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VOL:20 浮いたテーブル
いい加減に高い鼻梁を持っているのに天狗かピィノキオのように鼻だけが高くなったローレンスに見送られて魔導士は王都に向けての分かれ道にやってきた。
たすき掛けのカバンの中には領地にある小さな教会が発行した「結婚証明書」が入っている。正直、気が重い。王太子フェリペは「目覚めた」事には喜ぶだろうが‥‥。そっとカバンに手を当てる。
「しっかり届けてくれよ!」とローレンスに肩を叩かれる。
「はぁぁ~」
魔導士は溜息を残して小雨の降る峠を越えていった。
シンシアの体力はかなり低い方の限界点に近い。
本来はここまで体力がなかったわけではない。部屋履きのようなペタンコ靴なら速足のような速さでは歩けたし、貴族令嬢の着用するドレスや頭につける髪飾り。シンシアは質素な方だったがそれでも10kg近い装備を身に着けてダンスを踊ったりも出来た。
ずっと使わないままの筋肉は衰える。骨折をした時と同じで、頭の中では「普通の自分」のイメージがあるが、そのまま歩いたり、重いものを持つと力の入れ加減が狂ってしまっているので転んだり、物を持ち上げられない、落としてしまう事になる。
3カ月も寝たきりだったシンシアは、目が覚めた時に起き上がろうとしたが体が動かなかった。ズリズリと少しづつ背をベッドボードに当てて、ちょっと上がれば息も上がる。また力を貯めて少しだけずりあがる。
やっと背をもたれさせて上半身を起こす事が出来た。
「ここが話していた部屋」と、ローレンスの声はずっと聞こえていたので見える範囲の部屋を眺めていた。
食事代わりの魔力は単に食事だけではない。体の中をゆっくり魔力が回っていく。
意識そのものが途切れたのはウィンストンに魔力を戻し始めて2日目の時だけ。あとは起きているのか寝ているのかも判らず、ずっと寝ているようでもあり、起きているそんな感覚だった。
病室に来たフェリペの言葉も覚えているし、顔は見えなくても特別隊の面々に掛けられた言葉も覚えている。領地に来るまでローレンスがずっと楽しい話をしてくれていたのも、馬車の扉から入って来る風の香りが「木々」の香りになり、特別隊の面々が楽し気に話していたヤッスゥの実のくだりも覚えている。
魔導士を見送ったローレンスは軽い足取りで部屋まで戻ってきた。
「さっき、教会に行って届けを出してきた。証明書も殿下に届けてもらうように頼んだ」
「ありがとうございます」
「だけど良いのか?俺は36で君は22だ。正直な所、冗談で言ってしまった俺が悪いんだが、好きでも何でもない男と結婚なんて気持ち悪いだろう」
「いいえ、貴族の娘と生まれれば結婚に恋愛感情がないのは当たり前ですから」
「そんなものなんだな。俺の生まれた国はまぁ阿婆擦れや破落戸なら親や周りに反対されるだろうが、基本は好き合った者同士が結婚してたから、感覚が判らないな」
「そんな国もあるんですね。そうであったら…やはり私は邪魔者だったんでしょう」
「邪魔者なんて・・・」
ローレンスはシンシアが本音でどう思ったかは判らないがフェリペから元婚約者のウィンストンと家で唯一仲が良かった妹のレティシアに所謂「寝取られた」わけで、シンシアと同じ立場だったらローレンスはキレてウィンストンの治癒には賛同しないだろうと考えた。
「元婚約者の事、そんなに好きだったのか?恋愛感情はないと言っても命を落とすかも知れない治癒だっただろう?」
「ふふっ…全然。好きとかそういう感情ではなく、彼の家の経営は非常に危険域でしたので、騎士を続けるなら隊長に、続けないのならさっさとやめて経営に専念してくれないか。そう思ってました。殿下の護衛もしていましたから茶会や夜会は護衛として参加で、社交などまるで出来ていない状態なので他家よりハンデが大きいんです。ご両親も現状維持に精一杯で現状打破を考える余裕がない。結婚しても問題山積だと思ってました」
「面倒だなぁ。それでも結婚は止められないなんてな」
「結婚を決めるのは当主です。当事者であっても意見など誰も聞いてはくれません」
聞いても良いのか迷ったが、ローレンスは「聞く」事にした。
誰にも言えない「闇」を感じさせる思いは吐き出させておいた方が良い。シンシアはそうではないかも知れないが、その「闇」を知られまいと誤魔化しや嘘を吐けば、それがまた新たな心の負担になる。
将校まで成り上がった途中経過には褒賞が欲しいばかりに人としてあるまじき行為を行った者もいる。だが悪事は何時かは露呈する。片鱗が見えてきた時に隠そうとして自滅したり、罪の意識に苛まれ自我崩壊を起こす者もいた。
