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7:バルタザール様のご友人
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「こんにちは。初めまして」
丁寧な挨拶をして下さり、わたくしも立ち上がって挨拶を返したのです。
皆さま、マナーやダンスの講師が同じ方なのだそうで一斉に集まって講義を受ける時はご一緒されるのだとか。とても仲が宜しいとの事です。
「この先の池のある公園にハスの花が満開なんだそうだ」
「まぁ。そうですの」
「みんなで行ってみるかって話になったんだけど」
「どうぞ。行ってらしてくださいませ」
「え?ロティも一緒だぞ?」
ついうっかり今までのように別行動になるのかと返事をしてしまいました。
するとご令嬢がお連れ様の腕を引き仰ったのです。
「先に買い物を済ませると言ったでしょう?」
「そうよ。池の周りでランチをするからって!ホットドッグとか買うって話だったじゃない」
「じゃぁ、皆で買いに行こう」
そうなりますわよね。
なのでついていくことになったのですが、食材を販売している屋台でバルタザール様はご友人方とケチャップやマスタード、パンの形のチョイスをされておられますが、わたくしはその場から数歩うしろにポツンと1人。
和気藹々と屋台の売り子さんも交え会話するのを見ておりました。
次はなにやら池のほとりでゲームをするらしく、用品を購入するため雑貨店に移動します。
バルタザール様は隣を歩いてくれるのですが、歩きながらご友人と話をされておられるのでわたくしはただ付いていくだけ。話の輪に入ろうにも皆さまの共通の話題がさっぱり。判らないので話そうにも話が出来なかったのです。
「バルの彼女さん。大丈夫?」
ご令嬢のお1人が声を掛けてくださいますが、「大丈夫ですわ」と微笑む以外に何が出来たでしょうか。
池のほとりには広場があり、ホットドッグを食べる際に余計な事を口走ってしまったのです。
「紙ナプキンでもお付けにならないと」
すぐさまご友人の男性が教えてくださいました。
「服を汚さないようにケチャップは少な目にしてるよ?こうやって食べるのさ」
大きな口を開けて、頬にケチャップをつけながらムシャムシャと食されます。
なるほど。と口に運んだのですが人前で欠伸をするような大きな口は開けられず、リスのように齧るようになってしまいました。
その後も、フリスビーなどで皆さん走ったり飛んだりされておられますが、履いてきた靴にはヒールがあり仲間に入る事が出来ず春先とは言え、日焼けをすればメイドの手を煩わせます。肌寒いですが帰る時間まで座って皆さんを見ているだけとなったのです。
帰り間際、ゴミを集めて清掃員の方に渡すためバルタザール様が走って行かれます。
立ち聞きをするつもりはなかったのですが、ご友人の声が耳に入って来てしまいました。
『バルの彼女って…空気読めないのかな』
『仕方ないんじゃないの?かなり年上だし』
『ノリも悪いしさ。俺、途中からガン無視しちゃったよ』
『あ、私も。外で食べるのに紙ナプキンとかないわぁ』
『普通さ、場違いって判ったら先に適当な言い訳して帰るとかしねぇ?』
なるほど。わたくし、このような場合は用件を伝えて帰らねばならなかったのですね。友人たちと街に行く時は先に交わした約束が優先なので予定を変えての行動となる事はなかったのですが、世代が違えば決まり事も違います。そう言えばわたくしもお父様のご友人に「大きくなったぁ。もう酒も飲めるのか?」と誘われても適当な言い訳をして部屋に戻りますものね。
バルタザール様には申し訳ない事を致しました。
馬の預り所に行くと偶然マクベル伯爵家の執事がいるではありませんか。ご友人の何名かも馬を預けられていたご様子。小さく聞こえる声は「これからどうする?」で御座います。
――ならば、わたくしの取る行動は一つで御座いますわ――
「バルタザール様、今日はとっても楽しかったですわ。わたくし用件を思い出しましたの。丁度執事がおりますのでこちらで失礼をさせて頂いても宜しくて?」
「えっ?ロティ。送って行くぞ?」
「いえいえ。またお誘いくださいませね?」
「そんなに急ぎの用があったのか?先に言ってくれれば切り上げたのに」
「うふふ。ごめんなさい。今、思い出しましたの」
「そうか…判った。また明日屋敷に行くよ」
「明日はご出仕で御座いましょう?業務が優先でございますよ?」
「なら、帰りに寄る。構わないだろう?」
「えぇ。ではまた明日。御機嫌よう」
帰りの馬車で執事が「お嬢様、御用件とは?」と問いかけますが、わたくしはどんな言葉を選べばよいか判らず「何もないわよ?」と返しました。
しかし数時間、日陰で肌寒さを感じていたのがいけなかったのでしょうか。
