貴方の妻にはなれなくて

cyaru

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(๑>؂<๑) ハーシア15歳♡

33:頼みは即実行

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「その道を知っているとはな。貴様、何者だ」

声を掛けられたユリアは足が竦んだ。
経験としては記憶にあるが、今の人生ではまだ15歳で純潔。

椅子に座っている第3王子は全裸で、傍には同じく全裸の女性が奉仕をしている最中だった。

「あ、あの…私、ファクター・セシル様の婚約者でユリア・ベルマウスと申します。殿下に頼みたい事があって参りました」

「頼みだと?」

侍らせていた女性を下がらせた第3王子は椅子から立ち上がってユリアに近寄ってきた。同時に近くに来いと手招きをしながら。

ウッドデッキの端まで行くと高さとしてユリアの目の前に第3王子の秘部。
饐えた香りについ顔を逸らしそうになってしまうが、我慢我慢と何とか耐えた。

しゃがみ込んだ第3王子は体位を変えたことで薄い膜の張った膿袋が裂けて膿が飛び散る。
膿独特の香りと全身から漂う汗と加齢臭に鼻が曲がりそうになった。

「頼みとはなんだ?」
「実は私の姉がバイソン子爵家に嫁がされそうになっているんです。それを阻止して頂きたくて!」
「貴族の婚約に口出しをしろと言うのか」
「も、勿論、無償でやってくれとは申しませんっ!これで!1言だけで良いんです!認めないと言って欲しくて」

宝飾品とヘソクリを拝借して用意をした200万を差し出すと毟り取るようにして第3王子は指をベロリと舐めて札を数え始めた。

――足らないのかしら。初回は多めなのかな?――

黙って札だけを数える第3王子の指は舐めるたびに皮がベロっと剥げペッと吐き出す。ユリアはその様子に戦々恐々。黙って見ているしかなかった。

「いいだろう。その婚約は認めない、?」
「は、はいっ!」
「相分かった。失せろ」
「は、はい?」
「聞こえなかったか。失せろと言ったんだ」
「はいっ。では失礼いたします!」

来た道を脱兎のごとく引き返したユリアだったが、その姿が消えると第3王子は下がらせた女性を手招きで呼び、任意に半分にした札をそれぞれに手渡した。


「殿下、宜しいのですか?」
「構わん。好きに使えばいい」
「ありがたく頂戴致します」
「ありがとうございます」


第3王子は使途不明金の調査が入っていて、現在は謹慎中。
謹慎が開ければ第3王子の隊として編成されていた部隊も他の隊に分散される。
ユリアの頼みなど、既に助言も終わっているので動く気は全くない。

「殿下は遊び心が満載ですわね」
「そうか?」
「えぇ。あの子、きっとこれで良いんだな?って言葉をどこかでもう一度言ってくださるって思ってますわ」
「他人がどう思うかは自由だ。私の知る所ではない。私はちゃんと言葉にしたではないか。間、髪を入れずにな。言質も取った」


時間が戻ったのは自分だけではなく、考えていたよりも多くの人間の時間が戻っていた。

王弟公は第2王子とすると内定が出るよりも前に戻ったのに周囲も戻っているのだから手を打つ前に全てが終わっていた。

それだけではなく、石を使わせた辺境伯の娘は粛清をされ、辺境伯は養子を迎えたので婿入り先も無くなった。

戻ってきた時間よりも更に前に行っていた隊に支給される金の流用は直ぐに暴かれてしまった。
先を知る人間第2王子も時間が戻っているのだから告発されるのも早かったのだ。

第3王子の受ける刑は決定している。
辺境伯の娘が粛清されているのに生かしてもらえるはずがない。

まもなく第2王子が王弟公に正式に選定をされる。
その後、数日のうちに毒杯を賜る事になっているのだ。

それまでは王族に対し発せられた禁呪の受け皿となっていて、夜は全身の血管を細い針が這いまわる痛みに襲われている。

毛穴と言う毛穴から禁呪を吸い込むので膿疱となって膨れ上がる。
全裸であるのは、衣服を着ていると脱ぎ着するだけでも膿疱が破れるため脱ぐ際に乾いていると皮膚がごっそり剥がれてしまうので全裸で過ごしているのである。

ヘタに動けば王族であることも廃籍され、平民の受ける絞首刑となってしまう危機にあるのにユリアの頼みで動くはずもない。
王族として生涯を終える事が第3王子に唯一残された誇りだった。


「ファクターか。アイツも学ばない男だったか」

王子はつくづく自分の周りにいた人間の愚かさを認識させられる。

王子が住んでいるのにユリアが簡単に入っていけた。
それが王子の境遇を示している事にユリアは気付いていない。

第3王子の元にこうやって「どうにかしてくれ」と頼みに来る者は愚か者ばかり。

何故人生をやり直しているのが自分だけ、自分に都合のいい人間だけだと思えるのか。長生き出来た前の人生のほうが好き勝手出来たのにと第3王子は今の人生で人に恵まれていなかった事を思い知った。

「違うな。類は友を呼ぶ。それだけだ」

第3王子は尻や背中の膿疱が潰れる痛みを堪え、また椅子に体を横たえた。
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