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MGR
あまちい助演
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…朝?
私は日差しが目を照らし続ける眩しさで起きると、1人で信之のベッドに寝ていた。
明人「今何時!?」
私は布団を被りながらテーブルに置いてあった携帯を取ろうとすると、その携帯はしっかりと充電ケーブルに繋いであり、その上に付箋が貼ってあった。
『MGR、先に行ってます。起きられたら9:30頃に来てください。』
と、丁寧だけれど川のように流れる達筆な字にまた信之を好きと思ってしまう。
私はその付箋を手で丁寧に取り、携帯で時間を確認してみると8:37と表記されていた。
時間を確認した私は髪を髪ゴムでまとめあげてマスクですっぴんを隠し、玄関の靴箱の上に置いてあったスペアキーで信之の家に鍵をかけ、自分の家に走って急いでMGRに向かう準備をする。
…私、2回目で意識失ってそのまま寝ちゃったけど、ブス顔を信之に晒してないかな。
そう心配しながら私は今日の顔を作り上げ、MGRに9:25に着くとすでに雨瑞くんがレジをしていた。
雨瑞「あー!さっちゃん、おかえり。モーニング終わっちゃうから急いで頼んで。」
明人「ただいま。すぐ頼むね。」
私は今日も空いていたあの席に座り、信之の背中を眺めていると信之が急にこちらを振り向き手にお水とおしぼりを持ってやってきた。
信之「おはよう。今日からのモーニングはこれがピカイチです。」
と、信之は私がメニュー表を開く前に自分でメニュー表を手に取り、新メニューのメカジキのソテーが入ったサンドイッチを指差した。
明人「おはよ。ピカイチサンドとホットティーお願いします。」
信之「はい。少々お待ちください。」
注文を受けた信之はまたあの時のように嬉しそうな笑顔をして、キッチンに戻っていった。
今日も今日とてオアシスさんは可愛いなぁと思っていると、注文をしたホットティーとニヤつき顔の雨瑞くんが私の前にやってきた。
雨瑞「…なになになに?さっちゃんとかーくんどうしたのー?」
明人「なんでもないけど。」
雨瑞「僕、聞いちゃったけど。」
早っ…。
信之は友達いないって言ってたけど、昨日の夜のことを喋れるならもうそれは友達だよ。
明人「付き合ってます。」
雨瑞「えぇええええ!?ほんとっ?」
と、雨瑞くんは口を押さえて私の言葉になぜかすごい驚いた。
明人「え?聞いたんじゃないの?」
雨瑞「昨日のクリスマスは楽しかったってかーくんから聞いただけだよ。付き合ってるのは聞いてない。」
やられた…。
私は思わず台パンをしそうになりかけて、その手で頬杖をつく。
明人「雨瑞くん、私の気持ち知ってたじゃん。だから焚きつけてくれたんじゃないの?」
雨瑞「なんのこと?」
明人「え?初めて喋った時とか、コンビニで呑み会誘ってくれたりしたじゃん。」
雨瑞「えー?あれはかーくんのためにって思ってやっただけだけど。」
明人「どういうこと?」
雨瑞「いいじゃんいいじゃん。結果的に付き合えたなら気にしなーいっ。」
と、雨瑞くんはレジに向かうお客さんを見つけてレジに行ってしまった。
…どういうことだったんだろう。
信之のためって…、え?
私は自分の自惚れが恥ずかしくなり、考えているのをやめると信之がだる着に着替えてサンドイッチが乗っている皿にスープカップを乗せたもの2つを持ってやってきた。
信之「お待たせ。」
明人「…ありがとう。」
私の隣に信之は座り、ピカイチサンドセットを私の目の前に置くと信之は100円を出して雨瑞くんにオレンジジュースを作らせる。
信之「頭痛くない?大丈夫?」
明人「大丈夫…、です。」
信之「敬語じゃなくていいよ。恋人同士なのに敬語って変じゃない…?」
と、信之は自分が年上なのを忘れて首を傾げる。
明人「信之は年上かなって思って。」
信之「29。明人は?」
明人「…24。」
思ってたよりも歳上で信之の肌の綺麗さに驚く私は癖になってしまったキッチンの方に目線を移すと、綺咲さんが目をまん丸にさせて口元を押さえながら私たちのことを見ていた。
そのリスみたいな行動に好きと思った私は軽く会釈すると、綺咲さんは私たちの元に恐る恐るやって来た。
綺咲「えっ…と、おふたりは…?」
信之「…あ、付き合うことになりました。ご報告遅れてすみません。」
綺咲「んんんーっ!やだぁっ、はれんち!」
と、顔を真っ赤にして嬉しそうにする綺咲さんは私の肩を軽く叩いてキッチンに戻っていった。
明人「綺咲さん、可愛すぎ。」
信之「明人の方が可愛いよ。休みなのにメイクしてくれたんだね。」
そう言って綺麗に巻けた私の髪の毛を撫でる信之の元にオレンジジュースを絞り終えた雨瑞くんがやって来た。
雨瑞「叶さんに同感っ!はれんちすけっちエッチの助!」
と、捨て台詞を吐いたかと思ったら雨瑞くんはそこに留まった。
信之「どうした?」
雨瑞「僕も付き合いたいぃ…。」
