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4:決死の潜入調査。即でバレる
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昼を知らせる鐘の音が鳴り始めると、静まり返っていた広間はあっという間に熱気に包まれ誰もが我先にと早足が競歩になり競歩が駆け足、そしてダッシュに切り替わるのです。
ここは騎士団の隊舎内にある食堂。利用するのは騎士団に所属をしていればOK、ついでに家族もOKという太っ腹な空間で御座います。
通常は銅貨5枚(銅貨1枚日本円で100円)で定食の「肉のAランチ」か「魚のBランチ」を選ぶのですが、【1日限定20食限り@A、B各10食】の限定メニューを奪取すべく騎士たちは先を争うのです。
限定食は【至宝のA】【極みのB】と呼ばれております。
金額は同じなのにスープは皿で提供されるのではなくボウル。しかも1回お代わりが出来る。サラダは芯の部分が多く入るが山盛り。パンは焦げた部分が多くなるので2個が4個の倍増。
極めつけは鳥の胸肉か、白身魚のフライにはなるけれど、5切れのところが8切れに。
食いしん坊には堪らないボリュームで御座いますわね。
体を使う騎士様達。
入隊が13歳からとあって20代前半までの騎士は食べ盛り。えぇ。その年齢にがっつりと婚約者様のバルタザール君‥いえバルタザール様は当てはまっております。
ちなみに・・・。
年齢が上がるにつれ、野菜メインの【Cランチ】がよく注文されるのだとか。
理由は簡単。肉や揚げ物は胃にもたれるからで御座います。まるでわたくしの食生活を見透かされているよう。
若い隊員たちは気を使って【美味・Cランチ】と呼んでいるとの事ですがAorBがCに切り替わる日は消化の限界を悟る日とも言われ恐れられているのだとか。
「俺!俺、至宝のA!」
「俺が先だ!先にこっちに至宝のA!!」
限定食の食券を手に入れても争いは続いております。
これも一種の修羅場で御座いましょう。
あ、いけません。まだお客様は途切れていないのです。
お仕事第一ですわ。
「お待たせいたしました。スープは具をマシマシにしておりますわ」
「やった!ありがと。おばちゃん!」
食材に髪の毛が入り込まないようにマロン色の髪を一纏めにして頭から口元までムスリム女性が身につけるニカーブのようにスカーフで覆っているため目元しか見えないのに見抜くとは騎士様流石ですわ。
おばちゃんと呼ばれる女性、名前はリーゼロッテ。
ふふふ。今日は弟のオリバーに手を回して頂いて日常の【素】であるバルタザール様を観察するのです。
4歳年下の弟オリバーは第三王子ジュリアス殿下の側近。
公私混同は良くないとは判っているのです。
ですが、未来ある若者を結婚で縛る事は出来ませんわ。
どうしても顔合わせとなれば、自分を偽ってしまうものですものね。
9歳も年上のわたくしを妻に望むなどお伽噺でもあり得ない設定で御座います。
16歳であればお食事中、本音が伺えるはずで御座います。
きっとね、意中の可愛い同年代のご令嬢への片思いなど吐露されるはず。
聞き逃しませんわよ?
あの日、オリバーはわたくしを汚い物でも見るかのように睨んでいたのですが、その理由は【何故、再起不能にブン殴って来ないのだ】と不甲斐ないわたくしを情けなく思ったのだとか。
――あの日は鉄扇じゃなかったの――
思わず口をついて出てしまいそうになった言葉を飲み込んで良かったですわ。オリバーはなんだかんだ言ってわたくしのお願いを聞いてくれたのですから。
ただ、この食堂でお食事を手渡す係ですら最初は「水仕事禁止」「空気より重いものを持つのは禁止」「人目に触れるの禁止」と無理ばかりを言って職員の皆さんを困らせたのは頂けませんわ。
「それでは何も出来ないではありませんか」
「姉上はここにいるだけでいいから!」
「まぁ!わたくしにウェルカム・キャットになれと?!」
手首にスナップを利かせ、軽く指を折った片手を顔の横でクイっと曲げるわたくしにオリバーは顔を真っ赤にして胸に食べ物が詰まったのか苦しそうに悶えるのです。
――ごめんなさいオリバー。わたくしも若い子の真似をしてみたいの――
流石にピンクだとか、ツインテールなどは出来ませんが、可愛いものは可愛い。正義ですもの。安心してオリバー。騎士様の前では封印致しますわ。わたくしにも年齢の限界を知るという気持ちはありますの。
限定食を目指して走ってくる騎士様達はやはりお若い。
わたくしなら入り口まで辿り着いた時点でもう足はガクガク、息も上がってしまっているでしょう。
25歳はお肌だけが曲がり角では御座いませんの。
体力も限界点がグッと引き下がる年齢でもありますのよ?
だからという事でも御座いませんが【おばちゃん】と呼ばれても気になりません。だって13歳、14歳の騎士様たちからすれば年齢差は10以上。十分におばちゃんですもの。
順番に食券とランチの乗ったトレーを交換していく作業なのですが思った以上に大変で御座います。
ですが、肝心のバルタザール様がお見えになりません。
ハッ!もしや食堂利用ではなくお弁当派だったのでは?!
