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最終話☆父にケンカを売った日
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結婚式を終えた2人。する事は1つ!
「あの…トーティ?」
「何でございましょう」
「そ、その服って言うか…ランジェリーって言うか…」
「ウフフ。可愛いでしょう?ベビードールって言うんですわ」
「スェクスィィィ過ぎない?鼻血出そう…」
「ちょっとだけよ~♡アンタも好きねぇ~♡」
部屋の照明も心なしかピンク系になっている不思議。
「そっそれは…朝でも夜でも真昼でもってやつじゃないか!」
「嫌ですわ。恋は終わったのでストリッパーではないですわ」
「だっ!だったら…春でも秋でも真冬でもってやつか!」
「えぇ。愛はストリッパー‥‥あなたの全てを見せてくださいまし」
ワフゥ!なかなか弾けて徴発をしてくるトーティシェルではないか。
そう、お気づきの方もおられるだろう。2人の出会い。トーティシェルはヒールを脱いだのだ。
そして最終話!ついにルージュも脱いだのだ!
人生のステージの幕は上がったのだ!!ここで繋がったのだ!
「トーティッ!!」
「ちょ、ちょっとお待ちくださいって…がっつき過ぎですっハインツ!」
「待たない、待てない、待つもんか!」
「ないないない、の三段活用はお止めくださいましっ…あぁぁっ♡」
「NAI NAI NAI もう止まらない~っ」
☆~☆ピンポンパンポン~お知らせ☆~☆
ハインリヒ23歳、妖精の道を断念し男になり、トーティシェル 20歳純潔散る
※R指定ないのでエロリー表現ここまで。
誰ですっ?〇嬢はどうなんだ?なんて言ってる人はっ!?
検索しちゃダメですっ!
☆~☆ピンポンパンポン~☆~☆
チュンチュン♪スズメが鳴き声で起こしてくれる朝。
腕の中で眠るトーティシェルの髪にキスをしてハインリヒは二度寝である。
二度寝は危険だとあれほど歌われていたのに聞いた事がないのだろう。
よんき●う隊がズッチャチャズッチャッチャ♪と歩いて来そうである。
「ハインツ、起きてくださいませ。ハインツ」
「んん~。もうちょっと…目を閉じて…おいで…」
「バービ●ボーイズ様ではありませんっ!瞳だとしても平●堅様でもありませんわ!」
「んん~なんだぁ…こんな朝早くから僕とトーティを邪魔するのは何だぁ」
「貴方のお父様で御座いますっ」
「へっ?父上?‥‥なんで?」
新婚ポヤポヤ~な2人だが、国王の呼び出しとあれば馳せ参じるしかない。
王太子の選定はまだだったはずなんだが?と思いつつ着替えを済ませ馬車に乗る。
「お心当たりは御座いますの?」
「いや、ない。と言うか…トーティ体は平気なのか?その…無理させたから」
「大丈夫で御座います。蟹股になっているのはドレスで隠れますから」
「ウっ…ごめん…今夜はもっと頑張るから」
「いえ、月イチ、いいえ・・年に数回でよろしいですわ」
「それは無理だと伝えておこう。知らなかった頃には戻れない」
「シェーン!! カムバァァック!!」
「君はトーティ。ジョーイじゃないだろ?僕はハインツ。シェーンじゃない。まぁアラン・ラッドさんのようなイケメンだと思ってくれてるのはありがたいが」
「いえ、妖精の名前ですわ。きっとまだ遠くに行ってませんわ。今からでも遅くないかも知れません。DTの純粋さを思い出してくださいまし」
「無理。あの快楽は忘れられない」
「キティク(鬼畜)」
ガラガラと走る馬車。新婚ポヤポヤ~な夫婦の甘い練乳がけの会話が弾んでいる。
妖精にシェーンと名前を付けていた愛妻。だがハインリヒには来た道を戻る選択肢はない。
王城に到着し、陛下の執務室に通される。
執務室の前には、ペコリと頭を下げるホワイティ嬢とメイフェルトが立っていた。
