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22:明かされる慰謝料の使い道
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「そろそろ決めてあげたらどう?」
午後のマクベル伯爵家。わたくしはお母様とお茶をしております。
決めると言うのは当然、バルタザール様との結婚で御座います。
書面上は結婚をしておりますが、未だに別居。実はわたくしの籍が公爵家にある事をご存じなのはごく一部。
バルタザール様のお顔を見ない日は御座いませんので、このままでもいいかな?なんて鬼畜のような思いを持ったことがないかと言えば嘘になります。
アーカンソー公爵家はバルタザール様のお爺様がまだご当主。
お父様が次期公爵ですのでバルタザール様が引き継ぐのは20年ほど後の事になります。
この件についてはアーカンソー公爵子息夫妻からお話も御座いました。
バルタザール様には弟様もいらっしゃいますし、バルタザール様が近衛隊に入隊した時からどちらが後を継ぐかは白紙となり、結論は出ていないと言います。
当初の成績では近衛隊への入隊はまず無理だったので、大人しく後を継がせるための嘘も方便が、約束を守らねばならなくなりマクベル伯爵家に婿入りという可能性も出てしまったからでもあります。
そちらはわたくしの父がアーカンソー公爵家から話が来た時に、わたくしを嫁がせオリバーを後継ぎとすると決めたので、公爵家から伯爵家に嫡男が婿入りという線は消えました。
ただ、肝心のバルタザール様が結構…なげやりなのです。
「俺はどうでもいい。公爵家を継ぐと言っても40代前後になっての話だし、近衛隊の給料でロティは十分に養っていける。なんなら完全に家を出て平民になってもいいくらいだ。その時は第五騎士団にでも入隊するよ」
なぁんて言い出す始末。
バルタザール様の弟様のローマン様は剣よりもペンの文官派。20年後となれば十分に公爵としてもやって行けるでしょう。
「お婆様から子爵家の権利も譲って頂いているし、家を興すなら権利を渡してもいいのよ?」
「爵位には多分拘りはないと思うんだけど…」
「ならリーゼの気持ち次第でしょう?」
「だけど、公爵家となると持参金とかいろいろお金がかかるし」
「まぁ!そんな親の懐事情を考えてくれる余裕もあるの?成長したじゃない」
「失礼ね。わたくしだってそのくらいは考えるわよ」
「決断出来ない理由がお金なら、心配は無用よ」
涼し気な顔でお茶を一口飲んで、お母様は従者を手招き致します。
「アレを持って来て頂戴」
「畏まりました」
アレとは何ぞや?また怪しげな投資話で営業マンを揶揄ったんじゃないかしら?
おそらく貴族なら何度か持ち込まれた事のある外国の国債を買って為替で儲けるなんていう眉唾物の投資話をお母様は話を聞くだけ聞いて「止めておくわ」で突き放すのです。
お父様は営業マンの押しに弱くて少しだけならと最少額での投資をしてしまうのです。なのでマクベル伯爵家のお財布はお母様ががっちりと握り、お父様はお小遣い制でもない申告制なのです。
「言っておくけど、妙な投資はしていないわよ」
――あら?考えてた事がバレてる?――
従者が持ってきた物は書類。結構な量があってわたくしだったら3往復かしら。お母様は紐で閉じられた書類を頭の数枚捲り、こっちだあっちだとテーブルの上に寄り分けていきます。
「なんですの?これ」
「貴女の慰謝料で融資をしたのよ。投資じゃなくて融資お判り?」
「それくらいは判ります。失礼ね」
投資と融資は大きく違うのです。解りやすく言えば…。
投資はハイリスク・ハイリターンで借りた側は返済義務はない。
融資はミドルリスク・ミドルリターンで借りた側は返済義務と利息の支払いがある。
貸す側となったマクベル伯爵家はわたくしの慰謝料で「融資」をしたのです。
【融資】に必要なのは、お金を貸す事業の有効性と行う相手の調査、リスクに備える二重三重の保険。手間はかけねばなりませんが、保険で保証人や連帯保証人をつけさせる上に担保となる土地などに抵当をうつので、万が一の時にもオケラになる事がないのです。
確実な事業にだけ融資をすればほぼ確実に融資した額以上がリターンとなります。夜逃げをされても保証人から取り立てますし、土地などは手に入ります。
なので資産の調査などは入念に行うため手間がかかるのです。
【投資】は貸した相手が倒産してしまったり、事業に失敗すればそこで終わり。
それに至らなくても流行病などで事業が滞った場合、配当金が無くなったり内部保留をされると支払われない事もあります。当たれば大きいリターンが得られますが、捨てても良いお金でないと泣きを見ます。
「最初の婚約の慰謝料で帝国の街道事業に融資して、昨年返済が終わったから倍になってるわ」
「ば、倍?!お父様と半分こしたんじゃないの?」
「したわよ?そうしないと利益が税率の変わり目に当たりそうだったから半分にしてそれぞれで融資をしたのよ?そんなの節税するに決まってるじゃない」