その日の夜からわたくしは熱を出し、寝込んでしまったのです。
丁寧な挨拶をして下さり、わたくしも立ち上がって挨拶を返したのです。
皆さま、マナーやダンスの講師が同じ方なのだそうで一斉に集まって講義を受ける時はご一緒されるのだとか。とても仲が宜しいとの事です。
「この先の池のある公園にハスの花が満開なんだそうだ」
「まぁ。そうですの」
「みんなで行ってみるかって話になったんだけど」
「どうぞ。行ってらしてくださいませ」
「え?ロティも一緒だぞ?」
ついうっかり今までのように別行動になるのかと返事をしてしまいました。
するとご令嬢がお連れ様の腕を引き仰ったのです。
「先に買い物を済ませると言ったでしょう?」
「そうよ。池の周りでランチをするからって!ホットドッグとか買うって話だったじゃない」
「じゃぁ、皆で買いに行こう」
そうなりますわよね。
なのでついていくことになったのですが、食材を販売している屋台でバルタザール様はご友人方とケチャップやマスタード、パンの形のチョイスをされておられますが、わたくしはその場から数歩うしろにポツンと1人。
和気藹々と屋台の売り子さんも交え会話するのを見ておりました。
次はなにやら池のほとりでゲームをするらしく、用品を購入するため雑貨店に移動します。
バルタザール様は隣を歩いてくれるのですが、歩きながらご友人と話をされておられるのでわたくしはただ付いていくだけ。話の輪に入ろうにも皆さまの共通の話題がさっぱり。判らないので話そうにも話が出来なかったのです。
「バルの彼女さん。大丈夫?」
ご令嬢のお1人が声を掛けてくださいますが、「大丈夫ですわ」と微笑む以外に何が出来たでしょうか。
池のほとりには広場があり、ホットドッグを食べる際に余計な事を口走ってしまったのです。
「紙ナプキンでもお付けにならないと」
すぐさまご友人の男性が教えてくださいました。
「服を汚さないようにケチャップは少な目にしてるよ?こうやって食べるのさ」
大きな口を開けて、頬にケチャップをつけながらムシャムシャと食されます。
なるほど。と口に運んだのですが人前で欠伸をするような大きな口は開けられず、リスのように齧るようになってしまいました。
その後も、フリスビーなどで皆さん走ったり飛んだりされておられますが、履いてきた靴にはヒールがあり仲間に入る事が出来ず春先とは言え、日焼けをすればメイドの手を煩わせます。肌寒いですが帰る時間まで座って皆さんを見ているだけとなったのです。
帰り間際、ゴミを集めて清掃員の方に渡すためバルタザール様が走って行かれます。
立ち聞きをするつもりはなかったのですが、ご友人の声が耳に入って来てしまいました。
『バルの彼女って…空気読めないのかな』
『仕方ないんじゃないの?かなり年上だし』
『ノリも悪いしさ。俺、途中からガン無視しちゃったよ』
『あ、私も。外で食べるのに紙ナプキンとかないわぁ』
『普通さ、場違いって判ったら先に適当な言い訳して帰るとかしねぇ?』
なるほど。わたくし、このような場合は用件を伝えて帰らねばならなかったのですね。友人たちと街に行く時は先に交わした約束が優先なので予定を変えての行動となる事はなかったのですが、世代が違えば決まり事も違います。そう言えばわたくしもお父様のご友人に「大きくなったぁ。もう酒も飲めるのか?」と誘われても適当な言い訳をして部屋に戻りますものね。
バルタザール様には申し訳ない事を致しました。
馬の預り所に行くと偶然マクベル伯爵家の執事がいるではありませんか。ご友人の何名かも馬を預けられていたご様子。小さく聞こえる声は「これからどうする?」で御座います。
――ならば、わたくしの取る行動は一つで御座いますわ――
「バルタザール様、今日はとっても楽しかったですわ。わたくし用件を思い出しましたの。丁度執事がおりますのでこちらで失礼をさせて頂いても宜しくて?」
「えっ?ロティ。送って行くぞ?」
「いえいえ。またお誘いくださいませね?」
「そんなに急ぎの用があったのか?先に言ってくれれば切り上げたのに」
「うふふ。ごめんなさい。今、思い出しましたの」
「そうか…判った。また明日屋敷に行くよ」
「明日はご出仕で御座いましょう?業務が優先でございますよ?」
「なら、帰りに寄る。構わないだろう?」
「えぇ。ではまた明日。御機嫌よう」
帰りの馬車で執事が「お嬢様、御用件とは?」と問いかけますが、わたくしはどんな言葉を選べばよいか判らず「何もないわよ?」と返しました。
しかし数時間、日陰で肌寒さを感じていたのがいけなかったのでしょうか。
その日の夜からわたくしは熱を出し、寝込んでしまったのです。
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