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第09話 結婚相手は冷酷と言われる男
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「フンフフーンフンフフー♪」
「お嬢様、楽しそうですね」
「そりゃぁもう。アンヌにこのお仕着せを貸して貰ったおかげよ」
シャルロットとして目覚めて5カ月目。
もう大丈夫だというのに「お願いだから治療に専念して」と瘡蓋が取れるまで過保護すぎた母親のベランジェール。
言葉に従わないと泣きだしてしまうので「面倒だな」と思いつつ大人しく過ごした2か月。
母親として心配してくれてるんだなーっと思ったら、要約すると「傷が残れば商品価値はない」みたいな事を言いやがる・・・いや、言われたので「この時代の価値観!この時代の価値観!」と怒りを飲み込んだ事だった。
あれから何度か話はしたけれど、父親のクロードが私を何処かに嫁がせようと躍起になっている。こちらも価値観の違い、いや子供に対する概念が違うので仕方のない事だ。
父親のクロードには「結婚をするまで」と時間の制約はついたがシャルロットとしてやっと自由に動く事が出来るようになった。
当主の言葉は凄い。「自由にしなさい。但し無茶はしない事」その一言で自由の範囲が広がったのだ。
自由にと言っても買い物は即で諦めた。
行ってもいいのだ。良いんだけれど、どこのVIPですか!並に前も横も後ろも護衛に囲まれたら楽しめるはずがないので諦めた。
先ずは屋敷の中でランドリーメイドやクリーンメイドの仕事を手伝わさせてもらおうと思ったがこれも断られた。
元の世界でも外国と日本は仕事に対しての意識が違うので、フットボールなどの会場でゴミ拾いをして帰る日本サポーターに賞賛の声はあるが、逆に「清掃員の仕事を奪っている」という声もある。
片方の意見に「賛成!」ってのは結構だが双方の意見は間違ってはいない。
清掃員の仕事が重くならない範囲で手伝えば良いだけ。つまりは「自分のごみは自分で持ち帰る」事で清掃員は仕事を失う訳じゃなく、集めるゴミが少なくなる。そういう落としどころをつければいいだけだ。
洗濯や掃除はどうしても手があれてしまう。
残念なことに「アベルジェ公爵家の駒」として嫁ぐシャルロットには傷をつけてはいけないと過剰に反応しているのがメイドたち。
それも仕方ない。爪が割れたり、手にマメが出来てしまえばそれだけで解雇の理由になるのだから。
仕方なく広い庭に出てみればこれが意外に面白かった。
一般的な令嬢のようにウフフ、オホホとお散歩をするのではない。
このアベルジェ公爵家で唯一当主であり、公爵でもあるクロードにガツンと言える鉄の心臓を持った男、庭師のマシューに弟子入りをさせてもらい、庭仕事の真似事をさせてもらっているのである。
「マシューさん!今日も来ちゃいました」
「お、今日はお仕着せか。まぁいいだろう」
「何をお手伝いすればいいですか?」
「今日はサクランボの花が咲いたから受粉だな」
「どれを受粉させますか?」
お仕着せを着て、頬かむりをし、庭師と一緒に受粉をしていると地味な作業だが時間を立つのを忘れて没頭してしまう。
公爵家の庭には目で見て楽しむ草花もあるが、果樹園ほどでないにしても家族が数日分の朝食用にとジャムにするには十分な量が取れる木があるし、野菜も植えている。
「こら、さっきこっちに花粉つけただろう?」
「はい。つけました」
「この花に付けちゃダメだ」
「どうしてです?サクランボなるんじゃないですか?」
「手にしてる花粉をつけるのは向こうの木だ。この木じゃない」
サクランボは難しい。同じ品種の木だと実にならない事があるので、わざわざ違う品種の花粉を受粉させるのである。その為アベルジェ公爵家のサクランボの木は相性の良し悪しもあるので、7種類、30本を植えているのだ。
品種ごとにプレートを置いているので、同じプレートだしとパフパフ受粉をさせていたら違ったようだ。
でもマシューさんは受粉しやすいように高い位置にある枝を下ろしてくれる。
頑固なお爺ちゃん庭師だけど優しいのだ。
「嬢は今日、見合いなんじゃなかったのかぃ?」
「お断りしたの。だって…年齢は14歳だって言うし」
「年下は嫌いかい?」
「嫌いって言うか…」
――結婚する対象に思えないだけ。14歳よ?14歳!犯罪だわ――
