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護身術と王都からの呼び出し
「違う、違う。相手は本気なんだから練習だなんて思うな」
「解りましたわ。もう一度お願いしますわ」
「よし、じゃぁ行くぞ」
ステファニアの後ろからガバっと抱き着くヴァレリオ。
今日は以前に学んだ暴漢に襲われた時の対処のおさらいをしているのである。
「掴まれた腕を‥‥」
「違うだろ。指だ‥‥って、お前いい匂いするなぁ」
「(ぞわわわっ)」
グギッ!! 「いぃぃってぇぇ!!」
後から両手を回された場合、相手はその手を組むので人差し指を逆方向に捻じ曲げるのだ。
折れる場合がほとんどなのでつい手加減をしてしまったステファニアだったが、本気でと言われ、本当に本気でやってしまった。
ヴァレリオは蹲って、涙目になっている。
「だ、大丈夫でしたか?」
「ブッブー。はい不合格」
「えぇっ?!」
「暴漢が蹲った時に素早くその場から逃げる。動きを見せた時は――」
「背中を蹴飛ばす…??」
「背の側に回り込む時間があるなら逃げろ。相手は手負いだ。蹴飛ばすんじゃない。手にしているバッグなどで頭を殴れ。中身を気にせず遠心力も使って思い切り張り倒すつもりでな。で、大丈夫かって声をかけただろ?演技ならどうする?しゃがみ込んでるから押し倒されて――」
「そうでしたわ。ここで気を抜いてはダメだったんですわ。で?痛くありませんの?」
「痛いよ。でもまぁ…こんなもんだろ」
「でも奇妙な音がいたしましたわよ?折れましたの?」
「いいや?関節を外すのはよくやるし、骨が折れたらあんな音じゃない。相手は男、スティは女。攫おう、犯そうって考えてるならこの撃退だが、殺そうと最初からくるヤツには懐に入られたら終わりだ」
「そうですわね。気をつけますわ」
「じゃ、後ろから肩を掴まれた時はどうする?」
「掴まれたほうの腕を垂直に上げてそのまま伸ばした状態で小指側から振り下ろすですわ」
「合格だ。でもそれは本当なら肩を掴まれた時点で終わりだと思えよ?」
「判っておりますわ」
「掴むのは人間くらいだ。クマなら爪がざっくり入るからな」
流石に練習で骨が折れるのは慣用句でとどめておかねば危険である。
「そう言えば王都から呼び出しがあったぞ」
「王都?ではレアンドロ様から?」
「様なんかつけなくていいだろ。呼び捨てで充分だ」
流石に何処で誰が聞いているか判らない。辺境伯としてヴァレリオはその地位を継いで各地に間者を送り込んでいるが、それは相手も同じである。
間者が潜入していないと言う確信は何処にもない。
王都への呼び出し状が届いたのはそれから10日後だったが、ヴァレリオは各休憩地点に設けた「狼煙」で届く前に呼び出しがある事を知っていただけである。
「王都に行くならベルタばあさんも連れてく??」
「あら?ベルタもなら、わたくしも行くんですの?」
「いや、呼び出されているの俺だけ。だけどさぁ王都なんて滅多に行かないからこの前行った時も城で会わなかったら探し回る所だったんだぜ?王都公園にある屋台でクレップっていう菓子が美味いらしいぞ」
ステファニアはジト目になった。
明らかにヴァレリオは観光目的に近い感覚でしかない。
ベルタもどうだと言ったのは、先日領民の奥様方からステファニアとベルタにドレスでも買ってやれと散々に囲まれて説教をされたからである。
ちなみにステファニアの装いについて突き上げを食らったのはヴァレリオだが、ベルタについてはバルトロである。年齢の近いバルトロとベルタだがベルタの方が3歳年上だ。
本人同士は否定をしているが、何かと世話焼きなベルタはどこか抜けているバルトロが気になって仕方がない。襟が折れていなかったり、ボタンが取れそうになっているのに問題ないと言うバルトロをいつも叱っている。
先日、引っ掛けてお気に入りのベストを破ってしまい、カケツギをしてくれたベルタにお礼でお茶を振舞ったところを奥様方に見られてしまっていた。
「ヴァリ。観光ではないでしょうからわたくしは行きません」
「観光なら行くのか。じゃ、観光にしよう」
「それを決めるのは陛下、いえ陛下の代理でしょう?それにもうすぐ初雪が降ると言いますし、雪道が不慣れなわたくしは足手まといですわ」
「判った。じゃぁ土産は温泉饅頭でも買ってくるよ」
「温泉?道中にありますの?」
「遠回りして西端の領地を通ればある」
「では要りません。木彫りのスプーンでいいですわ」
「クマじゃなく?」
「木彫りの熊はバルトロ様のお部屋に50体以上御座いますもの。壮観ですわよ?」