親指でクイっと部屋の中を指差し、一緒に行こうかと目くばせをする。
ハインリヒは後ろを歩いているトーティシェルに気を配りながらも継承についてなのかと心で溜息を吐いた。多分だがメイフェルトが待っていた事から、メイフェルトも継承権を放棄するつもりなのだろう。
部屋に入ると国王と王妃、そしてハインリヒの母である側妃とメイフェルトの母である側妃がいた。5人の兄弟の中でしんがりと思われていたハインリヒは破竹の勢いで現在国王の座に最も近いと言われている。
それに続くのが隣にいるメイフェルトである。ハインリヒほどの成果はないが、寡黙で曲がった事は絶対に許さないという揺るぎない姿勢は騎士団からのイチオシなのだ。
「よく来たな。判っていると思うが継承についてだ」
やはりなぁと思いながらも促されるままに2人の王子は妻と隣に並んで腰を下ろした。
王妃と違って側妃の2人は何かあれば我が子の盾になろうという考えが目の奥に見える。
「父上、いえ陛下。私は継承権を放棄します」
ハインリヒはトーティシェルの手を握り国王に向かって告げた。
「陛下、私も兄上同様に継承権を放棄します。伯爵家への婿入りを認めて頂きたい」
2人の息子を交互に見て、最有力とその次が自ら権利を放棄する事に国王の顔は見るからに不機嫌になっていく。ハインリヒとメイフェルトに続くのは大きく水をあけられているが第三王子。だが兄の第一王子の顔色を伺ってしまい強く出られないのが玉にキズである。第一王子、第五王子の2人は成果も鳴かず飛ばすで事なかれ主義だといいつつも権利だけは主張する。議会からも貴族からも騎士団からも嫌われていると言って過言ではない。
「判っていると思うが、お前たち2人についての成果は誰もが認めるところ。次の治世はどちらかに決めようと思っている。王子としての務めは王太子となり国王となる事だ。よもや忘れたとは言わさん」
「それは理解をしていますが、私は国王の器ではありません」
「私も国王という地位は足掻いても力不足だという事は己が認めるところです」
「ハインリヒについてはあの地域を見事に復興させた実績、そして議会からの推薦がある。メイフェルトも管轄領の民の声、そして騎士団からの推薦がある。議会も騎士団も貴族。2人が二分しておるのだ。残りの3人では国政が立ち行かぬ事くらいは判るであろう。内政が分裂するのは他国への影響も計り知れぬ」
ハインリヒは「大丈夫」とトーティシェルの手を握りしめる。それはメイフェルトも同じでホワイティの手を握り、大きくなったお腹に優しい目線を向けると小さく頷く。
「王子たるもの今まで税で育ってきたのだ。我儘は許さん。来月正式に発表をするが国王はハインリヒ、王弟としてメイフェルト。ハインリヒは速やかに王宮へ。メイフェルトは東の離宮に住まいを移すように」
「お待ちくださいッ!承服できかねるッ」
ガタっと立ち上がるメイフェルトはまだ座っている父である国王を睨みつけた。
国王も負けじとメイフェルト睨み、フっと鼻で笑った。
「若いな。まぁお前は王弟。ハインリヒに何かあった時はお前が舵取りをするのだ。ワシを睨むくらいの気概がなければ務まりはしない」
「陛下、父上ではなく陛下に王子として言わせて頂きます」
ハインリヒは静かに国王を見据えた。スゥと小さく息を吸い込む。
この先国王である父に告げることはトーティシェルにも言っていない。
少しトーティシェルを見て「後で謝る」と小声で呟いた。
その言葉にトーティシェルも表情を変えたのは一瞬。直ぐに微笑を消した。
「父上、私は国王にはなりません。王子ならばと言うのであれば廃嫡して頂いて結構。それでもと仰るのなら私はあの地域の王となり、ペ・テイグリ国に開戦を告げる。妻が心血を注いで作った地。それを血で穢す事はしたくはないが国王となればあの地はただの領になる。夫として、1人の男としてたった1人の愛する妻の夢を王妃と言う立場を押し付ける代わりに奪う事になる。そんな最低な男になるくらいであれば剣を取り、立ち上がります」
