至らない妃になれとのご相談でしたよね

cyaru

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第47話♡  釣ったどぉー!!

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♡~♡ 

明日には久しぶりの王都。

最後の峠に来て、眼下に広がる王都の街並み。夕暮れ時なのでぽつぽつと家に明かりが灯って幻想的で御座いますわ。

懐かしいとか「あ~帰ってきた~」とそんな感情には成れません。

元々あちこちと動いておりましたし、その度に感慨に浸っていたら‥もっと情緒豊かだったかしら?

「あ~お嬢様~。パロンシン領に帰りたいですぅ~」

「え?ルル。パロンシン領の出身じゃないでしょう?」

「いえ、今の私、体のほとんどがあら汁で出来ているんです。体がパロンシン領を求めています」

「ルル…あら汁は美味しいけどルルはあら汁で出来てないわ」

「でもお嬢様、あら汁好きでしょう?好きって言ってください!」

「好きよ」

あら?どうしてルル?サッとアミナリンさんの背に隠れているの?
ついでにどうしてアミナリンさんは日に焼けたお顔を真っ赤にして俯いていらっしゃるの?


「あ、いっけない。お嬢様。私、紅鯨チャーンスの時間なのでちょっと行ってきます」

「え?ルルっ?どこに行くの?紅鯨チャンスって何よ?」

「鯨は逃すとおおきいんですよーぅ!」

ルル、鯨は逃さなくても元々大きいのよ。

ルルが幌馬車の裏手で調理をしている商人さんたちの元に行ってしまって、皆さんと野外調理のお手伝いを始めてしまいましたわ。


「あの…ナティさん」

「はい?」

「い、いや…その…」

「どうされました?あ、そうだ!そうそう!荷馬車って揺れが大きいでしょう?音も凄いですし話せなかったんですが、今後の事なんですけど」

「その事でっ!!俺も話があるっス」

「あら?そうなの。どっちから話をしましょう。アミナリンさんから?」

「お、俺っ?!心の準備はしてっけど‥突然ふられても‥」

「じゃぁ、私から言い――」

「いいや!こういうのは男から言うべきだ」


別に事業のこれからだから、男とか女は関係ないんだけど。
借入金の事もあるし、やっぱり額が大きいから私からだと不味いと思ってるのかしら。

「では、どうぞ?」

「あの…俺…最近になって気が付いたんだけどさ」

「最近…何にお気づきに?」

「その…耕作地とか加工場とか…漁具の倉庫も加わって…防潮堤もあったし…」

「えぇ。御座いましたわね。漁具の倉庫はコッタンク様が壁に投網を積み上げられていて、他のお宅にお邪魔した時にも同じようになっておりまして、纏めれば便利かなと思いましたの」

「それはっ!そうなんだけどさ、ちっちっ違うんだ。その…色んなところで一緒に――」

「そうなんです。なんでも一緒になってしまうと大変でしたわよね。でもご安心ください!帳簿は領収ごとにきっちり!どこを問われても私が論破してみせますわ!」


えぇ、えぇ。大変で御座いました。
防潮堤の石を家屋の基礎に使いますし、単なる解体撤去でも移設でも御座いませんしね。
ですが!色んな事業を手掛けるうえで、「転用」という技を見出し帳簿もばっちりで御座います。

あら?アミナリンさんどうなさったの?
呆けていらっしゃるけど。


「そうなんだけどさっ!違くて!っ」

「あら違いましたの?…もしや!そうそう。個人的なお話が御座いまして、この機会ですからパロンシン領で迎えて頂きたいのです」

「そりゃ勿論!!俺っ…本気なんだ。こんな気持ち初めてで…だから親父にもちゃんと話をするし、王都では色々あったと思うけどさ、何も心配せずにドーンと俺に任せてくれりゃいい!」

「良かったわ。心配だったの。ルルはとってもいい子なんだけど、判ってくれる人がいなくって」

「え?ルル?…ルールルルル…」

「さ、アミナリンさん。夕食が出来たようですわ。ルルの隣。開けておきますね♡うふっ」


明日は王都で何かありそうな気が致しますが、ご安心あれ!
ライオネル様が面倒なことを押し付けて来てもアミナリンさんとルルはちゃんとパロンシン領に送り届けますわ。

――ルルーッ!鯨釣ったどぉ!!――
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