「俺はアレに囲まれて寝る事が出来るジジィを尊敬してる」
屋敷から王都までヴァレリオだけなら3週間で到着するだろう。しかし西端の領地まではどんなに早くても2カ月かかる。距離にして370キイロだ。西端の領地から王都までは800キイロを超える。
何が嬉しくて直通で王都に行けるのに「へ」の字のように遠回りをせねばならないのか。
土産を買うためと言っても限度と言うものがある。
なにより、そんなルートで行けば季節は間もなく冬なのに春の終わりに帰宅になる。
ステファニアは、そんな行程を取ろうとした無謀さを尊敬したくなった。
「でもなぁ…」
「どうしましたの?」
「ジジィが言うには、国がひっくり返るかも知れねぇって」
「え?国が?では地中で生活しますの?」
辺境に来てからステファニアが知るそれまでの常識が覆りっ放しだったのでかなり本気で問うたのだが、ヴァレリオの遠い目を見てステファニアは間違いを知る。
――あ、これは文面通りでいいのね――
「カエロウカ」
ステファニアでも間違うんだと知ったヴァレリオは棒読みで帰宅を促した。
ヴァレリオにとってステファニアは本が読める達人だったのだ。本が表紙も読めないヴァレリオにとってステファニアの「いつもとは逆」の混乱は新鮮だった。
「では、帰りましょう。今日の夕食はインゲンのスープだそうですわ」
「インゲンかぁ…俺苦手なんだよなぁ」
「好き嫌いは大きくなれませんよ」
「・・・・」
黙ったヴァレリオ。25歳。
成長期はもう終わっているが、これ以上大きくなるのだろうか。
数歩前に歩いたステファニアにヴァレリオは「待ってくれ」とばかりに手を伸ばした。
バゴッ!! 「ファグァッ!!」
ステファニアの裏拳がヴァレリオの顔面にヒットした。
「痛ってぇぇぇ」
「だって鍛錬はまだ終わってませんもの。肩を掴まれるのは不合格でしょう?」
「そうだけど!そうだけどぉぉ!!」
屋敷に戻った2人。
王城から届いた書状をヴァレリオは暖炉に放り込んだ。
――流石にそれは不味いだろう!@使用人一同――
使用人の誰もが目を丸くして驚いた。
勿論ステファニアも驚いてヴァレリオを叱った。
――言ってやってください!ステファニアさん!@使用人一同――
「そんな事をしてっ!」
「だって読めないから仕方ないだろう」
「まだ裏紙が使えたでしょう!」
使用人は考える事を放棄した。
「解りましたわ。もう一度お願いしますわ」
「よし、じゃぁ行くぞ」
ステファニアの後ろからガバっと抱き着くヴァレリオ。
今日は以前に学んだ暴漢に襲われた時の対処のおさらいをしているのである。
「掴まれた腕を‥‥」
「違うだろ。指だ‥‥って、お前いい匂いするなぁ」
「(ぞわわわっ)」
グギッ!! 「いぃぃってぇぇ!!」
後から両手を回された場合、相手はその手を組むので人差し指を逆方向に捻じ曲げるのだ。
折れる場合がほとんどなのでつい手加減をしてしまったステファニアだったが、本気でと言われ、本当に本気でやってしまった。
ヴァレリオは蹲って、涙目になっている。
「だ、大丈夫でしたか?」
「ブッブー。はい不合格」
「えぇっ?!」
「暴漢が蹲った時に素早くその場から逃げる。動きを見せた時は――」
「背中を蹴飛ばす…??」
「背の側に回り込む時間があるなら逃げろ。相手は手負いだ。蹴飛ばすんじゃない。手にしているバッグなどで頭を殴れ。中身を気にせず遠心力も使って思い切り張り倒すつもりでな。で、大丈夫かって声をかけただろ?演技ならどうする?しゃがみ込んでるから押し倒されて――」
「そうでしたわ。ここで気を抜いてはダメだったんですわ。で?痛くありませんの?」
「痛いよ。でもまぁ…こんなもんだろ」
「でも奇妙な音がいたしましたわよ?折れましたの?」
「いいや?関節を外すのはよくやるし、骨が折れたらあんな音じゃない。相手は男、スティは女。攫おう、犯そうって考えてるならこの撃退だが、殺そうと最初からくるヤツには懐に入られたら終わりだ」
「そうですわね。気をつけますわ」
「じゃ、後ろから肩を掴まれた時はどうする?」
「掴まれたほうの腕を垂直に上げてそのまま伸ばした状態で小指側から振り下ろすですわ」
「合格だ。でもそれは本当なら肩を掴まれた時点で終わりだと思えよ?」
「判っておりますわ」
「掴むのは人間くらいだ。クマなら爪がざっくり入るからな」
流石に練習で骨が折れるのは慣用句でとどめておかねば危険である。
「そう言えば王都から呼び出しがあったぞ」
「王都?ではレアンドロ様から?」
「様なんかつけなくていいだろ。呼び捨てで充分だ」
流石に何処で誰が聞いているか判らない。辺境伯としてヴァレリオはその地位を継いで各地に間者を送り込んでいるが、それは相手も同じである。
