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32:覗き穴の向こう
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そんな折、トルデリーゼは国王に呼び出された。
ジュリアスがトルデリーゼを妻に迎えたいと可愛いお願いをされたと言うものだった。
トルデリーゼにしてみれば、姉の子供たちが「パパのお嫁さんになる」「ママと結婚する」という可愛い仕草とさほど変わらないものだと言う認識だったが、隣にいたアルフォンスは違った。
険しい顔をして「まさか聞き入れたのではないな?」と両陛下に念を押したのだ。
「子供の言う事だ。そんなに真に受けるものでもあるまい」
「父上、それが普通の子ならそれでもいいでしょうが、ジュリアスですよ!」
「何をイキり立っているのだ。まだ8歳の弟だぞ?」
「年齢は関係ありません。今すぐに撤回を」
アルフォンスの勢いに押されながらも母である王妃はそれを笑い飛ばした。
「お前がトルデリーゼさんを口説き落としていればジュリアスも諦めはつけただろうにの?ねぇ、トルデリーゼさん?貴女もそう思わない?」
「いえ、わたくしは殿下の友人ですので。ご心配になるような関係では御座いません。ですが滞在中はジュリアス殿下の学びは陰ながら支えたいと思っております」
「あら?いいの?アルフォンス。王子教育が終わる頃でも今のアルフォンスより若い年齢。十分にジュリアスにも可能性はあるという事ね。楽しみにしておくわ」
「王妃殿下、それだけの時間があればジュリアス殿下も同じ年齢のご令嬢とも触れ合う機会は増えますし、可能性としてでもわたくしを含めないようお願いいたします」
「いいのよ?男ばかりの3人。誰も浮いた話もないんだもの」
にこやかな国王夫妻とは真逆に隣のアルフォンスの歯ぎしりをトルデリーゼは聞き逃さなかった。
「トルデリーゼ嬢。貴女の住まいは私の宮に」
「何故です?」
「ジュリアスとて男。心配なのです。それに貴女は私の客人だ。私の宮で全ての面倒を見るのが当たり前ですから」
確かに今、与えられている部屋は国王の住まう宮にある貴賓室。
破格の対応に戸惑う事がなかったとは言えない。
だが、王子の宮に入れば貴族たちが口にしていた「妃」という言葉により近い状態となってしまうのも事実。行動1つで転げ落ちる貴族は…もう見たくはないものだ。
「宮が窮屈だと言うのであれば、私の所有する別荘がある。王宮からもさほど距離はないしここにいるよりも街は近いからそちらの方が気兼ねせずに居て貰えるだろうか?」
「それでしたら、市井に家を借りてもわたくしは問題御座いませんが」
「それは出来ない。トルデリーゼ嬢。貴女は私の友人であり今はこのカドリア王国の客人なのだ。護衛も付けられないような場所にその身を置く事は許可できない。何より教育を受けるために面倒だろう?」
アルフォンスの申し出にトルデリーゼは宮ではなく別荘に間借りする事を決めた。だが、この決断は大きな間違いだった事を知る事になるとは思いもしなかった。
別荘はアルフォンスの言葉通り王宮よりにあり、3階の窓からは街並みも良く見える位置にあった。アルフォンスが滞在をしていなくても人数は少なくても護衛の騎士は門から配置をされている。
この別荘に主が来ようが来まいが使用人も揃っていた。
「経費が掛かるのは同じだから、使ってくれるとありがたい」
社交辞令だと判っていても、その言葉があれば気も楽になる。
アルフォンスはそれまでの王宮内にいた頃よりも来る頻度は減ってしまうが出来る限り足を運ぶと告げて城に戻って行った。公務もあるアルフォンスをそれ以上付き合わせる事も出来ずトルデリーゼはアルフォンスを見送った。
そして、試練が始まったのだった。
王宮の食事と何ら変わる事無くテーブルいっぱいに並べられた皿。
何度アルフォンスに伝えても、状況は変わらず侍女が帰国してからは更に増えたのは気のせいではなかったが、ここの品数、そして一皿に対しての量はそれ以上だった。
トルデリーゼは1人で席に付く。
すると突然数人の使用人達が並べられた皿を回収し始めた。
ワインをグラスに注ぐ給仕ではなく、まるで食事が終わったかのように椅子に腰を下ろすトルデリーゼがカトラリーの側にあったナプキンに手をかけると片付けを始めてしまったのだ。
「何をなさっているのです?!」
驚いたトルデリーゼは身近にいた使用人の顔を見て問う。
「お召し上がりになるんですか?」
「えっ?」
「こんな料理なんか要らないと仰っていたと聞きましたが?」
大きな誤解を生みそうな発言をする使用人にトルデリーゼは平静を装って言った。
「こんな料理ではなく、量は多くなくていい。つまりはこんな「に」は要らないという事です。以前から第一王子殿下を通じ申し上げておりましたが出されたお食事の味に不満を述べた事は御座いません」
「でも要らないんですよね?要るんですか?」
座っているトルデリーゼは頭の上から降ってくる使用人の「二択」に溜息が出そうになった。
「判りました。結構です」
「ほら、要らないんじゃないですか。なら食事の用意をさせないでください。食材だって毎回毎回あなたの分だけどれだけ廃棄していたと思ってるんです?カドリア王国の民の血税なんですよ?」
「だから!それは――」
「はいはい。出ました第一王子殿下。いいですよね。貴女はそうやって誰かに言った言わないで事が済むんですから」
「では、申し上げますわ。今後、わたくしの食事は用意しないでください。少なくともそれで無駄になる食材も手間も無くなりますわ」
「えぇ、無くなりますね。ついでに私達の仕事も無くなります。これで満足ですか?」
どうすればいいと言うのか。トルデリーゼは言葉に詰まってしまった。
食材を捨てられるくらいなら作って貰わない方がずっといい。だがそうすれば彼らは仕事を失う。
「私の分として調理し、あなた方が召し上がってくださいませ。それならば食材も無駄になりませんし、職を失う事もないでしょう。では失礼を致しますわ」
憤る気持ちを抑えながらトルデリーゼは部屋に戻って行った。
だが、部屋に戻ると侍女のリゼルがクローゼットの前で茫然と立っていた。
クローゼットの中は足の踏み場もないほどに、持ってきた服が木箱やトランクから引っ張り出されて、放られ小高い山となっていた。
放り投げた拍子に留め具が外れたのだろう。母や姉に買ってもらった宝飾品もそこかしこに散らばっていた。散らばるだけではなく、チェーンが切れたネックレスからは細い糸に通した丸い石もあちこちに飛び散っている有り様。
リゼルは食事の後、トランクの中を整理しようとクローゼットの扉を開けたらこうなっていたという。
リゼルが食事を終えている事だけも僥倖だ。
そう思いながらトルデリーゼは呼び鈴を引いた。
リゼル以外のカドリア王国の使用人がその音で部屋にやって来るのだ。
だが、数回呼び鈴を鳴らすも部屋を訪れるものは誰一人いなかった。
「困ったわね…誰も来ないわ。これではアルフォンス殿下に取り次いでもらえないわ」
客人扱いと言えど、言ってみれば他家で。
順序としては先ず、宮の管理者であるアルフォンスに取り次いでもらわねばならない。
何度ならしても誰も訪れない部屋。
トルデリーゼは先ほどの食堂の対応も思い浮かべ途方に暮れた。
☆~☆
同じ頃、アルフォンスは壁に張り付くヤモリのようになっていた。
目線は壁にある小さな穴。
壁を隔てたトルデリーゼの部屋には絵画が掛けられている。
「覗き穴」から中の様子を食い入るように見ているのだ。
――あぁ、困っている。もっと…もっと足掻いてくれ――
壁の向こうでトルデリーゼが困った顔をするたびに顔が脂下がる。
手にしているのはトルデリーゼの下着。
裏返しにした下着を壊れ物のように大事に頬に擦り、目一杯空気を吸い込む。
――堪らないな――
その下着で体を撫でまわし、体をくねらせながらアルフォンスは壁に寄りかかり見悶える。トルデリーゼの怒りが最高潮になるのを待っているのだ。
――君なら別荘を選ぶと思っていたよ――
そしてポケットから1枚の紙を取り出した。
かの日、カドリア王国へは友人として…と確約した書類である。
小さく千切り、口の中に入れると飲み込んでいく。
全てを腹の中に入れた後はもうそんな確約を証明するものは何一つないとほくそ笑んだ。
アルフォンスはこの日を待っていた。
使用人達は全てトルデリーゼが来る事で収益が減ったり痛手を食らう家から選び出した「逸材」ばかり。本来の雇い主である公爵家はトルデリーゼの事を煩わしく思っている。職を失うかも知れない使用人達も当然良い感情は持ち合わせていない。
アルフォンスは従者を使い、彼らに答えの出ない問答を繰り返すよう言い含めた。指示のままに動く者達は物事の上辺しか知らない。「関税を撤廃する代償がトルデリーゼの滞在」だと肝心な部分が端折られた認識しかない。
トルデリーゼを怒らせ、四面楚歌にする事でトルデリーゼは文句を言いながらも頼る者はアルフォンスしかいないという状況を作り出した。
帰国する侍女達には「手厚い持て成し」とトルデリーゼ自身に手紙を書かせる。そんな手紙を受け取ったマルス子爵が待遇を疑う事はない。
国元との距離があるのがトルデリーゼには圧倒的なビハインド。
アルフォンスはそれを利用し先ずトルデリーゼを孤立させ、国内でも徐々に追い詰めていく。
――窮地に追い込まれた者の凄まじい怒りを私にぶつけてくれ――
覗き穴から見える様子にアルフォンスは益々心を躍らせた。
ジュリアスがトルデリーゼを妻に迎えたいと可愛いお願いをされたと言うものだった。
トルデリーゼにしてみれば、姉の子供たちが「パパのお嫁さんになる」「ママと結婚する」という可愛い仕草とさほど変わらないものだと言う認識だったが、隣にいたアルフォンスは違った。
険しい顔をして「まさか聞き入れたのではないな?」と両陛下に念を押したのだ。
「子供の言う事だ。そんなに真に受けるものでもあるまい」
「父上、それが普通の子ならそれでもいいでしょうが、ジュリアスですよ!」
「何をイキり立っているのだ。まだ8歳の弟だぞ?」
「年齢は関係ありません。今すぐに撤回を」
アルフォンスの勢いに押されながらも母である王妃はそれを笑い飛ばした。
「お前がトルデリーゼさんを口説き落としていればジュリアスも諦めはつけただろうにの?ねぇ、トルデリーゼさん?貴女もそう思わない?」
「いえ、わたくしは殿下の友人ですので。ご心配になるような関係では御座いません。ですが滞在中はジュリアス殿下の学びは陰ながら支えたいと思っております」
「あら?いいの?アルフォンス。王子教育が終わる頃でも今のアルフォンスより若い年齢。十分にジュリアスにも可能性はあるという事ね。楽しみにしておくわ」
「王妃殿下、それだけの時間があればジュリアス殿下も同じ年齢のご令嬢とも触れ合う機会は増えますし、可能性としてでもわたくしを含めないようお願いいたします」
「いいのよ?男ばかりの3人。誰も浮いた話もないんだもの」
にこやかな国王夫妻とは真逆に隣のアルフォンスの歯ぎしりをトルデリーゼは聞き逃さなかった。
「トルデリーゼ嬢。貴女の住まいは私の宮に」
「何故です?」
「ジュリアスとて男。心配なのです。それに貴女は私の客人だ。私の宮で全ての面倒を見るのが当たり前ですから」
確かに今、与えられている部屋は国王の住まう宮にある貴賓室。
破格の対応に戸惑う事がなかったとは言えない。
だが、王子の宮に入れば貴族たちが口にしていた「妃」という言葉により近い状態となってしまうのも事実。行動1つで転げ落ちる貴族は…もう見たくはないものだ。
「宮が窮屈だと言うのであれば、私の所有する別荘がある。王宮からもさほど距離はないしここにいるよりも街は近いからそちらの方が気兼ねせずに居て貰えるだろうか?」
「それでしたら、市井に家を借りてもわたくしは問題御座いませんが」
「それは出来ない。トルデリーゼ嬢。貴女は私の友人であり今はこのカドリア王国の客人なのだ。護衛も付けられないような場所にその身を置く事は許可できない。何より教育を受けるために面倒だろう?」
アルフォンスの申し出にトルデリーゼは宮ではなく別荘に間借りする事を決めた。だが、この決断は大きな間違いだった事を知る事になるとは思いもしなかった。
別荘はアルフォンスの言葉通り王宮よりにあり、3階の窓からは街並みも良く見える位置にあった。アルフォンスが滞在をしていなくても人数は少なくても護衛の騎士は門から配置をされている。
この別荘に主が来ようが来まいが使用人も揃っていた。
「経費が掛かるのは同じだから、使ってくれるとありがたい」
社交辞令だと判っていても、その言葉があれば気も楽になる。
アルフォンスはそれまでの王宮内にいた頃よりも来る頻度は減ってしまうが出来る限り足を運ぶと告げて城に戻って行った。公務もあるアルフォンスをそれ以上付き合わせる事も出来ずトルデリーゼはアルフォンスを見送った。
そして、試練が始まったのだった。
王宮の食事と何ら変わる事無くテーブルいっぱいに並べられた皿。
何度アルフォンスに伝えても、状況は変わらず侍女が帰国してからは更に増えたのは気のせいではなかったが、ここの品数、そして一皿に対しての量はそれ以上だった。
トルデリーゼは1人で席に付く。
すると突然数人の使用人達が並べられた皿を回収し始めた。
ワインをグラスに注ぐ給仕ではなく、まるで食事が終わったかのように椅子に腰を下ろすトルデリーゼがカトラリーの側にあったナプキンに手をかけると片付けを始めてしまったのだ。
「何をなさっているのです?!」
驚いたトルデリーゼは身近にいた使用人の顔を見て問う。
「お召し上がりになるんですか?」
「えっ?」
「こんな料理なんか要らないと仰っていたと聞きましたが?」
大きな誤解を生みそうな発言をする使用人にトルデリーゼは平静を装って言った。
「こんな料理ではなく、量は多くなくていい。つまりはこんな「に」は要らないという事です。以前から第一王子殿下を通じ申し上げておりましたが出されたお食事の味に不満を述べた事は御座いません」
「でも要らないんですよね?要るんですか?」
座っているトルデリーゼは頭の上から降ってくる使用人の「二択」に溜息が出そうになった。
「判りました。結構です」
「ほら、要らないんじゃないですか。なら食事の用意をさせないでください。食材だって毎回毎回あなたの分だけどれだけ廃棄していたと思ってるんです?カドリア王国の民の血税なんですよ?」
「だから!それは――」
「はいはい。出ました第一王子殿下。いいですよね。貴女はそうやって誰かに言った言わないで事が済むんですから」
「では、申し上げますわ。今後、わたくしの食事は用意しないでください。少なくともそれで無駄になる食材も手間も無くなりますわ」
「えぇ、無くなりますね。ついでに私達の仕事も無くなります。これで満足ですか?」
どうすればいいと言うのか。トルデリーゼは言葉に詰まってしまった。
食材を捨てられるくらいなら作って貰わない方がずっといい。だがそうすれば彼らは仕事を失う。
「私の分として調理し、あなた方が召し上がってくださいませ。それならば食材も無駄になりませんし、職を失う事もないでしょう。では失礼を致しますわ」
憤る気持ちを抑えながらトルデリーゼは部屋に戻って行った。
だが、部屋に戻ると侍女のリゼルがクローゼットの前で茫然と立っていた。
クローゼットの中は足の踏み場もないほどに、持ってきた服が木箱やトランクから引っ張り出されて、放られ小高い山となっていた。
放り投げた拍子に留め具が外れたのだろう。母や姉に買ってもらった宝飾品もそこかしこに散らばっていた。散らばるだけではなく、チェーンが切れたネックレスからは細い糸に通した丸い石もあちこちに飛び散っている有り様。
リゼルは食事の後、トランクの中を整理しようとクローゼットの扉を開けたらこうなっていたという。
リゼルが食事を終えている事だけも僥倖だ。
そう思いながらトルデリーゼは呼び鈴を引いた。
リゼル以外のカドリア王国の使用人がその音で部屋にやって来るのだ。
だが、数回呼び鈴を鳴らすも部屋を訪れるものは誰一人いなかった。
「困ったわね…誰も来ないわ。これではアルフォンス殿下に取り次いでもらえないわ」
客人扱いと言えど、言ってみれば他家で。
順序としては先ず、宮の管理者であるアルフォンスに取り次いでもらわねばならない。
何度ならしても誰も訪れない部屋。
トルデリーゼは先ほどの食堂の対応も思い浮かべ途方に暮れた。
☆~☆
同じ頃、アルフォンスは壁に張り付くヤモリのようになっていた。
目線は壁にある小さな穴。
壁を隔てたトルデリーゼの部屋には絵画が掛けられている。
「覗き穴」から中の様子を食い入るように見ているのだ。
――あぁ、困っている。もっと…もっと足掻いてくれ――
壁の向こうでトルデリーゼが困った顔をするたびに顔が脂下がる。
手にしているのはトルデリーゼの下着。
裏返しにした下着を壊れ物のように大事に頬に擦り、目一杯空気を吸い込む。
――堪らないな――
その下着で体を撫でまわし、体をくねらせながらアルフォンスは壁に寄りかかり見悶える。トルデリーゼの怒りが最高潮になるのを待っているのだ。
――君なら別荘を選ぶと思っていたよ――
そしてポケットから1枚の紙を取り出した。
かの日、カドリア王国へは友人として…と確約した書類である。
小さく千切り、口の中に入れると飲み込んでいく。
全てを腹の中に入れた後はもうそんな確約を証明するものは何一つないとほくそ笑んだ。
アルフォンスはこの日を待っていた。
使用人達は全てトルデリーゼが来る事で収益が減ったり痛手を食らう家から選び出した「逸材」ばかり。本来の雇い主である公爵家はトルデリーゼの事を煩わしく思っている。職を失うかも知れない使用人達も当然良い感情は持ち合わせていない。
アルフォンスは従者を使い、彼らに答えの出ない問答を繰り返すよう言い含めた。指示のままに動く者達は物事の上辺しか知らない。「関税を撤廃する代償がトルデリーゼの滞在」だと肝心な部分が端折られた認識しかない。
トルデリーゼを怒らせ、四面楚歌にする事でトルデリーゼは文句を言いながらも頼る者はアルフォンスしかいないという状況を作り出した。
帰国する侍女達には「手厚い持て成し」とトルデリーゼ自身に手紙を書かせる。そんな手紙を受け取ったマルス子爵が待遇を疑う事はない。
国元との距離があるのがトルデリーゼには圧倒的なビハインド。
アルフォンスはそれを利用し先ずトルデリーゼを孤立させ、国内でも徐々に追い詰めていく。
――窮地に追い込まれた者の凄まじい怒りを私にぶつけてくれ――
覗き穴から見える様子にアルフォンスは益々心を躍らせた。
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