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続編
VOL.02
頭を悩ませるのはまだあった。
兵士として徴用された人間の数は総数として国全体で120万人にも上るが、戦争が終わり復員したものの今の段階で復職出来たのは2割。未だに失業率も高いので高位貴族や商会に率先して雇うようにと通達が来ていた。
それだけではない。
ルワード公爵家は遂に国によってルビーが出て行って2年後には管理の対象となってしまった。
当主のルワード公爵は先月、国が指定した地で蟄居を申し渡された。
草木も育たない乾ききった砂しかない地で年間降水量は、年間でトータルして3mmしか雨が降らない。それを雨と言うのか疑問だが実質の死刑宣告。
早くに離縁をして実家に戻った夫人は難を逃れたと言っていいだろう。
元公爵夫人はあれからガラスの再生事業から古紙の再生事業にも手を広げ、そこで知り合った50代の男爵と間もなく再婚をする。
子供は見込めないがガラス再生事業の利益で「望まぬ妊娠」をしてしまった少女たちの生活を支える活動をしていて、事業所の前に捨てられていった子供を養子に迎える事になっている。
ルワード公爵は蟄居となったが、実質はエクセがアジメストと切り盛りをしていた模様。切り盛りとは名ばかりで実際は切り崩し。
ルワード公爵家には全部で11の領地があったが金を借りるのに抵当権が打たれていて支払いを全くしていなかったため総数で62万人の領民が生活の見通しが全く立たなくなり、他の領地に逃げ出している。
逃げ出した先の領地でもいい加減復員した人間で労働力は過剰に余っているのだから1つの仕事を午前と午後に分けて安い月給になっても働いてもらっているのにその仕事をさらに分割せねばならない事態になっている。
ルワード公爵家は建国以来続く名家だったが、緊急に招集された議会により現在廃家の手続きが進められていて半年以内にはその名前が貴族名鑑からは消える。
名前は消えても領民が消えるわけではないので領民62万人をどうするかも問題になっている。
「ホント。最初から最後まで皆に迷惑をかけるだけだわ」
「62万人か…領民に罪はないが雇い入れるのは無理だな。問題は廃家になった後であの2人がどうするかだ」
「2人?4人じゃないの?」
「そうだった。2人の強烈さに霞んでしまっていたよ」
エクセとアジメストの悪評は社交界だけでなく一般の民衆にも広がっている。
アジメストは街角に立つ娼婦を集め「手軽に利用できる娼館」を違法で経営していたが、摘発される寸前で売り上げをめぐりイーカイズ&ガーモットと大喧嘩。
捕縛隊が到着する寸前に、イーカイズがアジメストを殴り、ガーモットと共に売上金を持ち逃げしてしまったのでアジメストは全てをイーカイズがした事で、咎めたら殴られたと被害届を出したのだ。
現在イーカイズとガーモットは指名手配中である。
国の管理下にあるとはいえ、まだ廃家になっていないので、公爵家の人間を負傷させ現金強奪となれば情状酌量があって絞首刑、通常で絞首刑なので結局捕まれば絞首刑である。
そのまま違法経営で捕まっていれば娼婦の中には未成年もいる事からアジメストが貴族籍はく奪の上で斬首刑だったが、逃れるためなら実の親でも差し出すアジメストにサーディスはクズを超えたゲスを見た気がする。
コハマ侯爵家にもアジメストが養女となっていたのでお咎めがあるかと思われたが、「嫁いでからは連絡がない」状態だと国王が証人となったので、完全に切り離されている。
勿論、そこにコハマ侯爵家が王家に「どうします?一緒に倒れますか?」と問い合わせがあった結果であるのは言わずもがな。
復員兵士とルワード公爵家の領民を足して180万人以上。
国はそのツケを高位貴族や商会に回してきた。
こんな国、無くなってしまえ!という声がないわけではない。
ただ、まだ戦後20年余りで亡国となった国もあり、国内外問わず不安定な面がある。ここで王家が倒れてしまうとあっという間に周辺国に攻め入られてしまい、3千万人以上の国民が国を失う危機になる。
民主化をしようにも国民の内面と国力が追い付いていないので、底上げも必要だった。