「何を言うんだ。国土の一部に戻るだけだろう。国王直轄地とすれば――」
「陛下っ!兄上が剣を取るならば私も私を押してくれる騎士団と共に立ち上がります。私が付くのは陛下ではない。兄上だ。王子と言うだけで恵まれた立場だったのは承知の上。国王には第三王子であるボルーゾイが相応しい。ボルーゾイは確かに第一王子であるゲシュペル兄上の顔色を伺う事があるがそれを取り払い、皆の意見を精査出来る能力がある。国王を選ぶのなら目先ではなく国の行く末を考えて広く捉えるべきだ」
長い沈黙が部屋の中に漂う。2人の母である側妃はドレスに仕込んであるのだろう。暗器をいつでも取り出せるように身構えているのが判る。
息遣いすら止まったような空間で国王が長い溜息を吐いた。
「判った。ワシもお前たちを失う事はしたくはない。開戦などと物騒な事を口にするな」
「では国王は…」
「ボルーゾイが立てば、お前たち2人がそれを支える支柱になってくれるか」
「喜んで」「兄上と共に支えましょう」
全ての力が抜けた室内。2人の王子はガッチリと握手をした。
「良かったんですの?」
「何が?」
「陛下はハインツが良いって…わたくしの事など良かったですのに」
「何を言ってるんだ?サビネコ社をこれから大きくするんだ。急がないと国王が決まれば臣籍降下で王子って肩書が使えなくなる。融資と‥‥隣国への支店開設の挨拶と…やる事いっぱいだな」
「ではボルーゾイ殿下の元に明日にでも営業に行ってくださいませ」
「へっ?どうして?」
「離宮からのお引越しが御座いますでしょう?引っ越し便の依頼をもぎ取ってくださいませ。見積もりは営業課にいる者を2人、いえ3人ですわね。一緒に行けばやり方は教えてありますわ」
「サビネコ社、やる事いっぱいだな。よし!国一番じゃなく世界一大きな会社にするぞ」
「頑張ってくださいまし。そうそう呼び名ですがサビネコ便、サビネコ引っ越し便にしようと思ってますの」
「そうか。世界中に幸せを運ばないといけないな」
「あら?その前に…申しましたでしょう?皆が幸せなのはわたくしも幸せ。ですが、わたくしが幸せなのはハインツが幸せならです。早い目にチビネコもね♪」
「それは勿論!」
翌年、スラムだった地域は住民が全世帯引っ越しも完了し、ペ・テイグリ国で一番住みたい街になった。
サビネコ便も国内に7支店から15支店9営業所まで手を広げ、隣国にも進出。
5年後には支店や営業所のない国は大陸にはなくなり、猫なのに海を渡った。
「こんにちは!サビネコ便のお届けですっ」
「あら…アリガト。待ってね…ハンコ‥ハンコ…」
「サインか肉球でもいいですよ!」
「あら?パッケージに子猫が付いたのね。ハチワレネコ?」
「はい、創業者にお子さんが生れましたんで!これは…っと…皆さんにお配りしてます。削り節です。御浸しにトッピングすると美味しいですよ。じゃ毎度あり!」
FIN
☆~☆
お付き合い頂きありがとうございました <(_ _)>
cyaru
「あの…トーティ?」
「何でございましょう」
「そ、その服って言うか…ランジェリーって言うか…」
「ウフフ。可愛いでしょう?ベビードールって言うんですわ」
「スェクスィィィ過ぎない?鼻血出そう…」
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「嫌ですわ。恋は終わったのでストリッパーではないですわ」
「だっ!だったら…春でも秋でも真冬でもってやつか!」
「えぇ。愛はストリッパー‥‥あなたの全てを見せてくださいまし」
ワフゥ!なかなか弾けて徴発をしてくるトーティシェルではないか。
そう、お気づきの方もおられるだろう。2人の出会い。トーティシェルはヒールを脱いだのだ。
そして最終話!ついにルージュも脱いだのだ!
人生のステージの幕は上がったのだ!!ここで繋がったのだ!
「トーティッ!!」
「ちょ、ちょっとお待ちくださいって…がっつき過ぎですっハインツ!」
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「ないないない、の三段活用はお止めくださいましっ…あぁぁっ♡」
「NAI NAI NAI もう止まらない~っ」
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ハインリヒ23歳、妖精の道を断念し男になり、トーティシェル 20歳純潔散る
※R指定ないのでエロリー表現ここまで。
誰ですっ?〇嬢はどうなんだ?なんて言ってる人はっ!?
検索しちゃダメですっ!
☆~☆ピンポンパンポン~☆~☆
チュンチュン♪スズメが鳴き声で起こしてくれる朝。
腕の中で眠るトーティシェルの髪にキスをしてハインリヒは二度寝である。
二度寝は危険だとあれほど歌われていたのに聞いた事がないのだろう。
よんき●う隊がズッチャチャズッチャッチャ♪と歩いて来そうである。
「ハインツ、起きてくださいませ。ハインツ」
「んん~。もうちょっと…目を閉じて…おいで…」
「バービ●ボーイズ様ではありませんっ!瞳だとしても平●堅様でもありませんわ!」
「んん~なんだぁ…こんな朝早くから僕とトーティを邪魔するのは何だぁ」
「貴方のお父様で御座いますっ」
「へっ?父上?‥‥なんで?」
新婚ポヤポヤ~な2人だが、国王の呼び出しとあれば馳せ参じるしかない。
王太子の選定はまだだったはずなんだが?と思いつつ着替えを済ませ馬車に乗る。
「お心当たりは御座いますの?」
「いや、ない。と言うか…トーティ体は平気なのか?その…無理させたから」
「大丈夫で御座います。蟹股になっているのはドレスで隠れますから」
「ウっ…ごめん…今夜はもっと頑張るから」
「いえ、月イチ、いいえ・・年に数回でよろしいですわ」
「それは無理だと伝えておこう。知らなかった頃には戻れない」
「シェーン!! カムバァァック!!」
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「いえ、妖精の名前ですわ。きっとまだ遠くに行ってませんわ。今からでも遅くないかも知れません。DTの純粋さを思い出してくださいまし」
「無理。あの快楽は忘れられない」
「キティク(鬼畜)」
ガラガラと走る馬車。新婚ポヤポヤ~な夫婦の甘い練乳がけの会話が弾んでいる。
妖精にシェーンと名前を付けていた愛妻。だがハインリヒには来た道を戻る選択肢はない。
王城に到着し、陛下の執務室に通される。
執務室の前には、ペコリと頭を下げるホワイティ嬢とメイフェルトが立っていた。
親指でクイっと部屋の中を指差し、一緒に行こうかと目くばせをする。
ハインリヒは後ろを歩いているトーティシェルに気を配りながらも継承についてなのかと心で溜息を吐いた。多分だがメイフェルトが待っていた事から、メイフェルトも継承権を放棄するつもりなのだろう。
部屋に入ると国王と王妃、そしてハインリヒの母である側妃とメイフェルトの母である側妃がいた。5人の兄弟の中でしんがりと思われていたハインリヒは破竹の勢いで現在国王の座に最も近いと言われている。
それに続くのが隣にいるメイフェルトである。ハインリヒほどの成果はないが、寡黙で曲がった事は絶対に許さないという揺るぎない姿勢は騎士団からのイチオシなのだ。
「よく来たな。判っていると思うが継承についてだ」
やはりなぁと思いながらも促されるままに2人の王子は妻と隣に並んで腰を下ろした。
王妃と違って側妃の2人は何かあれば我が子の盾になろうという考えが目の奥に見える。
「父上、いえ陛下。私は継承権を放棄します」
ハインリヒはトーティシェルの手を握り国王に向かって告げた。
「陛下、私も兄上同様に継承権を放棄します。伯爵家への婿入りを認めて頂きたい」
2人の息子を交互に見て、最有力とその次が自ら権利を放棄する事に国王の顔は見るからに不機嫌になっていく。ハインリヒとメイフェルトに続くのは大きく水をあけられているが第三王子。だが兄の第一王子の顔色を伺ってしまい強く出られないのが玉にキズである。第一王子、第五王子の2人は成果も鳴かず飛ばすで事なかれ主義だといいつつも権利だけは主張する。議会からも貴族からも騎士団からも嫌われていると言って過言ではない。
「判っていると思うが、お前たち2人についての成果は誰もが認めるところ。次の治世はどちらかに決めようと思っている。王子としての務めは王太子となり国王となる事だ。よもや忘れたとは言わさん」
「それは理解をしていますが、私は国王の器ではありません」
「私も国王という地位は足掻いても力不足だという事は己が認めるところです」
「ハインリヒについてはあの地域を見事に復興させた実績、そして議会からの推薦がある。メイフェルトも管轄領の民の声、そして騎士団からの推薦がある。議会も騎士団も貴族。2人が二分しておるのだ。残りの3人では国政が立ち行かぬ事くらいは判るであろう。内政が分裂するのは他国への影響も計り知れぬ」
ハインリヒは「大丈夫」とトーティシェルの手を握りしめる。それはメイフェルトも同じでホワイティの手を握り、大きくなったお腹に優しい目線を向けると小さく頷く。
「王子たるもの今まで税で育ってきたのだ。我儘は許さん。来月正式に発表をするが国王はハインリヒ、王弟としてメイフェルト。ハインリヒは速やかに王宮へ。メイフェルトは東の離宮に住まいを移すように」
「お待ちくださいッ!承服できかねるッ」
ガタっと立ち上がるメイフェルトはまだ座っている父である国王を睨みつけた。
国王も負けじとメイフェルト睨み、フっと鼻で笑った。
「若いな。まぁお前は王弟。ハインリヒに何かあった時はお前が舵取りをするのだ。ワシを睨むくらいの気概がなければ務まりはしない」
「陛下、父上ではなく陛下に王子として言わせて頂きます」
ハインリヒは静かに国王を見据えた。スゥと小さく息を吸い込む。
この先国王である父に告げることはトーティシェルにも言っていない。
少しトーティシェルを見て「後で謝る」と小声で呟いた。
その言葉にトーティシェルも表情を変えたのは一瞬。直ぐに微笑を消した。
「父上、私は国王にはなりません。王子ならばと言うのであれば廃嫡して頂いて結構。それでもと仰るのなら私はあの地域の王となり、ペ・テイグリ国に開戦を告げる。妻が心血を注いで作った地。それを血で穢す事はしたくはないが国王となればあの地はただの領になる。夫として、1人の男としてたった1人の愛する妻の夢を王妃と言う立場を押し付ける代わりに奪う事になる。そんな最低な男になるくらいであれば剣を取り、立ち上がります」
「何を言うんだ。国土の一部に戻るだけだろう。国王直轄地とすれば――」
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長い沈黙が部屋の中に漂う。2人の母である側妃はドレスに仕込んであるのだろう。暗器をいつでも取り出せるように身構えているのが判る。
息遣いすら止まったような空間で国王が長い溜息を吐いた。
「判った。ワシもお前たちを失う事はしたくはない。開戦などと物騒な事を口にするな」
「では国王は…」
「ボルーゾイが立てば、お前たち2人がそれを支える支柱になってくれるか」
「喜んで」「兄上と共に支えましょう」
全ての力が抜けた室内。2人の王子はガッチリと握手をした。
「良かったんですの?」
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「頑張ってくださいまし。そうそう呼び名ですがサビネコ便、サビネコ引っ越し便にしようと思ってますの」
「そうか。世界中に幸せを運ばないといけないな」
「あら?その前に…申しましたでしょう?皆が幸せなのはわたくしも幸せ。ですが、わたくしが幸せなのはハインツが幸せならです。早い目にチビネコもね♪」
「それは勿論!」
翌年、スラムだった地域は住民が全世帯引っ越しも完了し、ペ・テイグリ国で一番住みたい街になった。
サビネコ便も国内に7支店から15支店9営業所まで手を広げ、隣国にも進出。
5年後には支店や営業所のない国は大陸にはなくなり、猫なのに海を渡った。
「こんにちは!サビネコ便のお届けですっ」
「あら…アリガト。待ってね…ハンコ‥ハンコ…」
「サインか肉球でもいいですよ!」
「あら?パッケージに子猫が付いたのね。ハチワレネコ?」
「はい、創業者にお子さんが生れましたんで!これは…っと…皆さんにお配りしてます。削り節です。御浸しにトッピングすると美味しいですよ。じゃ毎度あり!」
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cyaru
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ウィスカーパット
ウィスパーパット(いやんw)
私だけ??
コメントありがとうございます。<(_ _)>
(ΦωΦ)フフフ…2日目も安心、多い日も安心♡
名前が似てるんですよね。ワシ、間違ってないか何度も見たんですよ(*^▽^*)
ここで間違うと「羽付きロング?」とかになっちゃう(/ω\)イヤン
猫様は部位によって色々と名前があったりするんですけども、ウィスカーパットがフンフン膨らんでいるのをみるのが楽しくてついつい、猫じゃらしでタシタシやってしまいます(;^_^A
まぁ…やり過ぎと言いますか、攻めすぎて思いっきり引っ掛かれたことも数知れず・・・。
爪を立てるのは貴方の背中だけじゃないと猫様に教えて頂きました(爆)
\(^-^)/サビネコ便ヾ(´∀`*)ノ
今から読むよ楽しみだよー(*゚∀゚)=3
cyaru劇場いってきま~す
~~~~~(m--)m
コメントありがとうございます。<(_ _)>
トーティシェルとハインリヒの世界にようこそ~♡
ところどころ、ニッチなのも入っているので???となるかも知れませんが、楽しんで頂けると嬉しいです。
短編のつもりがちょっと長くなってるってのもご愛敬で( *´艸`)
サビネコ便はこうやって出来たんだ~っと笑ってください。<(_ _)>
サビ猫便は、こうやって出来たのですね‼️納得。o@(・_・)@o。しかし、逞しいヒロインたったなあ😃子供も、産まれて良かったです‼️
コメントありがとうございます<(_ _)>
サビネコ便幾つかの話にも出てくるようにかなり手広く全世界展開をしております(笑)
是非どうでもいいようなものから、他人様には見せられないようなものまでご用命をお願いいたします(笑)
多分安いと思うんですよ。厚さもなんと!5cmまでのA4サイズでしたら100ミケ(税込)で単身お引越しニャンパックなら軽トラ1台満載で5千ミケ(税込)で御座います(笑)
勿論荷造り、荷解きも標準でございますよ(ニャンニャン)
昭和感が至る所に埋め込まれているので年代的には???となる方も多かったと思うんですが、まだ出し切れていない昭和ネタが‥‥(笑)
今回はちょっとサビネコで猫さんなので所謂モフモフ?作者的にモフモフとは毛深い男性‥ゲフンゲフン‥失礼しました。まぁちょっと猫さんのモフモフは異種的かとも思いましたが、ラストはハチワレネコなベビーも誕生です。
お届けでハッピーが判るというのもどうかとは思ったんですが、まぁ…作中にもあるように流石小説であると笑い飛ばして頂ければ(*^-^*)
ラストまでお付き合いいただきありがとうございました<(_ _)>