氷の軍師は妻をこよなく愛する事が出来るか

cyaru

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♡最終話♡愛する妻の微笑

★最終話なのにアポロンの視点です あぁ申し訳ない<(_ _)>

◆~◆~◆

先日、伯爵家で容赦ない口撃をお見舞いされた俺は正直、凹んでいた。
遠征、遠征、遠征で屋敷を留守にし、まさかこんな事まで?と目も耳も疑うような仕業に驚き、出て行ってしまったティーをやっと見つけた。

ファベルに殴られた頬と、ティーの代わりに殴った拳が痛い。
だが、ティーは俺の半分もない体で1年間も容赦ない攻撃にさらされ、1人で耐えてきたのだ。階段から落ちた時も自分の頭より、俺の子がいるからと腹を守ってくれた。
それに比べればこんな痛みなど痛みのうちに入らない。

出された条件は生易しいものではない。
だが、ティーが側に居てくれると言うのならやれる気がする。
だがら今、ここに立っていられるのだ。


「バッファベルトお義兄様。お待たせいたしました」
「システィー♡今日も可愛いな。おやつは食べたか?茶は熱くなかったか?」
「子供ではないので大丈夫ですよ。バッファベルトお義兄様は心配し過ぎです」
「心配もするさ。とんだお荷物を背負わせてしまったからな」

先ほどまでの威厳などどこに行ってしまったのか、牙と爪を取られたただのモフモフトラのようなファベルはティーにはとにかく優しい兄なのだ。

「で、こいつの面倒を見てやってくれるのか?」

「えぇ。聖教会の教えは死が分かつ時までですし、誓いましたもの。シスターが言ってたんです。夫が許せと言うのなら倍の試練を与え、褒美に愛と言う鞭を与えよって」

間違いない。ティーは愛の鞭というのを間違っていると言いたかったが言葉を飲み込んだ。

「本来なら爵位のないお前にはシスティアナを嫁がせたままにしていくことは出来ないが、伯爵家当主代行としてその任を果たせ。勿論、軍師と言うお前の立場は変わらないからしっかりやってくれ」

「えっっと‥多分その二足の草鞋を履くのは難しいかと…」

「アポロン様、大丈夫ですわ。わたくしものですから」

「えっ…あ、あぁそう…だな。うん。判りました。」


少しファベルが姿勢を正し、椅子に座るとそれは皇帝バッファベルトの顔だった。

「では、システィアナ。お前の意見を聞こうか」

「はい、アポロン様にも勅命という形に近い状態でわたくしを娶ったという事情も御座います。当事者も無償奉仕という形で貧しい者の気持ちに触れてくれる事でしょうし、その気持ちがあれば国外でもやっていけるでしょう。皆、罰を受けたと思います。わたくしもアポロン様がお約束を守ってくださる限りは妻として尽くしたいと考えております」

「お前は本当に俺に似て優しいなぁ・・・相判った。それで良いか?異論は」

「御座いません。寛大なご処置に感謝いたします」




◆~◆~◆


無理難題かと思っていた二足の草鞋を履く作業だが、思わぬ効果を生み出した。
それまでの行軍の行程が短くなったのだ。ひとえにティーに会いたいという思いからだが、俺とティーに足りなかった物。それは時間と会話だ。

「陛下。ジーチプス地区ですが和平交渉のテーブルにつくそうです」
「最近多いな。ま、平和が何よりだが」

こちらもだが、相手だって戦争がしたいわけではない。異教徒であった地区の抵抗勢力はなかなかに頑固でゲリラ戦になる事も多く負傷者が多く出るのだ。
こちらも手出しはしないか、向こうも手出しはしない。お互いの信仰する宗教については口出ししない。たったそれだけの事なのだ。
剣ではなく言葉を交わしてお互いを「国」として認めればいい。それだけだ。

困窮していて自治区や保護区として傘下に入りたいと幾つか交渉を持ちかける国もある。
それらを現地で交渉していく事で、俺はいつしか「氷の軍師」ではなく「燭光しょっこうの軍師」と呼ばれるようになった。
揉め事などが起これば双方の話を聞いて、着地点を提案し平和的に話を進める。
自身の教訓から、1回目の話は双方から聞いて2回目からは共にテーブルにつく。

そうすれば、向こうにいい顔をしているんじゃないか、こちらの提言が伝わってないのではないかという思いを払拭できるのだ。

妻と母にもこうしていれば良かったんだろう。
あんな母でも俺には産んでくれた母だから、思いが無くなった訳ではない。
母や姉、妹がした事は人として許されない事だった。
そして、皇帝の異母妹という口外してはならないという秘密を持ち結婚するのも良い事ではない。
夫婦の秘密と言うのはそういう物ではないからだ。

「先日のエミタール国との交渉はどうなった」

「はい。リガール帝国との境とするのをテラフス川とすればよろしいかと。あちらは少数民族国家でありますが、聖域とする地に何もないのなら構わないと返事をもらってあります」

「そうか。まぁさほど利のある地ではない。自然保護区としてどうかと思ったが聖域であれば触らぬ神に祟りなしという事か。いいだろう。で?今日は結婚記念日だろう。早く上がれ」

「ご存じでしたか」
「それだけ浮足だっていれば誰だって判る。領地の方も順調なようだな」
「来年が1回目の正念場でしょうか。桁が変わりますから」
「国としては税収が上がって万々歳だが、無理はするな」
「無駄に大きな体は丈夫に出来ておりますから。では失礼を致します」



屋敷に帰る途中でヨハンや使用人の家に立ち寄るのも日課の一つだ。
ケガをした平民は直ぐに生活に困窮してしまう。

俺は元モリナス子爵家の現モリナス伯爵家と共同で負傷して就業困難になった者へも仕事を斡旋したりする事業を立ち上げた。あの失明をした使用人も補償金は勿論だが、その後は俺の従者となって執務を手伝ってもらっている。
書類を持って来たり、片付けたり、困窮者の相談受付という作業だが片目が見えないという事は感じさせない程頑張ってくれている。

ヨハンも持ち前の勘気もあっただろうが歩けるようになり、新しい屋敷で指導役として頑張ってくれている。


◆~◆~◆

「父さまぁ!お帰りなさいっ」
「マルティン。今日も元気がいいなぁ」
「だって父さまの子ですから!元気と丈夫は取り柄なのです!」
「だ、誰がそんな事を…」
「ファベル伯父様ですっ!」

他に余計な事を言ってるんじゃないかと冷や汗が止まらない。
息子のマルティンは俺そっくりの赤い髪に赤い瞳。どこに居ても俺の子だと直ぐに判るほどに似ている。少しはティーに似ているところがあってもいいのにと思ったが、誰からも好かれるところはティー譲りだ。

「アポロン様、お戻りでしたのね。出迎え出来ず申し訳ございません」
「ティー♡ただいま。今日も可愛い。愛しているよ」
「まぁ、嬉しい。ありがとうございます。ふふっ」
「今日は結婚記念日だからね」

「だから朝から色んなものが届いたのですね。赤いドレスに、赤いショール、ファーも赤で染めているしヒールも赤くて驚きましたわ。わたくし還暦ではないのに」

「俺の色を纏ってくれると嬉しい」
「考えておきますわ」

いつもよりちょっとだけ豪華な食事を済ませると夫婦の寝室でティーを膝の上に乗せてティーが眠くなるまで本を読む事に付き合う。おそらくこの状態がティーに一番触れられる時間だ。
寝台は一緒だか、中間には長枕が置かれている。禁欲3年目だが俺はよく耐えた。

「ティー。そろそろ2人目を作らないか?マルティンも弟妹が欲しいだろうし」
「2人目?あら困りましたわ」
「何故困るんだ」
「だってほら、わたくしを抱っこしてくださっている大きな赤ちゃんがいますのに」

優しくティーの指が俺の頬にツンツンしている。至福だ。

だが間違いない。これは禁欲生活の続行を示唆されているのだ。
生殺し状態が続くのは耐えられない。再交渉だ。交渉はここ数年で腕が上がっている。

「で、でもね。ほら子供って可愛いだろう?愛し合っていればほら!」

「アポロン様、性交渉がないとわたくしを愛して頂けないと仰るの?あぁどうしましょう。側にいればいいと言われましたのに…わたくしはそういう事の為に望まれ――」

「違う違う!側に居てくれるだけでいいんだ」
「まぁ、嬉しい。わたくし、家族のお側にいられて幸せですわ」
「うん。俺も幸せだよ。だからね――」
「じゃぁ、言ってくださる?聞きたいわ。お願い♡」

上目使いでお願いと言われると折れてしまう俺はなんて弱いんだ。

愛する妻にそっと囁く。

「ティー。大好きだ。愛してるよ」
「うふっ♡もう一回お願いしますわ」
「何度でも。愛してるよティー。だから――」
「さぁ、明日は遠征ですわ。早めに休みましょう。遠征♡遠征♡」

心なしか声が弾んでいるのはきっと気のせいだ。そう気のせいだ。

共に横になるとティーが微笑む。
あぁ俺はやっぱりティーをこよなく愛している。

来年の結婚記念日には一回り小さな寝台と入れ替えよう。そうすれば…ムフフ♡
そう思って妻の寝息を子守歌に俺は眠りに落ちた。



※翌年、一回り大きな寝台になりましたけどね…(´Д⊂グスン


Fin

◆~♡~◆

ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>

コメントのお返事はこれから2、3日かけてお1人お1人に返信を致します。
(ワシのお楽しみタイムの始まり始まり~)
なかなか返信がつかないよ~と思われると思いますが、少々お待ちくださいませ。
今回もキリ番を踏んでいる方にはその旨返信に書かせて頂きます(*^-^*)

前作のダメ夫エリオナルは別居生活の更新制結婚でしたが、今回はちゃんと同居して寝台も一緒です。
ただ、強制生殺し結婚となっております(笑)
アポロンの忍耐力に期待!

ヽ(^。^)ノ ではまた次作で会いましょう!!(えっ?逃げないで…)
感想 199

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みんなの感想(199件)

橄欖石
2024.06.21 橄欖石

や……。
これは……。

そろそろ二人目をって思った時に、女として見れない=偶像崇拝対象で、性欲=愛じゃないし、もう随分前からティーで立たなくなってるから子作り無理。でも、愛してるよティー❤と。
斜め上から妙にダメージが来るお断りが来て、衝撃受ける羽目になりそうですね。
セックスレス夫に強くと、そういう反応になるし、本気でエレクトしなくなって、エレクトに使うのエネルギーは別の人や他の対象に向かうそうです。
身も心も。
その理屈はまあ分かる。
男も女も、自分を認めず、拒否ばっかされたら、離れて当然ですもんね。
無償の愛は幻想ですから。
ま、でも、異性愛が宗教愛に変わっても、愛がそこにあるからいいですよね。

妹溺愛兄さん義家族その他は、妹から、二人目欲しいのになんだかんだ理由をつけて抱いて貰えず、なのに変わらず愛されてるこれどういう事と相談されて、吊し上げたら愛してるが故に、一切、そういう対象としてティーにたたなくなったし、そういう対象としてティーを見るのはティーへの愛の冒涜だと真面目に語って、これはティーへの愛の証明だと自慢げにドヤ顔されたアポロン前にして心底戦慄して恐れ戦いて頭抱えてgkbrすればいいと思う。

2024.06.27 cyaru

コメントありがとうございます。<(_ _)>

システィアナなりの報復なのですよ~(*^-^*)
システィアナことティーは別にもう子供はいるんだから要らないよ‥みたいな(笑)

一番キツイって時に庇ってくれない夫ってのは本気でイラネェなと思っちゃいがち。
どちらかというと、この際外で女でも作ってくれた方がガッツリ慰謝料なんかももらえるでしょうし左団扇で暮らせるかも??と思ってるかも??

ティーは兄ちゃんが最高権力者なので生活はどうにでもなりますが、アポロンはもう爵位もないので捨てられたらそこで終わりっていう背水の陣でもあります(笑)

下手したら命を落としていたかも知れないので、不能とかレスで悩むな―!っとティーは思っているかも知れません(笑)

もう役に立ちませーん!っとドヤ顔・・・アポロン出来るかな??
いや、結構なんだかんだで不味い状況は判ってると思うので、心で叫ぶ程度に留めるかも知れませんね(笑い)

ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>

解除
チーコ(ニャンコ先生の奥様)(笑)
2022.09.19 チーコ(ニャンコ先生の奥様)(笑)

お陰さまでうちは嫁いびりはナイですね~😁
旦那がいない時に義理母と旦那の悪口
(義理母にしてみれば息子の悪口)を言って2人でゲラゲラ笑うと言う、しあわせな同居ですね~😁
もちろんイロイロありますよ😃でもね、仕方ないジャーン😩人間だもの。一度は言うんです。こうして欲しいって。これは嫌だって。でもね2度は言わないの。だってもしかしたら私もやらかしてるかもしれないから。
つまりはお互い様ってことで😁😁😁

知らない者同士がいきなり一緒に住むのはホントたいへんですが、結婚する前は相手を両目でしっかり見て、結婚したら片目瞑って見ないふり😁

ティーはかわいそうだったね。
私泣いちゃったよ😭2周目も。
ホントこういう時って男は役立たず。
アポロンは頑張ったみたいだけど、足りなかった。そもそもティーの兄ちゃんがアポロンをこき使うからダメだったんじゃ~ないかしら。
アポロンのお母さんも子離れできてなかったのね~😅
ざんねーん😩

