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A.D.
歌聖
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「ついたね。」
睦さんと私はタクシーから降りて、桜さんがいるホテルの部屋を見るように顔を上げた。
睦「俺は駒友の桜を助けるために来たからカイロは捨てるかも。」
奏乃「…奏乃です。」
睦「使い捨てじゃなかったら覚えてあげる。」
そう言った睦さんは私の前を歩き、エレベーターに乗って桜さんがいる部屋の階に着くと私のベルトに挟まっている水鉄砲を突いた。
睦「死んだら頂戴。」
奏乃「世月くんが私にくれたんです。欲しかったら自分で頼んでください。」
どこまでも自分中心の睦さんに私は少し呆れながらも、足音を立てずに部屋の前に行き耶月さんの知り合いというフロントマンから貰ったカードキーを取り出す。
睦「何を見ても平常心。」
奏乃「…はい。」
私は今も平常心を持てずにいたけれど、桜さんを助けるためにカードキーで扉を開けて最上階にある1番間取りが多いスイートルームに入る。
けれど、物音は私と睦さんが時たま出す服の擦れる音くらいで部屋に誰もいないような空気感を肌で感じ、ずっと腰にある水鉄砲に置いていた手を離すと遠くからなにかが軋む音がした。
すると、睦さんはその音がした方に音を全く出さずに駆け出し、唯一扉が閉められていたベッドルームで足を止めた。
睦「いる。」
と、睦さんは一定のリズムで軋む音が聞こえるのを確認し、息で私に人の存在を教えてくれる。
私は意を決して扉を開けると、そこには椅子の上に座らされた桜さんが赤い雫と頭を垂らし、口をだらしなく開けて意識が朦朧としてるまま、裸の女に犯されていた。
「…あれ、はやぁいぃ。」
と、寝言のように吐息を漏らす桜さんの上で腰を振っている女が舌のピアスを私に見せびらかすと、それで桜さんの首を舐め上げた。
「だれー…?」
別の女が桜さんと女の股の間から生まれるように顔を出すと、私と目を合わせた瞬間に顔の筋肉を全て緩ませるようにだらしない笑顔を作り、腰を振る女に抱きついてその女のお尻にキスをし始めた。
睦「お前らが誰だよ。手ェ出したのはそっちなんだからお前らから名乗れ。」
と、睦さんはこのおかしな状況なのにも関わらず、私の前でまともなことを初めて言った。
「日和の紫花。」
「と、陽花。」
「「お前の男を盗りにきた。」」
2人は私の目を見て微笑むように目元を歪ませて私の桜さんを自分たちの物にするという意思を見せてきた。
睦「お前らなぁ…、盗っても壊したらダメだろ…。」
と、睦さんは自分のシャツを脱ぐと引き裂いて桜さんの頭から流れる血を止めるように巻きつけた。
陽花「お前もそいつの男なの?」
紫花という女の腰に抱きついていた陽花は半裸の睦さんの余分な肉がついていない筋肉質な体を見て目を輝かせる。
睦「俺は別の男のもんだよ。こいつもそうだから返せ。」
睦さんは頭がおかしい人たちと言葉で解決しようとしてるらしく、落ち着いた声と表情で桜さんの容態を見るために指先2つで脈を測り始めた。
紫花「…え?聞いてた話と違うんだけど。」
と、桜さんの上で腰を振っていた女がやっと動きを止めた。
睦「……どんな話?」
紫花「この女と一緒にいる男を嬲っていいって。」
睦「それは誰に言われたの?」
自然に言葉を吐かせる睦さんはジャケットに入れていた200mlの水筒を取り出し、ガーゼに浸すとずっと半開きで乾いてしまった桜さんの舌に置き水分補給をさせた。
紫花「ゆかりにもちょーだいっ。」
睦「名前と交換だよ。」
睦さんは至って冷静に言葉を並べるけれど、桜さんの息がだんだんと浅くなっていくのに焦っているのか少し顔を変えた。
紫花「えーっと、名前なんだっけ。」
と、女が背後にいる女に聞くと2人して首を傾げる。
睦「…名前も知らない奴に言われたことやったのか?」
紫花「ちょっとした気分転換にどう?って。」
陽花「そうだった。もっと気分高揚させないと。」
そう言って女がそばにあったポーチを音を立てて漁り始めると、桜さんが鈍い動きで暴れ始めた。
桜「も…ぉ、ぅりぃ…っ。やぇて…ぇ…。」
陽花「だいじょーぶ、ぶ、ぶぅ。あと、3本で飛んじゃうらしいから紫花の分はこれで最後。」
と、女はポーチから小さい注射を出すと容器を弾いて空気を取り除き始めた。
紫花「早くぅ、早くっ。」
陽花「だったら腰浮かせてよ。」
桜「…や…ぁっ。」
睦「おい、辞めろ。」
睦さんが一歩踏み出しと同時に私はその場から飛んで注射針を桜さんに入れようとしている女の頬に銃口を押し付ける。
陽花「可愛いね。それで脅せてると思ってるの?」
桜「…っあ!!」
と、桜さんが大きくてはっきりした叫び声をあげたので女の手元に視線を落とすと桜さんの急所に針が刺さってしまっていた。
紫花「かたぁ…いっ。ビクビクしてる…っ。」
陽花「薬はまだ入れてないけど、あんたはそれでなにするの?」
女は私のクリアアクアの水鉄砲を横目で見下ろし、私を試すように挑発してきた。
奏乃「制裁。」
