんな面倒ごとに巻き込んじゃって。本当にありがとう」
「いえ、僕はほんとに何もしていませんし」
「気にすんなって。それよりいつまでもこんなところに居ないで学園へ帰ろうぜ」
こうして無事に地上に戻ってこられたアレスたちはホワル大洞窟を後にし学園へと戻っていったのだ。
バンドとの和解も済ませ、サイクロプスも問題なく討伐し万事解決……したと安堵していたのだった。
「……危ない危ない。まさかあの距離で勘付かれるなんて。もしかすると、彼があのお方の仰っていた……」
アレスたちがホワル大洞窟からと遠ざかっていくのを、洞窟の入り口付近の木陰から怪しげな人物が見送っていた。
決闘の見届け人を務めるハズヴァルド学園の二人の教師は、温かな日差しが優しく降り注ぐあまりにのどかな雰囲気に若干ウトウトしながらどちらかが地上に戻ってくるのを待っていた。
「バンド様が持ち掛けた決闘とはいえ、3時間も待つのは退屈ですね」
「まあでも交互に洞窟に潜ってたら倍時間がかかってたと考えるとこれでもマシな方ですよ」
「そうですな……ん?ようやく誰か戻ってきたようですね」
「誰かって言っても、どうせバンド様率いる赤組に決まってるだろ……って、どういうことだ?」
早く業務から解放されたいと愚痴を言い合っていた二人だが、誰かが洞窟から出てくる気配を感じそれを姿勢を正して迎えようとした。
しかし洞窟から出てきたのは白組のソシアにジョージに赤組の男子生徒の混合チーム。
それを見た教師たちは何か様子がおかしいと三人に駆け寄っていったのだ。
「おいどうしたんだ君たち!なぜ決められたチームのメンバーでない三人で洞窟から出てきた?」
「ハァ……ハァ……先生、大変です!」
「ぜぇ……ぜぇ……サイ、サイクロプス!洞窟の最深部で、サイクロプスが現れたんです!!」
「「なんだと!?」」
限界を超えて走り息も絶え絶えなジョージの口からサイクロプスという魔物の名前を聞いた教師たちは信じられないといった表情でジョージ達に詰め寄った。
それもそのはず、サイクロプスなどこの辺りで出現していいレベルの魔物ではないのだから。
「バカなことを言うな!サイクロプスなどこんなところで出現するはずが無いだろう!?」
「で、でで、でも先生方!俺もこの目でしっかり見たんです!巨大で一つ目の筋肉ムキムキなヤバい魔物を!」
「ふざけるのもたいがいにしたまえ。どうせでかめのゴブリンかなんかと見間違えたんだろう」
「お願いです先生!まだ中にアレス君たちが残ってるんです!早く助けに向かってください!」
「……」
「我々が、かね……」
「先生……?」
「あり得んとは思うが、もし本当にサイクロプスだとしたら大変だ。今すぐ王国軍に行き救助を要請してこよう」
ソシアはすぐにまだ洞窟から出てきていないアレスたちを助けてもらおうと教師たちにお願いしたのだが、彼らはそれを聞いて洞窟の中に入ろうとはせず王都に戻り王国軍に助けを求めようとし出したのだ。
「なんですぐにアレス君を助けてくれないんですか!?」
「ええい!サイクロプスなど我々の手に負えるか!」
「でもさっき先生ゴブリンか何かと見間違えただけって……」
「うるさい!万が一ということがあるだろう!とにかく我々は王都に戻るからな!」
「……わかりましたよ。それなら私だけでも、アレス君を助けに行きます」
「ソシアさん!?」
目の前の教師たちは明らかに洞窟に残っている生徒たちを助けに行く気がない。
そのことを知ったソシアは覚悟を決めたような表情で今来た道を引き返そうとした。
「何やってるんですかソシアさん!僕たちがいても戦闘力のある彼らの足手まといになるだけだって話したじゃないですか!」
「でも何もしないで待っているなんて出来っこないよ」
「お、俺は戻らねえぞ!絶対死にたくねえ!」
「そうだぞ!危険な魔物がいる洞窟に戻ろうなど死にに行くようなものだ!」
「お前らも一緒に王都に戻るんだ。さあ早く!」
「わ、わかりました!それなら僕も一緒に行きます!」
「ありがとうジョージ君!」
「おーい。ソシア、ジョージ!みんな無事か?」
「っ!?アレス君!!」
少しの時間も惜しいとソシアとジョージの二人が再度ホワル洞窟に潜ろうとしたその時、洞窟の奥からアレスの声が聞こえてきたのだ。
そしてすぐに気絶したマリーシャを背負ったアレスと、ボロボロながら自分の足で歩くバンドの姿があった。
「アレス君!無事だったんだね!!」
「先に逃げてしまってごめんなさい。僕たちが一緒だとアレスさんが逃げにくいと考えて説明もなしに行ってしまい」
「いやむしろ助かったよ。ナイス判断だった」
「君!マリーシャさんは無事なんですか!?」
「はい、気を失ってるだけですけど命に別状はありません」
「それはよかった。それはそうとバンド様!サイクロプスが出たというのは本当なんですか!?」