信之「邪魔な虫を追い払うなら自分の痕跡をつければいいんだよ。ね?明人。」
明人「あれは知らない間に…」
信之「昔のことだから。過去は気にしなくていいよ。」
と、信之は私の頭をそっと撫でて軽くキスをしてくれた。
雨瑞「あんなに奥手だったのに…。何がそうさせたんだ…。」
信之「薫のおかげ。俺もちゃんと手伝うから頑張れ。」
雨瑞「はーい…。」
信之が雨瑞くんの恋路を手伝うとしたらもう1人しかいないじゃん。
「あにばーさりぃっ♡」
と、キッチンからロウソク1本が刺さったミニケーキを嬉しそうに持ってきた綺咲さんが私と信之の間にそのケーキを置き、ロウソクにそっと火をつけた。
綺咲「うちのカステラとクリームで作ったケーキ。あり合わせになのはご愛嬌で。」
信之「ありがとうございます。」
明人「ありがとう、…ございます。」
私はお客さんが数人いる中、恥ずかしかったけれどころころとカットフルーツが乗った綺咲さんのサプライズケーキにあるロウソクの火を信之と一緒に吹き消す。
綺咲「甘酸っぱいってどんな味だっけー?」
雨瑞「それはアップルパイ。」
綺咲「え!これで分かったの?」
雨瑞「叶さんがよく歌ってるから検索して、よく聞いてます。」
綺咲「じゃあライブ一緒に行こっか!」
雨瑞「…え!いいんですか!?」
綺咲「うん!チケット取れたらの話だけどね。」
雨瑞「絶対取る!2人も手伝って!」
と、私たちに雨瑞くんは目を輝かせて頼んできた。
信之「もちろん。」
明人「うん。絶対ゲットしようね。」
私は密かに応援してくれていた雨瑞くんのためにも、綺咲さんが好きなバンドのチケットを取るために信之と一緒にチケット販売サイトでアカウント登録をしながら美味しい朝ごはんを食べた。
…………
朝・ピカイチサンドセット
綺咲さん、雨瑞くんありがとう。
付き合ってこうやってお祝いされたの初めてだから嬉しいな。
これからもまた信之とごはんたくさん食べられますように。
…………
環流 虹向/エンディングノート
私は日差しが目を照らし続ける眩しさで起きると、1人で信之のベッドに寝ていた。
明人「今何時!?」
私は布団を被りながらテーブルに置いてあった携帯を取ろうとすると、その携帯はしっかりと充電ケーブルに繋いであり、その上に付箋が貼ってあった。
『MGR、先に行ってます。起きられたら9:30頃に来てください。』
と、丁寧だけれど川のように流れる達筆な字にまた信之を好きと思ってしまう。
私はその付箋を手で丁寧に取り、携帯で時間を確認してみると8:37と表記されていた。
時間を確認した私は髪を髪ゴムでまとめあげてマスクですっぴんを隠し、玄関の靴箱の上に置いてあったスペアキーで信之の家に鍵をかけ、自分の家に走って急いでMGRに向かう準備をする。
…私、2回目で意識失ってそのまま寝ちゃったけど、ブス顔を信之に晒してないかな。
そう心配しながら私は今日の顔を作り上げ、MGRに9:25に着くとすでに雨瑞くんがレジをしていた。
雨瑞「あー!さっちゃん、おかえり。モーニング終わっちゃうから急いで頼んで。」
明人「ただいま。すぐ頼むね。」
私は今日も空いていたあの席に座り、信之の背中を眺めていると信之が急にこちらを振り向き手にお水とおしぼりを持ってやってきた。
信之「おはよう。今日からのモーニングはこれがピカイチです。」
と、信之は私がメニュー表を開く前に自分でメニュー表を手に取り、新メニューのメカジキのソテーが入ったサンドイッチを指差した。
明人「おはよ。ピカイチサンドとホットティーお願いします。」
信之「はい。少々お待ちください。」
注文を受けた信之はまたあの時のように嬉しそうな笑顔をして、キッチンに戻っていった。
今日も今日とてオアシスさんは可愛いなぁと思っていると、注文をしたホットティーとニヤつき顔の雨瑞くんが私の前にやってきた。
雨瑞「…なになになに?さっちゃんとかーくんどうしたのー?」
明人「なんでもないけど。」
雨瑞「僕、聞いちゃったけど。」
早っ…。
信之は友達いないって言ってたけど、昨日の夜のことを喋れるならもうそれは友達だよ。
明人「付き合ってます。」
雨瑞「えぇええええ!?ほんとっ?」
と、雨瑞くんは口を押さえて私の言葉になぜかすごい驚いた。
明人「え?聞いたんじゃないの?」
雨瑞「昨日のクリスマスは楽しかったってかーくんから聞いただけだよ。付き合ってるのは聞いてない。」
やられた…。
私は思わず台パンをしそうになりかけて、その手で頬杖をつく。
明人「雨瑞くん、私の気持ち知ってたじゃん。だから焚きつけてくれたんじゃないの?」
雨瑞「なんのこと?」
明人「え?初めて喋った時とか、コンビニで呑み会誘ってくれたりしたじゃん。」
雨瑞「えー?あれはかーくんのためにって思ってやっただけだけど。」
明人「どういうこと?」
雨瑞「いいじゃんいいじゃん。結果的に付き合えたなら気にしなーいっ。」
と、雨瑞くんはレジに向かうお客さんを見つけてレジに行ってしまった。
…どういうことだったんだろう。
信之のためって…、え?
