24 / 52
第24話 過保護が過ぎる
しおりを挟む
「メレディスの嫁さんか。なら雇うよ」
「無理はさせないでくれよ?大事な妻なんだからさ」
「で?新造するかい?」
「そうだな。考えとくよ」
「またまた~。この前もそう言ってはぐらかしたじゃないですか」
「だけど、今頼んでも着手するのにどれくらいだ?進水式まで5年待ちだろ?勘弁してくれ」
「残念。今日契約して貰ったら8年待ちになりましたよ」
現在ムーンストン大陸にある各国の造船会社は空前の新造ブームだった。
レーノルト大陸に侵略を開始するのに足となるのは陸路はないのだから船しかないので早く作ってくれと価格に更に上乗せして新造を急がせている。
この造船会社も10年前の3倍の広さに工場を広げ、従業員の数も5倍。24時間の4交代となっているし、周辺にある造船会社も同じ。この周囲は明かりが落ちる事も無いので不夜城となっている。
木材も鉄鋼製品も値上がりしているけれど、賃金は更に早いペースで上がっているのでインフレもデフレも起こらない。レーノルト需要と言われる超絶好景気だった。
造船会社に行くと経理だけでも20人を超えているけれど、それでも足らないとアイリーンは簡単なテストを受けただけで採用になった。
文字は8割読めるが数字は問題ない。
給料は週に3日、1日4時間の勤務で15万を提示されたが多いのか少ないのかよく判らない。メレディスの顔を見れば小さく頷くのでそんなものだろうと了承した。
造船会社を出てアイリーンはメレディスに問う。
「どうして週に3回ですの?曜日も指定って…」
「その曜日は送り迎えが出来る」
「1人で行けます。送り迎えなんて…子供ではないんですよ」
「子供じゃないな。妻だから」
「むぅっ!!」
これでは働く意味がない。メレディスは逆方向にレックスが住んでいるので次の狩りについて潮流であったり数週間後までの天候などを話して決めているのだ。
わざわざ送り迎えをしてもらうとなれば遠回りにもなるし、話も早く切り上げねばならなくなる。
しかも…。
「雨の日でも大丈夫なように車でも買うか」
「何を仰るんですか。車を買ったら大赤字です」
「へ?手持ちで買えるが?」
「違います!私の送り迎えの為に買うんですよね?だったら私が払うべきです」
「まさか。だってアイちゃん免許持ってないし」
「め、め、免許がなくても車は買えます!」
これなら住んでいる集合住宅から徒歩2分の八百屋の売り子の方が良かったかもしれない。そちらを選ばなかったのは、早口で話をされてしまうと聞き取れないのと、港町で軍港もあるので沢山の方言が交じり合う。
ご近所さんですら呼び方が違うので先日3軒の奥さんから「ロウナ分けてあげる」「キクナ分けてあげる」「シュンギク要る?」と言われてもらったのだが全部同じ野菜だった。
慣れるまでは無理だなと八百屋の売り子は諦めたのだ。
メレディスは過保護すぎる。ドウェインも過保護な面はあったが種類の違う過保護にアイリーンは困ってしまったが、翌日。
「1人で行ってみる」と出かけて迷子になり、結局送り迎え付きになってしまったのだった。
「無理はさせないでくれよ?大事な妻なんだからさ」
「で?新造するかい?」
「そうだな。考えとくよ」
「またまた~。この前もそう言ってはぐらかしたじゃないですか」
「だけど、今頼んでも着手するのにどれくらいだ?進水式まで5年待ちだろ?勘弁してくれ」
「残念。今日契約して貰ったら8年待ちになりましたよ」
現在ムーンストン大陸にある各国の造船会社は空前の新造ブームだった。
レーノルト大陸に侵略を開始するのに足となるのは陸路はないのだから船しかないので早く作ってくれと価格に更に上乗せして新造を急がせている。
この造船会社も10年前の3倍の広さに工場を広げ、従業員の数も5倍。24時間の4交代となっているし、周辺にある造船会社も同じ。この周囲は明かりが落ちる事も無いので不夜城となっている。
木材も鉄鋼製品も値上がりしているけれど、賃金は更に早いペースで上がっているのでインフレもデフレも起こらない。レーノルト需要と言われる超絶好景気だった。
造船会社に行くと経理だけでも20人を超えているけれど、それでも足らないとアイリーンは簡単なテストを受けただけで採用になった。
文字は8割読めるが数字は問題ない。
給料は週に3日、1日4時間の勤務で15万を提示されたが多いのか少ないのかよく判らない。メレディスの顔を見れば小さく頷くのでそんなものだろうと了承した。
造船会社を出てアイリーンはメレディスに問う。