間者が潜入していないと言う確信は何処にもない。
王都への呼び出し状が届いたのはそれから10日後だったが、ヴァレリオは各休憩地点に設けた「狼煙」で届く前に呼び出しがある事を知っていただけである。
「王都に行くならベルタばあさんも連れてく??」
「あら?ベルタもなら、わたくしも行くんですの?」
「いや、呼び出されているの俺だけ。だけどさぁ王都なんて滅多に行かないからこの前行った時も城で会わなかったら探し回る所だったんだぜ?王都公園にある屋台でクレップっていう菓子が美味いらしいぞ」
ステファニアはジト目になった。
明らかにヴァレリオは観光目的に近い感覚でしかない。
ベルタもどうだと言ったのは、先日領民の奥様方からステファニアとベルタにドレスでも買ってやれと散々に囲まれて説教をされたからである。
ちなみにステファニアの装いについて突き上げを食らったのはヴァレリオだが、ベルタについてはバルトロである。年齢の近いバルトロとベルタだがベルタの方が3歳年上だ。
本人同士は否定をしているが、何かと世話焼きなベルタはどこか抜けているバルトロが気になって仕方がない。襟が折れていなかったり、ボタンが取れそうになっているのに問題ないと言うバルトロをいつも叱っている。
先日、引っ掛けてお気に入りのベストを破ってしまい、カケツギをしてくれたベルタにお礼でお茶を振舞ったところを奥様方に見られてしまっていた。
「ヴァリ。観光ではないでしょうからわたくしは行きません」
「観光なら行くのか。じゃ、観光にしよう」
「それを決めるのは陛下、いえ陛下の代理でしょう?それにもうすぐ初雪が降ると言いますし、雪道が不慣れなわたくしは足手まといですわ」
「判った。じゃぁ土産は温泉饅頭でも買ってくるよ」
「温泉?道中にありますの?」
「遠回りして西端の領地を通ればある」
「では要りません。木彫りのスプーンでいいですわ」
「クマじゃなく?」
「木彫りの熊はバルトロ様のお部屋に50体以上御座いますもの。壮観ですわよ?」
「俺はアレに囲まれて寝る事が出来るジジィを尊敬してる」
屋敷から王都までヴァレリオだけなら3週間で到着するだろう。しかし西端の領地まではどんなに早くても2カ月かかる。距離にして370キイロだ。西端の領地から王都までは800キイロを超える。
何が嬉しくて直通で王都に行けるのに「へ」の字のように遠回りをせねばならないのか。
土産を買うためと言っても限度と言うものがある。
なにより、そんなルートで行けば季節は間もなく冬なのに春の終わりに帰宅になる。
ステファニアは、そんな行程を取ろうとした無謀さを尊敬したくなった。
「でもなぁ…」
「どうしましたの?」
「ジジィが言うには、国がひっくり返るかも知れねぇって」
「え?国が?では地中で生活しますの?」
辺境に来てからステファニアが知るそれまでの常識が覆りっ放しだったのでかなり本気で問うたのだが、ヴァレリオの遠い目を見てステファニアは間違いを知る。
――あ、これは文面通りでいいのね――
「カエロウカ」
ステファニアでも間違うんだと知ったヴァレリオは棒読みで帰宅を促した。
ヴァレリオにとってステファニアは本が読める達人だったのだ。本が表紙も読めないヴァレリオにとってステファニアの「いつもとは逆」の混乱は新鮮だった。
「では、帰りましょう。今日の夕食はインゲンのスープだそうですわ」
「インゲンかぁ…俺苦手なんだよなぁ」
「好き嫌いは大きくなれませんよ」
「・・・・」
黙ったヴァレリオ。25歳。
成長期はもう終わっているが、これ以上大きくなるのだろうか。
数歩前に歩いたステファニアにヴァレリオは「待ってくれ」とばかりに手を伸ばした。
バゴッ!! 「ファグァッ!!」
ステファニアの裏拳がヴァレリオの顔面にヒットした。
「痛ってぇぇぇ」
「だって鍛錬はまだ終わってませんもの。肩を掴まれるのは不合格でしょう?」
「そうだけど!そうだけどぉぉ!!」
屋敷に戻った2人。
王城から届いた書状をヴァレリオは暖炉に放り込んだ。
――流石にそれは不味いだろう!@使用人一同――
使用人の誰もが目を丸くして驚いた。
勿論ステファニアも驚いてヴァレリオを叱った。
――言ってやってください!ステファニアさん!@使用人一同――
「そんな事をしてっ!」
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「まだ裏紙が使えたでしょう!」
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