氷の軍師は妻をこよなく愛する事が出来るか

cyaru

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★断罪回なので要回避★義母と義姉の末路

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★この回は義母と義姉のざまぁ回です。

取り敢えずの処遇は先の回で皇帝バッファベルトが話をしております。
ざまぁ回は嫌だ…と思われる方は素早く閉じるをポチっとお願いします。

状況が状況ですので、血液を含め水分は出ませんが、間欠泉は吹き出します。

(=゚ω゚)ノ では、逝ってみよっ!


◆~◆~◆

なんなの?公爵家を出た瞬間。まだ左足は公爵家の敷地内にあるというのに私とイルマは即座に拘束をされてしまったの。ギリギリと手を後ろに縛り上げる兵士に「痛い」「やめて」「お放しっ」と言ったけれど誰一人いう事を聞いてくれる者がいないってどういう事なの。

公爵夫人とその娘をこんな事をしていいと思っているのならこの国も終わりだわ。
「放せっ!このっ!」バチン!!暴れるイルマの頬を兵士が殴った。
一度外れたからか、イルマの顔がまたズレてしまった。
ズレて積んだ積み木のようなイルマはフガフガと何かを喋っているけれど聞き取れないの。

連れていかれた先は王宮の地下牢。
ギィっと鉄格子が開くと真ん中に道があり、両側は鉄格子。床も天井も石だった。

「ここで数日大人しくしてろ」

突き飛ばされるように牢の中に入れられると、先に入っている女囚達がいた。
1人だけ茣蓙の上に座っていて、3人は石の上に座ったり寝転がったりしていたの。
石の上になんかどうして私が座らないといけないのかと茣蓙を渡せと言ったのよ。

「きゃぁっ!何をするの!やめなさいっ」
ふぁふぁふぇはなせふぁふぁふゅふぁさわるな!」

私とイルマは必死で抵抗をしたけれど、3人の女囚にドレスをはぎ取られてしまった。茣蓙の上にいた女囚にドレスを渡すと、その女は着替え始めた。ごめんなさいね。全然似合ってないわ。
いくらそのドレスが公爵夫人には似合わない粗末なものだとしても、それ以上に似合わない。
まさに豚に真珠と言う感じね。

着替えが終わると、裸になった私とイルマに囚人服を投げつけてきたの。
それまでそいつらが来ていた囚人服は酷い臭いだった。汗と垢がこびりついて柔らかさなんてない布。縫い目には虱が列を作り蠢いていたの。こんなもの着られるはずがないでしょう!

だけどここは牢獄。数時間後には茣蓙に座っている女囚がボスで残りの3人にも力関係があって俗に言うヒエラルキーが存在する事を否が応でも認めるしかなかったわ。
公爵夫人であった私なのにこの牢獄では底辺だった。
イルマは怒って暴れたからか、ズレた顎は元に戻ったけれど壁に顔を叩きつけられて前歯は全部折れているし顔も腫れて倍の大きさになってしまっていたの。


数日すると、私とイルマだけ牢から出された。
ざまぁみろと思ったけれど、乗せられる幌馬車を待つ時に他の房から連行された女囚と一緒になった。その女囚は嫁いできた妊婦の嫁を殺してしまったと言ってたの。

「やっとこれで、天国に逝って嫁さんに謝れるわ」
「どういう意味?なんで謝るのよ」
「だってさ、自分だって義母さんから息子を取った女よ?」
「あなた…釈放されるんじゃないの?」
「まさか!絞首刑よ。ここの牢はね全員死刑囚。お日様の下に出る日は人生最後の日よ」

嘘でしょう?私も死刑なの?そんなはずはないわ。だってあの子は生きているし、そう!仕返しはしようと思ったけど未遂以前の問題でしょう?なのにどうして私が死刑にならなきゃいけないのよ。

話をした女囚だけが先に来た幌馬車に乗せられたから助かったのと思ったのよ。


だけど…ここはなんなの…。

もくもくと白い煙をあげて、時折至る所からブシューっと空に水蒸気が上がる。
ぽたぽたと落ちてくる水滴は熱湯よりも熱いんじゃないの?と思うほど熱いし、なにより地面から出てくる湯気もだけれど肌が焼ける様にじりじりとして今にも煙が出そうなの。

私とイルマを引きずるように歩く兵士はこんなに暑いのに、分厚い服を着ている。
そして、少し歩くと休憩をしてくれるんだけど水筒の水を飲むのは兵士だけ。少しくらい分けてくれても良さそうなものなのに全然分ける素振りもないのよ。
最初は、知らない男が口を付けたものなんか飲めるかと思っていたけれど、そんな事言ってられない程に喉がカラカラになって、「お水分けてよ」と言ったら「汗を飲め」って言われたわ。

こんなに暑いのに汗なんか出た瞬間に蒸発するわよ!

木の靴だったからあまり気が付かなかったけれど、地面も焼ける様に熱かった。
靴を脱いだら足の裏なんか瞬時に大やけどをしてしまうわ。

やっと着いたところには大きな岩が幾つかあるだけ。
その岩と岩の間から、またブシューっと水蒸気が吹きあがり、更に一帯が熱くなる。
熱くてもいいから落ちてくる水蒸気を口に入れようと思ったけれど、地面に近くなると水滴は蒸発して落ちてくることはなかったのよ。

岩に付けられたわっかに足枷の鎖を繋がれて、私とイルマを残して兵士は帰っていった。
姿が見えなくなれば、こんな鎖何度か引っ張れば千切れると思ってその時を待ったの。
こんな熱い所にいたら死んでしまうわ。

「お母様…熱い…」
「もう少しよ。我慢なさいな」

兵士が見えなくなって、私は立ち上がった。

「ギャァァッ!!」

足に付けられた鎖がふくらはぎに当たったと思ったら剥がせないのよ!
熱いよりも痛い。取ろうとしたイルマも鎖を握った瞬間手を放したけど手のひらの皮が全部鎖について煙を上げて燻りだしたの。
やっと鎖が取れた時、私のふくらはぎの皮も一緒に取れてしまった。

迂闊に岩の方についた輪っかも触る事も出来ず、涼しくなるだろうと夜を待ったの。
でも夜になっても熱さは全然変わらないのよ。冷たいところなんてどこにもない。
座ろうと思っても地面が焼けてて座った瞬間にお尻も火傷をしてしまうから座る事も出来ない。

「イルマ、服を脱ぎなさい」
「嫌よ。どうして?!」
「服を下に敷けば横になれるでしょう?」
「そんなの1人分じゃないの。お母様が脱ぎなさいよ」

言い合いをすればするほど体力がなくなっていくわ。
疲れても座る事も出来ない。外そうと思っても鎖は触れない。喉も乾いた。
どうしてこんな事になってしまったの…。

頭もぼーっとする中、イルマが突然私を殴ったの。

「何をするの!」
「もう限界、立ってられない。お母様座って」
「座れるわけないでしょう?こんなに熱いのに」
「聞いてた?もう限界なの。座りたい。親なら子を優先しなさいよ」
「逆でしょう?貴女にどれだけ使ったと思ってるの」
「そうしなきゃならなくなったのは、全部お母様の嘘のせいでしょう!」

イルマは私を茣蓙のようにして横になった。時々落ちて慌てて私の上に乗ってくる。
もうお腹が限界。顔も地面に押し付けられて涎が落ちるたびにジュウっと音がする。

そしてイルマが‥‥私の娘が悪魔のような一言を私に投げた。

「お母様、死んでよ」
「何を…言うの…どうして…」
「死んだら冷たくなるって言うじゃない」

イルマの目は本気だった。
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