「どうして週に3回ですの?曜日も指定って…」
「その曜日は送り迎えが出来る」
「1人で行けます。送り迎えなんて…子供ではないんですよ」
「子供じゃないな。妻だから」
「むぅっ!!」
これでは働く意味がない。メレディスは逆方向にレックスが住んでいるので次の狩りについて潮流であったり数週間後までの天候などを話して決めているのだ。
わざわざ送り迎えをしてもらうとなれば遠回りにもなるし、話も早く切り上げねばならなくなる。
しかも…。
「雨の日でも大丈夫なように車でも買うか」
「何を仰るんですか。車を買ったら大赤字です」
「へ?手持ちで買えるが?」
「違います!私の送り迎えの為に買うんですよね?だったら私が払うべきです」
「まさか。だってアイちゃん免許持ってないし」
「め、め、免許がなくても車は買えます!」
これなら住んでいる集合住宅から徒歩2分の八百屋の売り子の方が良かったかもしれない。そちらを選ばなかったのは、早口で話をされてしまうと聞き取れないのと、港町で軍港もあるので沢山の方言が交じり合う。
ご近所さんですら呼び方が違うので先日3軒の奥さんから「ロウナ分けてあげる」「キクナ分けてあげる」「シュンギク要る?」と言われてもらったのだが全部同じ野菜だった。
慣れるまでは無理だなと八百屋の売り子は諦めたのだ。
メレディスは過保護すぎる。ドウェインも過保護な面はあったが種類の違う過保護にアイリーンは困ってしまったが、翌日。
「1人で行ってみる」と出かけて迷子になり、結局送り迎え付きになってしまったのだった。
1,478
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
私があなたを好きだったころ
豆狸
恋愛
「……エヴァンジェリン。僕には好きな女性がいる。初恋の人なんだ。学園の三年間だけでいいから、聖花祭は彼女と過ごさせてくれ」
※1/10タグの『婚約解消』を『婚約→白紙撤回』に訂正しました。
【完結】私が誰だか、分かってますか?
美麗
恋愛
アスターテ皇国
時の皇太子は、皇太子妃とその侍女を妾妃とし他の妃を娶ることはなかった
出産時の出血により一時病床にあったもののゆっくり回復した。
皇太子は皇帝となり、皇太子妃は皇后となった。
そして、皇后との間に産まれた男児を皇太子とした。
以降の子は妾妃との娘のみであった。
表向きは皇帝と皇后の仲は睦まじく、皇后は妾妃を受け入れていた。
ただ、皇帝と皇后より、皇后と妾妃の仲はより睦まじくあったとの話もあるようだ。
残念ながら、この妾妃は産まれも育ちも定かではなかった。
また、後ろ盾も何もないために何故皇后の侍女となったかも不明であった。
そして、この妾妃の娘マリアーナははたしてどのような娘なのか…
17話完結予定です。
完結まで書き終わっております。
よろしくお願いいたします。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
お望み通り、別れて差し上げます!
珊瑚
恋愛
「幼なじみと子供が出来たから別れてくれ。」
本当の理解者は幼なじみだったのだと婚約者のリオルから突然婚約破棄を突きつけられたフェリア。彼は自分の家からの支援が無くなれば困るに違いないと思っているようだが……?
病弱な幼馴染を守る彼との婚約を解消、十年の恋を捨てて結婚します
佐藤 美奈
恋愛
セフィーナ・グラディウスという貴族の娘が、婚約者であるアルディン・オルステリア伯爵令息との関係に苦悩し、彼の優しさが他の女性に向けられることに心を痛める。
セフィーナは、アルディンが幼馴染のリーシャ・ランスロット男爵令嬢に特別な優しさを注ぐ姿を見て、自らの立場に苦しみながらも、理想的な婚約者を演じ続ける日々を送っていた。
婚約して十年間、心の中で自分を演じ続けてきたが、それももう耐えられなくなっていた。
完結 この手からこぼれ落ちるもの
ポチ
恋愛
やっと、本当のことが言えるよ。。。
長かった。。
君は、この家の第一夫人として
最高の女性だよ
全て君に任せるよ
僕は、ベリンダの事で忙しいからね?
全て君の思う通りやってくれれば良いからね?頼んだよ
僕が君に触れる事は無いけれど
この家の跡継ぎは、心配要らないよ?
君の父上の姪であるベリンダが
産んでくれるから
心配しないでね
そう、優しく微笑んだオリバー様
今まで優しかったのは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる