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2章
空飛ぶ製薬会社
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「ルネイラ様!お疲れさまです!!」
竜人族の少女ステラを捕らえたネスタークの女幹部ルネイラは、数人の部下と共に空飛ぶ小舟にのり上空に浮かぶ本船に帰還していた。
「竜人族の子供はこの通り。これで私たちの任務は完了よ。ボスが戻るまでこいつをどこかに閉じ込めておきなさい」
「はッ!!」
本船に戻ったルネイラは部下にステラを船内の部屋に閉じ込めておくよう指示を出した。
その指示を受けた部下が2名、恐怖で逃げる気力も残されていないステラを連れて船内へと入ってゆく。
「ルネイラ様、ボスは現在どちらに?」
「下でゲビアの奴らを蹴散らしているわ。竜人族の子供を捕らえた以上もうここには用はないし、ボスに任務完了と連絡しなさい」
「かしこまりました」
(本当に敵の船に乗り込んじゃった……でももうここまで来て後には引けないもんね。まずはステラちゃんを取り戻さないと)
そんな会話をしながら乗ってきた小舟からルネイラが離れていくのを確認していたソシアは、早速ステラを取り戻すための行動を開始することにしたのだ。
「おら!ちんたら歩いてんじゃねえぞ!」
「……」
ルネイラに指示された2人の部下はステラを船内へと連れていく。
その船内は複雑に入り組んでおり、照明が十分とは言い切れず辺りには言葉で言い表しようのないような沈んだ空気が漂っていた。
「ほらここだ。ここでボスが来るまで大人しくしてるんだな」
「私……」
「いいからさっさとは入れってんだよ!!」
スッ……
「え……?」
現在は使われていない物置部屋に辿り着いた男たちは、外から鍵をかけられるその部屋にステラを押し込もうとする。
しかしその時、その男たちの背後に突如滑り込むように何者かが現れたのだ。
「やぁああああ!!」
「ぐはっ!?」
「っ!!ソシアねえね!」
「なんだてめえどこから……ぐあっ!!」
「はぁ……はぁ……ステラちゃん!大丈夫!?」
「う、うわぁああ!怖かったよぉ!!」
その影の正体はここまで男たちを密かに尾行していたソシアだった。
ソシアはステラを奪い返すチャンスを辛抱強く待ち続け、男たちの意識が部屋の中に向いた一瞬の隙を見計らって持っていた杖で男たちを殴って制圧した。
「ごめんねステラちゃん!怖い思いをさせちゃって!」
「うぅ……」
1人で心細い思いをしていたステラはソシアの顔を見るなり今まで堪えていた感情が崩壊してしまい泣き出してしまった。
そうして泣き出してしまったステラをソシアは優しく抱きしめ慰めてあげる。
「もう大丈夫だからね。さあ、私と一緒に逃げよう」
「うん」
「なんだ今の声は!?」
「まさか竜人族のガキが逃げ出したんじゃないだろうな!?」
「っ!?まずい気付かれた!ステラちゃんこっちに!」
「う、うん……」
しかしそんなステラの泣き声を聞き、ネスタークのメンバーたちが様子を確認しに集まってきてしまった。
その騒ぎを聞きつけたソシアは素早くステラの手を引き見つからないよう逃走を開始する。
(どうしよう!ステラちゃんを見つけたらこっそりさっきの船で逃げるつもりだったのに!)
「と、とにかく1度どこかに身を隠さないと……っ!?あの扉は……」
道もわからない入り組んだ船内を、ソシアは敵と遭遇しないよう祈りながら走り続ける。
しかしその時、ソシアの視線の先に他の部屋の入口とは明らかに異なる分厚く巨大な鉄の扉が出現したのだ。
「鍵は……かかってない……」
(このまま適当に逃げても誰かと鉢合わせするだけだし……この部屋に身を隠したほうが……)
「ステラちゃん、中に入ろ!」
「わかった」
その扉には鍵がかけられておらず、ソシアは重く分厚い扉を力を振り絞って開け部屋の中へと逃げ込む。
するとそこには今までの船内とはまた打って変わった異様な光景が広がっていた、
コポコポコポ……
コォォォ……
ポチャンポチャン……
「ここは……薬の実験室?」
そこは薄暗い部屋の中に薬品や実験器具が所狭しと並べられた場所。
ソシアの敏感な鼻が曲がってしまいそうなほどの濃い薬品のにおいは、ここで毎日のように薬品の実験が繰り返されていることを強く物語っていた。
「なに、この部屋……そう言えば透明になる女の人からも薬品の匂いがしていたよね……」
「ッ!!あ、ああ……」
「どうしたのステラちゃん!?」
部屋に入ったソシアはひとまず扉にカギをかけ、異様な雰囲気の実験室へと足を踏み入れる。
1つ1つラベルが張られ、棚に綺麗に並べられた薬品の数々。
机の上で奇妙な光を放つ試験管の液体。
複雑なガラスの器具で何らかの成分が抽出されている物体。
そんな日常とはかけ離れた光景にソシアが言葉を失いかけていると、同じく部屋の中を見ていたステラがあるものを発見し震える声を絞り出したのだ。
「お母……お母さん!!」
「ッ!!嘘……そんな……」
それは手術台のような台に乗せられたステラの母親の遺体。
貴重な竜人族の部位から薬を作るために角や羽、主要な内臓などが取り除かれたあまりにも凄惨な光景。
そんな様子にステラはもちろんソシアですら言葉を失い目を背けてしまう。
「あ、ああ……お母さん……お母さん!!」
「ステラちゃん……」
「なあ!今ここから声が聞こえなかったか!?」
「あん?……おい!この部屋鍵がかかってるぞ!?」
「おいガキぃ!!ここに居るのは分かってんだぞ!!」
「しまった!気付かれちゃった!」
だがそんなステラの叫び声のせいで部屋の外に居た追手にソシアたちがこの部屋にいることがバレてしまったのだ。
それに気が付いたソシアは事態の悪さに冷や汗を流す。
「部屋の入り口は1つだけ……なんとか脱出する方法を探さないと……。……?これは……ッ!!」
何か脱出の役に立ちそうなものはないかと周囲を見渡していたソシアは、近くの机の上に置いてあったある書類に目を付けたのだ。
「これは……筋力増強ポーションに超速再生のポーションの作り方!これって……さっきアレス君が戦ったあの人の!」
それは肉体を限界以上に強化することができるポーションに、傷の治りを異常な速度にまで高められる再生のポーションのレシピ。
それはアレスが先程地上で戦ったネスタークのボスであるベルジュークの特徴に当てはまる効果。
(そうか……あの人はこのポーションを使ってたのか)
「くそ!早く開けやがれ!」
「もういっそ爆破しちまうか?」
「ダメに決まってるだろ!!竜人族のガキが死んだらどうすんだ!?」
(あの扉が破られるまでは時間がありそう……ポーションの詳しい作り方は書いてある。生成に時間がかかりそうな素材も棚に揃ってる……)
「ステラちゃんごめん!!5分だけ時間ちょうだい!!」
「う、うう……」
追い詰められた状況の中、ソシアは役に立つかもしれないととある薬品の調合を開始したのだった。
「ぬるいぬるいぬるいぬるい!!!」
「ぐああ!!」
一方そのころ地上では、ゲビアのボスであるダミアンと相対していたティナは想像以上の苦戦を強いられていた。
「口先だけで大したことねえなぁ。そんな冷気じゃアイスコーヒーすら作れねえぞ」
「だ、黙れ……」
ダミアンが振りかざすのは炎を振り撒く灼熱の大剣。
それが巻き起こす熱波はいとも容易くティナの氷を退けてしまう。
(炎と氷……相性が悪すぎるし、それ以前に……)
「てめぇみたいな温室育ちのお貴族様にゃ、生き馬の目を抜く裏社会で生きてきた俺様は倒せはしねえよ」
(戦闘者としての年季が違いすぎる!)
相性は最悪、実戦経験も大きく劣る。
口では精一杯ダミアンに張り合ってみせるティナであったが、内心ではすでに自身と目の前の男との実力差を痛いほど理解してしまっていた。
(だけどそれでも……諦めるわけにはいかない!)
