元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru

文字の大きさ
13 / 56

侯爵令嬢とオカルト

しおりを挟む
「仕方ありません。最後のオカルトに頼りましょう!」

エレインは紙とペンでサラサラと文字を書いていく。
ポケットからコインを出すと、店員さんと一緒にコインに指を置く。

「●ックリさん、●ックリさん。教えてくださいませ!」

おぉ!これはオカルト中のオカルトである●ックリさんではないですか!
1文字目は【ぱ】に移動します。しかし2文字目‥‥動きません。

「おかしいですわね?」
「そ、そうですね…アハハ‥」
「人数を増やしたほうがいいのかしら?」
「で、でも今度は3方向に引っ張られる‥‥かなぁ…なんて。アハハ」

頼みの綱だった●ックリさんでも判らないとは流石メッシュ公爵家だけありますわね。
仕方ありません。もう一つの切り札を出すしかありませんわ。

エレインは食事代を払い、馬の手綱を腕にかけると歩き出します。
何故のらないかというと、両手が塞がっているのです。
えぇ、エレイン。ダウジングをしております。
なので、馬に乗ってしまうと片手しか使えないので、ダウジング出来ないのです。

しかし、ギュっと握っているので全然動きません。
一方方向を向いているだけの状態ですが、エレインは信じて歩いております。
いえ、間違いです。まだ三叉路に来ていませんのでハッキリ言って今の状態のダウジングに意味は全くありません。
一本道なのですから。

三叉路についたエレイン。それそれの方向に向けてみますが、先程の通りギュっと握っていますのでピクリともするはずがありません。

「おかしいわ。どの方向を向けても反応がないわ」

えぇ。当たり前です。

三叉路のどの道を通ってもそこから先は1本道。馬を思いっきり走らせても迷う事はないのですが、ここで間違えば間違いに気が付くまでに2日。ここに戻るまでもう2日。正解なら更に2日かかると言う事です。
間違ってしまえばもう4日余分にかかります。

なんとか名前を思い出そうとしますが、もう面倒になったので止めます。
店員さんがメッシュさん兄弟、メッシュ♪と団子の兄弟でもないのに名前を言った際になんとなく思ったパトリック、つまり右側に賭けてみようと思います。

「間違っていても、急げば4日を3日には出来るかも知れないわ!」

グダグダ迷っても仕方ありません。33%を外せは、次を引き当てる確率は50%になります。
そこでも間違えば次は100%の正解率なのですから。

ポジティブの塊でもあるエレインは馬に跨るとパッカパッカからタッタッタッタ・・そしてドドドっと馬を走らせます。
幾つもの商隊を追い越し、次に追いつきまた追い越ししていると立派な馬車が隊列を組んで走っています。
その横を猛スピードで馬に鞭を入れて駆け抜けていきます。

「おい!今のは女性じゃなかったか?」

馬車の中からパトリックが御者に聞きますが、馬車にはバックミラーがないので追い越された背中しか見えません。
立ち上がる土煙で騎乗しているのが女性なのか以前に、体格のいい騎士なのかどうかすら判りませんし、なにより御者の年齢53歳。老眼で見えないのです。
慌てて、眼鏡をかけようとしますが、手にしたのは●ヅキルーペ。オッと違うと思い椅子に置きますが揺れる馬車なので尻の下に動いてしまいます。

「きゃっ」

慌てて腰を浮かしますが、53歳のオッサンの口からでた乙女な言葉に驚いた両隣の御者も揺れも手伝って腰が浮きます。

「きゃっ」
「きゃっ」

何かが違うパトリックの馬車。眼鏡をかけた時には時すでに遅し。もう砂煙もおさまりつつありました。
御者も定年まであと2年。近くの文字なら見えるんですけど、パトリック残念!!
しおりを挟む
感想 252

あなたにおすすめの小説

私も貴方を愛さない〜今更愛していたと言われても困ります

せいめ
恋愛
『小説年間アクセスランキング2023』で10位をいただきました。  読んでくださった方々に心から感謝しております。ありがとうございました。 「私は君を愛することはないだろう。  しかし、この結婚は王命だ。不本意だが、君とは白い結婚にはできない。貴族の義務として今宵は君を抱く。  これを終えたら君は領地で好きに生活すればいい」  結婚初夜、旦那様は私に冷たく言い放つ。  この人は何を言っているのかしら?  そんなことは言われなくても分かっている。  私は誰かを愛することも、愛されることも許されないのだから。  私も貴方を愛さない……  侯爵令嬢だった私は、ある日、記憶喪失になっていた。  そんな私に冷たい家族。その中で唯一優しくしてくれる義理の妹。  記憶喪失の自分に何があったのかよく分からないまま私は王命で婚約者を決められ、強引に結婚させられることになってしまった。  この結婚に何の希望も持ってはいけないことは知っている。  それに、婚約期間から冷たかった旦那様に私は何の期待もしていない。  そんな私は初夜を迎えることになる。  その初夜の後、私の運命が大きく動き出すことも知らずに……    よくある記憶喪失の話です。  誤字脱字、申し訳ありません。  ご都合主義です。  

侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています

猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。 しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。 本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。 盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。

白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』

鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」 華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。 王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。 そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。 レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。 「お願いだ……戻ってきてくれ……」 王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。 「もう遅いわ」 愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。 裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。 これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。

婚約者の私を見捨てたあなた、もう二度と関わらないので安心して下さい

神崎 ルナ
恋愛
第三王女ロクサーヌには婚約者がいた。騎士団でも有望株のナイシス・ガラット侯爵令息。その美貌もあって人気がある彼との婚約が決められたのは幼いとき。彼には他に優先する幼なじみがいたが、政略結婚だからある程度は仕方ない、と思っていた。だが、王宮が魔導師に襲われ、魔術により天井の一部がロクサーヌへ落ちてきたとき、彼が真っ先に助けに行ったのは幼馴染だという女性だった。その後もロクサーヌのことは見えていないのか、完全にスルーして彼女を抱きかかえて去って行くナイシス。  嘘でしょう。  その後ロクサーヌは一月、目が覚めなかった。  そして目覚めたとき、おとなしやかと言われていたロクサーヌの姿はどこにもなかった。 「ガラット侯爵令息とは婚約破棄? 当然でしょう。それとね私、力が欲しいの」  もう誰かが護ってくれるなんて思わない。  ロクサーヌは力をつけてひとりで生きていこうと誓った。  だがそこへクスコ辺境伯がロクサーヌへ求婚する。 「ぜひ辺境へ来て欲しい」  ※時代考証がゆるゆるですm(__)m ご注意くださいm(__)m  総合・恋愛ランキング1位(2025.8.4)hotランキング1位(2025.8.5)になりましたΣ(・ω・ノ)ノ  ありがとうございます<(_ _)>

〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?

藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。 目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。 前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。 前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない! そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵令息から溺愛されています。

木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。 因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。 そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。 彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。 晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。 それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。 幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。 二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。 カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。 こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。

王太子妃は離婚したい

凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。 だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。 ※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。 綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。 これまで応援いただき、本当にありがとうございました。 レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。 https://www.regina-books.com/extra/login

「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう

天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。 侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。 その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。 ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。

処理中です...