「でも、それを一括で受け取ったら税金で半分は持っていかれるわ」
「大丈夫よ。慰謝料はそもそも非課税だから課税されないし貴女の私財よ。私達への融資としてるから利息も付いてるわ。倍になった利益は贈与税の非課税枠内で毎年生前贈与するから、働かなくていいわよ?住宅取得資金の贈与で居住とするとだけして家を建ててもいいし、孫が出来れば教育資金の贈与もするわ。元は貴女が貰った慰謝料だもの。子供のお金を損するような運用はしないわ」
最初の婚約者から支払われた慰謝料は倍になり、利益分に相当する額をフレデリック様に請求。
フレデリック様から支払われれば、慰謝料2件分を合わせて、それは非課税。
本来出ている利益は小出しに生前贈与で非課税。
フレデリック様と結婚をする事になったとしても、相応額は持参金として事前に支払ってもらうのでフレデリック様の生活費はそれで賄うつもりだったのです。
婿養子となっても先代が同居している例は幾つもありますし、このお母様が生きている以上フレデリック様はわたくしと結婚となればかなりの節制した生活になった事でしょう。
現在は更に節制を要する生活だとは思いますが。
「もしや…最初の婚約って…」
「そぅよ?幼馴染を隠れ蓑に出来ると思っている甘ちゃん坊や。綺麗ごとだけで貴族はやっていけないのよ。最初から慰謝料目的での婚約に決まっているでしょう?話が来た時点で息子に女と手を切らせる事を怠った方が悪いの。バーレ伯爵家の息子ならただ年齢を重ねただけの木偶の棒だから操れると思ったけれど、傀儡にも出来ないバカはだめね。まぁ、これでリーゼもだけれど、あの2人も愛だの恋だの欲をかくには金が必要だと判ったでしょうからWINWINではないかしら?」
――お母様…本当に抜け目がないわ――
「オリバーから貴女になっただけで1人分の持参金なんか別枠で用意しているわよ。平民になったとしても使用人を20人くらいなら30年は雇えるお金を貴女は持っているんだから。10人なら60年よ?左団扇じゃない。お金の心配するより、バルタザール君の心配してあげなさい。フフフ」
茶請けの焼き菓子をポリリと齧るお母様。
ゴリッ! 不気味な音が致しました。
「やだ…歯が欠けちゃったわ。インプラントにしようかしら」
茶請けを軍隊堅麵麭にするからです。
注意書きにもあったでしょう?
【歯では割れないほど硬く仕上がっていますので、少しずつカナヅチ等で割ってお召し上がりください】
【そのまま噛むと歯が折れるので、必ず割ってから噛まずにお召し上がり下さい】って。
☆~☆
※軍隊堅麵麭ガチです。
午後のマクベル伯爵家。わたくしはお母様とお茶をしております。
決めると言うのは当然、バルタザール様との結婚で御座います。
書面上は結婚をしておりますが、未だに別居。実はわたくしの籍が公爵家にある事をご存じなのはごく一部。
バルタザール様のお顔を見ない日は御座いませんので、このままでもいいかな?なんて鬼畜のような思いを持ったことがないかと言えば嘘になります。
アーカンソー公爵家はバルタザール様のお爺様がまだご当主。
お父様が次期公爵ですのでバルタザール様が引き継ぐのは20年ほど後の事になります。
この件についてはアーカンソー公爵子息夫妻からお話も御座いました。
バルタザール様には弟様もいらっしゃいますし、バルタザール様が近衛隊に入隊した時からどちらが後を継ぐかは白紙となり、結論は出ていないと言います。
当初の成績では近衛隊への入隊はまず無理だったので、大人しく後を継がせるための嘘も方便が、約束を守らねばならなくなりマクベル伯爵家に婿入りという可能性も出てしまったからでもあります。
そちらはわたくしの父がアーカンソー公爵家から話が来た時に、わたくしを嫁がせオリバーを後継ぎとすると決めたので、公爵家から伯爵家に嫡男が婿入りという線は消えました。
ただ、肝心のバルタザール様が結構…なげやりなのです。
「俺はどうでもいい。公爵家を継ぐと言っても40代前後になっての話だし、近衛隊の給料でロティは十分に養っていける。なんなら完全に家を出て平民になってもいいくらいだ。その時は第五騎士団にでも入隊するよ」
なぁんて言い出す始末。
バルタザール様の弟様のローマン様は剣よりもペンの文官派。20年後となれば十分に公爵としてもやって行けるでしょう。
「お婆様から子爵家の権利も譲って頂いているし、家を興すなら権利を渡してもいいのよ?」
「爵位には多分拘りはないと思うんだけど…」
「ならリーゼの気持ち次第でしょう?」
「だけど、公爵家となると持参金とかいろいろお金がかかるし」
「まぁ!そんな親の懐事情を考えてくれる余裕もあるの?成長したじゃない」
「失礼ね。わたくしだってそのくらいは考えるわよ」
「決断出来ない理由がお金なら、心配は無用よ」
涼し気な顔でお茶を一口飲んで、お母様は従者を手招き致します。
「アレを持って来て頂戴」
「畏まりました」
アレとは何ぞや?また怪しげな投資話で営業マンを揶揄ったんじゃないかしら?