私は世月くんが新しく追加したという安全バーを引き、女から断末魔を上げさせた。
環流 虹向/UNDEAD・L・L・IVE
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睦「俺は駒友の桜を助けるために来たからカイロは捨てるかも。」
奏乃「…奏乃です。」
睦「使い捨てじゃなかったら覚えてあげる。」
そう言った睦さんは私の前を歩き、エレベーターに乗って桜さんがいる部屋の階に着くと私のベルトに挟まっている水鉄砲を突いた。
睦「死んだら頂戴。」
奏乃「世月くんが私にくれたんです。欲しかったら自分で頼んでください。」
どこまでも自分中心の睦さんに私は少し呆れながらも、足音を立てずに部屋の前に行き耶月さんの知り合いというフロントマンから貰ったカードキーを取り出す。
睦「何を見ても平常心。」
奏乃「…はい。」
私は今も平常心を持てずにいたけれど、桜さんを助けるためにカードキーで扉を開けて最上階にある1番間取りが多いスイートルームに入る。
けれど、物音は私と睦さんが時たま出す服の擦れる音くらいで部屋に誰もいないような空気感を肌で感じ、ずっと腰にある水鉄砲に置いていた手を離すと遠くからなにかが軋む音がした。
すると、睦さんはその音がした方に音を全く出さずに駆け出し、唯一扉が閉められていたベッドルームで足を止めた。
睦「いる。」
と、睦さんは一定のリズムで軋む音が聞こえるのを確認し、息で私に人の存在を教えてくれる。
私は意を決して扉を開けると、そこには椅子の上に座らされた桜さんが赤い雫と頭を垂らし、口をだらしなく開けて意識が朦朧としてるまま、裸の女に犯されていた。
「…あれ、はやぁいぃ。」
と、寝言のように吐息を漏らす桜さんの上で腰を振っている女が舌のピアスを私に見せびらかすと、それで桜さんの首を舐め上げた。
「だれー…?」
別の女が桜さんと女の股の間から生まれるように顔を出すと、私と目を合わせた瞬間に顔の筋肉を全て緩ませるようにだらしない笑顔を作り、腰を振る女に抱きついてその女のお尻にキスをし始めた。
睦「お前らが誰だよ。手ェ出したのはそっちなんだからお前らから名乗れ。」
と、睦さんはこのおかしな状況なのにも関わらず、私の前でまともなことを初めて言った。
「日和の紫花。」
「と、陽花。」
「「お前の男を盗りにきた。」」
2人は私の目を見て微笑むように目元を歪ませて私の桜さんを自分たちの物にするという意思を見せてきた。
睦「お前らなぁ…、盗っても壊したらダメだろ…。」
と、睦さんは自分のシャツを脱ぐと引き裂いて桜さんの頭から流れる血を止めるように巻きつけた。
陽花「お前もそいつの男なの?」
紫花という女の腰に抱きついていた陽花は半裸の睦さんの余分な肉がついていない筋肉質な体を見て目を輝かせる。
睦「俺は別の男のもんだよ。こいつもそうだから返せ。」
睦さんは頭がおかしい人たちと言葉で解決しようとしてるらしく、落ち着いた声と表情で桜さんの容態を見るために指先2つで脈を測り始めた。
紫花「…え?聞いてた話と違うんだけど。」
と、桜さんの上で腰を振っていた女がやっと動きを止めた。
睦「……どんな話?」
紫花「この女と一緒にいる男を嬲っていいって。」
睦「それは誰に言われたの?」
自然に言葉を吐かせる睦さんはジャケットに入れていた200mlの水筒を取り出し、ガーゼに浸すとずっと半開きで乾いてしまった桜さんの舌に置き水分補給をさせた。
紫花「ゆかりにもちょーだいっ。」
睦「名前と交換だよ。」
睦さんは至って冷静に言葉を並べるけれど、桜さんの息がだんだんと浅くなっていくのに焦っているのか少し顔を変えた。
紫花「えーっと、名前なんだっけ。」
と、女が背後にいる女に聞くと2人して首を傾げる。
睦「…名前も知らない奴に言われたことやったのか?」
紫花「ちょっとした気分転換にどう?って。」
陽花「そうだった。もっと気分高揚させないと。」
そう言って女がそばにあったポーチを音を立てて漁り始めると、桜さんが鈍い動きで暴れ始めた。
桜「も…ぉ、ぅりぃ…っ。やぇて…ぇ…。」
陽花「だいじょーぶ、ぶ、ぶぅ。あと、3本で飛んじゃうらしいから紫花の分はこれで最後。」
と、女はポーチから小さい注射を出すと容器を弾いて空気を取り除き始めた。
紫花「早くぅ、早くっ。」
陽花「だったら腰浮かせてよ。」
桜「…や…ぁっ。」
睦「おい、辞めろ。」
睦さんが一歩踏み出しと同時に私はその場から飛んで注射針を桜さんに入れようとしている女の頬に銃口を押し付ける。
陽花「可愛いね。それで脅せてると思ってるの?」
桜「…っあ!!」
と、桜さんが大きくてはっきりした叫び声をあげたので女の手元に視線を落とすと桜さんの急所に針が刺さってしまっていた。
紫花「かたぁ…いっ。ビクビクしてる…っ。」
陽花「薬はまだ入れてないけど、あんたはそれでなにするの?」
女は私のクリアアクアの水鉄砲を横目で見下ろし、私を試すように挑発してきた。
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