48 / 52
第47話♡ 釣ったどぉー!!
しおりを挟む
♡~♡
明日には久しぶりの王都。
最後の峠に来て、眼下に広がる王都の街並み。夕暮れ時なのでぽつぽつと家に明かりが灯って幻想的で御座いますわ。
懐かしいとか「あ~帰ってきた~」とそんな感情には成れません。
元々あちこちと動いておりましたし、その度に感慨に浸っていたら‥もっと情緒豊かだったかしら?
「あ~お嬢様~。パロンシン領に帰りたいですぅ~」
「え?ルル。パロンシン領の出身じゃないでしょう?」
「いえ、今の私、体のほとんどがあら汁で出来ているんです。体がパロンシン領を求めています」
「ルル…あら汁は美味しいけどルルはあら汁で出来てないわ」
「でもお嬢様、あら汁好きでしょう?好きって言ってください!」
「好きよ」
あら?どうしてルル?サッとアミナリンさんの背に隠れているの?
ついでにどうしてアミナリンさんは日に焼けたお顔を真っ赤にして俯いていらっしゃるの?
「あ、いっけない。お嬢様。私、紅鯨チャーンスの時間なのでちょっと行ってきます」
「え?ルルっ?どこに行くの?紅鯨チャンスって何よ?」
「鯨は逃すとおおきいんですよーぅ!」
ルル、鯨は逃さなくても元々大きいのよ。
ルルが幌馬車の裏手で調理をしている商人さんたちの元に行ってしまって、皆さんと野外調理のお手伝いを始めてしまいましたわ。
「あの…ナティさん」
「はい?」
「い、いや…その…」
「どうされました?あ、そうだ!そうそう!荷馬車って揺れが大きいでしょう?音も凄いですし話せなかったんですが、今後の事なんですけど」
「その事でっ!!俺も話があるっス」
「あら?そうなの。どっちから話をしましょう。アミナリンさんから?」
「お、俺っ?!心の準備はしてっけど‥突然ふられても‥」
「じゃぁ、私から言い――」
「いいや!こういうのは男から言うべきだ」
別に事業のこれからだから、男とか女は関係ないんだけど。
借入金の事もあるし、やっぱり額が大きいから私からだと不味いと思ってるのかしら。
「では、どうぞ?」
「あの…俺…最近になって気が付いたんだけどさ」
「最近…何にお気づきに?」
「その…耕作地とか加工場とか…漁具の倉庫も加わって…防潮堤もあったし…」
「えぇ。御座いましたわね。漁具の倉庫はコッタンク様が壁に投網を積み上げられていて、他のお宅にお邪魔した時にも同じようになっておりまして、纏めれば便利かなと思いましたの」
「それはっ!そうなんだけどさ、ちっちっ違うんだ。その…色んなところで一緒に――」
「そうなんです。なんでも一緒になってしまうと大変でしたわよね。でもご安心ください!帳簿は領収ごとにきっちり!どこを問われても私が論破してみせますわ!」
えぇ、えぇ。大変で御座いました。
防潮堤の石を家屋の基礎に使いますし、単なる解体撤去でも移設でも御座いませんしね。
ですが!色んな事業を手掛けるうえで、「転用」という技を見出し帳簿もばっちりで御座います。
あら?アミナリンさんどうなさったの?
呆けていらっしゃるけど。
「そうなんだけどさっ!違くて!っ」
「あら違いましたの?…もしや!そうそう。個人的なお話が御座いまして、この機会ですからパロンシン領で迎えて頂きたいのです」
「そりゃ勿論!!俺っ…本気なんだ。こんな気持ち初めてで…だから親父にもちゃんと話をするし、王都では色々あったと思うけどさ、何も心配せずにドーンと俺に任せてくれりゃいい!」
「良かったわ。心配だったの。ルルはとってもいい子なんだけど、判ってくれる人がいなくって」
「え?ルル?…ルールルルル…」
「さ、アミナリンさん。夕食が出来たようですわ。ルルの隣。開けておきますね♡うふっ」
明日は王都で何かありそうな気が致しますが、ご安心あれ!