戦場と言う特殊な場なので、同じではないだろうが似ている点もあるはず。
膿は全部出し切った方が治りも早い。
「それでも君は命を懸けただろう?」
「いいえ?」
おやぁ?違ったのか?ローレンスは首を傾げた。
「じゃぁ、どうして。やはりフェリペの圧力?」
「後押しする要因の1つにはなりました。だって…(くすくす)王太子殿下に面と向かって反論したって首が落とされるだけです。それが為政者の権力ですから。なんだか…どうでも良くなったんです。だから…逃げたんです。考える事からも生きる事からも。死んでもいいやって思ったんです」
ローレンスはそっとシンシアの手を覆うようにして握った。
痩せてしまった手。元々も細かったのだろうが重さも感じない軽い手。
「ローレンスさんは…温かかった」
握った手がキュっと指先を丸めた。その動きはローレンスにも手のひらを介して脳内に伝わる。
「頑張ったなぁって言いながら何度も撫でてくれたでしょう?すごく温かかったの。治癒は凄く痛くて体の中から焼かれて切り刻まれているようで…どうして痛みを感じるんだろう、ここで死んだらもう感じなくていいのにとずっと思ってたんです。結局生きてて…でも誰も痛みに耐えた私に何も言ってくれなかった。褒めて欲しくてやったわけじゃないけど、ローレンスさんに頑張ったなって言って貰えて、わたくし、褒められたかったんだなって」
「そうか。俺は何でも思った事を口にする。だから嫌だなって思う事も平気で言ってしまうんだ。でも…頑張ったな。きっと誰も耐えられないような痛みをこんな細い体でよく・・・生きててくれてありがとう」
「はい…はいっ…」
「大事にするからな。俺はシンシアをそれはもう大事に、大事に…そうだなぁ。ずっとそばに置いて世話をしようかな」
「大事にしなくていいですよ」
「アホ抜かせ。妻を大事にしない夫なんてゴミ以下だ。俺はゴミとクズにはなりたくない。俺の為に大事にされてくれ」
シンシアを抱きしめると、胸にシンシアの涙がしみ込んでくる。
ローレンスは「よしよし、俺だけの特権だからな、泣く場所も覚えといてくれよ?」そう言いながら優しく髪を撫でた。
その日からシンシアの特訓が始まった。
「さて、ではゆっくりとトレーニングをするか」
「トレーニングとはなんでしょう?」
「マッサージ、手足を撫でてたのは覚えているだろう?あれがマッサージだ。で…足を…」
掛布を取って、寝間着の裾を膝上まで捲り上げると「だめっ!」っと恥じらうシンシアに「ちゃうから!」と昨夜行なった膝を立てて、伸ばしてと言う運動を手を添えて行わせる。
「足の指をクっと自分で丸めてみろ、実際が動いてなくてもいい。太ももから脹脛、足の甲から指へと頭の中で足の指に糸をつけてるイメージで、クッと丸めたり、ギュっと指を広げたり、指を手前に引いてみたり動かしてみるんだ。足が終われば手だ。同じように指先を動かすイメージを持て」
初日は当然動くはずもない。だがローレンスに「頑張ったな。足も手もぽかぽかするだろう?」そう言われたシンシアは手足だけでなく体全体がポカポカとしてじんわり汗すら掻いているのを感じた。
焦らなくていいと言うローレンスにシンシアは「早くローレンスさんと大きな木を見に行きたいから」と毎日、ローレンスが仕事に言っている時もイメージから始めるトレーニングを怠らなかった。
領地に来て寝台から床に足の裏をつけたのは2カ月後。まだローレンスの介助なしに1人で自分の体重すら支える事は出来なかったが1カ月で介助無しに部屋を歩けるようになり、その翌月には階段を1人で登れるようになった。
シンシアもその頃にはローレンスに対して持っていた「遠慮」も徐々に無くなった。
シンシアにとって結婚をすると言うことは閨も共にすると学んで来た。
だが、ローレンスは「抑制が効かなくなる」と拒んだ。
階段を1人で上り下り出来るようになる事を条件に出し、シンシアがクリアした日から一緒の寝台で眠るようになった。
ただ隣に並んで眠るだけだがローレンスには生殺しの時間。
勿論キスすらまだ交わしていない。
夕食後のひと時。食後のお茶を飲む2人。
「明日は大きな木まで行ってみるか?」
「連れて行ってくれるの?」
「行きだけは歩けよ?達成感がまるで違うからな。帰りは背負ってやるから」
「帰りだって歩くわよ?」
「じゃ、歩いて帰って来れたら‥‥キスでもするか?」
ローレンスにしてみれば9割本気で1割冗談。受け流された時の為に1割の冗談を交えたのだが、何事も世の女性は上手だった。
「抑制解除でもいいんだけど」
ガタン!!