そんな事を思いつつ、食券と提供するトレーを間違わないようにと必死になっておりましたら、ピタリと流れが止まったのでございます。
――え?わたくし、間違ってしまったの?――
「あら?Aランチでは御座いませんでした?」
限定食は全て出払い、通常のランチばかりになったのですが最後の騎士様がトレーを持ったまま動こうとしないのです。時々、小鉢を忘れてしまったり、ピクルスの小鉢が2つになっていたりすることがあると事前に注意をされていたのです。急いでトレーに乗っている品数、品目を数えましたの。
「1、2…数は合っているようですわ。今日は菜の花のオリーブ炒めと…バッファローウィング、オニオンリング…他には…品種も間違っておりませんわよ?どうかなさいましたの?」
「これは何の真似だ」
「何と言われましても…作り置きでは御座いますが紛い物では御座いませんわ」
「そうではなく!何故こんな事になっているのだと聞いている」
――え・・・まさか?この声は――
まさかのバルタザール様で御座いました。
こんなにすっぽりと顔を隠し、髪の色も一本も見えていないのにわたくしだとバレましたの?!
「あの…これには浅い事情が御座いまして…」
正直に言わねばなりません。間違っても深い事情などないのですから。
「どんな事情であればこうなる?!どうしてこんな事に!」
「えぇっと…好き嫌いがあるかな~など考えてしまいまして」
「そんな事で?!俺はきみが好きなんだ!好き嫌いなどする筈がない」
わたくしは驚き過ぎて声が出ません。なんなら動きさえも止まってしまったのです。
――あれ?身バレはしてない?――
ですが重要な説明を忘れていた事に、配膳もほぼ終わった状態で気が付いたのです!
お皿からはみ出している目玉焼き。
これが原因で御座いましたのね。
「あ、あの‥‥気持ちは判ります。今日の卵はニワトリでは無くてダチョウですものね。お得に感じるのは判ります。でも次回もダチョウかと言うと…お約束は出来ないと申しましょうか」
「ロティ。問題は卵じゃない」
――あれ?やっぱりバレていたんですの?――
バルタザール様、何時気が付いたのかしら?
生温かい職員さんの視線に見送られてバルタザール様の向かいに座るわたくし。
「んっ!口開けろ」
「え?口を?洗いざらい吐けという事ですの?」
「半分こ。プチトマト好きだろ」
――何故、ご存じなの?――
付け合わせのプチトマトを口に放り込まれます。
甘酸っぱい味で御座いました。
ここは騎士団の隊舎内にある食堂。利用するのは騎士団に所属をしていればOK、ついでに家族もOKという太っ腹な空間で御座います。
通常は銅貨5枚(銅貨1枚日本円で100円)で定食の「肉のAランチ」か「魚のBランチ」を選ぶのですが、【1日限定20食限り@A、B各10食】の限定メニューを奪取すべく騎士たちは先を争うのです。
限定食は【至宝のA】【極みのB】と呼ばれております。
金額は同じなのにスープは皿で提供されるのではなくボウル。しかも1回お代わりが出来る。サラダは芯の部分が多く入るが山盛り。パンは焦げた部分が多くなるので2個が4個の倍増。
極めつけは鳥の胸肉か、白身魚のフライにはなるけれど、5切れのところが8切れに。
食いしん坊には堪らないボリュームで御座いますわね。
体を使う騎士様達。
入隊が13歳からとあって20代前半までの騎士は食べ盛り。えぇ。その年齢にがっつりと婚約者様のバルタザール君‥いえバルタザール様は当てはまっております。
ちなみに・・・。
年齢が上がるにつれ、野菜メインの【Cランチ】がよく注文されるのだとか。
理由は簡単。肉や揚げ物は胃にもたれるからで御座います。まるでわたくしの食生活を見透かされているよう。
若い隊員たちは気を使って【美味・Cランチ】と呼んでいるとの事ですがAorBがCに切り替わる日は消化の限界を悟る日とも言われ恐れられているのだとか。
「俺!俺、至宝のA!」
「俺が先だ!先にこっちに至宝のA!!」
限定食の食券を手に入れても争いは続いております。
これも一種の修羅場で御座いましょう。
あ、いけません。まだお客様は途切れていないのです。
お仕事第一ですわ。
「お待たせいたしました。スープは具をマシマシにしておりますわ」
「やった!ありがと。おばちゃん!」
食材に髪の毛が入り込まないようにマロン色の髪を一纏めにして頭から口元までムスリム女性が身につけるニカーブのようにスカーフで覆っているため目元しか見えないのに見抜くとは騎士様流石ですわ。
おばちゃんと呼ばれる女性、名前はリーゼロッテ。
ふふふ。今日は弟のオリバーに手を回して頂いて日常の【素】であるバルタザール様を観察するのです。
4歳年下の弟オリバーは第三王子ジュリアス殿下の側近。
公私混同は良くないとは判っているのです。
ですが、未来ある若者を結婚で縛る事は出来ませんわ。
どうしても顔合わせとなれば、自分を偽ってしまうものですものね。
9歳も年上のわたくしを妻に望むなどお伽噺でもあり得ない設定で御座います。
16歳であればお食事中、本音が伺えるはずで御座います。
きっとね、意中の可愛い同年代のご令嬢への片思いなど吐露されるはず。
聞き逃しませんわよ?
