辺境伯のお嫁様

cyaru

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彼はパシリにされる

時間を少し戻しますね。ジーコ、ジーコ・・・。

あっ!すみません、作者がアナログなので未だにゼンマイ時計なんです。
昨今のデジタル化に付いていけないんですよ。許してやって。

と、ここは??あー。陛下の執務室ですね。
うわぁ、陛下40代なのにいい体してますねぇ。
それはもしやシックスパックってやつじゃないですか?

「陛下っ!ちゃんと15日中にはお帰り下さいよ??」
「わかっている。そんなに時間はかからんだろう」

そういうと陛下は転移魔法で執務室から消えてしまいましたよ。
陛下はどうやら、片づけられない男のようです。

宰相は陛下の脱ぎ散らかした服を集めて・・うわっ!
お母さんですか?綺麗にたたんでいますよ?
まるで割烹着を着ているかと錯覚しそうですよ。

「幾つになっても困ったお方ですね。
 はぁ・・パンツも裏表逆に着用されているとは、情けない。
 キャンティ様のように一人暮らしなどさせようものなら
 間違いなくゴミ屋敷になりますな・・はぁっ」

たたんだ衣類をベッドのわきに置くと・・おや?宰相・・
陛下の執務机の引き出しを開けようとしていますよ?いいの?そんな事して!

ガッ!

「うぅぅ~。やっぱりカギはかかったままかぁ・・。
 最新刊、何時になったら貸してくれるんだろう?」

宰相は貸してくれると言った漫画の最新刊が読みたいのでしょう。
仕方ないですよ?噂ではキオスクにも売ってるようですし、買いなさい。

*****************************************
ここは陛下の転移先・・・・


「どうしたんだ?ハンニバル。珍しいな」
「ちょっとティナに頼まれごとだ。主任はいるか?」
「主任?あぁ、レインか?確か・・今回の嵐はデカいっていうから
 倉庫の点検をしてるはずだ」
「第一倉庫?」
「いや?朝からやってたから今頃、第8倉庫じゃねぇかな」

陛下は軽く手を挙げて、第8倉庫に向かいますよ。
おぉ!陛下も魔法が使えるんですねぇ。

畳半畳くらいの不要になったカーペットを風魔法で操ってます。
うわぁ。魔法の箒も魅力的ですが、空飛ぶ絨毯もいいですねぇ。
到着したら、くるくると巻いて、置き場所も取らない!
これは是非テレビショッピングでもやってほしいですね。

「レイン!レインはいるか?」
「はい?」

奥の方から声が聞こえますね。足音もするので走ってきてるんでしょう。

「あ、ハンニバル。珍しいなって・・おい!出ろ!」

さっきまで、にこやかだったのにレインはちょっと怒ってますよ?
何故?WHY?

「お前!陛下だからってこれはないだろう!これは!」

陛下の頭をグシャグシャっとして、足元にも指をさしてますよ?

「あ!すまない。急いでいたから忘れていた」
「忘れていた?健忘症か?それとも物覚えが悪い脳みそが原因か?」
「相変わらず・・ちょっとは・・」
「ちょっと??ちょっと!その気のゆるみが危険なんだっ!」

そう言うとレインは陛下にヘルメットを投げ渡します。
そして、手に予備の靴を持ってますね。

「現場はな!危険がいっぱいなんだ!
 メットを着用しろ!ほら!あご紐が緩んでる!ちゃんと締めろ!
 ホレ!ちゃんとこれも!サイズは27cmだったな!」
「新品だろうな?使いまわしは嫌だ!」
「くっそ甘えた事を抜かすな!安全靴は足元を守る要塞だっ!」

ヘルメットを被り、安全靴を履いた陛下を立たせます。

「指さし点呼だ!頭上ヨシっ!」【頭上ヨシッ!】
「足元ヨシっ!」【足元ヨシッ!】
「今日も一日頑張ろうッ!」【ご安全に!】

指さし点呼に安堵するレイン。ちょっと不満そうな陛下。

「足らなくないか?」
「今日はヘリケェン前の点検だからな。足場も撤去してるから
 何もないだろう?」
「俺もそのハーネスが欲しい・・」
「え?これ?」

パラシュートで降下する時に付けるような落下防止のハーネスを
羨ましがる陛下。
今日は高所作業ないですよ?