ローレンスの両手はマグカップを持っているのに何故かテーブルの片方が浮いた。
たすき掛けのカバンの中には領地にある小さな教会が発行した「結婚証明書」が入っている。正直、気が重い。王太子フェリペは「目覚めた」事には喜ぶだろうが‥‥。そっとカバンに手を当てる。
「しっかり届けてくれよ!」とローレンスに肩を叩かれる。
「はぁぁ~」
魔導士は溜息を残して小雨の降る峠を越えていった。
シンシアの体力はかなり低い方の限界点に近い。
本来はここまで体力がなかったわけではない。部屋履きのようなペタンコ靴なら速足のような速さでは歩けたし、貴族令嬢の着用するドレスや頭につける髪飾り。シンシアは質素な方だったがそれでも10kg近い装備を身に着けてダンスを踊ったりも出来た。
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3カ月も寝たきりだったシンシアは、目が覚めた時に起き上がろうとしたが体が動かなかった。ズリズリと少しづつ背をベッドボードに当てて、ちょっと上がれば息も上がる。また力を貯めて少しだけずりあがる。
やっと背をもたれさせて上半身を起こす事が出来た。
「ここが話していた部屋」と、ローレンスの声はずっと聞こえていたので見える範囲の部屋を眺めていた。
食事代わりの魔力は単に食事だけではない。体の中をゆっくり魔力が回っていく。
意識そのものが途切れたのはウィンストンに魔力を戻し始めて2日目の時だけ。あとは起きているのか寝ているのかも判らず、ずっと寝ているようでもあり、起きているそんな感覚だった。
病室に来たフェリペの言葉も覚えているし、顔は見えなくても特別隊の面々に掛けられた言葉も覚えている。領地に来るまでローレンスがずっと楽しい話をしてくれていたのも、馬車の扉から入って来る風の香りが「木々」の香りになり、特別隊の面々が楽し気に話していたヤッスゥの実のくだりも覚えている。
魔導士を見送ったローレンスは軽い足取りで部屋まで戻ってきた。
「さっき、教会に行って届けを出してきた。証明書も殿下に届けてもらうように頼んだ」
「ありがとうございます」
「だけど良いのか?俺は36で君は22だ。正直な所、冗談で言ってしまった俺が悪いんだが、好きでも何でもない男と結婚なんて気持ち悪いだろう」
「いいえ、貴族の娘と生まれれば結婚に恋愛感情がないのは当たり前ですから」
「そんなものなんだな。俺の生まれた国はまぁ阿婆擦れや破落戸なら親や周りに反対されるだろうが、基本は好き合った者同士が結婚してたから、感覚が判らないな」
「そんな国もあるんですね。そうであったら…やはり私は邪魔者だったんでしょう」
「邪魔者なんて・・・」
ローレンスはシンシアが本音でどう思ったかは判らないがフェリペから元婚約者のウィンストンと家で唯一仲が良かった妹のレティシアに所謂「寝取られた」わけで、シンシアと同じ立場だったらローレンスはキレてウィンストンの治癒には賛同しないだろうと考えた。
「元婚約者の事、そんなに好きだったのか?恋愛感情はないと言っても命を落とすかも知れない治癒だっただろう?」
「ふふっ…全然。好きとかそういう感情ではなく、彼の家の経営は非常に危険域でしたので、騎士を続けるなら隊長に、続けないのならさっさとやめて経営に専念してくれないか。そう思ってました。殿下の護衛もしていましたから茶会や夜会は護衛として参加で、社交などまるで出来ていない状態なので他家よりハンデが大きいんです。ご両親も現状維持に精一杯で現状打破を考える余裕がない。結婚しても問題山積だと思ってました」
「面倒だなぁ。それでも結婚は止められないなんてな」
「結婚を決めるのは当主です。当事者であっても意見など誰も聞いてはくれません」
聞いても良いのか迷ったが、ローレンスは「聞く」事にした。
誰にも言えない「闇」を感じさせる思いは吐き出させておいた方が良い。シンシアはそうではないかも知れないが、その「闇」を知られまいと誤魔化しや嘘を吐けば、それがまた新たな心の負担になる。
将校まで成り上がった途中経過には褒賞が欲しいばかりに人としてあるまじき行為を行った者もいる。だが悪事は何時かは露呈する。片鱗が見えてきた時に隠そうとして自滅したり、罪の意識に苛まれ自我崩壊を起こす者もいた。
戦場と言う特殊な場なので、同じではないだろうが似ている点もあるはず。
膿は全部出し切った方が治りも早い。
「それでも君は命を懸けただろう?」
「いいえ?」
おやぁ?違ったのか?ローレンスは首を傾げた。
「じゃぁ、どうして。やはりフェリペの圧力?」
「後押しする要因の1つにはなりました。だって…(くすくす)王太子殿下に面と向かって反論したって首が落とされるだけです。それが為政者の権力ですから。なんだか…どうでも良くなったんです。だから…逃げたんです。考える事からも生きる事からも。死んでもいいやって思ったんです」
ローレンスはそっとシンシアの手を覆うようにして握った。
痩せてしまった手。元々も細かったのだろうが重さも感じない軽い手。
「ローレンスさんは…温かかった」
握った手がキュっと指先を丸めた。その動きはローレンスにも手のひらを介して脳内に伝わる。
「頑張ったなぁって言いながら何度も撫でてくれたでしょう?すごく温かかったの。治癒は凄く痛くて体の中から焼かれて切り刻まれているようで…どうして痛みを感じるんだろう、ここで死んだらもう感じなくていいのにとずっと思ってたんです。結局生きてて…でも誰も痛みに耐えた私に何も言ってくれなかった。褒めて欲しくてやったわけじゃないけど、ローレンスさんに頑張ったなって言って貰えて、わたくし、褒められたかったんだなって」
「そうか。俺は何でも思った事を口にする。だから嫌だなって思う事も平気で言ってしまうんだ。でも…頑張ったな。きっと誰も耐えられないような痛みをこんな細い体でよく・・・生きててくれてありがとう」
「はい…はいっ…」
「大事にするからな。俺はシンシアをそれはもう大事に、大事に…そうだなぁ。ずっとそばに置いて世話をしようかな」
「大事にしなくていいですよ」
「アホ抜かせ。妻を大事にしない夫なんてゴミ以下だ。俺はゴミとクズにはなりたくない。俺の為に大事にされてくれ」
シンシアを抱きしめると、胸にシンシアの涙がしみ込んでくる。
ローレンスは「よしよし、俺だけの特権だからな、泣く場所も覚えといてくれよ?」そう言いながら優しく髪を撫でた。
その日からシンシアの特訓が始まった。
「さて、ではゆっくりとトレーニングをするか」
「トレーニングとはなんでしょう?」
「マッサージ、手足を撫でてたのは覚えているだろう?あれがマッサージだ。で…足を…」
掛布を取って、寝間着の裾を膝上まで捲り上げると「だめっ!」っと恥じらうシンシアに「ちゃうから!」と昨夜行なった膝を立てて、伸ばしてと言う運動を手を添えて行わせる。
「足の指をクっと自分で丸めてみろ、実際が動いてなくてもいい。太ももから脹脛、足の甲から指へと頭の中で足の指に糸をつけてるイメージで、クッと丸めたり、ギュっと指を広げたり、指を手前に引いてみたり動かしてみるんだ。足が終われば手だ。同じように指先を動かすイメージを持て」
初日は当然動くはずもない。だがローレンスに「頑張ったな。足も手もぽかぽかするだろう?」そう言われたシンシアは手足だけでなく体全体がポカポカとしてじんわり汗すら掻いているのを感じた。
焦らなくていいと言うローレンスにシンシアは「早くローレンスさんと大きな木を見に行きたいから」と毎日、ローレンスが仕事に言っている時もイメージから始めるトレーニングを怠らなかった。
領地に来て寝台から床に足の裏をつけたのは2カ月後。まだローレンスの介助なしに1人で自分の体重すら支える事は出来なかったが1カ月で介助無しに部屋を歩けるようになり、その翌月には階段を1人で登れるようになった。
シンシアもその頃にはローレンスに対して持っていた「遠慮」も徐々に無くなった。
シンシアにとって結婚をすると言うことは閨も共にすると学んで来た。
だが、ローレンスは「抑制が効かなくなる」と拒んだ。
階段を1人で上り下り出来るようになる事を条件に出し、シンシアがクリアした日から一緒の寝台で眠るようになった。
ただ隣に並んで眠るだけだがローレンスには生殺しの時間。
勿論キスすらまだ交わしていない。
夕食後のひと時。食後のお茶を飲む2人。
「明日は大きな木まで行ってみるか?」
「連れて行ってくれるの?」
「行きだけは歩けよ?達成感がまるで違うからな。帰りは背負ってやるから」
「帰りだって歩くわよ?」
「じゃ、歩いて帰って来れたら‥‥キスでもするか?」
ローレンスにしてみれば9割本気で1割冗談。受け流された時の為に1割の冗談を交えたのだが、何事も世の女性は上手だった。
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