おそらく貴族なら何度か持ち込まれた事のある外国の国債を買って為替で儲けるなんていう眉唾物の投資話をお母様は話を聞くだけ聞いて「止めておくわ」で突き放すのです。
お父様は営業マンの押しに弱くて少しだけならと最少額での投資をしてしまうのです。なのでマクベル伯爵家のお財布はお母様ががっちりと握り、お父様はお小遣い制でもない申告制なのです。
「言っておくけど、妙な投資はしていないわよ」
――あら?考えてた事がバレてる?――
従者が持ってきた物は書類。結構な量があってわたくしだったら3往復かしら。お母様は紐で閉じられた書類を頭の数枚捲り、こっちだあっちだとテーブルの上に寄り分けていきます。
「なんですの?これ」
「貴女の慰謝料で融資をしたのよ。投資じゃなくて融資お判り?」
「それくらいは判ります。失礼ね」
投資と融資は大きく違うのです。解りやすく言えば…。
投資はハイリスク・ハイリターンで借りた側は返済義務はない。
融資はミドルリスク・ミドルリターンで借りた側は返済義務と利息の支払いがある。
貸す側となったマクベル伯爵家はわたくしの慰謝料で「融資」をしたのです。
【融資】に必要なのは、お金を貸す事業の有効性と行う相手の調査、リスクに備える二重三重の保険。手間はかけねばなりませんが、保険で保証人や連帯保証人をつけさせる上に担保となる土地などに抵当をうつので、万が一の時にもオケラになる事がないのです。
確実な事業にだけ融資をすればほぼ確実に融資した額以上がリターンとなります。夜逃げをされても保証人から取り立てますし、土地などは手に入ります。
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【投資】は貸した相手が倒産してしまったり、事業に失敗すればそこで終わり。
それに至らなくても流行病などで事業が滞った場合、配当金が無くなったり内部保留をされると支払われない事もあります。当たれば大きいリターンが得られますが、捨てても良いお金でないと泣きを見ます。
「最初の婚約の慰謝料で帝国の街道事業に融資して、昨年返済が終わったから倍になってるわ」
「ば、倍?!お父様と半分こしたんじゃないの?」
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「でも、それを一括で受け取ったら税金で半分は持っていかれるわ」
「大丈夫よ。慰謝料はそもそも非課税だから課税されないし貴女の私財よ。私達への融資としてるから利息も付いてるわ。倍になった利益は贈与税の非課税枠内で毎年生前贈与するから、働かなくていいわよ?住宅取得資金の贈与で居住とするとだけして家を建ててもいいし、孫が出来れば教育資金の贈与もするわ。元は貴女が貰った慰謝料だもの。子供のお金を損するような運用はしないわ」
最初の婚約者から支払われた慰謝料は倍になり、利益分に相当する額をフレデリック様に請求。
フレデリック様から支払われれば、慰謝料2件分を合わせて、それは非課税。
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現在は更に節制を要する生活だとは思いますが。
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――お母様…本当に抜け目がないわ――
「オリバーから貴女になっただけで1人分の持参金なんか別枠で用意しているわよ。平民になったとしても使用人を20人くらいなら30年は雇えるお金を貴女は持っているんだから。10人なら60年よ?左団扇じゃない。お金の心配するより、バルタザール君の心配してあげなさい。フフフ」
茶請けの焼き菓子をポリリと齧るお母様。
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茶請けを軍隊堅麵麭にするからです。
注意書きにもあったでしょう?
【歯では割れないほど硬く仕上がっていますので、少しずつカナヅチ等で割ってお召し上がりください】
【そのまま噛むと歯が折れるので、必ず割ってから噛まずにお召し上がり下さい】って。
☆~☆
※軍隊堅麵麭ガチです。
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