兵士として徴用された人間の数は総数として国全体で120万人にも上るが、戦争が終わり復員したものの今の段階で復職出来たのは2割。未だに失業率も高いので高位貴族や商会に率先して雇うようにと通達が来ていた。
それだけではない。
ルワード公爵家は遂に国によってルビーが出て行って2年後には管理の対象となってしまった。
当主のルワード公爵は先月、国が指定した地で蟄居を申し渡された。
草木も育たない乾ききった砂しかない地で年間降水量は、年間でトータルして3mmしか雨が降らない。それを雨と言うのか疑問だが実質の死刑宣告。
早くに離縁をして実家に戻った夫人は難を逃れたと言っていいだろう。
元公爵夫人はあれからガラスの再生事業から古紙の再生事業にも手を広げ、そこで知り合った50代の男爵と間もなく再婚をする。
子供は見込めないがガラス再生事業の利益で「望まぬ妊娠」をしてしまった少女たちの生活を支える活動をしていて、事業所の前に捨てられていった子供を養子に迎える事になっている。
ルワード公爵は蟄居となったが、実質はエクセがアジメストと切り盛りをしていた模様。切り盛りとは名ばかりで実際は切り崩し。
ルワード公爵家には全部で11の領地があったが金を借りるのに抵当権が打たれていて支払いを全くしていなかったため総数で62万人の領民が生活の見通しが全く立たなくなり、他の領地に逃げ出している。
逃げ出した先の領地でもいい加減復員した人間で労働力は過剰に余っているのだから1つの仕事を午前と午後に分けて安い月給になっても働いてもらっているのにその仕事をさらに分割せねばならない事態になっている。
ルワード公爵家は建国以来続く名家だったが、緊急に招集された議会により現在廃家の手続きが進められていて半年以内にはその名前が貴族名鑑からは消える。
名前は消えても領民が消えるわけではないので領民62万人をどうするかも問題になっている。
「ホント。最初から最後まで皆に迷惑をかけるだけだわ」
「62万人か…領民に罪はないが雇い入れるのは無理だな。問題は廃家になった後であの2人がどうするかだ」
「2人?4人じゃないの?」
「そうだった。2人の強烈さに霞んでしまっていたよ」
エクセとアジメストの悪評は社交界だけでなく一般の民衆にも広がっている。
アジメストは街角に立つ娼婦を集め「手軽に利用できる娼館」を違法で経営していたが、摘発される寸前で売り上げをめぐりイーカイズ&ガーモットと大喧嘩。
捕縛隊が到着する寸前に、イーカイズがアジメストを殴り、ガーモットと共に売上金を持ち逃げしてしまったのでアジメストは全てをイーカイズがした事で、咎めたら殴られたと被害届を出したのだ。
現在イーカイズとガーモットは指名手配中である。
国の管理下にあるとはいえ、まだ廃家になっていないので、公爵家の人間を負傷させ現金強奪となれば情状酌量があって絞首刑、通常で絞首刑なので結局捕まれば絞首刑である。
そのまま違法経営で捕まっていれば娼婦の中には未成年もいる事からアジメストが貴族籍はく奪の上で斬首刑だったが、逃れるためなら実の親でも差し出すアジメストにサーディスはクズを超えたゲスを見た気がする。
コハマ侯爵家にもアジメストが養女となっていたのでお咎めがあるかと思われたが、「嫁いでからは連絡がない」状態だと国王が証人となったので、完全に切り離されている。
勿論、そこにコハマ侯爵家が王家に「どうします?一緒に倒れますか?」と問い合わせがあった結果であるのは言わずもがな。
復員兵士とルワード公爵家の領民を足して180万人以上。
国はそのツケを高位貴族や商会に回してきた。
こんな国、無くなってしまえ!という声がないわけではない。
ただ、まだ戦後20年余りで亡国となった国もあり、国内外問わず不安定な面がある。ここで王家が倒れてしまうとあっという間に周辺国に攻め入られてしまい、3千万人以上の国民が国を失う危機になる。
民主化をしようにも国民の内面と国力が追い付いていないので、底上げも必要だった。
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