その前は「7歳の男の子」だったのでこちらも丁寧にお断りをした。
この世界ではなんの不思議もない年齢差。公爵家は4つあるそうだが先日そのうちの1家で婚約が調った。男性57歳、女性は12歳。関係を持たずに過ごす期間は契約で5年。
――還暦過ぎるんだけど…いいの?――
ついつい余計なお節介じみた事を考えてしまう。
「この世界では当たり前」呪文のように呟いて自分に言い聞かせたけれど、犯罪臭しかしない気がするのがこの時代の貴族の結婚だった。
そして、遂にシャルロットにも逃げられない見合い話が舞い込んだ。
受粉作業でクシャミが止まらないシャルロットにクロードの専属執事が声を掛けた。
「お嬢様、旦那様よりお話が御座います」
「話・・・は、は、は、ハクション!!」
鼻の奥がムズムズするけれど、井戸の水を汲んでもらい令嬢らしからぬ豪快さで「鼻うがい」を敢行したシャルロットはクロードの部屋に向かった。
「結婚相手が決まったぞ。驚くなよ?向こうから是非にとシャルを希望してきたんだ!」
喜ぶクロードだがシャルロットは今一つ喜べない。
この国には公爵家が4つある。
アベルジェ公爵家、バザン公爵家、ブロンダン公爵家、そしてシャルロットの見合い相手であり、この良縁を蹴る筈もないので嫁ぎ先となるボードリエ公爵家。
見合い相手でゆくゆくは夫となるのはボードリエ公爵家の嫡男テオドールである。
「多分知ってる人だわ・・・会った事ないけど会ってる」
「何を言ってるんだ?そうか!嬉しさでシャルも困惑するよなっ!」
――そういう事ではないのよ――
会った事はないが会った事がある。
神様が取ってつけてくれた過去で会った事がある事になっているボードリエ公爵家のテオドールはシャルロットの中に「良い感情」はない。
常に表情を変えることもなく、冷静沈着で王太子殿下の側近中の側近。
あの第2王子が「好きな子と結婚したい」と言い出した時に「王族のなんたるか」を引き合いに説教をしたのだが、結局第2王子の希望を聞き入れた国王夫妻に発言の撤回と謝罪を求められたと聞く。
これも何とも理不尽な話だ。
ボードリエ公爵夫人は現国王の実姉。その謝罪の一件があり、王太子殿下の側近を辞したテオドール、そしてボードリエ公爵家と王家の間には亀裂が入った。
――うわぁ…これまた面倒な相手に決まっちゃったのね――
ifの世界でモブが絡むとこうなってしまう。
シャルロットは全力で回避しようと心に決めた。
「お嬢様、楽しそうですね」
「そりゃぁもう。アンヌにこのお仕着せを貸して貰ったおかげよ」
シャルロットとして目覚めて5カ月目。
もう大丈夫だというのに「お願いだから治療に専念して」と瘡蓋が取れるまで過保護すぎた母親のベランジェール。
言葉に従わないと泣きだしてしまうので「面倒だな」と思いつつ大人しく過ごした2か月。
母親として心配してくれてるんだなーっと思ったら、要約すると「傷が残れば商品価値はない」みたいな事を言いやがる・・・いや、言われたので「この時代の価値観!この時代の価値観!」と怒りを飲み込んだ事だった。
あれから何度か話はしたけれど、父親のクロードが私を何処かに嫁がせようと躍起になっている。こちらも価値観の違い、いや子供に対する概念が違うので仕方のない事だ。
父親のクロードには「結婚をするまで」と時間の制約はついたがシャルロットとしてやっと自由に動く事が出来るようになった。
当主の言葉は凄い。「自由にしなさい。但し無茶はしない事」その一言で自由の範囲が広がったのだ。
自由にと言っても買い物は即で諦めた。
行ってもいいのだ。良いんだけれど、どこのVIPですか!並に前も横も後ろも護衛に囲まれたら楽しめるはずがないので諦めた。
先ずは屋敷の中でランドリーメイドやクリーンメイドの仕事を手伝わさせてもらおうと思ったがこれも断られた。
元の世界でも外国と日本は仕事に対しての意識が違うので、フットボールなどの会場でゴミ拾いをして帰る日本サポーターに賞賛の声はあるが、逆に「清掃員の仕事を奪っている」という声もある。
片方の意見に「賛成!」ってのは結構だが双方の意見は間違ってはいない。
清掃員の仕事が重くならない範囲で手伝えば良いだけ。つまりは「自分のごみは自分で持ち帰る」事で清掃員は仕事を失う訳じゃなく、集めるゴミが少なくなる。そういう落としどころをつければいいだけだ。
洗濯や掃除はどうしても手があれてしまう。
残念なことに「アベルジェ公爵家の駒」として嫁ぐシャルロットには傷をつけてはいけないと過剰に反応しているのがメイドたち。
それも仕方ない。爪が割れたり、手にマメが出来てしまえばそれだけで解雇の理由になるのだから。
仕方なく広い庭に出てみればこれが意外に面白かった。
一般的な令嬢のようにウフフ、オホホとお散歩をするのではない。
このアベルジェ公爵家で唯一当主であり、公爵でもあるクロードにガツンと言える鉄の心臓を持った男、庭師のマシューに弟子入りをさせてもらい、庭仕事の真似事をさせてもらっているのである。
「マシューさん!今日も来ちゃいました」
「お、今日はお仕着せか。まぁいいだろう」
「何をお手伝いすればいいですか?」
「今日はサクランボの花が咲いたから受粉だな」
「どれを受粉させますか?」
お仕着せを着て、頬かむりをし、庭師と一緒に受粉をしていると地味な作業だが時間を立つのを忘れて没頭してしまう。
公爵家の庭には目で見て楽しむ草花もあるが、果樹園ほどでないにしても家族が数日分の朝食用にとジャムにするには十分な量が取れる木があるし、野菜も植えている。
「こら、さっきこっちに花粉つけただろう?」
「はい。つけました」
「この花に付けちゃダメだ」
「どうしてです?サクランボなるんじゃないですか?」
「手にしてる花粉をつけるのは向こうの木だ。この木じゃない」
サクランボは難しい。同じ品種の木だと実にならない事があるので、わざわざ違う品種の花粉を受粉させるのである。その為アベルジェ公爵家のサクランボの木は相性の良し悪しもあるので、7種類、30本を植えているのだ。
品種ごとにプレートを置いているので、同じプレートだしとパフパフ受粉をさせていたら違ったようだ。
でもマシューさんは受粉しやすいように高い位置にある枝を下ろしてくれる。
頑固なお爺ちゃん庭師だけど優しいのだ。
「嬢は今日、見合いなんじゃなかったのかぃ?」
「お断りしたの。だって…年齢は14歳だって言うし」
「年下は嫌いかい?」
「嫌いって言うか…」
――結婚する対象に思えないだけ。14歳よ?14歳!犯罪だわ――
その前は「7歳の男の子」だったのでこちらも丁寧にお断りをした。
この世界ではなんの不思議もない年齢差。公爵家は4つあるそうだが先日そのうちの1家で婚約が調った。男性57歳、女性は12歳。関係を持たずに過ごす期間は契約で5年。
――還暦過ぎるんだけど…いいの?――
ついつい余計なお節介じみた事を考えてしまう。
「この世界では当たり前」呪文のように呟いて自分に言い聞かせたけれど、犯罪臭しかしない気がするのがこの時代の貴族の結婚だった。
そして、遂にシャルロットにも逃げられない見合い話が舞い込んだ。
受粉作業でクシャミが止まらないシャルロットにクロードの専属執事が声を掛けた。
「お嬢様、旦那様よりお話が御座います」
「話・・・は、は、は、ハクション!!」
鼻の奥がムズムズするけれど、井戸の水を汲んでもらい令嬢らしからぬ豪快さで「鼻うがい」を敢行したシャルロットはクロードの部屋に向かった。
「結婚相手が決まったぞ。驚くなよ?向こうから是非にとシャルを希望してきたんだ!」
喜ぶクロードだがシャルロットは今一つ喜べない。
この国には公爵家が4つある。
アベルジェ公爵家、バザン公爵家、ブロンダン公爵家、そしてシャルロットの見合い相手であり、この良縁を蹴る筈もないので嫁ぎ先となるボードリエ公爵家。
見合い相手でゆくゆくは夫となるのはボードリエ公爵家の嫡男テオドールである。
「多分知ってる人だわ・・・会った事ないけど会ってる」
「何を言ってるんだ?そうか!嬉しさでシャルも困惑するよなっ!」
――そういう事ではないのよ――
会った事はないが会った事がある。
神様が取ってつけてくれた過去で会った事がある事になっているボードリエ公爵家のテオドールはシャルロットの中に「良い感情」はない。
常に表情を変えることもなく、冷静沈着で王太子殿下の側近中の側近。
あの第2王子が「好きな子と結婚したい」と言い出した時に「王族のなんたるか」を引き合いに説教をしたのだが、結局第2王子の希望を聞き入れた国王夫妻に発言の撤回と謝罪を求められたと聞く。
これも何とも理不尽な話だ。
ボードリエ公爵夫人は現国王の実姉。その謝罪の一件があり、王太子殿下の側近を辞したテオドール、そしてボードリエ公爵家と王家の間には亀裂が入った。
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