あの日、オリバーはわたくしを汚い物でも見るかのように睨んでいたのですが、その理由は【何故、再起不能にブン殴って来ないのだ】と不甲斐ないわたくしを情けなく思ったのだとか。
――あの日は鉄扇じゃなかったの――
思わず口をついて出てしまいそうになった言葉を飲み込んで良かったですわ。オリバーはなんだかんだ言ってわたくしのお願いを聞いてくれたのですから。
ただ、この食堂でお食事を手渡す係ですら最初は「水仕事禁止」「空気より重いものを持つのは禁止」「人目に触れるの禁止」と無理ばかりを言って職員の皆さんを困らせたのは頂けませんわ。
「それでは何も出来ないではありませんか」
「姉上はここにいるだけでいいから!」
「まぁ!わたくしにウェルカム・キャットになれと?!」
手首にスナップを利かせ、軽く指を折った片手を顔の横でクイっと曲げるわたくしにオリバーは顔を真っ赤にして胸に食べ物が詰まったのか苦しそうに悶えるのです。
――ごめんなさいオリバー。わたくしも若い子の真似をしてみたいの――
流石にピンクだとか、ツインテールなどは出来ませんが、可愛いものは可愛い。正義ですもの。安心してオリバー。騎士様の前では封印致しますわ。わたくしにも年齢の限界を知るという気持ちはありますの。
限定食を目指して走ってくる騎士様達はやはりお若い。
わたくしなら入り口まで辿り着いた時点でもう足はガクガク、息も上がってしまっているでしょう。
25歳はお肌だけが曲がり角では御座いませんの。
体力も限界点がグッと引き下がる年齢でもありますのよ?
だからという事でも御座いませんが【おばちゃん】と呼ばれても気になりません。だって13歳、14歳の騎士様たちからすれば年齢差は10以上。十分におばちゃんですもの。
順番に食券とランチの乗ったトレーを交換していく作業なのですが思った以上に大変で御座います。
ですが、肝心のバルタザール様がお見えになりません。
ハッ!もしや食堂利用ではなくお弁当派だったのでは?!
そんな事を思いつつ、食券と提供するトレーを間違わないようにと必死になっておりましたら、ピタリと流れが止まったのでございます。
――え?わたくし、間違ってしまったの?――
「あら?Aランチでは御座いませんでした?」
限定食は全て出払い、通常のランチばかりになったのですが最後の騎士様がトレーを持ったまま動こうとしないのです。時々、小鉢を忘れてしまったり、ピクルスの小鉢が2つになっていたりすることがあると事前に注意をされていたのです。急いでトレーに乗っている品数、品目を数えましたの。
「1、2…数は合っているようですわ。今日は菜の花のオリーブ炒めと…バッファローウィング、オニオンリング…他には…品種も間違っておりませんわよ?どうかなさいましたの?」
「これは何の真似だ」
「何と言われましても…作り置きでは御座いますが紛い物では御座いませんわ」
「そうではなく!何故こんな事になっているのだと聞いている」
――え・・・まさか?この声は――
まさかのバルタザール様で御座いました。
こんなにすっぽりと顔を隠し、髪の色も一本も見えていないのにわたくしだとバレましたの?!
「あの…これには浅い事情が御座いまして…」
正直に言わねばなりません。間違っても深い事情などないのですから。
「どんな事情であればこうなる?!どうしてこんな事に!」
「えぇっと…好き嫌いがあるかな~など考えてしまいまして」
「そんな事で?!俺はきみが好きなんだ!好き嫌いなどする筈がない」
わたくしは驚き過ぎて声が出ません。なんなら動きさえも止まってしまったのです。
――あれ?身バレはしてない?――
ですが重要な説明を忘れていた事に、配膳もほぼ終わった状態で気が付いたのです!
お皿からはみ出している目玉焼き。
これが原因で御座いましたのね。
「あ、あの‥‥気持ちは判ります。今日の卵はニワトリでは無くてダチョウですものね。お得に感じるのは判ります。でも次回もダチョウかと言うと…お約束は出来ないと申しましょうか」
「ロティ。問題は卵じゃない」
――あれ?やっぱりバレていたんですの?――
バルタザール様、何時気が付いたのかしら?
生温かい職員さんの視線に見送られてバルタザール様の向かいに座るわたくし。
「んっ!口開けろ」
「え?口を?洗いざらい吐けという事ですの?」
「半分こ。プチトマト好きだろ」
――何故、ご存じなの?――
付け合わせのプチトマトを口に放り込まれます。
甘酸っぱい味で御座いました。
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