ライオネル様が面倒なことを押し付けて来てもアミナリンさんとルルはちゃんとパロンシン領に送り届けますわ。
――ルルーッ!鯨釣ったどぉ!!――
明日には久しぶりの王都。
最後の峠に来て、眼下に広がる王都の街並み。夕暮れ時なのでぽつぽつと家に明かりが灯って幻想的で御座いますわ。
懐かしいとか「あ~帰ってきた~」とそんな感情には成れません。
元々あちこちと動いておりましたし、その度に感慨に浸っていたら‥もっと情緒豊かだったかしら?
「あ~お嬢様~。パロンシン領に帰りたいですぅ~」
「え?ルル。パロンシン領の出身じゃないでしょう?」
「いえ、今の私、体のほとんどがあら汁で出来ているんです。体がパロンシン領を求めています」
「ルル…あら汁は美味しいけどルルはあら汁で出来てないわ」
「でもお嬢様、あら汁好きでしょう?好きって言ってください!」
「好きよ」
あら?どうしてルル?サッとアミナリンさんの背に隠れているの?
ついでにどうしてアミナリンさんは日に焼けたお顔を真っ赤にして俯いていらっしゃるの?
「あ、いっけない。お嬢様。私、紅鯨チャーンスの時間なのでちょっと行ってきます」
「え?ルルっ?どこに行くの?紅鯨チャンスって何よ?」
「鯨は逃すとおおきいんですよーぅ!」
ルル、鯨は逃さなくても元々大きいのよ。
ルルが幌馬車の裏手で調理をしている商人さんたちの元に行ってしまって、皆さんと野外調理のお手伝いを始めてしまいましたわ。
「あの…ナティさん」
「はい?」
「い、いや…その…」
「どうされました?あ、そうだ!そうそう!荷馬車って揺れが大きいでしょう?音も凄いですし話せなかったんですが、今後の事なんですけど」
「その事でっ!!俺も話があるっス」
「あら?そうなの。どっちから話をしましょう。アミナリンさんから?」
「お、俺っ?!心の準備はしてっけど‥突然ふられても‥」
「じゃぁ、私から言い――」
「いいや!こういうのは男から言うべきだ」
別に事業のこれからだから、男とか女は関係ないんだけど。
借入金の事もあるし、やっぱり額が大きいから私からだと不味いと思ってるのかしら。
「では、どうぞ?」
「あの…俺…最近になって気が付いたんだけどさ」
「最近…何にお気づきに?」
「その…耕作地とか加工場とか…漁具の倉庫も加わって…防潮堤もあったし…」
「えぇ。御座いましたわね。漁具の倉庫はコッタンク様が壁に投網を積み上げられていて、他のお宅にお邪魔した時にも同じようになっておりまして、纏めれば便利かなと思いましたの」
「それはっ!そうなんだけどさ、ちっちっ違うんだ。その…色んなところで一緒に――」
「そうなんです。なんでも一緒になってしまうと大変でしたわよね。でもご安心ください!帳簿は領収ごとにきっちり!どこを問われても私が論破してみせますわ!」
えぇ、えぇ。大変で御座いました。
防潮堤の石を家屋の基礎に使いますし、単なる解体撤去でも移設でも御座いませんしね。
ですが!色んな事業を手掛けるうえで、「転用」という技を見出し帳簿もばっちりで御座います。
あら?アミナリンさんどうなさったの?
呆けていらっしゃるけど。
「そうなんだけどさっ!違くて!っ」
「あら違いましたの?…もしや!そうそう。個人的なお話が御座いまして、この機会ですからパロンシン領で迎えて頂きたいのです」
「そりゃ勿論!!俺っ…本気なんだ。こんな気持ち初めてで…だから親父にもちゃんと話をするし、王都では色々あったと思うけどさ、何も心配せずにドーンと俺に任せてくれりゃいい!」
「良かったわ。心配だったの。ルルはとってもいい子なんだけど、判ってくれる人がいなくって」
「え?ルル?…ルールルルル…」
「さ、アミナリンさん。夕食が出来たようですわ。ルルの隣。開けておきますね♡うふっ」
明日は王都で何かありそうな気が致しますが、ご安心あれ!
ライオネル様が面倒なことを押し付けて来てもアミナリンさんとルルはちゃんとパロンシン領に送り届けますわ。
――ルルーッ!鯨釣ったどぉ!!――
1,196
あなたにおすすめの小説
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる