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★危険な回・ゲロい・要回避★マイラの因果応報
★この回は皆のスーパーアイドル マイラの視点です
▲申し訳ないですが、R15指定します。読んだうえで【アカン】と思われましたら【アレ、あきまへんで】と教えてください。その時はこの回、非公開にしてR指定は消えます。
●ここでは血は出ないようにしてますが、所謂【ざまぁ】回です。ビンタ程度ではないので苦手な方は【ページを閉じる】これが素敵な解決方法です。
●読む方は、決して想像しないでください。斜め読みの超高速スクロールが最適です。
(=゚ω゚)ノ じゃ、逝ってみよっ!!
◆~◆~◆
「ねぇ、浮気はやめてよ」
「五月蠅ぇな。それより金!金はどうしたんだよ」
「お金って…一昨日あげたじゃない」
「記憶がねぇな。他の男に貢いだんじゃねぇのか」
「何言ってるのよ!お婆様の形見をお母様から盗んで換金したのよ?!」
「お前の婆の事なんかどうでもいいから金!金出せって」
田舎にいるとなかなか垢ぬけた男はいないわ。だから王都から最近引っ越してきた子爵家のヘンリーに私は一目惚れをしてしまったの。
ヘンリーにはその時、マリアンヌっていう女がいたんだけどヘンリーにも一目惚れだって言われたの。
お金も沢山持ってて毎日のように飲み歩いて、体を繋げて遊びまわったの。
3カ月くらいするとお金を貸してって言われるようになって、幼い頃から強制的に貯めさせられた金庫から少しづつ取って渡していたんだけど、半年過ぎる頃からは額が多くなってきたの。
最初の頃は1万、2万だったけれどこの頃は20万、50万。金庫の中が空になって弟の金庫をあけようと思ったら開かなかった。
でもお金を渡さないとヘンリーはすごく機嫌が悪くなるからお母様の宝飾品を売って換金していたんだけど、それがバレそうになったの。だって底が見えるくらいしかなくなってしまったんだもの。
だから仕方なくこの前100万貸してと言われて、お母様が大事にしていたお婆様の形見の指輪とネックレス、ピアスのセットを持ち出して換金したの。
ヘンリーは私からお金を受け取るとすごく機嫌が良くなってキスも沢山してくれる。
「今日は俺が全部出すからな」って気前よく支払いもしてくれる素敵な人なの。
でも一昨日100万渡したのにもうお金がないって言うの。だけど換金するものもない。
するとこの前までヘンリーの事をカッコいいって言ってたアナベルがヘンリーの膝の上にいたの。信じられない。私の男なのに!って掴み合いの喧嘩になっちゃったんだけど、その時にヘンリーに言われたのがあのセリフ。
だから言ってやったの。友達がコレを言ったらすんなり折れてくれたっていうから。
「貴方の子供がお腹にいるの!」
でもヘンリーは【だから?】って取り合ってくれなかった。
それを使用人が聞いてたみたいで、お父様に告げ口をされてしまったの。
妊娠なんてしてるわけないじゃない。子供産んだら体のラインは崩れるし痛いって言うし。
何より子供なんかいたら絶対に夜に遊びに行くことは許してもらえないもの。
でもお父様は【堕ろせ】って私を殴ったの。
凄く腹が立ったから、王都までのお金を使用人達の控室にある着替えの中から借りて伯母様の所に行ったの。そしたら伯母様、結構優しく受け入れてくれて泊まらせてくれるっていうじゃない?
もう公爵家の生活って凄く楽しいし、最高!
お父様が何か言って来た時の為に妊娠はしてることにしておいた。その方が辻褄は合うし。
もっと楽しい事があったの。伯母様ったらアポロンのお嫁さんが気にくわないみたいなの。
イルマちゃんやイザベラが来たら愚痴って泣いてるの。でも知ってる。そんな事お嫁さんしてないって。だからちょっと考えたんだけど、田舎では【あんた、賢いね】っていつも言われてた私はいい方法を思いついたのね。
お嫁さんを伯母様やイルマちゃん、イザベラと組んで追い出して、私がアポロンの奥さんになればいいのよ。一応お腹に子供はいる事になってるし、アポロンだってあんな女を抱いたのなら直ぐに私に堕ちるはず。
だってヘンリーは私の体は最高だって言ってたもの。
本当に妊娠したらちょっとはイヤだなって思ったけど、公爵夫人になれるならずっと贅沢出来るし1回くらい産むならチャラかなって。
もし、伯母様が結婚に反対って言いだしても私には切り札があるの。
そう、【伯母様はいじめられてなんかない】って耳元で囁いてあげればきっといいなりになる。
面倒な伯母様だけど【嘘を吐いて嫁をいびり倒した】なんて醜聞に耐えられるはずがないもの。
だからイルマちゃんやイザベラと一緒にお嫁さんを虐めた。すっごく楽しいの。
でも泣かないし、結構しぶといのよね。そんな時、イザベラが凄いお菓子を持ってきたの。
ウケたウケた。必死になって食べてるの。もう笑いを堪えるのに大変だった。
だけど、微妙に上手く行ってないのね。伯母様アポロンにかなり叱られたらしくて。
どんな感じで今日はイルマちゃんが虐めるかなって思っていたら階段で出くわしたのね。
もう何か言っても正論で返してくるからすごい腹が立って、階段おりてどっか行こうとするからドレスの裾をちょっとだけ踏んだの。そしたらビックリ。転がり落ちるじゃない。
伯母様はビックリしてたけど私はそのまま死んじゃえって思ってた。
だけど生きてるのよね。でもイルマちゃんとイザベラが離縁しろって迫ったら渋ってた割に受け入れた。多分私のとどめの一言が効果的だったと思うのよ。
「妙な事考えなくていいの。私にはお腹に子供が居るしなんならこの子を養子にして公爵家に出したっていいのよ。余計な事考えずにさっさとサインしなさいよ。いとこ同士なら結婚にも問題ないし、傷ついたアポロンを私なら慰めてあげられるわ。ねぇ伯母様!」
何かあれば責任を取ってもらえるように、ちゃんと最後は伯母様に話を振ったの。
そしたら、伯母様【えっ‥‥えぇそうね…そうだわね…】って言うじゃない?もうこれで公爵夫人決定よね。
そう思ったのに‥‥違った。
アポロン、本気でキレちゃってイルマちゃんを殴るし…私も殴られたらどうしようって思ってたら、あのお嫁さん皇帝陛下の異母妹って嘘でしょう?!
イザベラはちょっと半信半疑って感じだったけど、ビビったイルマちゃんと伯爵家に帰っちゃった。
気にしなくていいのに‥って思ってたら使用人まで逃げ出してるじゃない!
これはもしかして、本当に不味いんじゃないの?って思ったからお嫁さんの部屋に行って宝石箱から幾つか宝石を借りて公爵家を逃げ出したの。
お金がないから借りてきた宝石を換金しようと思って換金商に行って、取り敢えずは遊んで帰ろうと思って赤い石が付いた指輪を出したの。
そしたら…この状況よ。あの指輪が結婚1年目にアポロンが買って贈った1点もので、値段を付けるとすれば30憶は下らないと言われてビックリ。
そんな国王級の品を持ち込んだ私は憲兵にいきなり腕を掴まれて拷問されてしまった。
背中は着ている服もボロボロで布なんかもうない。
散々打たれて、【公爵家でもらってきた】って言ったら5日目だったかしら…。
凄く美丈夫な顔をしてるけど、憲兵たちがペコペコしてる男の人が来たの。
本当の事を言えば、ここから出してやると言われたから【公爵家から借りてきた】ってちゃんと言ったの。でも出してもらえたのは拷問部屋からだった。
連れて行かれた先は何にもない部屋。ううん。違う。
部屋にはモノはないけどヒトはいた。ただ…みんな目がイカレてる。何よりこの臭いはなんなの?臭すぎて目が痛い。よくこんな中にいられるわねと思ったけれど、面々を見て納得したわ。クスリで飛んだヤツを見た事があるけど同じ目をしている者ばかりだった。
まだマシかって思ったのは1日1回食事があるけれど、イカレたヤツはパンなんか食べないの。その分をこっそりくすねたって誰も文句を言わない。だから皆痩せ細ってしまっていた。
問題はテリトリーがあるみたいで指の先でも入ってしまうと飛び掛かってくるの。
小さく座れば大丈夫そうな場所を見つけた。そして隣のテリトリーにいる女性は見た目はマトモだった。でもマトモだったのは見た目だけだった。
だって他の人は爪を剥いでたり、頭を床や壁に打ち付けて血塗れなのに喜んでたり、一日中壁に向かって話しかけて壁や床を舐めまわしたり兎に角異常だったから、ただ座ってニコニコしてるだけならマトモに見えたの。
「あなた、綺麗な髪をしてるのね」
「そうでもないわ」
「他の人異常でしょ?気にしなくていいわ。ねぇ髪を梳いてもいい?」
「いいわよ」
私はバカだった。どう見ても異常な人しかいないのにどうしてその人がマトモだと思ったんだろう。押さえ込まれた私は髪の毛を鷲掴みにされると思いっきり引き抜かれた。
「痛っ!何するのよ!」
叫んだ私の目に映ったのはやっぱりイカレた女だった。
引き抜いた髪を口に入れると食事をするかのように食べ始めて‥‥飲み込んだ。
そしてまた思い切り引き抜かれて女の腹が満たされるまでそれがくり返される。
それを見ていた女がいたの…
「痛い…もう‥なんてことなのっ…ギャッ!!」
髪を食べられるのを見ていた女は私の鞭で打たれて出来た傷を舐め始めた。
「やめてっいやっやめてよ!ギヤァァ!!」
気が休まる時なんて1秒もなかった。眠ってしまえば飛び掛かってきて髪を毟られるか、傷を舐めて広げてまた舐める女に完全に獲物と思われてしまったの。
ジュルっジュルっ‥‥真夜中、真っ暗な中で何かをすするような音が聞こえるのよ。
ゴリッゴリって何かを齧ってるのか削ってるのかそんな音もする。
何の音だろう?って最初は判らなかった。イカレたやつと目があったらとんでもない目に合うから出来るだけ目を合わせないようにしてたし、周りも見ないようにしてた。隣の髪食い女と向かいの傷舐め女に警戒もしなきゃいけなかったし。
だけど、ふと気が付くと床や壁を舐めてた女がいなくなってた。
そして3カ月くらい過ぎた時には、傷舐め女の姿がなくなってた。
奇声をあげる女も、髪食い女もいつの間にか夜が明けるといなくなってた。
目を盗んで寝る事がなくなったのは喜ぶような事じゃなかったわ。
残ったのはパンも食べていないのにそれなりに太ってもないけど痩せてもない女。
私はどうして判らなかったんだろう。人が忽然と消えるなんてあり得ないのに。
そして気が付いた。この部屋、掃除なんか誰もしないのに綺麗なの。集められてるのはイカレたヤツばかりだったけどその中にはとんでもないモンスターもいてそいつにも狙われてたって。
また眠れない日が始まった。だって私は目の前のイカレた女の最後の獲物だもの。
でも勝ち目はないと思う。向こうはイカレてて眠る事も忘れて狙いを定めてるんだもの。
▲申し訳ないですが、R15指定します。読んだうえで【アカン】と思われましたら【アレ、あきまへんで】と教えてください。その時はこの回、非公開にしてR指定は消えます。
●ここでは血は出ないようにしてますが、所謂【ざまぁ】回です。ビンタ程度ではないので苦手な方は【ページを閉じる】これが素敵な解決方法です。
●読む方は、決して想像しないでください。斜め読みの超高速スクロールが最適です。
(=゚ω゚)ノ じゃ、逝ってみよっ!!
◆~◆~◆
「ねぇ、浮気はやめてよ」
「五月蠅ぇな。それより金!金はどうしたんだよ」
「お金って…一昨日あげたじゃない」
「記憶がねぇな。他の男に貢いだんじゃねぇのか」
「何言ってるのよ!お婆様の形見をお母様から盗んで換金したのよ?!」
「お前の婆の事なんかどうでもいいから金!金出せって」
田舎にいるとなかなか垢ぬけた男はいないわ。だから王都から最近引っ越してきた子爵家のヘンリーに私は一目惚れをしてしまったの。
ヘンリーにはその時、マリアンヌっていう女がいたんだけどヘンリーにも一目惚れだって言われたの。
お金も沢山持ってて毎日のように飲み歩いて、体を繋げて遊びまわったの。
3カ月くらいするとお金を貸してって言われるようになって、幼い頃から強制的に貯めさせられた金庫から少しづつ取って渡していたんだけど、半年過ぎる頃からは額が多くなってきたの。
最初の頃は1万、2万だったけれどこの頃は20万、50万。金庫の中が空になって弟の金庫をあけようと思ったら開かなかった。
でもお金を渡さないとヘンリーはすごく機嫌が悪くなるからお母様の宝飾品を売って換金していたんだけど、それがバレそうになったの。だって底が見えるくらいしかなくなってしまったんだもの。
だから仕方なくこの前100万貸してと言われて、お母様が大事にしていたお婆様の形見の指輪とネックレス、ピアスのセットを持ち出して換金したの。
ヘンリーは私からお金を受け取るとすごく機嫌が良くなってキスも沢山してくれる。
「今日は俺が全部出すからな」って気前よく支払いもしてくれる素敵な人なの。
でも一昨日100万渡したのにもうお金がないって言うの。だけど換金するものもない。
するとこの前までヘンリーの事をカッコいいって言ってたアナベルがヘンリーの膝の上にいたの。信じられない。私の男なのに!って掴み合いの喧嘩になっちゃったんだけど、その時にヘンリーに言われたのがあのセリフ。
だから言ってやったの。友達がコレを言ったらすんなり折れてくれたっていうから。
「貴方の子供がお腹にいるの!」
でもヘンリーは【だから?】って取り合ってくれなかった。
それを使用人が聞いてたみたいで、お父様に告げ口をされてしまったの。
妊娠なんてしてるわけないじゃない。子供産んだら体のラインは崩れるし痛いって言うし。
何より子供なんかいたら絶対に夜に遊びに行くことは許してもらえないもの。
でもお父様は【堕ろせ】って私を殴ったの。
凄く腹が立ったから、王都までのお金を使用人達の控室にある着替えの中から借りて伯母様の所に行ったの。そしたら伯母様、結構優しく受け入れてくれて泊まらせてくれるっていうじゃない?
もう公爵家の生活って凄く楽しいし、最高!
お父様が何か言って来た時の為に妊娠はしてることにしておいた。その方が辻褄は合うし。
もっと楽しい事があったの。伯母様ったらアポロンのお嫁さんが気にくわないみたいなの。
イルマちゃんやイザベラが来たら愚痴って泣いてるの。でも知ってる。そんな事お嫁さんしてないって。だからちょっと考えたんだけど、田舎では【あんた、賢いね】っていつも言われてた私はいい方法を思いついたのね。
お嫁さんを伯母様やイルマちゃん、イザベラと組んで追い出して、私がアポロンの奥さんになればいいのよ。一応お腹に子供はいる事になってるし、アポロンだってあんな女を抱いたのなら直ぐに私に堕ちるはず。
だってヘンリーは私の体は最高だって言ってたもの。
本当に妊娠したらちょっとはイヤだなって思ったけど、公爵夫人になれるならずっと贅沢出来るし1回くらい産むならチャラかなって。
もし、伯母様が結婚に反対って言いだしても私には切り札があるの。
そう、【伯母様はいじめられてなんかない】って耳元で囁いてあげればきっといいなりになる。
面倒な伯母様だけど【嘘を吐いて嫁をいびり倒した】なんて醜聞に耐えられるはずがないもの。
だからイルマちゃんやイザベラと一緒にお嫁さんを虐めた。すっごく楽しいの。
でも泣かないし、結構しぶといのよね。そんな時、イザベラが凄いお菓子を持ってきたの。
ウケたウケた。必死になって食べてるの。もう笑いを堪えるのに大変だった。
だけど、微妙に上手く行ってないのね。伯母様アポロンにかなり叱られたらしくて。
どんな感じで今日はイルマちゃんが虐めるかなって思っていたら階段で出くわしたのね。
もう何か言っても正論で返してくるからすごい腹が立って、階段おりてどっか行こうとするからドレスの裾をちょっとだけ踏んだの。そしたらビックリ。転がり落ちるじゃない。
伯母様はビックリしてたけど私はそのまま死んじゃえって思ってた。
だけど生きてるのよね。でもイルマちゃんとイザベラが離縁しろって迫ったら渋ってた割に受け入れた。多分私のとどめの一言が効果的だったと思うのよ。
「妙な事考えなくていいの。私にはお腹に子供が居るしなんならこの子を養子にして公爵家に出したっていいのよ。余計な事考えずにさっさとサインしなさいよ。いとこ同士なら結婚にも問題ないし、傷ついたアポロンを私なら慰めてあげられるわ。ねぇ伯母様!」
何かあれば責任を取ってもらえるように、ちゃんと最後は伯母様に話を振ったの。
そしたら、伯母様【えっ‥‥えぇそうね…そうだわね…】って言うじゃない?もうこれで公爵夫人決定よね。
そう思ったのに‥‥違った。
アポロン、本気でキレちゃってイルマちゃんを殴るし…私も殴られたらどうしようって思ってたら、あのお嫁さん皇帝陛下の異母妹って嘘でしょう?!
イザベラはちょっと半信半疑って感じだったけど、ビビったイルマちゃんと伯爵家に帰っちゃった。
気にしなくていいのに‥って思ってたら使用人まで逃げ出してるじゃない!
これはもしかして、本当に不味いんじゃないの?って思ったからお嫁さんの部屋に行って宝石箱から幾つか宝石を借りて公爵家を逃げ出したの。
お金がないから借りてきた宝石を換金しようと思って換金商に行って、取り敢えずは遊んで帰ろうと思って赤い石が付いた指輪を出したの。
そしたら…この状況よ。あの指輪が結婚1年目にアポロンが買って贈った1点もので、値段を付けるとすれば30憶は下らないと言われてビックリ。
そんな国王級の品を持ち込んだ私は憲兵にいきなり腕を掴まれて拷問されてしまった。
背中は着ている服もボロボロで布なんかもうない。
散々打たれて、【公爵家でもらってきた】って言ったら5日目だったかしら…。
凄く美丈夫な顔をしてるけど、憲兵たちがペコペコしてる男の人が来たの。
本当の事を言えば、ここから出してやると言われたから【公爵家から借りてきた】ってちゃんと言ったの。でも出してもらえたのは拷問部屋からだった。
連れて行かれた先は何にもない部屋。ううん。違う。
部屋にはモノはないけどヒトはいた。ただ…みんな目がイカレてる。何よりこの臭いはなんなの?臭すぎて目が痛い。よくこんな中にいられるわねと思ったけれど、面々を見て納得したわ。クスリで飛んだヤツを見た事があるけど同じ目をしている者ばかりだった。
まだマシかって思ったのは1日1回食事があるけれど、イカレたヤツはパンなんか食べないの。その分をこっそりくすねたって誰も文句を言わない。だから皆痩せ細ってしまっていた。
問題はテリトリーがあるみたいで指の先でも入ってしまうと飛び掛かってくるの。
小さく座れば大丈夫そうな場所を見つけた。そして隣のテリトリーにいる女性は見た目はマトモだった。でもマトモだったのは見た目だけだった。
だって他の人は爪を剥いでたり、頭を床や壁に打ち付けて血塗れなのに喜んでたり、一日中壁に向かって話しかけて壁や床を舐めまわしたり兎に角異常だったから、ただ座ってニコニコしてるだけならマトモに見えたの。
「あなた、綺麗な髪をしてるのね」
「そうでもないわ」
「他の人異常でしょ?気にしなくていいわ。ねぇ髪を梳いてもいい?」
「いいわよ」
私はバカだった。どう見ても異常な人しかいないのにどうしてその人がマトモだと思ったんだろう。押さえ込まれた私は髪の毛を鷲掴みにされると思いっきり引き抜かれた。
「痛っ!何するのよ!」
叫んだ私の目に映ったのはやっぱりイカレた女だった。
引き抜いた髪を口に入れると食事をするかのように食べ始めて‥‥飲み込んだ。
そしてまた思い切り引き抜かれて女の腹が満たされるまでそれがくり返される。
それを見ていた女がいたの…
「痛い…もう‥なんてことなのっ…ギャッ!!」
髪を食べられるのを見ていた女は私の鞭で打たれて出来た傷を舐め始めた。
「やめてっいやっやめてよ!ギヤァァ!!」
気が休まる時なんて1秒もなかった。眠ってしまえば飛び掛かってきて髪を毟られるか、傷を舐めて広げてまた舐める女に完全に獲物と思われてしまったの。
ジュルっジュルっ‥‥真夜中、真っ暗な中で何かをすするような音が聞こえるのよ。
ゴリッゴリって何かを齧ってるのか削ってるのかそんな音もする。
何の音だろう?って最初は判らなかった。イカレたやつと目があったらとんでもない目に合うから出来るだけ目を合わせないようにしてたし、周りも見ないようにしてた。隣の髪食い女と向かいの傷舐め女に警戒もしなきゃいけなかったし。
だけど、ふと気が付くと床や壁を舐めてた女がいなくなってた。
そして3カ月くらい過ぎた時には、傷舐め女の姿がなくなってた。
奇声をあげる女も、髪食い女もいつの間にか夜が明けるといなくなってた。
目を盗んで寝る事がなくなったのは喜ぶような事じゃなかったわ。
残ったのはパンも食べていないのにそれなりに太ってもないけど痩せてもない女。
私はどうして判らなかったんだろう。人が忽然と消えるなんてあり得ないのに。
そして気が付いた。この部屋、掃除なんか誰もしないのに綺麗なの。集められてるのはイカレたヤツばかりだったけどその中にはとんでもないモンスターもいてそいつにも狙われてたって。
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