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奥様と、お茶タイム
調理長と女中頭のアンネが本邸に戻った後もスチュワートは残ります。
「スチュワート様?まだ何か御用がおありですか?」
「いえ、そういう訳ではないのですが」
「何か気になる事でも?」
わたくしは、不思議そうな顔をするスチュワートさんを
テラス席に案内いたしました。
「どうぞ、お座りくださいませ。
それと、これは自家製のタンポポ茶でございますわ
血流改善効果がありますので、少しおトイレの回数が増えますが
老廃物を出す効果がございますのよ」
「へぇ・・奥様はこれを自分で?」
「えぇ。時間だけは沢山ありますし、見ての通り草木には困りませんし」
「では、頂きます・・・・・ズズっ・・美味しい・・」
「まぁ、ありがとうございます。社交辞令でも嬉しいものですね」
「いえ、本当に美味しいですよ」
お茶そのものが温かいという事もあるが・・体が温まるな。
それにご婦人の嗜む茶は甘いと思っていたが、そうでもない、飲みやすいな。
「何も入っておりませんわ。ブレンドはこれからですもの」
「ブレンド?混ぜるという事ですか?」
「えぇ、柿の葉、オオバコ、ドクダミ、ヨモギ、タンポポ色々ですわ。
ハーブティーよりも香りも強くて飲みにくいものもありますが
吹き出物や肌荒れ、血圧、むくみなど用途によって変えたりしますの。
他にもビタミンAなど含む野草などは、継続して飲むことで
お酒をよく嗜まれる殿方にはお勧めですわ」
「奥様は詳しいのですね」
「いえいえ。帝都では貧しい方も多かったので。そういう方は薬を買えません。
なので身近にあるもので病気になりにくい体になってもらおうと思いまして。
下手の横好きでございますわ」
「帝都に戻られたい・・ですか?」
ふいの質問にわたくしは少々驚きましたが即答ですわ
「いえ、戻れと言われても戻りたくはありませんわ」
「ですが、ここは田舎ですし夜会などもなく、お暇でしょう?」
「ウフフ・・スチュワート様、わたくし夜会はデビュタント前ですから
第三王子に言われて出向いた夜会以外出たことはございませんわ。
最も、その夜会も入場してすぐに帰宅いたしましたけれど。
お茶会も姉は時折出かけておりましたが、わたくしは学園で
友人が出来る前にここに来たものですから」
「そうですか、ですがご実家にはドレスなども置かれたままでしょう?」
「実家に?まさか。実家にはわたくしの荷物などありませんわ。
ここに持ってきたカバンの中身だけがわたくしの荷物ですもの」
「たった、あれだけ・・いえ失礼を。カバンだけでございますか?」
「えぇ。そうですわ。本を読むのにドレスや宝石は不要ですし、
孤児院にお手伝いに行くにも華美なものは邪魔になるだけですわ」
「では、本当に身、一つでこちらに?」
「えぇ、それにお聞きになっていると思いますが、わたくしの帝都での
噂話は聞くに堪えないものばかりですしね。
何も持たず、何もせず・・そんなわたくしを迎え入れてくださっただけで
わたくしは十分でございますの」
「ですが、ここにお一人で寂しくはないですか?」
「いいえ?ちっとも。むしろ楽しくて朝が待ち遠しいですわ。
実家でも、王子妃教育中でも侍女もいませんでしたから
一人のほうが何かと動きやすいですし、予定も立てやすいのです」
(これが14歳の女の子なのか?令嬢だからか?達観してないか?)
「奥様、私でよければこうやってお茶を時折いたしますが・・」
「スチュワート様、お断りいたしますわ。
当人同士がどういう考えであれ、婚姻関係にない男女が二人きり。
良い結果が先にあるとは思えませんもの」
「そうですね。失礼を致しました」
(これは既に向かわせてはいるが帝都での噂は嘘のようだな)
「では、スチュワート様はまだお仕事がございますでしょう?