私は自分の自惚れが恥ずかしくなり、考えているのをやめると信之がだる着に着替えてサンドイッチが乗っている皿にスープカップを乗せたもの2つを持ってやってきた。
信之「お待たせ。」
明人「…ありがとう。」
私の隣に信之は座り、ピカイチサンドセットを私の目の前に置くと信之は100円を出して雨瑞くんにオレンジジュースを作らせる。
信之「頭痛くない?大丈夫?」
明人「大丈夫…、です。」
信之「敬語じゃなくていいよ。恋人同士なのに敬語って変じゃない…?」
と、信之は自分が年上なのを忘れて首を傾げる。
明人「信之は年上かなって思って。」
信之「29。明人は?」
明人「…24。」
思ってたよりも歳上で信之の肌の綺麗さに驚く私は癖になってしまったキッチンの方に目線を移すと、綺咲さんが目をまん丸にさせて口元を押さえながら私たちのことを見ていた。
そのリスみたいな行動に好きと思った私は軽く会釈すると、綺咲さんは私たちの元に恐る恐るやって来た。
綺咲「えっ…と、おふたりは…?」
信之「…あ、付き合うことになりました。ご報告遅れてすみません。」
綺咲「んんんーっ!やだぁっ、はれんち!」
と、顔を真っ赤にして嬉しそうにする綺咲さんは私の肩を軽く叩いてキッチンに戻っていった。
明人「綺咲さん、可愛すぎ。」
信之「明人の方が可愛いよ。休みなのにメイクしてくれたんだね。」
そう言って綺麗に巻けた私の髪の毛を撫でる信之の元にオレンジジュースを絞り終えた雨瑞くんがやって来た。
雨瑞「叶さんに同感っ!はれんちすけっちエッチの助!」
と、捨て台詞を吐いたかと思ったら雨瑞くんはそこに留まった。
信之「どうした?」
雨瑞「僕も付き合いたいぃ…。」
信之「邪魔な虫を追い払うなら自分の痕跡をつければいいんだよ。ね?明人。」
明人「あれは知らない間に…」
信之「昔のことだから。過去は気にしなくていいよ。」
と、信之は私の頭をそっと撫でて軽くキスをしてくれた。
雨瑞「あんなに奥手だったのに…。何がそうさせたんだ…。」
信之「薫のおかげ。俺もちゃんと手伝うから頑張れ。」
雨瑞「はーい…。」
信之が雨瑞くんの恋路を手伝うとしたらもう1人しかいないじゃん。
「あにばーさりぃっ♡」
と、キッチンからロウソク1本が刺さったミニケーキを嬉しそうに持ってきた綺咲さんが私と信之の間にそのケーキを置き、ロウソクにそっと火をつけた。
綺咲「うちのカステラとクリームで作ったケーキ。あり合わせになのはご愛嬌で。」
信之「ありがとうございます。」
明人「ありがとう、…ございます。」
私はお客さんが数人いる中、恥ずかしかったけれどころころとカットフルーツが乗った綺咲さんのサプライズケーキにあるロウソクの火を信之と一緒に吹き消す。
綺咲「甘酸っぱいってどんな味だっけー?」
雨瑞「それはアップルパイ。」
綺咲「え!これで分かったの?」
雨瑞「叶さんがよく歌ってるから検索して、よく聞いてます。」
綺咲「じゃあライブ一緒に行こっか!」
雨瑞「…え!いいんですか!?」
綺咲「うん!チケット取れたらの話だけどね。」
雨瑞「絶対取る!2人も手伝って!」
と、私たちに雨瑞くんは目を輝かせて頼んできた。
信之「もちろん。」
明人「うん。絶対ゲットしようね。」
私は密かに応援してくれていた雨瑞くんのためにも、綺咲さんが好きなバンドのチケットを取るために信之と一緒にチケット販売サイトでアカウント登録をしながら美味しい朝ごはんを食べた。
…………
朝・ピカイチサンドセット
綺咲さん、雨瑞くんありがとう。
付き合ってこうやってお祝いされたの初めてだから嬉しいな。
これからもまた信之とごはんたくさん食べられますように。
…………
環流 虹向/エンディングノート
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