「ほう。口先だけじゃなくて諦めの悪さもなかなかだな」
それでもティナは立ち上がると、燃えるような眼つきでダミアンに向かい合ったのだ。
すでにダメージは蓄積しているが、ティナの冷気は勢いを増し、その気合は更なる熱を帯びていく。
不甲斐なさに何度も眠れない夜を過ごした日々を思い出し、ティナは力強く刀を握りしめた。
竜人族の少女ステラを捕らえたネスタークの女幹部ルネイラは、数人の部下と共に空飛ぶ小舟にのり上空に浮かぶ本船に帰還していた。
「竜人族の子供はこの通り。これで私たちの任務は完了よ。ボスが戻るまでこいつをどこかに閉じ込めておきなさい」
「はッ!!」
本船に戻ったルネイラは部下にステラを船内の部屋に閉じ込めておくよう指示を出した。
その指示を受けた部下が2名、恐怖で逃げる気力も残されていないステラを連れて船内へと入ってゆく。
「ルネイラ様、ボスは現在どちらに?」
「下でゲビアの奴らを蹴散らしているわ。竜人族の子供を捕らえた以上もうここには用はないし、ボスに任務完了と連絡しなさい」
「かしこまりました」
(本当に敵の船に乗り込んじゃった……でももうここまで来て後には引けないもんね。まずはステラちゃんを取り戻さないと)
そんな会話をしながら乗ってきた小舟からルネイラが離れていくのを確認していたソシアは、早速ステラを取り戻すための行動を開始することにしたのだ。
「おら!ちんたら歩いてんじゃねえぞ!」
「……」
ルネイラに指示された2人の部下はステラを船内へと連れていく。
その船内は複雑に入り組んでおり、照明が十分とは言い切れず辺りには言葉で言い表しようのないような沈んだ空気が漂っていた。
「ほらここだ。ここでボスが来るまで大人しくしてるんだな」
「私……」
「いいからさっさとは入れってんだよ!!」
スッ……
「え……?」
現在は使われていない物置部屋に辿り着いた男たちは、外から鍵をかけられるその部屋にステラを押し込もうとする。
しかしその時、その男たちの背後に突如滑り込むように何者かが現れたのだ。
「やぁああああ!!」
「ぐはっ!?」
「っ!!ソシアねえね!」
「なんだてめえどこから……ぐあっ!!」
「はぁ……はぁ……ステラちゃん!大丈夫!?」
「う、うわぁああ!怖かったよぉ!!」
その影の正体はここまで男たちを密かに尾行していたソシアだった。
ソシアはステラを奪い返すチャンスを辛抱強く待ち続け、男たちの意識が部屋の中に向いた一瞬の隙を見計らって持っていた杖で男たちを殴って制圧した。
「ごめんねステラちゃん!怖い思いをさせちゃって!」
「うぅ……」
1人で心細い思いをしていたステラはソシアの顔を見るなり今まで堪えていた感情が崩壊してしまい泣き出してしまった。
そうして泣き出してしまったステラをソシアは優しく抱きしめ慰めてあげる。
「もう大丈夫だからね。さあ、私と一緒に逃げよう」
「うん」
「なんだ今の声は!?」
「まさか竜人族のガキが逃げ出したんじゃないだろうな!?」
「っ!?まずい気付かれた!ステラちゃんこっちに!」
「う、うん……」
しかしそんなステラの泣き声を聞き、ネスタークのメンバーたちが様子を確認しに集まってきてしまった。
その騒ぎを聞きつけたソシアは素早くステラの手を引き見つからないよう逃走を開始する。
(どうしよう!ステラちゃんを見つけたらこっそりさっきの船で逃げるつもりだったのに!)
「と、とにかく1度どこかに身を隠さないと……っ!?あの扉は……」
道もわからない入り組んだ船内を、ソシアは敵と遭遇しないよう祈りながら走り続ける。
しかしその時、ソシアの視線の先に他の部屋の入口とは明らかに異なる分厚く巨大な鉄の扉が出現したのだ。
「鍵は……かかってない……」
(このまま適当に逃げても誰かと鉢合わせするだけだし……この部屋に身を隠したほうが……)
「ステラちゃん、中に入ろ!」
「わかった」
その扉には鍵がかけられておらず、ソシアは重く分厚い扉を力を振り絞って開け部屋の中へと逃げ込む。
するとそこには今までの船内とはまた打って変わった異様な光景が広がっていた、
コポコポコポ……
コォォォ……
ポチャンポチャン……
「ここは……薬の実験室?」
そこは薄暗い部屋の中に薬品や実験器具が所狭しと並べられた場所。
ソシアの敏感な鼻が曲がってしまいそうなほどの濃い薬品のにおいは、ここで毎日のように薬品の実験が繰り返されていることを強く物語っていた。
「なに、この部屋……そう言えば透明になる女の人からも薬品の匂いがしていたよね……」
「ッ!!あ、ああ……」
「どうしたのステラちゃん!?」
部屋に入ったソシアはひとまず扉にカギをかけ、異様な雰囲気の実験室へと足を踏み入れる。
1つ1つラベルが張られ、棚に綺麗に並べられた薬品の数々。
机の上で奇妙な光を放つ試験管の液体。
複雑なガラスの器具で何らかの成分が抽出されている物体。
そんな日常とはかけ離れた光景にソシアが言葉を失いかけていると、同じく部屋の中を見ていたステラがあるものを発見し震える声を絞り出したのだ。
「お母……お母さん!!」
「ッ!!嘘……そんな……」
それは手術台のような台に乗せられたステラの母親の遺体。
貴重な竜人族の部位から薬を作るために角や羽、主要な内臓などが取り除かれたあまりにも凄惨な光景。
そんな様子にステラはもちろんソシアですら言葉を失い目を背けてしまう。
「あ、ああ……お母さん……お母さん!!」
「ステラちゃん……」
「なあ!今ここから声が聞こえなかったか!?」
「あん?……おい!この部屋鍵がかかってるぞ!?」
「おいガキぃ!!ここに居るのは分かってんだぞ!!」
「しまった!気付かれちゃった!」
だがそんなステラの叫び声のせいで部屋の外に居た追手にソシアたちがこの部屋にいることがバレてしまったのだ。
それに気が付いたソシアは事態の悪さに冷や汗を流す。
「部屋の入り口は1つだけ……なんとか脱出する方法を探さないと……。……?これは……ッ!!」
何か脱出の役に立ちそうなものはないかと周囲を見渡していたソシアは、近くの机の上に置いてあったある書類に目を付けたのだ。
「これは……筋力増強ポーションに超速再生のポーションの作り方!これって……さっきアレス君が戦ったあの人の!」
それは肉体を限界以上に強化することができるポーションに、傷の治りを異常な速度にまで高められる再生のポーションのレシピ。
それはアレスが先程地上で戦ったネスタークのボスであるベルジュークの特徴に当てはまる効果。
(そうか……あの人はこのポーションを使ってたのか)
「くそ!早く開けやがれ!」
「もういっそ爆破しちまうか?」
「ダメに決まってるだろ!!竜人族のガキが死んだらどうすんだ!?」
(あの扉が破られるまでは時間がありそう……ポーションの詳しい作り方は書いてある。生成に時間がかかりそうな素材も棚に揃ってる……)
「ステラちゃんごめん!!5分だけ時間ちょうだい!!」
「う、うう……」
追い詰められた状況の中、ソシアは役に立つかもしれないととある薬品の調合を開始したのだった。
「ぬるいぬるいぬるいぬるい!!!」
「ぐああ!!」
一方そのころ地上では、ゲビアのボスであるダミアンと相対していたティナは想像以上の苦戦を強いられていた。
「口先だけで大したことねえなぁ。そんな冷気じゃアイスコーヒーすら作れねえぞ」
「だ、黙れ……」
ダミアンが振りかざすのは炎を振り撒く灼熱の大剣。
それが巻き起こす熱波はいとも容易くティナの氷を退けてしまう。
(炎と氷……相性が悪すぎるし、それ以前に……)
「てめぇみたいな温室育ちのお貴族様にゃ、生き馬の目を抜く裏社会で生きてきた俺様は倒せはしねえよ」
(戦闘者としての年季が違いすぎる!)
相性は最悪、実戦経験も大きく劣る。
口では精一杯ダミアンに張り合ってみせるティナであったが、内心ではすでに自身と目の前の男との実力差を痛いほど理解してしまっていた。
(だけどそれでも……諦めるわけにはいかない!)
「ほう。口先だけじゃなくて諦めの悪さもなかなかだな」
それでもティナは立ち上がると、燃えるような眼つきでダミアンに向かい合ったのだ。
すでにダメージは蓄積しているが、ティナの冷気は勢いを増し、その気合は更なる熱を帯びていく。
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