わたくしは先程の野菜を処理いたしますので、この辺で」
「あ、あっはい。ごちそうさまでした」
スチュワートは、噂に流された自分を恥じながら戻るのでした。
「スチュワート様?まだ何か御用がおありですか?」
「いえ、そういう訳ではないのですが」
「何か気になる事でも?」
わたくしは、不思議そうな顔をするスチュワートさんを
テラス席に案内いたしました。
「どうぞ、お座りくださいませ。
それと、これは自家製のタンポポ茶でございますわ
血流改善効果がありますので、少しおトイレの回数が増えますが
老廃物を出す効果がございますのよ」
「へぇ・・奥様はこれを自分で?」
「えぇ。時間だけは沢山ありますし、見ての通り草木には困りませんし」
「では、頂きます・・・・・ズズっ・・美味しい・・」
「まぁ、ありがとうございます。社交辞令でも嬉しいものですね」
「いえ、本当に美味しいですよ」
お茶そのものが温かいという事もあるが・・体が温まるな。
それにご婦人の嗜む茶は甘いと思っていたが、そうでもない、飲みやすいな。
「何も入っておりませんわ。ブレンドはこれからですもの」
「ブレンド?混ぜるという事ですか?」
「えぇ、柿の葉、オオバコ、ドクダミ、ヨモギ、タンポポ色々ですわ。
ハーブティーよりも香りも強くて飲みにくいものもありますが
吹き出物や肌荒れ、血圧、むくみなど用途によって変えたりしますの。
他にもビタミンAなど含む野草などは、継続して飲むことで
お酒をよく嗜まれる殿方にはお勧めですわ」
「奥様は詳しいのですね」
「いえいえ。帝都では貧しい方も多かったので。そういう方は薬を買えません。
なので身近にあるもので病気になりにくい体になってもらおうと思いまして。
下手の横好きでございますわ」
「帝都に戻られたい・・ですか?」
ふいの質問にわたくしは少々驚きましたが即答ですわ
「いえ、戻れと言われても戻りたくはありませんわ」
「ですが、ここは田舎ですし夜会などもなく、お暇でしょう?」
「ウフフ・・スチュワート様、わたくし夜会はデビュタント前ですから
第三王子に言われて出向いた夜会以外出たことはございませんわ。
最も、その夜会も入場してすぐに帰宅いたしましたけれど。
お茶会も姉は時折出かけておりましたが、わたくしは学園で
友人が出来る前にここに来たものですから」
「そうですか、ですがご実家にはドレスなども置かれたままでしょう?」
「実家に?まさか。実家にはわたくしの荷物などありませんわ。
ここに持ってきたカバンの中身だけがわたくしの荷物ですもの」
「たった、あれだけ・・いえ失礼を。カバンだけでございますか?」
「えぇ。そうですわ。本を読むのにドレスや宝石は不要ですし、
孤児院にお手伝いに行くにも華美なものは邪魔になるだけですわ」
「では、本当に身、一つでこちらに?」
「えぇ、それにお聞きになっていると思いますが、わたくしの帝都での
噂話は聞くに堪えないものばかりですしね。
何も持たず、何もせず・・そんなわたくしを迎え入れてくださっただけで
わたくしは十分でございますの」
「ですが、ここにお一人で寂しくはないですか?」
「いいえ?ちっとも。むしろ楽しくて朝が待ち遠しいですわ。
実家でも、王子妃教育中でも侍女もいませんでしたから
一人のほうが何かと動きやすいですし、予定も立てやすいのです」
(これが14歳の女の子なのか?令嬢だからか?達観してないか?)
「奥様、私でよければこうやってお茶を時折いたしますが・・」
「スチュワート様、お断りいたしますわ。
当人同士がどういう考えであれ、婚姻関係にない男女が二人きり。
良い結果が先にあるとは思えませんもの」
「そうですね。失礼を致しました」
(これは既に向かわせてはいるが帝都での噂は嘘のようだな)
「では、スチュワート様はまだお仕事がございますでしょう?
わたくしは先程の野菜を処理いたしますので、この辺で」
「あ、あっはい。ごちそうさまでした」
スチュワートは、噂に流された自分を恥じながら戻るのでした。
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