嫁姑問題は今も昔も相も変わらずなのですね。😱😱😱



2022.09.19 cyaru

コメントありがとうございます。<(_ _)>

嫁姑は永遠の課題とも言えますからねぇ…。ワシは経験上(バツついてるので。笑)1人目は子離れも親離れもしてないゲスでした(笑)サラッと書いてもドン引きする内容なんですけども若気至りでしたねぇ…。
以降は…姑も舅も使えるものは動ける限り使っておりますよ(笑)世間では開き直りとも言う(笑)

ホント、他人同士なのでお互い様なんですけども、こんなことされて嫌だったな‥ってのを次の世代(この世代)にどう対応するかってのもありますかね。
同じようにする人と、自分は嫌だったからしないし、イイナと思っても聞いてからするってタイプに分かれるかなぁ。

アポロンはトバッチリとも言いますけれども、2話目、3話目でティーに「母に悪気はない」という事も言っちゃってるんですよ。「肩の力を抜いて」とも言っておりますが公爵家のやり方について教えてくれると受け取ってしまったティーなんですよねぇ。
まぁ、休みをくれなかった皇帝のお兄ちゃんの責任の度合いも大きいんですけどねぇ。
味方がいない場所と言うのは…その辺りお兄ちゃんには経験が無いので抜かっちゃったかな。

アポロン母はアポロンに対して子離れ出来ていないんですよ。
で、姉妹は親離れ出来ていないので実家にしょっちゅうやって来る(これが一番迷惑だったりして)
それで、変な正義感があるから母親の言う事を疑いもせずに信じちゃうというのと、何処かで誰かにマウント取りたいと思った時にティーは丁度いい存在なので虐められてしまうんです。
兄ちゃん皇帝も家の中の事情までは見えませんしねぇ…。

ラストまでお付き合いいただきありがとうございました。<(_ _)>

解除
えまにえる
2022.08.16 えまにえる

皇帝酷い
アポロンのこと都合良く親友にして頼りにしたりして秘密の異母妹あてがっておいて言いがかりつけてパワハラ酷使のオンパレード
アポロンが女性の取り扱い不得手なの「親友なら」理解してしかるべきなのに負担かけさせて追い詰めておいて逆ギレ
一番悪いのは嫁いびり女どもだけど、平民として静かに暮らしていた異母妹を「目の届くところへ」と強引に貴族社会に放り込んでしかも放置したせいで悪化したのに本気で反省してないだろ
システィアナもアポロンより異母兄優先させ過ぎでは?フォロー不足の原因は皇帝なのに
各貴族への連座にしても理由が存在を表沙汰にできない皇族への無体についての連帯責任なのにやたらと範囲が広くて重罰過ぎるのでは?
皇帝兄妹に都合よくこきつかわれてるアポロンて聖女使い捨てもののヒロインみたい
争っていた他国の諜報が優秀なら、
諸貴族への大規模懲罰の理由が教会勢力が良い顔しない非嫡出皇妹のための報復だということや
何より軍事の柱であるアポロンが公私にわたって酷い扱いを受けてること掴んだりして
周辺諸国と教会が手を組んで暴君皇帝を糾弾、システィアナとの婚姻は暴帝が押し付けたものとして無効に
身も心もボロボロになったアポロンは周辺国が見繕ってくれた優しく癒してくれる新しい妻に支えられて周辺諸国連合軍を率いて暴君の支配する帝国を滅ぼす
という展開を希望します

2022.08.16 cyaru

コメントありがとうございます。<(_ _)>

確かに皇帝は独断で好き放題なところはありますね(笑)
市井から貴族社会にいきなり連れ込むのは幸せだったのかというところから始まって、ほとんどが政略結婚で恋愛感情がない所から始まる結婚とは言え、仕事で出来るのと私生活で出来るというのは別だというのもあまり理解はしてないかったんでしょう(;^_^A
アポロンの元に置いておけば立場的にも安全と思ったところも大きいかと思いますが安易でしたねぇ( ̄ー ̄)

システィアナも幼い頃から一緒に育っていれば兄よりアポロンと思ったかもですけども、変に年齢が上がってからの兄妹関係なので、兄と言うよりも皇帝が絶対的なところから入ったような教育で180度真逆の世界に放り込まれたので戸惑ったでしょうかね。( ̄ー ̄)ムゥ

こちらの話は、現在第一弾として下げている話はあるんですが、後日同じように一旦下げた後に読んでくださった方から「こんなIF的な話も読んでみたい」とご要望がありますので、どこかの基点から分岐しての【もし、あの場面でこうなっていたら】というのと、本編そのものも足らない所を足して、不要な部分を削るようになります。その時にまた違う印象になるかも??です。

ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>

解除

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