「お前の分はない。予算がないからな」
「えー・・欲しいぃ~欲しいぃ~」
「駄々っ子か!40を超えた男がミットモナイ」
「年は関係ない。まぁ・・それは置いといて。頼みごとがある」
「頼み事?なんの?」
「ティナから頼まれた」

ふむ・・という顔になりレインは詰め所に陛下を案内します。
まさに現場作業所といったプレハブ・・かと思いきや豪華ですね?

「えらく豪華な詰め所だな」
「え?あぁ、ここは新工法で作ったんだ。カッコいいだろう?
 ティナの名前をもじって、エルハウスって名付けたんだ。
 耐力壁兼、大梁で囲ってみたんだ」
「エルハウス・・ま、とりあえずだ。製造を再開して欲しい」

「製造?なんの?」
「何のって決まっているだろう?」
「陛下やってると頭が腐るのか?ここで製造してるもの数えてみろ」
「え?・・あ、あぁ!そうだったな。再開するのはルピナスだ」
「なんだ?ティナは金に困ってるのか?まぁ、飲め」

紙コップに入れたインスタントなコーヒーを勧めるレイン。
ますます、現場作業所っぽいですね。

「え?煎茶じゃねぇの?」
「何言ってんだ?お前は施主じゃないし、設計の先生でもねぇだろ」
「そうなんだが・・ここの煎茶は旨いんだよなぁ」
「後で葉っぱをやるよ。で?ルピナス?どれくらいだ?」

「フル稼働で頼む」
「フル稼働?どんだけ欲を・・まぁいい、何処に納品するんだ?」
「ひと先ずは帝都の俺の管理倉庫で。その後は指示する」
「わかった。でも再開は明後日だな。ヘリケェンが過ぎるまでは
 従業員を呼べないからな」

レインの言葉に陛下は何かを思い出したようですよ?

「うわっと・・アブねぇ。忘れるところだった。
 ティナが溶融炉を稼働させてくれとも書いてたな」
「書いてた?言ってたんじゃなく?」
「そ、俺だけに手紙をくれたのさ。羨ましいか?ん??」
「いや、全然?どうせパシらされる程度の紙きれだろう?
 で、溶融炉か・・いつからだ?」
「さぁ?ゴミでも燃やすんじゃねぇの?産廃がゴロゴロと転がってるからな」
「産廃?・・・まさか?溶融炉は火葬用じゃないぞ?」
「ま、何か思惑があるんだろう?」
「仕方ないな。溶融炉は温めるのに時間がかかるから今日点火しとくか。
 はぁ~徹夜だなぁ・・」

紙コップのコーヒーを飲むと、そそくさと給湯室に行き
茶葉の入った袋を渡すレイン。

「そういえば、お前、甥っ子が派手にやらかしてるぞ」
「甥っ子?第二王子か?」
「いや?お役御免の第三王子のほうだ」
「ル―ヴェルか・・何をやってるんだ」
「隣国で放火したそうだ。で・・違法薬物の製造と売買をしてるようだ」

そうかと言い残して、またカーペットで戻る陛下。
え?それでいいの?ダメだよね?

「くそっ!雨を考慮して作るべきだった!」

もう改良の余地ありカーペットのようですね。

「スピードを出すと雨が当たって痛い・・防水だけではダメだな。カバーが必要だ。
 スーパーカブの前面にあるウィンドシールドは最強だな。しかし
 カーペットでは風圧を受けすぎるしなぁ・・」

そっちですか・・そうですねぇ、カーペットは水を弾いてますもんね。
雨に濡れた体を拭いて・・あっ!ヘルメットのままですよ?意味がないですよ?
安全靴も指定の場所に戻した陛下。

「くあぁ~。明日の夜に帰ればいいんだ。寝させてくれぇ・・」

カテンウォルの大きな倉庫に設置された仮眠室で寝始めましたよ。
そうか、キャンティがドングリコーヒー缶に入れてた紙は
カテンウォルでルピナスを製造するように使い走りをしろって
事だったんですね。なるほどー。

でもねぇ、一国の皇帝がパシリ・・これは頂けませんよ?ハンニバルさん。
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