「ああ、間違いない」
「なんと……それではやはり王都に戻り王国軍に討伐を依頼しなければ」
「先生方、その必要はありません!何しろサイクロプスは、このバンド様が討伐してしまったのですから」
「なんと!!」
「流石バンド様!」
「……」
アレスが背負っていたマリーシャに命の別条がないことを確認した教師は本当にサイクロプスが出現したのかをバンドに確認した。
するとバンドはサイクロプスの出現を認めたのだが、なんと彼はそのサイクロプスを自分で討伐したと自信満々に言い張ったのだ。
「だが俺もサイクロプスの攻撃を食らってしまってな。ギリギリの勝利だった」
「それでも素晴らしいことですよ!」
「はい。サイクロプスなど並の兵士では歯が立ちませんから。それを入学直後に倒してしまわれるとはなんとも末恐ろしい才能です」
「……ねえアレス君。ちょっといいかな?」
「うん?なんだソシア」
サイクロプスを討伐したというバンドを全力で持ち上げる教師たちをよそに、ソシアはアレスをバンドたちから少し離れたところに連れ出した。
「バンドさんはああ言ってるけど、私にはどうも信じられなくて」
「実は僕もそう感じていたんです。もしかして、本当はアレスさんがサイクロプスを倒したけど彼に手柄を奪われたんじゃって」
「半分正解だけど半分間違いだな」
「半分?」
「これは内緒の約束だから、絶対誰にも話しちゃダメだぞ?」
バンドの様子のおかしさに疑問を持ったソシアとジョージは中で何があったのかとアレスに聞いた。
するとアレスはバンドたちに聞かれないような小声で真実を二人に話し始めたのだ。
「バンド様、一つ提案があるのですがよろしいですか?」
それはアレスがサイクロプスを討伐しバンドと並んで洞窟の出口を目指している時のこと。
それまで会話もなく黙って歩いていたのだが、突然アレスがバンドに畏まって話しかけたのだった。
「……なんだ、急にそんな話し方で」
「先ほどのサイクロプス。討伐したのはバンド様ということにしますので、代わりに私とソシアの二人がハズヴァルド学園へ通うことをお許しいただけませんか?」
「なに?」
「確かに私はスキルがありませんが、その実力はすでに証明できているはずです。我々はバンド様の退学など望んでおりませんし、穏便に問題を解決できるのならそれに越したことはないのです」
「……」
アレスは交渉のタイミングはここしかないと考えていた。
サイクロプスを倒したという実績はとても大きくバンドにとっても悪い話ではない。
時間をおいてまた別の決闘を挑まれても面倒であり、丁寧に交渉に及んだのだ。
「……まあ、いいだろう。その方が俺にとっても恩恵が大きいしな」
「ありがとうございます。それと失礼ながら確認させていただきますが、私とソシアに協力したということでジョージに標的を変えるなどはなさらないでくださいね」
「流石にこの俺様もそこまで陰湿じゃない。その提案を受け入れよう」
自分では歯が立たなかったサイクロプスを見下していたアレスがいとも簡単に倒してしまったことにプライドを傷つけられていたバンドだったが、命を助けてもらったことも事実でありアレスに反発することなくその提案を受け入れたのだった。
「まさか、サイクロプスを単独で撃破してしまうなんて……」
「すごい!凄いよアレス君!」
「まあ、そう言うことだから表向きにはサイクロプスを倒したのはバンドだったってことにしてくれよな。そうすればあいつとの揉め事も一段落ってわけだ」
「ああ、だがアレスもスキルがないなりに俺に協力してくれようとしていたよ。だからその勇気に免じて奴らの今回の俺への無礼は許してやることにしたんだ」
「なるほど、流石はバンド様」
「なんとお心が広いのでしょう」
アレスたちが少し離れたところでこそこそと会話をしていた裏で、バンドは約束通りアレスたちとの揉め事はなかったことにすると教師たちに話していた。
「……アレを聞いてるとちょっとムカついてくるが。今までのあいつの態度からすればだいぶマシだろう」
「ごめんね二人とも。もとはと言えば私のせいでこんな面倒ごとに巻き込んじゃって。本当にありがとう」
「いえ、僕はほんとに何もしていませんし」
「気にすんなって。それよりいつまでもこんなところに居ないで学園へ帰ろうぜ」
こうして無事に地上に戻ってこられたアレスたちはホワル大洞窟を後にし学園へと戻っていったのだ。
バンドとの和解も済ませ、サイクロプスも問題なく討伐し万事解決……したと安堵していたのだった。
「……危ない危ない。まさかあの距離で勘付かれるなんて。もしかすると、彼があのお方の仰っていた……」
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