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VOL:25 バークレイの出自
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「あぁっ!どうしよう!!」
バークレイが去った後、シャロットはとんでもないことをしてしまったと寝台に突っ伏した。穴があったら入りたいとはこの事で余りの恥ずかしさにいい加減顔が熱いのに掛布で隠しておかないと侍女たちにも知られてしまいそうな気がして恥ずかしさが爆発していた。
「殿方の腕ってあんなに固くて大きくて…柔らかいのっ?!」
矛盾をしているのは解っているが、バークレイの腕は大きくて筋肉質。固さの中に柔さもあってついでに温もりを思い出すとシャロットの頬はボッ!!さらに火が付いたように熱くなる。
「熱量マシマシっ!!追いソースならぬ追い熱だわっ。誰にも見られなくて良かった!!」
好きだと意識をすると、さらに胸の奥まで燃え盛る炎よりも熱くなってしまって掛布の中で黒焦げになってしまいそうだった。
☆~☆
世の中、見られていないのは思うのは自分だけだったりする事は意外に多い。
シャロットの誰にも見られていないであろう秘密だが、中庭を挟んで向かいは兄の部屋。
丁度兄の婚約者が来年に迫った結婚式に呼ぶ参列者の名簿を持ってきて打ち合わせ中だったようで、ばっちりと目撃されてしまっていた。
「あら?ロッティたら。積極的ね」
先に見つけたのは兄の婚約者。
「なにが?」と兄が窓の外を覗くと、先ず見えたのはバークレイの背中。それに近寄るシャロット。そして兄の目にはシャロットとバークレイがキスをしているようにしか見えなかった。
更にいきなりバークレイがシャロットを抱きしめて何やらゴソゴソ。
「お嬢様…道ならぬ恋をされていたのね」
側付き侍女の言葉にシャロットの兄は「ハッ!!こうしてはいられない!」と婚約者に「すぐ戻る」と言い残しパルプ伯爵の部屋に駆け込んでいった。
「ふむ?いいんじゃないかな?」
「いいんですか?私兵ですよ?」
「問題ない。バークレイは5年前まで警備隊に所属をしていたが、その前は近衛兵だったんだ」
「近衛兵?!え?…ちょっと待ってくださいよ?近衛兵って高位貴族の?」
「まぁ…高位貴族と言うか…お前には話しておこう」
パルプ伯爵はシャロット兄にバークレイを私兵として雇い入れた経緯を話して聞かせた。
「バークレイは先代の王弟殿下の庶子だ」
「先代の?あり得ません!品行方正の言葉通りの人でっ!!男色家だったではないですか!」
「そっちの王弟殿下ではない。もう1人の方だ」
「もう一人…あっ!あの動物学者の?」
バークレイの父親は先代王弟の1人。学者肌で王子の務めよりも学問を愛した男で既に亡くなっているが婚姻歴はない。政務などを補佐する王弟には1つ上の次兄が就いたので自由度は高かったが、功績が1つあった。
それまでになかった血清を薬として開発し、世に広めたのである。
しかしそれさえも国王となった長兄の手柄にしてくれと頼んだのでバークレイの父親が本当の功績者であることは記録にも残っていない。
「バークレイの母親は殿下の研究を補助する女性だったんだ。貧しい伯爵家の4女で編み物くらいしか取り柄もなく家庭教師も付けていなかった事から嫁ぎ先もなく、変わり者の殿下の元に奉公に出て身籠ったんだ」
「じゃ、じゃぁバークレイは王族?!」
「正式には認められていない。殿下には婚姻歴はないのだから妻ではない女性を孕ませたなんてスキャンダルになってしまうからね。私も伯爵家を継いで直ぐの頃だったんだが殿下に腹に子がいる事を知られたバークレイの母親は居なくなってしまったんだよ」
当時、国防大臣の副官をしていたのが先代パルプ伯爵。シャロットの祖父でシャロットの父親はその補佐をしている関係で事実を知らされていた。
実家にも戻らず、バークレイの母親は1人でバークレイを産んで育てているところを8年後に発見をされた。
表にあまり出る事の無かった王子だったし、側妃の子だったので王家を示す色を持たなかったバークレイを見つけるのに時間がかかってしまった。
その後、母子は代替わりで王妃となった現王妃の実家に身を寄せ、バークレイは剣の腕を磨き近衛兵として務めた。近衛兵になれたのは実力もあるのだが、管理、監視する目的もあった。
秘匿されているとはいえバークレイは間違いなく王族なので手元に置いておくのが一番だったからである。
しかし近衛隊は高位貴族の子息が就くのが当然でバークレイは陰湿ないじめにあってしまった。
実は…と事実をあかせば身は守れただろうが明かす事も出来ず、第2騎士団の団長が市中を警備する警備隊にバークレイを配置換えした。
バークレイ自身は問題を起こすことはなかったけれど、近衛隊から流れてきたとなれば妬みや嫉妬、そして都落ちのような扱いをされてしまった。
もう警備隊にも置いておけず、相談をされたパルプ伯爵がバークレイを私兵として雇い入れたのである。
「バークレイの気持ち次第だが、シャロットを嫁がせても問題はないだろう」
「それはどういう?まさか王家に恩を売るとか?」
シャロットの兄はまた別の問題が起こりそうな気がした。
バークレイが去った後、シャロットはとんでもないことをしてしまったと寝台に突っ伏した。穴があったら入りたいとはこの事で余りの恥ずかしさにいい加減顔が熱いのに掛布で隠しておかないと侍女たちにも知られてしまいそうな気がして恥ずかしさが爆発していた。
「殿方の腕ってあんなに固くて大きくて…柔らかいのっ?!」
矛盾をしているのは解っているが、バークレイの腕は大きくて筋肉質。固さの中に柔さもあってついでに温もりを思い出すとシャロットの頬はボッ!!さらに火が付いたように熱くなる。
「熱量マシマシっ!!追いソースならぬ追い熱だわっ。誰にも見られなくて良かった!!」
好きだと意識をすると、さらに胸の奥まで燃え盛る炎よりも熱くなってしまって掛布の中で黒焦げになってしまいそうだった。
☆~☆
世の中、見られていないのは思うのは自分だけだったりする事は意外に多い。
シャロットの誰にも見られていないであろう秘密だが、中庭を挟んで向かいは兄の部屋。
丁度兄の婚約者が来年に迫った結婚式に呼ぶ参列者の名簿を持ってきて打ち合わせ中だったようで、ばっちりと目撃されてしまっていた。
「あら?ロッティたら。積極的ね」
先に見つけたのは兄の婚約者。
「なにが?」と兄が窓の外を覗くと、先ず見えたのはバークレイの背中。それに近寄るシャロット。そして兄の目にはシャロットとバークレイがキスをしているようにしか見えなかった。
更にいきなりバークレイがシャロットを抱きしめて何やらゴソゴソ。
「お嬢様…道ならぬ恋をされていたのね」
側付き侍女の言葉にシャロットの兄は「ハッ!!こうしてはいられない!」と婚約者に「すぐ戻る」と言い残しパルプ伯爵の部屋に駆け込んでいった。
「ふむ?いいんじゃないかな?」
「いいんですか?私兵ですよ?」
「問題ない。バークレイは5年前まで警備隊に所属をしていたが、その前は近衛兵だったんだ」
「近衛兵?!え?…ちょっと待ってくださいよ?近衛兵って高位貴族の?」
「まぁ…高位貴族と言うか…お前には話しておこう」
パルプ伯爵はシャロット兄にバークレイを私兵として雇い入れた経緯を話して聞かせた。
「バークレイは先代の王弟殿下の庶子だ」
「先代の?あり得ません!品行方正の言葉通りの人でっ!!男色家だったではないですか!」
「そっちの王弟殿下ではない。もう1人の方だ」
「もう一人…あっ!あの動物学者の?」
バークレイの父親は先代王弟の1人。学者肌で王子の務めよりも学問を愛した男で既に亡くなっているが婚姻歴はない。政務などを補佐する王弟には1つ上の次兄が就いたので自由度は高かったが、功績が1つあった。
それまでになかった血清を薬として開発し、世に広めたのである。
しかしそれさえも国王となった長兄の手柄にしてくれと頼んだのでバークレイの父親が本当の功績者であることは記録にも残っていない。
「バークレイの母親は殿下の研究を補助する女性だったんだ。貧しい伯爵家の4女で編み物くらいしか取り柄もなく家庭教師も付けていなかった事から嫁ぎ先もなく、変わり者の殿下の元に奉公に出て身籠ったんだ」
「じゃ、じゃぁバークレイは王族?!」
「正式には認められていない。殿下には婚姻歴はないのだから妻ではない女性を孕ませたなんてスキャンダルになってしまうからね。私も伯爵家を継いで直ぐの頃だったんだが殿下に腹に子がいる事を知られたバークレイの母親は居なくなってしまったんだよ」
当時、国防大臣の副官をしていたのが先代パルプ伯爵。シャロットの祖父でシャロットの父親はその補佐をしている関係で事実を知らされていた。
実家にも戻らず、バークレイの母親は1人でバークレイを産んで育てているところを8年後に発見をされた。
表にあまり出る事の無かった王子だったし、側妃の子だったので王家を示す色を持たなかったバークレイを見つけるのに時間がかかってしまった。
その後、母子は代替わりで王妃となった現王妃の実家に身を寄せ、バークレイは剣の腕を磨き近衛兵として務めた。近衛兵になれたのは実力もあるのだが、管理、監視する目的もあった。
秘匿されているとはいえバークレイは間違いなく王族なので手元に置いておくのが一番だったからである。
しかし近衛隊は高位貴族の子息が就くのが当然でバークレイは陰湿ないじめにあってしまった。
実は…と事実をあかせば身は守れただろうが明かす事も出来ず、第2騎士団の団長が市中を警備する警備隊にバークレイを配置換えした。
バークレイ自身は問題を起こすことはなかったけれど、近衛隊から流れてきたとなれば妬みや嫉妬、そして都落ちのような扱いをされてしまった。
もう警備隊にも置いておけず、相談をされたパルプ伯爵がバークレイを私兵として雇い入れたのである。
「バークレイの気持ち次第だが、シャロットを嫁がせても問題はないだろう」
「それはどういう?まさか王家に恩を売るとか?」
シャロットの兄はまた別の問題が起こりそうな気がした。
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